2017年度以降導入予定の奨学金制度…所得水準に応じて返還額を決定

 国が導入を予定している「所得連動返済型奨学金制度」の概要が明らかになった。2017年度以降に導入される新制度では、大学卒業後の所得水準に応じて毎年の返還額を決めることになる。

教育・受験 学校・塾・予備校
将来的な「所得連動返済型奨学金」のイメージ
  • 将来的な「所得連動返済型奨学金」のイメージ
  • 現行の「所得連動返還型無利子奨学金制度」(日本学生支援機構)
 国が導入を予定している「所得連動返済型奨学金制度」の概要が明らかになった。2017年度以降に導入される新制度では、大学卒業後の所得水準に応じて毎年の返還額を決めることになる。

 5月15日に開かれた「第2回学生への経済的支援の在り方に関する検討会」の席上、参考資料として公開された。

 現行の奨学金制度は、所得水準に関係なく一定額を返還する必要があるため、卒業後に就職できなかったり、低賃金などのため奨学金を返せない若者が増え、問題化している。

 これらを踏まえ、新制度では学生の就学金返還負担に配慮。親が低所得世帯の学生を対象に2012年度に導入した「所得連動返還型無利子奨学金制度」を充実させる形で、制度を改正する。

 現行の「所得連動返還型無利子奨学金制度」では、卒業後に本人が年収300万円の収入を得るまでの間は返還期限を猶予することができるが、新制度でもこの返還猶予は継続。年収が300万円以上になってから返還開始となるが、返還額は毎年所得水準に応じて決定。低所得者にはこれまでの基準より減額、高所得者は増額する。返済総額は変わらない。低所得者らの返還に対する不安や負担が軽減されることが期待されている。
《奥山直美》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top