文科省、スーパーエコスクール実証事業ほか基本計画書公表

 文部科学省は、平成26年度の「学校施設老朽化対策先導事業」および「スーパーエコスクール実証事業」における基本計画書(概要版)を公表した。老朽化対策先導事業では川崎市と堺市の小学校が地域住民などが参加するワークショップなどで検討した基本計画書が策定された。

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川崎市菅生小学校の基本計画書(概要版の一部)
  • 川崎市菅生小学校の基本計画書(概要版の一部)
  • 宮園小学校の基本計画書(概要版の一部)
  • 新川崎地区のスーパーエコスクール実証事業報告書(一部)
  • 瑞浪市のスーパーエコスクール実証事業報告書(一部)
 文部科学省は、平成26年度の「学校施設老朽化対策先導事業」および「スーパーエコスクール実証事業」における基本計画書(概要版)を公表した。老朽化対策先導事業では川崎市と堺市の小学校が地域住民などが参加するワークショップなどで検討した基本計画書が策定された。

 平成26年度の学校施設老朽化対策先導事業委託者は、神奈川県川崎市と大阪府堺市。老朽化した学校施設の効果的・効率的な長寿命化を目指し、有識者や教職員、地域などで検討して基本計画書を策定した。

 川崎市の菅生小学校の校舎は昭和43年建築。計画書の特徴として、目標耐用年数を80年に設定し、水分やCO2から壁面を保護する表面被覆工法と外断熱を併せて実施する。廊下まで活動領域を柔軟に広げられるような教室の間仕切り壁の改修などで、弾力的な運営が可能となる教育環境の整備などが行われる。

 堺市の宮園小学校は昭和42年建築。計画書の特徴として創造的改修、劣化改修、機能的改修を複合的に行い、学習空間や環境の向上を目指す。具体的には複層ガラスやLED照明、CO2濃度センサー機能付きの換気設備による省エネルギー化のほか、段差解消や多目的トイレ整備によるバリアフリー化を挙げている。

 スーパーエコスクール実証事業は、公立学校施設において省エネルギーを徹底し、学校運営上で必要なエネルギーを創エネルギー、蓄エネルギー等の技術を適用して対応し、年間のエネルギー消費を実質上ゼロに推進する事業。平成26年度の委託者は、神奈川県川崎市と連携して取り組む佐藤エネルギーリサーチと岐阜県瑞浪市。

 平成30年に新設される新川崎地区の小学校は、大規模共同住宅の建設が予定されている地区に建設されることから、将来の児童数の変化に対応できるよう地域と成長する「サスティナブル・スクール」を計画。また、各種環境配慮技術を採用してハード・ソフト面両方からゼロエネルギー化を目指す。

 平成31年に開校予定の瑞浪市瑞浪北中学校(仮称)は、中学校3校を統合して新築する。美濃焼の産地としてセラミックなどを活用した省エネルギー手法、内陸性気候の特徴である寒暖差を利用した整備を採用するなど地域の特性を活かしたゼロエネルギー化を目指す。
《田中志実》

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