ユニセフ世界子供白書2017、デジタルの影響やリスクを検証

 日本ユニセフ協会は2017年12月11日、ユニセフ(国連児童基金)が発表した「世界子供白書2017~デジタル世界の子どもたち」の概要を明らかにした。世界の子どもたちが直面するデジタル格差やリスクなどについて、データを交えて論じている。

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「世界子供白書2017~デジタル世界の子どもたち(原題:The State of the World’s Children 2017 Children in a digital world)」
  • 「世界子供白書2017~デジタル世界の子どもたち(原題:The State of the World’s Children 2017 Children in a digital world)」
  • カナダに逃れてきたシリア難民の子どもたち(カナダにて2016年12月撮影) (c) UNICEF_UN046033_Gilbertson VII Photo
  • ユニセフから提供されたタブレットを使って学ぶ子どもたち(カメルーンにて2017年10月31日撮影) (c) UNICEF_UN0143516_Prinsloo
 日本ユニセフ協会は2017年12月11日、ユニセフ(国連児童基金)が発表した「世界子供白書2017~デジタル世界の子どもたち」の概要を明らかにした。世界の子どもたちが直面するデジタル格差やリスクなどについて、データを交えて論じている。

 「世界子供白書」は、ユニセフが1980年から毎年発行する基幹刊行物。「世界子ども白書2017~デジタル世界の子どもたち(原題:The State of the World’s Children 2017 Children in a digital world)」では、デジタル技術が子どもたちの生活や人生に与えている状況や危険性を初めて検証している。

 報告書では、世界のインターネット利用者の3分の1が子どもである一方、子どもをデジタル世界の危険から守るための対策が非常に少ないと指摘。政府や民間セクターが変化の速度についていけず、子どもたちを新たなリスクと被害にさらすとともに、貧困下に暮らす、あるいは人道危機の影響を受けるなど、もっとも不利な立場に置かれた数百万人の子どもたちを置き去りにしていると訴えている。

 インターネットがいかに子どもたちを個人情報の悪用、有害なコンテンツへのアクセス、ネットいじめを含むリスクや被害にさらされやすくしているかについても検証。インターネットやデジタル技術が子どもたちの生活に与える影響について最新データと分析を提供し、ネット依存やネットの長時間利用が脳の発達に与える影響にも触れている。

 さらに報告書では実践的な提言として、「すべての子どもたちに質の高いネット上のリソースへの安価なアクセスを提供する」「インターネットを通じた被害から守る」「デジタル・リテラシーを教える」などを掲げている。

 日本ユニセフ協会は12月13日、「世界子供白書2017」の発表会をユニセフハウスで開催する。ユニセフ事務局長が白書の概要を紹介するほか、ICT業界をけん引するリーディング企業も登壇。ネットリスクからの保護、デジタル格差解消などの取組みを報告する。

 白書に子どもの声を盛り込むために実施したワークショップで、ファシリテーターを務めた兵庫県立大学ソーシャルメディア研究会の大学生も参加。デジタル世界で日本の子どもたちが抱える問題や可能性を報告する。参加無料。定員50名(先着順)。日本ユニセフ協会のWebサイトから申込みを受け付けている。

◆ユニセフ「世界子供白書2017」発表会
日時:2017年12月13日(水)13:00~15:00(開場12:30)
場所:ユニセフハウス 1階ホール(東京都港区高輪4-6-12)
対象:一般、企業、団体、学生など誰でも参加可
定員:50名(先着順)
参加費:無料
申込方法:日本ユニセフ協会のWebサイトより
《奥山直美》

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