協働して課題解決を図る力を養う…Z会Asteriaで勉強してみた

 Z会のiPadアプリAsteriaでは「他者とコミュニケーションを図り、協働して課題を解決していく力を養う」ために「総合探究講座」も提供している。

教育ICT 中学生
「総合探求講座 Program Z」には、「協働学習」「探求学習」「個人学習」のメニューがある
  • 「総合探求講座 Program Z」には、「協働学習」「探求学習」「個人学習」のメニューがある
  • 協働学習の画面(サンプル)
  • オススメの個人学習の単元が表示される(サンプル)
  • 個人学習の単元選択画面
  • 個人学習の項目選択画面
  • 個人学習の映像学習画面
  • MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏の映像講義
 グローバル人材の育成が叫ばれる今日。大学生はもとより、中高生もまた従来の教育にはなかった分野の修得が必要になってきている。2020年の大学入試改革により、共通テストと個別選抜を通じて、「1.知識・技能」「2.思考力・判断力・表現力」「3.主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」が総合的に評価される予定だ。

 これまでは「知識・技能」習得が中心の教育を受けてきたため、「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を身に付ける機会は少なかったといえる。

 前回、やはり教育改革による「英語4技能」対策として、Z会のiPadアプリ「Asteria(アステリア) 英語4技能講座」体験を紹介した。Asteriaでは「他者とコミュニケーションを図り、協働して課題を解決していく力を養う」ために「総合探究講座」も提供している。そこで、「総合探究講座」を体験してみて、どのような学びの場があるのかをお伝えしたい。


協働学習



 まずは、AsteriaをiPadで利用できるよう、App Storeからインストール。「総合探究講座 Program Z」をタップして起動すると、以下のような画面が表示された。「協働学習」「探究学習」「個人学習」のメニューが並んでいるが、どのメニューから開始してもよい。ただし、協働学習では複数の受講者がオンライン・ディスカッションを行うため、事前予約が必要である。

「総合探求講座 Program Z」には、「協働学習」「探求学習」「個人学習」のメニューがある
「総合探究講座 Program Z」には、「協働学習」「探究学習」「個人学習」のメニューがある


 協働学習では、正答が1つしかない問題を扱うのではなく、課題を発見してその解決法を見出していく問題を扱っている。たとえば、「【観光】観光事業にはどのような良さがあるのか?」「【生物】生物多様性はなぜ守らなければいけないの?」「【人工知能】人工知能と人間は共存できる?」などといった、解決法がいく通りもあるようなテーマに沿って議論を行うのだ。最終的には、自らの意見をしっかり持つことができるようになるためのメニューである。

 月に1回参加できるので、事前に予約し、予約した日時に「協働学習」をタップして参加する。所要時間は60分で、私が参加したテーマは「【人工知能】人工知能と人間は共存できる?」。60分でこのテーマについて意見を交わし、自分の意見を整理してまとめなくてはならない。緊張しないよう、傍らにホットコーヒーを用意し、iPadを充電して準備を整えて学習にのぞんだ。

1 議論前に自分の意見を書く



 開始されると、以下のように画面の右上にファシリテーターが映し出され、左上に自分を含むほかの受講者のアイコンが並ぶ。自分の顔や受講場所が映った映像が、ほかの参加者に見られることはないので安心だ。また、ファシリテーターの映像の下にはチャットスペースがあり、ここからファシリテーターと1対1でやりとりができるようになっている。音声が聞こえないとか、何か不安や迷いがあれば、ここから直接ファシリテーターに要望等を伝えることができるのもうれしい。

協働学習の画面(サンプル)
協働学習の画面(サンプル)

 ファシリテーターの進行によって、参加者の皆が挨拶をしていよいよ開始。まずは議論の前に自分の意見を書き込む。私は「人工知能と人間は共存できる」と書き込んだ。

2 資料を読んで、皆に共有する



 続いて、参加者ごとに用意されている資料を読み込んで、それぞれ自分の資料について要点を話す。私の資料は、人工知能による人間の仕事の「拡張」に関するものでとても好きな分野。私は緊張気味ながら資料を読み込み、重要だと思う点には線をひいて、後で話をしやすいようにしておいた。

 今回のテーマの資料は、「エキスパートシステム」「ディープラーニング(深層学習)」といった人工知能のベースとなる技術について書かれた資料もあれば、私の資料のように「テクノロジーの進歩によって人間の仕事がどのように変わったか」といった歴史的観点から論じた資料もあった。それぞれ視点が異なるため、ほかの参加者の話で気になる点は手元にメモをしておいたが、自分の資料について話す順番が最後だったため、ほかの参加者の話にあまり耳を傾けることができなかったのが反省点だ。しかしこれも、回を重ねることで要点整理にも慣れて、他者の話に耳を傾ける比重を高めることができるのではないかと思う。

3 皆で意見を語り合う



 お互いの資料について発表し合った後は、ほかの参加者の意見に耳を傾けながらテーマについて語り合う。皆が話せるようファシリテーターが促してくれるため、ストレスなく話すことができ、ときには笑い声が飛び交う場面も。真剣に語り合うことの楽しさも感じることができた。

 そして最後に、自分の考えや今後学びたいことを書き、終了する。受講後には、ファシリテーターからのフィードバックがあり、後述する「個人学習」ではどのようなテーマを学習するとよいかも表示されるようになる。

オススメの個人学習の単元が表示される(サンプル)
オススメの個人学習の単元が表示される(サンプル)

 人工知能と人間の共存というテーマにはもともと関心があったが、さまざまな資料や意見で視点が拡大されるのでより興味を深めることができ、あっという間の楽しい60分だった。自分の意見について深く考えること、ほかの視点を知ること、そしてさらに意見を交換し合って、自らの考えを明確にしていくといった作業を、中学生から身に付けていくことで、複雑化する現代の課題に挑戦する力が確実に養われると実感した。

個人学習



 「個人学習」では、ディスカッションのためのスキルを学ぶ。「個人学習」をタップすると、以下のように学習分野と単元の一覧が表示され、学習したいところから始めることができる。前述したように、「協働学習」を受講すると、ファシリテーターからオススメの単元が提示されるので、そこから学習するとよいだろう。なお、単元は100以上も用意されているという。

個人学習の単元選択画面
個人学習の単元選択画面

 私は、オススメの「問題解決分野 議論の進め方を学ぼう」を選択。すると、この単元で何を学ぶかが記され、学ぶべき項目が表示されるので、上から順番に映像による講義を受講していく。

個人学習の項目選択画面
個人学習の項目選択画面

個人学習の映像学習画面
個人学習の映像学習画面

 論点の把握、議論における注意点、健全な議論、議論の進展、視点の転換を学んで、4つの確認問題に挑戦していった。会議の進め方やディスカッションにおけるファシリテーターの役割など、社会人になってビジネス書で学んだことと重なるスキルも多くあるように感じた。まさに社会で役立つ知識だ。

探究学習



 「探究学習」では、さまざまなジャンルで活躍されている方の映像講義を視聴し、多様な考え方があることを知っていく。ライブ配信日時が事前に告知されているので、それに合わせて参加すると、コメント機能を使って講師の質問に答えることも可能だ。もちろん、過去の映像講義もアーカイブされているので、興味のあるテーマから視聴してもよい。

 私はアーカイブ映像から、MITメディアラボ所長 伊藤穰一氏の「新しい時代に必要となる学びとは?」を視聴してみた。60分弱の講義だが、伊藤氏は、実際にMITにおいても同じようにワークショップを進めていると語っていた。まさにMITの授業をiPadで受講していることになる。

MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏の映像講義
MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏の映像講義

 講義の多くは受講者の質疑応答で進められていた。これからの人材が解決していかなくてはならない課題は複雑で、「これが答えだ、解決法だ」と1つに決めることができない。そのような複雑な課題をボトムアップで話し合うことで解決法を見出していく必要がある、そのための学びであるとの話があり、具体的な課題が提示された。

 伊藤氏が投げた最初の問は「環境問題を解決するためにどういったことができると思いますか?」というもの。前提として、「人間にとって良い環境として考えればよいか? 自然にとって良い環境として考えればよいか?」との鋭い質問があり、伊藤氏は、人間が環境問題に取り組んできたこれまでの歴史を通して、どのような考え方があったのかを語ってくださった。その後、環境問題解決に関して、受講者からも意見が出されていた。

 次の問「環境問題への取組みとして、自分はどのような行動をするか?」には、受講者から「友だちとは、いつもテレビとかアイドルの話になってしまうが、こうした環境問題についても話し合っていきたい」との声も出ていた。文化、政治、技術、さまざまな解決策を組み合わせながら取り組まなくては解決できない環境問題。そうしたテーマを自分のこととして真摯に受け止め、考え、行動しようとする、それこそが学びだと感じた。

 ほかにも、聖心女子大学教授 益川弘如氏の「新しい時代に必要となる学びとは~普段の学びのやり方を見直してみる」、映像クリエイター FROGMAN氏の「島根の自虐PRはなぜ成功した?」、プロトレーナー 木場克己氏の「誰でも簡単にできる!3分集中力UP姿勢改善体幹トレーニング」など、探究できる講義内容は実にさまざま。自分の意見を養成していくために、現在活躍されている人たちの考え、視点、知識を聞くことはとても大切なことだろう。

自ら学び続ける、探究し続ける力



 現代の日本人がグローバル社会のなかで苦手とするものは、英語はもちろん、価値観の異なる人たちの前で自分の意見を堂々と話すことではないだろうか。実際、さまざまな価値観をもつ人との議論に苦手意識をもっている社会人は多い。そう考えるとき、日本人がグローバル社会のなかで習得すべきは、「議論する力」だと思わざるを得ない。これまでの教育では、高い知識・技能を習得することに注力されてきたが、対話をしながら問題解決を図る教育はあまりなされてこなかったからだ。そして、現在もそうした力を身に付ける、学ぶ環境は見つけにくい。Asteriaが提供する協働学習の場は、貴重な場所だろう。

 MITメディアラボの伊藤氏は、先ほどの探究学習の講義の中で、「自分のアイデアをインターネットで検索して調べてみるとよい」と語っていた。iPadアプリ「Asteria」で学び、その後さらにインターネットという膨大な知識の宝庫で自ら学び続けること、探究し続けていくことが大切ではないだろうか。

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<提供:Z会>

《渡邊淳子》

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