デジタル学習コンテンツ利用と「偏差値」に相関、Classi調査

 デジタル学習コンテンツの利用と偏差値の変化に相関関係があることが2018年7月5日、学習支援プラットフォーム「Classi」の学習記録データの分析から明らかになった。ClassiはICTをどのように活用すれば成績向上につながるか検証した。

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「WEBドリル」完了数別の偏差値の変化、「学習動画」再生数別の偏差値の変化
  • 「WEBドリル」完了数別の偏差値の変化、「学習動画」再生数別の偏差値の変化
  • 先生の「メッセージ投稿」総数別の偏差値の変化
  • 生徒の「学習記録」投稿数別の偏差値の変化、先生の「学習記録」コメント数別の偏差値の変化
  • 「学習記録」つけ方タイプ別の偏差値の変化
 デジタル学習コンテンツの利用と偏差値の変化に相関関係があることが2018年7月5日、学習支援プラットフォーム「Classi」の学習記録データの分析から明らかになった。ClassiはICTをどのように活用すれば成績向上につながるか検証した。

 学習記録データの分析は、Classi(クラッシー)を利用している全国の高校169校の生徒2万851人を対象に、Classiの利用記録データや進研模試の国語・数学・英語3教科の総合偏差値(学校平均偏差値)の1年間の変化を分析した。集計期間は2016年4月1日~2017年7月1日。

 Classiの各機能の活用度合いによって、「高活用群」「中活用群」「低活用群」の学校に分類し、1年間の偏差値の変化を見たところ、WEBドリルの「高活用群」は2.80向上したが、「低活用群」は1.45低下した。また、学習動画の「高活用群」は2.14向上したが、「低活用群」は0.65低下した。デジタル学習コンテンツの利用と偏差値の変化に正の相関が見られたことから、成績向上には一定の学習量が必要ということがわかった。

 先生と生徒がコミュニケーションを取る「メッセージ機能」の「高活用群」は1.33向上し、「低活用群」は0.73低下した。また、メッセージ投稿数が多い学校ほど、WEBドリルや学習動画の利用率が高かったことから、先生から生徒への働きかけには、学習促進の効果があることがわかった。

 Classi学習記録機能の「高活用群」は1.78向上し、「低活用群」は0.84低下したことから、生徒が学習進捗の記録を多く行う学校ほど、偏差値の上昇幅が大きいという傾向が見られた。また、生徒の学習記録に対して先生がフィードバックを多く行う学校ほど、成績が向上する傾向もあった。

 学習記録のつけ方をタイプ別に見ると、生徒の学習記録の投稿が多く、先生のコメントも多い「相互交流」タイプは、1年間で1.47向上した。一方、双方ともに少ない「非活発」タイプは0.33低下した。先生のコメントが少なくても、生徒の学習記録の投稿が多い「生徒中心」タイプは、1年間で1.71向上した。これらの結果から、Classiは「学習が習慣化するまでは、ある程度先生からのフィードバックが必要だが、最終的には生徒自らが学習習慣をコントロールすることが成績向上につながる」と考察している。

 ベネッセホールディングスおよびソフトバンクが株主のClassiが運営する「Classi(クラッシー)」は、先生の授業や生徒指導、生徒の学習を、ICT技術でサポートする学習支援プラットフォーム。2014年の提供開始以来、全国の4割超となる2,100校以上の高校に導入され、2017年12月時点で80万人以上の生徒が利用しているという。
《工藤めぐみ》

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