【自由研究・地学】二酸化炭素の性質から地球温暖化の原因を探る(中学生向け)

 毎年夏休みに小中学生の宿題に出される「自由研究」は、普段はなかなか時間をかけて取り組むことが難しい研究や実験に挑戦できるチャンス。化学、物理、理学、生物…さまざまな分野から、おすすめのテーマをご紹介する。

教育・受験 中学生
【地学】地球温暖化の原因を探る~熱を逃がさない二酸化炭素の性質~(中学生向け)
  • 【地学】地球温暖化の原因を探る~熱を逃がさない二酸化炭素の性質~(中学生向け)
  • 用意するもの
  • 実験1 手順1
  • 実験1 手順2
  • 実験1 手順3
  • 実験1 手順4
  • 実験1 手順5
  • 二酸化炭素は赤外線を吸収する
 毎年夏休みに小中学生の宿題に出される「自由研究」は、普段はなかなか時間をかけて取り組むことが難しい研究や実験に挑戦できるチャンス。化学、物理、地学、生物…さまざまな分野から、おすすめのテーマをご紹介する。

 ここでは、家庭ですぐにできる「熱を逃がさない二酸化炭素の性質」の実験方法をご紹介。自由研究テーマ選定の参考にしていただきたい。

自由研究:中学生向け 小学生向け

地球温暖化の原因を探る~熱を逃がさない二酸化炭素の性質~


第2分野【地学】実験・観察


制作時間:40分 難易度:★★★★



 南極の氷が溶けだすなど「地球温暖化」の影響が、ニュースでさかんに伝えられています。この地球温暖化は、なぜ起こるのでしょうか。この実験では、その原因のひとつと考えられている「温室効果」について調べてみましょう。

用意するもの


ゴムせん(2個 コルクせんでもよい) 炭酸用の2Lのペットボトル(2本) ドライアイス*(100~200g) デジタル温度計**(2本、棒温度計でもよい) 段ボール箱
そのほかのもの きり、金づち、ラベル
*スーパーなどで手に入ります。**ホームセンターで買えます。同じものを2つそろえましょう。


実験1 やってみよう 二酸化炭素が起こす温室効果を調べる



★手順 全5工程
 「温室効果」とは、大気中の水蒸気や二酸化炭素、メタンガスなどが熱を閉じこめるはたらきをして、温室と同じように中の気温が高くなる現象のことです。

 この実験で、二酸化炭素の温室効果を探ります。


ペットボトルの内側を2本とも水でよく洗い、日なたでしっかり乾燥させる。


ゴムせんに温度計を通す穴をきりで開ける。
※ゴムせんがない場合は、発泡スチロールを削って、せんを作ってもよい。


温度計をさしこんだゴムせんを、一方のペットボトルに取りつける。


もうひとつのペットボトルに、細かく砕いたドライアイスを小さじ1ぱい入れる。ドライアイスが消えてから(昇華かして二酸化炭素になる)、ゆっくり温度計つきのゴムせんを取りつける。


段ボール箱に入れて温度を同じにした、2本のペットボトルを日ざしの強い場所に置く。それぞれ時間を計って太陽の光に当てて、温度変化を記録する。

うまくいかないときには



ペットボトルはよく洗い、完全に乾燥させてから使おう

●ペットボトルがよごれていると、太陽の光がペットボトルの中まで届きにくくなります。十分に水洗いしておきましょう。

●ペットボトルの内部が湿っていると、正しい温度を測ることができません。フタを開けたまま完全に乾燥させてから使いましょう。

●同じデジタル温度計でも、製品のバラつきにより、ごくわずかな誤差が生じることがあります。その場合は、太陽の光に当てたときのそれぞれの温度を記録しておき、何度上がったかを比べましょう。

なぜそうなるの? ~二酸化炭素の温室効果~



二酸化炭素は赤外線を吸収する

 地球は、太陽からのエネルギーの放射を受けて温められています。

 一方、地球からは赤外線が放射されます。もし、大気中に二酸化炭素やメタンなどのガスがなければ、地表の温度はマイナス18度ぐらいになるとされています。

 しかし、大気中の二酸化炭素が、この赤外線を吸収するため、現在の地球の平均気温は15度前後に保たれているのです。これが「温室効果」です。

 現在は、温室効果ガスを含む自動車の排気ガスや工場の煙が大量に排出されるようになったため、大気が熱をためこみ、地球の平均気温が上昇していると考えられています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)という機関の報告書によると、この100年間で世界の平均気温は約1度上昇するといわれています。

 この気温上昇が環境におよぼす影響はとても大きく、異常気象や感染症の流行、動植物の死滅のリスク(危険度)が増大すると予測されています。

 実験1では、同じ時間だけペットボトルに太陽光を当てたにもかかわらず、二酸化炭素で満たされたペットボトル内のほうが、温度が高くなりました。これも、熱をためこむ二酸化炭素の性質による現象です。

 なお、ペットボトル内の温度差はごくわずかなもので、多くの場合、小数点以下です。いっけん、わずかなちがいに思えますが、そのわずかな差が、地球規模ではとても大きな差となり、自然環境に影響をおよぼすのです。

●温室効果ガスの濃度による熱の流れ

地球温暖化が進行すると―



(1)海面が上がり、低い土地が水没する。
(2)生態系が変化し、現在絶滅の危機にある生きものが、ますます追いつめられ、さらに絶滅に近づく。
(3)マラリアなど、熱帯性の感染症の発生する範囲が広がる。
(4)内陸部では乾燥化が進む。熱帯地域では、台風、ハリケーンなどの熱帯低気圧が多く発生し、洪水などの被害が増える。
(5)害虫が増えて米や麦がとれにくくなる。そのため、世界中で食べものが不足する。

地球温暖化に影響があると考えられている温室効果ガスの割合

実験2 やってみよう 地球温暖化をくいとめる方法を考えてみよう



 電気、ガス、水道などはわたしたちが日常生活で利用している身近なエネルギーや資源です。じつは、これらを作り出したり、利用するときにも二酸化炭素が発生しています。環境省が発表している「環境家計簿」の計算式を使って、わたしたちが日常生活で二酸化炭素をどれだけ出しているか、計算してみましょう。


毎日同じ時間に電気、ガス、水道のメーターを見て、それぞれの1日の使用量を記録する。


それぞれ使用した量を上の「環境家計簿」の計算式に当てはめて、1日にどれくらい二酸化炭素を出しているか計算する。これを1週間続ける。

そうなんだ! ~家庭でもできる「地球温暖化のための対策」~



 環境省は地球温暖化を進行させないようにするために、下のような対策案を出しています。

(1)冷房の温度を1度高く、暖房の温度を1度低く設定する。
(2)週2日往復8kmの車の運転をやめる。
(3)1日5分のアイドリングストップを行う。
(4)待機電力を90%削減する。
(5)シャワーを1日1分家族全員が減らす。
(6)風呂の残り湯を洗たくに使いまわす。
(7)炊飯ジャーの保温を止める。
(8)家族が同じ部屋で団らんし、暖房と照明の利用を2割減らす。
(9)買い物袋を持ち歩き、省包装の野菜を選ぶ。
(10)テレビ番組を選び、1日1時間テレビの利用を減らす。

レポートのまとめかた



 実験1で、ドライアイスと空気の入ったペットボトルの温度を30 分ごとに測り、その記録を表やグラフにしてまとめましょう。

 実験1で、実験を行った日の天気、気温なども記録しておき、2本のペットボトルの温度との関係を比べましょう。

自由研究 中学生の理科 Newチャレンジ

発行:永岡書店

<著者プロフィール:野田 新三(のだ しんぞう)>
1970年大阪生まれ。不思議に思ったことは「自分で確かめたい」という気持ちから、理科に興味を持つ。95年千葉大学大学院教育学研究科を修了後、理科の教諭として教壇に立つ。


《リセマム》

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