辞書機能に加え学習機能も強化、シャープの電子辞書Brainの実力

 「イード・アワード2018 電子辞書」の最優秀賞に、シャープの「Brain(ブレーン)」が選ばれた。電子辞書を所有する中高生の保護者を対象に、顧客満足度調査を実施した結果である。

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シャープの電子辞書「Brain」がイード・アワード2018 電子辞書の最優秀賞を受賞
  • シャープの電子辞書「Brain」がイード・アワード2018 電子辞書の最優秀賞を受賞
  • シャープ ネットワークソリューション事業部長 山本信介氏
  • シャープ 市販営業部長 児嶋運晃氏
  • シャープ パーソナルソリューション推進部主任 西田真理子氏
  • 学習スタイル(360度オープンデザインで実現)
  • 調べるスタイル
  • Brainのカラーバリエーションとソフトケース
  • 最新モデルを紹介する西田氏
 「イード・アワード2018 電子辞書」の最優秀賞に、シャープの「Brain(ブレーン)」が選ばれた。電子辞書を所有する中高生の保護者を対象に、顧客満足度調査を実施した結果である。Brainの受賞は今年で連続7回目となる。ネットワークソリューション事業部長 山本信介氏、市販営業部長 児嶋運晃氏、パーソナルソリューション推進部主任 西田真理子氏に、Brainの特長や想いを聞いた。

工夫ポイント1:辞書機能だけでなく学習機能も強化



--7回連続の最優秀賞、おめでとうございます。

山本氏:ありがとうございます。お客様に選んでいただいている賞なので、あらためて身の引き締まる思いです。

シャープ ネットワークソリューション事業部長 山本信介氏
シャープ ネットワークソリューション事業部長 山本信介氏

--早速ですが、Brainの特長から教えてください。

西田氏:まずは、360度オープンデザインがあげられます。液晶画面をクルっと回していただくと、タブレットのようにタッチ操作ができますので、英単語の暗記やリスニング習得など、学習を行う際に使いやすい形になります。机の上で調べる場合は、従来のように液晶を見ながらキーボードを打つ形にもできます。使い方によって、学習スタイル、調べるスタイルのどちらでも使い勝手が良いように工夫しています。

学習スタイル(360度オープンデザインで実現)
学習スタイル(360度オープンデザインで実現)

調べるスタイル
調べるスタイル


西田氏:高精細な液晶画面を使っていますから、見やすいですし、大きな画面に手書きで文字が入力できる点も特長の1つです。また今回新設された音声品質部門(*1)でも賞をいただきましたが、英語では、ジーニアス・サウンズ(*2)を使っており、ネイティブに近い音声を実現しています。
*1 Brainは、操作性、検索機能、画面の見やすさ、閲覧性、音声品質、デザインにおいて、イード・アワードの部門賞を獲得している。音声品質は、2018年度に新設された。
*2 大修館書店のジーニアス英和辞典シリーズの発音表記をもとにした、米国人ネイティブスピーカーによる音声データ。


西田氏:英語と日本語では周波数帯が異なりますが、英語の周波数帯を意識したサウンド設計をしています。そこで、よりリアルに聞こえるのが音声部門での受賞につながったのではないかと思います。

山本氏:TTS音声による長文読み上げも高評価をいただいているようです。基本的に画面に表示されている文字を全部読み上げますから、辞書だけでなく、本の読み上げも可能で、リスニングの学習ができます。

西田氏:”リトル・チャロ(*3)であれば、絵だけを見ながら英語の音声を聞くこともできますし、テキストを表示させることも可能です。その際には、カラオケのときのように、読み上げているテキストがマーキングされる機能もあります。速度も変更可能なので、初心者であればゆっくりに設定して、慣れてくれば速度を上げるというように、耳を鍛えていくことができます。”リトル・チャロ“だけでなく、コンテンツによって、学習効果を高められるような機能を付ける工夫をしています。
*3 NHKエデュケーショナルによる英語の番組。

工夫ポイント2:コンテンツの使い方を提案



--充実したコンテンツも特徴の1つですね。

西田氏:学校で指定されている辞書は網羅していますし、受験生がよく利用している辞書も搭載しています。多くの学習用のコンテンツも用意させていただいていますが、たとえば聞く、話す、読む、書くといった英語4技能を学習するコンテンツもたくさんありますので、何から学習していいのかわからない、という声もお聞きしました。そこで、コンテンツをまとめた総合メニュー「Brain English」を用意しました。

--聞く・読むを選べば、その技能の学習に最適なコンテンツが表示される、ということでしょうか。

西田氏:そうですね。聞く練習であれば、たとえば先ほどご紹介した「リトル・チャロ」や「NHKラジオ講座 基礎英語」などが出てきます。読む練習であれば、たとえば「ATR CALL」が表示されますが、これには自分の音声を録音することで採点される機能もあります。

山本氏:Brain Englishのメニューには、大学入試への導入で注目されている英検対策用の「英検ガイド」も用意しています。

西田氏:英検ガイドでは、全級の事前情報・対策を横串で確認できるようにしています。たとえば、2017年度から3級と準2級にライティングのテストが加わりましたが、どのような形式のテストなのか、事前情報を含めてサポートさせていただいています。

--豊富なコンテンツが用意されていますが、具体的にはどのくらいの数になるのでしょうか。


西田氏:高校生モデルのPW-SH5ですと、6教科、245コンテンツを収録しています。

児嶋氏:245ものコンテンツを本で揃えたら、42万円くらい、重さで78kgほどになります。それだけの本を揃えていらっしゃる方はいないと思います(笑)。それだけに、充実したコンテンツをどんどん使いこなしていただきたいと思い、Brain Englishのような使い方の提案をさせていただいています。

シャープ 市販営業部長 児嶋運晃氏
シャープ 市販営業部長 児嶋運晃氏

工夫ポイント3:作り手のこだわり



お客様の声を聴く



--企画・開発されている方のご苦労もたくさんあったと思います。

西田氏:SH5を使っていただくのはおもに高校生なので、デザインなどの好みが私たちにはわかりません。そこで、アンケートを実施するなどして模索してきました。色についてもアンケート結果にもとづき選定しましたが、結局どの色も同じくらい出荷されているので、結果的に良かったと思います。最近のお子さんは“かわいい”よりも、“カッコいい”を好む方が多いと感じています。

--ソフトケースもご用意されていますね。

西田氏:SH5は学習ツールとして持ち歩くことを想定していますので、ソフトケースも作りました。特に、このトリコロールカラーのソフトケースは、風合いを出すために苦労しました。お客様が手に触れるものは印象よく仕上げたいと思いますし、パッケージにもこだわりました。第一印象は大事にしています。

Brainのカラーバリエーションとソフトケース
Brainのカラーバリエーションとソフトケース

山本氏:デザインや色だけでなく、使い勝手の部分でもユーザーの方にアンケートをとっています。

西田氏:サンプルソフトを作って、さまざまな方に使っていただいております。イラスト1つとっても、何を意味するものかわからないのでは困ります。目立たせる部分、色使いなど、細かいところをヒアリングしながら改善していきます。現在は、マニュアルを見ず、直感的に使えることが普通になっていますから、ヒアリングは重要なプロセスです。

使い手の学習環境に合わせる



--アプリ「Brain+(ブレーンプラス)」も提供されていますが、差別化はどのようにお考えですか。

山本氏:ICT環境は、地域や学校によって異なりますが、タブレットが学校に入ってきています。そこで、タブレットで学習しながら、同時に辞書も使っていただくことを想定してBrain+を作りました。学校単位、教室単位で使っていただくことを想定しています。しかし一方で、ネットワークにつなげてはいけない学校もありますので、そういう意味では、電子辞書は「ネットワークにつながらない」ということが特徴でもあります。環境によって、使い分けていただくことを考えています。

--今年7月には文部科学省が、学校でのICT整備を優先的に行うよう声明を出しましたが、学校現場では、目標とする水準に達していないなど、課題があるようですね。

山本氏:そうですね。各方面でのアンケートも発表されていますが、スマートフォンを授業で使ってもよいとされているのが中学校で9%(*)ほど、高校で17%(*)ほどです。ちなみに電子辞書では、高校で77%(*)、中学で23%(*)が授業中に使用されています。環境や考え方はさまざまであり、今後整理されて、状況に合った電子機器が選ばれ、使われると考えております。
* 一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会「電子辞書市場の動向調査報告IV(2018年6月)」より

児嶋氏:学校では、電子辞書を紛失されたときに誰が責任をもつのか、といった課題もあります。学校によっては先生が製造番号を全部チェックしているところもありますので、各自が自分のものとわかるように、Brainでは暗証番号を登録して使う機能を付けています。とはいえ、電子機器が学校に入っていくのは時代の流れですから、導入される学校も広がる傾向にあります。

--Brainの利用場面も増えてきそうですね。

山本氏:多くの方から、「Brainを使って英検に合格しました」といった嬉しい声をいただけるように、お客様の声を反映して改善していきたいと思います。

最新モデルを紹介する西田氏
最新モデルを紹介する西田氏

--ありがとうございました。

 このインタビューを通じて印象に残ったのは、皆さんの誠実さだった。奢ることなく、真摯にユーザーの声に耳を傾け、改善を繰り返してきた結果が、7年連続の最優秀賞なのだと改めて実感した。はたして8年連続の最優秀賞となるか? Brainの進化に注目したい。
《渡邊淳子》

渡邊淳子

IT系メディアのエディター、ライター。趣味はピアノ。

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