金属アレルギーでも使える?「ステンレス」の種類と特性について

 生活のあらゆる場面で目にするステンレスとは、どのような特長を持つ金属なのだろうか。種類や特性など、知識を身に着けて賢い消費者になろう。

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同じ『ステンレス』でも金属アレルギーが出やすいものと、出にくいものがある理由。
  • 同じ『ステンレス』でも金属アレルギーが出やすいものと、出にくいものがある理由。

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生活のあらゆる場面で目にするステンレスとは、どのような特長を持つ金属なのだろうか。ステンレスにもさまざまな種類があり、用途によって適切なものが選ばれている。中には金属アレルギーを引き起こしにくいとされている、サージカルステンレスというものもある。ステンレスの知識を身に着けて、賢い消費者になろう。

1. 錆びにくいって本当?ステンレスを保護する仕組みとは

ステンレスは英語で「Stainless Steel」と表記され、錆びのない金属という意味がある。たしかに金属の中では錆びつきにくいステンレスだが、状況によっては錆びが発生することもあるので、錆びにくい金属という認識が正しいだろう。なぜステンレスは錆びにくいのか、仕組みを紹介する。

錆びの正体

錆びの正体とは、金属の表面が酸素に触れることでできる酸化被膜という化合物だ。

ステンレスが錆びにくい理由

ステンレスとは鉄とクロムによる合金で、鉄にクロムを加えていくと、だんだんと錆びに強くなるという特性がある。いくつかの金属は酸化がある程度進むと表面に膜を作り、それ以上酸化しなくなる。このとき作られる不働態皮膜は金属の表面を保護し、錆びを防いでくれる。また、ひっかき傷などで表面を破壊されても、酸素に触れていると自然と再生される。

鉄やクロム、種類によってはステンレスの原料として使われるニッケルなどの金属は、どれも不働態皮膜を作りやすい。そのため、ステンレスは錆びにくい金属として重宝されるようになった。

ステンレスが錆びるのはどんなとき?

ステンレスとは空気には比較的強い金属だが、硫酸や塩酸などに触れると不働態皮膜が維持できなくなり、錆びついてしまうことがある。カセイソーダなどのアルカリ性物質に対しても、クロムの不働態皮膜はあまり強くないため、錆びが発生しやすい。ニッケルを加えるとアルカリ性への耐性が上がるため、ステンレス製造の過程でニッケルが加えられることもある。

2. 配合によって100種類以上も!ステンレスの主な種類と特性

1998年に定められた規格では、クロム10.5%以上、炭素1.2%以下の金属をステンレスと定義している。ステンレスの種類は100種類以上に及ぶが、使われている主要な金属で大きく2つに分けることができる。

クロム系ステンレス

クロム系ステンレスとはクロムの含有量が比較的高いステンレスを指し、さらにフェライト系とマルテンサイト系に分けることができる。どちらも常温で磁力を持っている。フェライト系は高温でも硬くなりにくいため、細い線のように加工することもできる。酸素や高温ガスへの耐久力が強く、キッチン用品やガス器具の部品としてよく使われている。

マルテンサイト系は高温で硬化するため棒状や平たい板状に加工されることが多い。急速に冷やすことで高い耐久力を得る。強度が高いため、タービンやポンプなどの部品として活用されている。

ニッケル系ステンレス

ニッケル系ステンレスとは主にクロムとニッケルが使われたステンレスで、オーステナイト系とオーステナイトフェライト系に分けられる。オーステナイト系は延ばしやすく、加工しやすいという長所があり、日用品や建築用機械の部品など、広い範囲で活用されている。製造量はステンレスの中でもトップクラスで、用途に合わせてさまざまな種類が製造されていて、常温では磁石にくっつかない。

オーステナイトフェライト系とは、その名の通りオーステナイト系とフェライト系の特長を兼ね備えたステンレスだ。オーステナイト系よりも高い強度を持っており、海水にも強い。しかし高温においてはもろくなるという特性があり、約300度以下の環境で使われることが多く、常温では磁力を有している。

3. 金属アレルギーでも使える?アクセサリーにも活用されるステンレス

ステンレスは機械や日用品だけでなく、アクセサリーなどの装身具にも使われている。とくにオーステナイト系ステンレスのひとつであるサージカルステンレスは、金属アレルギーの人でも身に着けることのできる金属として注目されている。

サージカルステンレスの特長

サージカルステンレスとは、錆びに強く傷つきにくいという特長から、医療用器具に多く活用されているステンレスで、アクセサリーや腕時計の素材として使われることもある。チタンや金に比べると安価であることからも、コストパフォーマンスの高い素材として重宝されている。

なぜ金属アレルギーになりにくいのか

金属アレルギーとは、汗や水分に触れてわずかに溶け出した金属の成分が体内に入り込み、身体が異物だと認識するために起こってしまうアレルギー反応を指す。異物に対抗するために体内で抗体が作られると、次に同じ種類の金属が肌に触れたときにアレルギー反応が出るようになる。

サージカルステンレスは不働態皮膜のおかげで、金属の成分が水や汗に触れても溶け出しにくく、金属アレルギーになりにくいと考えられている。ただし、アレルギー反応を抑えられるかどうかは個人差があるので、サージカルステンレス製のアクセサリーを身に着ける前に、念のため医師に確認するといいだろう。

結論

ステンレスとは、クロムや鉄などを組み合わせた金属で、表面が不働態皮膜でおおわれることで錆びにくい金属となっている。クロムの弱点であるアルカリ性への耐性を補うため、ニッケルが加えられたニッケル系ステンレスも存在する。中でもサージカルステンレスはアクセサリーにも用いられており、安価でありながら丈夫で錆びにくい。調理器具やアクセサリーなどを買うときは、ステンレスの特長を思い出して素材に注目してみると、用途に適した長持ちする製品を選ぶことができそうだ。

 
投稿者:
オリーブオイルをひとまわし編集部

同じ『ステンレス』でも金属アレルギーが出やすいものと、出にくいものがある理由。

《オリーブオイルをひとまわし編集部》

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