ペットボトル飲料に雑菌が繁殖する理由

 気温が高くなると、ペットボトル飲料を鞄に入れて持ち歩く方も多いだろう。しかし、飲み残しにはたくさんの雑菌が繁殖し、最悪の場合、食中毒などを引き起こす恐れもある。そこで今回は、飲み残したペットボトルの危険性と安全な取り扱い方について解説する。

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口を付けなくても、ペットボトルに雑菌が繁殖する理由
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気温が高くなると、ペットボトル飲料を鞄に入れて持ち歩く方も多いのではないだろうか。なかには、前日に購入し、飲みきるのを忘れた飲み残しを翌日以降に飲む場合もあるだろう。しかし、飲み残しにはたくさんの雑菌が繁殖しているのをご存知だろうか。最悪の場合、食中毒などを引き起こす恐れもある。そこで今回は、飲み残したペットボトルの危険性と安全な取り扱い方について解説しよう。



1. ペットボトルに雑菌が繁殖する原因


雑菌が繁殖する3つの原因

1.人の口の中には100種類以上の雑菌が存在しており、その数は唾液中1ml当たり1~10億個にも上る。ペットボトルに口をつけた際には、これらの菌が混入してしまう。
2.空気中には1当たり10~1000の雑菌が浮遊しており、キャップが空いた飲み口から入り込む。
3.雑菌の繁殖には気温・栄養・水分の3条件が必要である。雑菌は気温10~60度でゆっくりと繁殖し、36度前後で最も繁殖スピードが速くなる。気温の高い屋外で持ち歩いたり車中に長時間放置したりすると、ペットボトルの温度も上昇して雑菌が繁殖する。

また、口の中の食べカスや空気中を飛ぶ虫がペットボトル内に入ってしまい、雑菌が繁殖する場合がある。

口をつけなければOK?


ペットボトル内に入った雑菌の種類は、空気中や口の中にいるカビや酵母などの真菌、細菌などが主なものである。口をつけたペットボトル内にはこれらの雑菌が混入するので、2回目以降に飲む飲料水は衛生的とはいえない。また、コップに注いで飲んだ場合は、口からの雑菌の混入は防げるが、キャップを開けた時点で空気中の雑菌などが入る可能性がある。口をつけずにコップに注いだからといって、必ずしも安全ではないのだ。



2. ペットボトルの種類で異なる雑菌の繁殖数


ペットボトルの種類・気温差によって、雑菌の繁殖数はどれくらい異なるのだろうか。


4種類のペットボトルで繁殖数を比較

飲み残しの麦茶・緑茶・オレンジジュース・スポーツドリンクを気温30度の条件下で24時間放置してみる。2時間後の1ml当たりの細菌数を調べると、4種類のペットボトル飲料にほとんど差はない。しかし、24時間後では麦茶の細菌数が2万7千、緑茶は1万、オレンジジュースは5千、スポーツドリンクは1千個と大きな差が出た。

飲料の種類によって繁殖数が異なった理由は何だろうか。一番雑菌が多かった麦茶には、無添加で保存料が入っていないこと、麦に含まれる炭水化物が雑菌のエサになったことが原因として考えられる。オレンジジュースとスポーツドリンクには雑菌のエサになる糖分が含まれているが、飲料自体が雑菌の苦手な酸性だったため繁殖が抑えられたようだ。

コーヒー飲料・ミネラルウオーターの繁殖数は?

飲み残しのコーヒー(牛乳・糖分入り)、ミネラルウオーターを気温6度(冷蔵庫)、20度(常温)、32.5度(炎天下)の条件下に置き、24時間後の細菌数を計測した。ミネラルウオーターには細菌のエサになる成分がほとんどないので、温度が上昇しても繁殖数にほとんど変化はない。

菌の種類によって異なるが、1ml当たりの細菌が100万個を超えると、食中毒の危険水準になる。細菌が好む糖分入りのコーヒー飲料は、すべての温度で細菌数が増加する。とくに、32.5度の気温で24時間放置した場合は、食中毒の水準を超えるほど繁殖するので注意が必要だ。


3. ペットボトルでの事故や食中毒を避けるには?


ペットボトルの破裂に注意する


ボトル内で繁殖した酵母などの雑菌が作り出した二酸化炭素が、ペットボトル内の圧力を上げて膨張し破裂する場合がある。国民生活センターは、破裂による事故事例を報告したうえで、飲み残しのペットボトルの取り扱いに注意を呼びかけている。また、炭酸飲料に限らず破裂する危険性はあるので気をつけよう。


食中毒のリスクを避けるには?

食中毒のリスクを避ける3つのポイントをご紹介しよう。

1.自宅では、ペットボトルには直接口をつけずコップに注いで飲み、残りは冷蔵庫で保存しよう。ただし、温度が5度程度に保たれた冷蔵庫内では、雑菌の繁殖が緩やかになるだけなので、2~3日以内に飲みきったほうがよいだろう。
2.ペットボトルの雑菌数(1ml当たり)が1億個を超えると、飲料水のにおいが変わったり濁ったりするなどの変化が起こる。また、飲料水の成分が分離している、ペットボトルの容器が膨らんでいる、黒っぽい浮遊物がある(カビ)などの異常がある場合は、飲料水の品質が劣化(腐敗)している可能性がある。このような状態は、食中毒を起こす危険性が高まっているので決して飲んではいけない。
3.1回で飲みきれる量のペットボトル飲料を買うことも、食中毒を避けるポイントになる。1本で不足する場合は、小さいサイズを数本持ち歩くようにしよう。


4. ペットボトルは再利用できる?


メーカーでは、ペットボトルを水筒やほかの目的に再利用しないように呼びかけている。その理由を3つ挙げよう。


ペットボトル容器の形状

ペットボトルやキャップは、飲料の性質や省資源の観点から複雑な形状に作られており、容器の底や突起、細かい溝などに飲料水が残っていると雑菌が繁殖する。それを水筒代わりに使い、別の飲料を入れることでさらに雑菌が増殖するのだ。

また、ペットボトルの飲み口は小さくて狭いので、ブラシやスポンジでは複雑な形状の容器を完全にきれいにすることは難しい。さらに、ブラシやスポンジで擦ることで、ペットボトルの表面に傷がつく場合もある。

ペットボトルの素材が熱に弱い


ペットボトルの素材は熱に弱いので、殺菌のために煮沸消毒を行ったり高温のお茶などを入れたりすると、容器が縮んだり変形したりするのでNGである。また、熱いお湯を入れると容器が縮んで中身がこぼれてしまい、やけどする恐れもある。そのため、湯たんぽ代わりに再利用するのも止めよう。


資源ゴミとして出せない


学校の工作など、ほかの目的で再利用したペットボトルは、資源ゴミとして出せないことになっている。環境面の観点からも、再利用は避けたいものである。


結論


ペットボトルの飲料水はコップに注いで飲み、残りは冷蔵庫に入れて、早めに飲みきることが大切である。ただし、冷蔵庫から出したペットボトルを気温30度の屋外で持ち歩くと、1時間後に20度、5時間後には約30度まで飲料水の温度が上昇してしまう。暑い夏に持ち歩く際には、とくに衛生面に配慮して扱いたいものである。

 
投稿者:
オリーブオイルをひとまわし編集部

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《オリーブオイルをひとまわし編集部》

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