文科省概算要求、学校の通信ネットワーク構想に375億円

 文部科学省は2019年8月29日、2020年度概算要求を発表した。総額は前年度比6,485億円増の5兆9,689億円。高速・大容量の通信ネットワークを整備する「GIGAスクールネットワーク構想」に375億円を計上したほか、教員の働き方改革などに向けて4,235人の教職員定数増を求めた。

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GIGAスクールネットワーク構想の実現
  • GIGAスクールネットワーク構想の実現
  • 2020年度文部科学省概算要求のポイント
  • 新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革のための指導・運営体制の構築
  • 補習等のための指導員等派遣事業
  • 学校安全のさらなる強化
 文部科学省は2019年8月29日、2020年度概算要求を発表した。総額は前年度比6,485億円増の5兆9,689億円。高速・大容量の通信ネットワークを整備する「GIGAスクールネットワーク構想」に375億円を計上したほか、教員の働き方改革などに向けて4,235人の教職員定数増を求めた。

 2020年度の文部科学関係概算要求額は、前年度(2019年度)比12.2%増の5兆9,688億6,900万円。教育再生、科学技術イノベーション、スポーツ・文化の振興により、「人づくり革命」を断行し、「生産性革命」を実現する。

 教育政策推進のための基盤の整備事業では、外部から学校内すべての教室まで高速かつ大容量な通信ネットワークを整備する「GIGAスクールネットワーク構想の実現」に375億円を計上。全国の小・中学校、高校、特別支援学校など、すべての児童生徒が地域の格差なく新時代の学びを享受できるよう、1人1台の学習者用コンピューターに対応した高速かつ大容量の通信環境を整備する。

 「GIGAスクールネットワーク構想の実現」は3年計画とし、1年目にあたる2020年度は国公私立の全学校の3分の1にあたる約1万校を整備。2022年度までの全校整備を目指す。高速・大容量の通信ネットワーク整備にあたっては、2分の1を補助する計画。

 このほか、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革のための指導・運営体制の構築のため、1兆5,197億円を計上。教職員定数については、学校における働き方改革のため3,820人、複雑化・困難化する教育課題に対応するため415人、計4,235人の増員を要求した。小学校英語教育の早期化・教科化に伴う小学校英語専科指導教員の充実、小学校高学年における教科担任制に先行的に取り組む学校の支援、中学校における生徒指導や支援体制の強化などを求めている。

 補習等のための指導員等派遣事業には、74億円を計上。学習プリントの印刷などを教師に代わって行うサポートスタッフ、中学校の部活動指導員の配置などを盛り込んでいる。このほか、学校安全のさらなる強化として、スクールガード・リーダーを現行の1,700人から4,000人へと大幅に増員。地域の見守り活動を促進するとともに、見守り活動時の対処能力を高めるために必要な防刃ベルトなどの装備品を配備する。
《奥山直美》

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