奨学金返済を肩代わりする企業に特化「クロノジョブ」

 企業奨学金による若年層支援に取り組むCrono(クロノ)が、奨学金返済を援助する企業の求人に特化した就職マッチングサイト「Crono Job(クロノジョブ)」をオープンする。すでに10社以上の参画が決定しており、2019年度中には100社の導入を目指す。

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Crono Job(クロノジョブ)
  • Crono Job(クロノジョブ)
  • 教育支出の公私負担割合(2016年)
 企業奨学金による若年層支援に取り組むCrono(クロノ)が、奨学金返済を援助する企業の求人に特化した就職マッチングサイト「Crono Job(クロノジョブ)」をオープンする。すでに10社以上の参画が決定しており、2019年度中には100社の導入を目指す。

 「クロノジョブ」は、奨学金の返済負担を軽減する求人のみを取り扱う求人サイト。掲載企業に入社が決まると、求職者は借入れ中の奨学金の返済資金を企業に支援してもらうことができる。

 登録対象者は貸与型奨学金・民間教育ローンを利用している人で、学生・就活生(新卒)・社会人(中途)問わず利用できる。

 奨学金返済支援の金額や内容は求人により異なるが、おおよそ50~100万円程度が標準的な支援金額になるとみられる。入社時に一定額の一時金(クロノが負担)を充当させたのち、勤続年数や評価に応じて段階的に行われる予定。支援によって給与が減ることはない。

 日本学生支援機構の調べによると、現在大学生の半数以上が貸与型奨学金を受給しており、奨学金返還者は約410万人。また経済協力開発機構によると、日本の教育支出における家庭の負担割合は5割以上と世界的にみても高い水準にある。

 創業者自身が800万円の奨学金返済のために留学をあきらめた経験から誕生したクロノは、生まれた環境によって若者が挑戦の機会を失うことのないよう、企業や社会が若年者を支える仕組みとして「クロノジョブ」を立ち上げた。

 「クロノジョブ」により、早期離職に悩む企業にとっては採用コストが抑えられ、奨学金返済に充当することで、長期勤続かつ、高パフォーマンスが期待できる人材を採用することができる。求職者にとっては自分に合ったキャリアを選択しながら、奨学金返済の負担を軽減することができる。

 クロノによると、すでに10社以上の企業の参画が決まっており、2019年12月中旬に初回企業を公開予定。年度内には、参画企業100社、登録求職者1,000人を目指す。
《勝田綾》

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