水ぼうそうの患者増、東京都が流行注意報を発令

 東京都は2019年12月5日、水痘(水ぼうそう)の患者報告数が第48週(2019年11月25日~12月1日)に注意報基準を超えたと発表した。都内31保健所のうち、文京や江東区など8保健所地域で注意報レベルにあり、ワクチン接種や咳エチケットなど感染予防を呼びかけている。

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定点医療機関あたりの水痘患者報告数 (c) 2002-2019 Tokyo Metropolitan Institute of Public Health
  • 定点医療機関あたりの水痘患者報告数 (c) 2002-2019 Tokyo Metropolitan Institute of Public Health
  • 水痘の都内流行マップ(保健所別)
  • 都民向け情報リーフレット「水痘の報告数が増加しています!」
 東京都は2019年12月5日、水痘(水ぼうそう)の患者報告数が第48週(2019年11月25日~12月1日)に注意報基準を超えたと発表した。都内31保健所のうち、文京や江東区など8保健所地域で注意報レベルにあり、ワクチン接種や咳エチケットなど感染予防を呼びかけている。

 水痘は、一般には「水ぼうそう」として知られる水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症。潜伏期間は10~21日。発症すると、38度前後の発熱、全身に直径3~5mm程度の発しんが出現する。水痘はおもに小児の病気で、9歳以下での発症が90%以上を占めると言われ、成人では重症化することがある。

 東京都内264か所の小児科定点医療機関から報告された定点あたり患者報告数によると、第48週(11月25日~12月1日)の患者報告数は0.80人。保健所別では、31保健所のうち8保健所において患者報告数が水痘の注意報基準1.0人に達している。

 注意報基準を超えた8保健所の発生状況をみると、文京(2.25)がもっとも多く、江東区(2.00)、足立(2.00)、多摩府中(1.63)、町田市(1.63)、中央区(1.33)、世田谷(1.25)、多摩小平(1.14)と続いている。

 東京都では、注意報基準に達した保健所の管内人口の合計が、都全体人口の30%を超えた場合に注意報を発令しており、第48週は東京都全体の34.2%にあたる保健所地域で注意報レベルになっている。

 水痘の感染経路は、咳やくしゃみなどのしぶきに含まれていたウイルスが空気中に漂い、そのウイルスを吸い込むことによる「空気感染」、ウイルスが含まれる咳やくしゃみなどのしぶきを吸い込むことによる「飛まつ感染」、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」がある。

 もっとも有効な予防法はワクチン接種。水痘ワクチンは、2014年10月1日から定期接種(1~3歳未満に2回接種)の対象となっている。水痘患者に接触した場合でも、3日以内にワクチンを接種することで、発病予防や症状を軽減できる可能性がある。東京都では、定期接種対象期間の確実なワクチン接種、咳エチケットなどの日常的な感染予防を呼びかけている。
《奥山直美》

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