【大学受験2023】鳥取大学で出題ミス、41人追加合格

 鳥取大学は2023年5月24日、2023年度(令和5年度)一般選抜(前期日程)の「物理基礎・物理」で出題ミスがあったことを公表した。ミスが判明した問題について、受験生全員を満点として採点し直し、あらためて合否判定した結果、新たに41人を合格とした。

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 鳥取大学は2023年5月24日、2023年度(令和5年度)一般選抜(前期日程)の「物理基礎・物理」で出題ミスがあったことを公表した。ミスが判明した問題について、受験生全員を満点として採点し直し、あらためて合否判定した結果、新たに41人を合格とした。

 出題ミスが発覚したのは、2月25日に行われた2023年度一般選抜(前期日程)個別学力検査の理科(物理基礎・物理)の試験問題。大問IIについて外部から指摘があり、あらためて検証した結果、問題文中で指定された文字だけでは正しい解答を導くことが不可能であることがわかった。大問II(1)~(5)すべてが出題ミスであったと判断し、該当する問題は「物理基礎・物理」を受験した629人全員を満点とする取扱いを決めた。

 鳥取大学によると、大問IIを作成する際、熱力学的な観点で解答することを想定していたが、実際には流体力学的な観点が必要な内容となっており、外部の指摘があるまで、問題作成に関わったすべての関係者が気付かなかったという。

 再採点を行ったうえで、関係学部であらためて合否判定した結果、新たに41人の合格を決めた。新合格者の内訳は、医学部が医学科7人、生命科学科3人。工学部が機械物理系学科13人、電気情報系学科4人、化学バイオ系学科0人、社会システム土木系学科12人。農学部が生命環境農学科0人、共同獣医学科2人。新合格者には、5月23日から電話で連絡を行うとともに、郵便で合格通知書等の送付を開始している。

 鳥取大学では、新合格者のうち、入学を希望する者には学部・学科への入学を認め、4月入学生と同時期に卒業できるよう配慮すると説明。入学を希望しない者も含め、新合格者全員に対して、社会通念上相当と認められる必要な補償を行うとしている。

 今回の出題ミスを受け、鳥取大学は再発防止検討委員会(仮称)を設置し、ミスが発生した原因の検証等を実施。検証結果に基づき、入試体制を抜本的に見直し、再発防止に向けて取り組んでいくとしている。

 鳥取大学の中島廣光学長は「受験者の将来に極めて大きな影響を及ぼす事態を起こしたことにより、受験者の皆様をはじめ関係の皆様に多大なご迷惑をお掛けしましたこと、鳥取大学を代表して深く反省するとともに、心よりお詫びを申し上げます」とコメントしている。

《奥山直美》

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