今後の人生を助けてくれる「資格」。取ったほうがいいのは分かるけれど、自由に時間を使える大学生のうちに取っておくべきなのでしょうか。
リクルートが運営する「就職ジャーナル」で実施されたアンケート結果によると、次のような事が判明しました。
「学生のうちにしておけば良かったと思うことがあるか」というアンケートでは、大学4年生・大学院2年生の74.5%が「はい」、25.5%が「いいえ」と答えています。
さらに、「ある」と答えた学生に具体的な内容を尋ねたところ、45%もの学生が「資格取得」と回答しました。
このように「大学生のうちに資格を取ればよかった」と考えている社会人は多そうです。
大学生が資格を取るメリットは大きく3つある
➀勉強時間が確保しやすい
大学生は、自分の思うように時間を使いやすいのが強みです。
学部にもよりますが、とくに1・2年生の間は、ゼミや就職活動も本格化せず自由な時間が多いでしょう。会社に勤めると、自己研鑽の時間は取りにくくなります。
授業の空きコマや授業後、さらに長期間の春休み・夏休みは資格取得にもってこいの期間です。
また、学生であれば、空き教室や図書館など大学の施設も利用できます。勉強場所に事欠かないのも嬉しいポイントです。
②就職活動で役に立つ
大学生活の後半に待ち受けているのが就職活動。多くの学生にとって大学生活の山場であり、今後の人生にも関係する重要な出来事です。
資格を取得すれば面接の際に、学生時代から将来を見据えて努力していたことをアピールできるでしょう。
また、仕事内容に直結する資格であれば、採用や希望する配属に有利に働くこともあります。
さらに、資格取得に打ち込むこと自体から得られる学びがあるのもポイント。面接で話す材料として、おすすめです。
③勉強の習慣が残っている
大学生には大学の授業はもちろん、大学受験の勉強習慣や、高校生の頃に毎日授業を受けていた経験が色褪せずに残っています。
仕事の忙しさなどにより、いわゆる「勉強」をする習慣がなくなることも多い社会人と比べて、これは大きなメリットです。
勉強から長く離れてしまった人よりも、精神的に楽に勉強に臨めるでしょう。
勉強する習慣は、とても貴重なもの。これを失わないためにも、大学生の間に資格の勉強をするのはおすすめです。
【文系・理系問わず】大学生におすすめの資格4選
1. TOEIC(トーイック)
- 160カ国、約14,000の企業
- 団体で通用する
- テスト結果がスコアで出る
- 試験日程が多く挑戦しやすい
文系・理系問わずおすすめなのが、「TOEIC」です。
聞く・読む英語力を測る Listening & Reading Testが有名で、世界160カ国,約14,000の企業・団体で活用されています。就職活動でも、自分の実力をアピールしやすい資格です。
TOEICの特徴は、テスト結果がスコアで出ること。合格・不合格の判定ではないので、まずは自分のレベルを確認するために受けてみるのがおすすめです。また、たとえスコアが悪くても、スコアの伸びをアピールポイントにすることもできます。
さらに、試験日程が多く挑戦しやすいのもポイント。毎月2回実施されている都市も多く、思い立った時に学習を始めることができます。
2. マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- 幅広い業界で実務に直結する
- パソコンスキルを客観的に証明できる
- 合否の結果は受験後すぐに判定
「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」とは、エクセルやワードの利用スキルを証明できる資格です。現代ではパソコンスキルが必須とも言えるので、どの業界に就職するとしても有利になるでしょう。
また、既にパソコンスキルに自信のある方でも、客観的にスキルを証明できるのはメリットです。資格として履歴書に記入してあれば、採用側も採用する明確な根拠を得ることができます。
さらに、MOSの特徴は合否の結果が受験後すぐに判定されること。受験後すぐにエントリーシートに書くことができ、就職活動に生かせます。ソフトごとに2つのレベルに分かれており、まずは一般レベルの合格を目指すのがおすすめです。
3. 日商簿記3級
- 会計知識の基本は業種を問わず役に立つ
- 2・3級は公式の学習サポートコンテンツが無料で利用可能
- 気になる会社の財務諸表が読めるようになる
文系におすすめの資格のように思える簿記検定試験ですが「日商簿記3級」であれば、業種や職種に関わらずおすすめです。経理部門などを目指す場合は、2級以上を保有していると就職活動でアピールできます。
簿記能力を身に付けることで、お金の流れを学ぶことが可能。3級は試験範囲も広すぎず、これから社会に出ていく大学生におすすめの資格です。また、2・3級であれば、公式の学習サポートコンテンツが無料で利用できます。
簿記は世界で通用するスキルであるというのも嬉しいポイント。言語が違っても行われている処理の基本は同じです。
日本企業はもちろん、世界の会社の財務諸表が読めるようになることで、就職活動にも取り組みやすくなるでしょう。
4. 普通自動車免許
- 免許合宿で安くスピーディーに取得
- 仕事だけでなくプライベートでも世界が広がる
- 大学生ならではの学割プランも豊富
「普通自動車免許」も、文系理系を問わず大学生におすすめの資格です。
仕事でもプライベートでも、行動範囲を大きく広げられる運転免許。地方企業や、都心で働く場合でも転勤・出張で求められることもあります。
運転免許の取得には、筆記だけでなく実技が必須。自動車学校に通うのが一般的ですが、まとまった時間が取れる大学生の場合は免許合宿という選択肢もあります。2週間程度でスピーディーに免許が取得できるのでおすすめです。
大学生協から申し込んだり学割を利用したりすれば、社会人より安く済ませることも可能。入社後に仕事を覚えながら自動車学校に通うのは大変なので、大学生のうちに取得しておくのがおすすめです。
文系の大学生におすすめの資格4選
1. FP技能検定(ファイナンシャルプランナー)
- お金に関する身近で幅広い知識が身に付くつく
- 業界を問わず役に立つ
- 実生活にも役立つ内容で学習しやすい
「FP技能検定」は、幅広い分野の文系大学生におすすめできる資格です。「FP」とはファイナンシャル・プランナーを意味します。
FP技能検定は、資金計画に関する知識を確かめる国家資格。守備範囲は教育や住宅資金、年金、相続、金融商品など守備範囲が広いのが特徴です。FP資格は、企業で昇格要件に設定されたり、取得が奨励されたりしていることも多い資格となっています。
関連する業界は銀行・証券・保険などの金融業界にとどまりません。FPの知識は不動産や医療・福祉業界、さまざまな企業の総務部門で活用できます。
お金に関する身近な分野が試験範囲であり、実生活にも役立つ知識が満載のFP技能検定。3級から挑戦できますが、就職活動でアピールすることを考えると、大学生のうちに2級取得がおすすめです。
2. 秘書検定
- 「感じのよさ」について学べる
- 学んだ内容が就職活動の面接に活きる
- 公式サイトで過去問を一部公開している
「秘書検定」とは、ビジネスにおける「感じのよさ」について提唱している試験です。
実際に秘書として働くかどうかに関わらず、ビジネスパーソンとしてのコミュニケーションの基本を身に付けることができます。
秘書検定のポイントは、資格を所持していることがアピールになるだけではなく、身に付けたスキルが就職面接でもそのまま使えること。準1級以上は筆記試験の合格後に面接試験もあるので、面接の練習としてもおすすめです。
面接試験では、知識のみならず態度・物腰・しぐさといった抽象的なポイントも審査対象となります。公式サイトには実際の試験問題や解答解説も公開されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
3. 宅地建物取引士資格試験
- 不動産、金融、建築、IT業界や公務員と相性が良い
- 昇進だけでなく独立開業も目指せる資格
- 受験資格がなく、誰でも挑戦できる
「宅地建物取引士資格試験」は、毎年20万人前後が受験する人気の国家資格です。「宅建」とも略されており、不動産業界はもちろん金融業界や建築業界、IT業界、公務員を目指す場合にもおすすめです。
宅建の大きなメリットは、独立開業やキャリアアップに生かせるということ。企業の中で昇格の条件として求められることがあるほか、将来独立を考えている方にもおすすめです。
合格率は約15~18%と難易度も少し高めなので、エントリーシートでアピール材料になります。また、受験資格がないため誰でも挑戦できるのも嬉しいポイント。
不動産を扱う業種であれば入社後に受験を強制されることも多いので、時間に余裕がある大学生のうちに取得しておきましょう。
4. 日経経済知力テスト(日経TEST)
- 日本経済新聞社と日本経済研究センターが主催
- 集めた知識を加工・整理・選別する力も評価
- 幅広いジャンルから出題される
「日経経済知力テスト(日経TEST)」とは、日本経済新聞社と日本経済研究センターが主催する試験です。大学生内での知名度は高くないかもしれませんが、年間のべ300法人で活用され、27万人が受験しています。
大企業で若手の昇格要件としても活用されている本試験の特徴は、知識にとどまらず、知識を加工・整理・選別する力も評価していること。
会計・財務から生産・テクノロジーまで幅広い6つのジャンルから出題し、視野の広さ・視座の高さ・視点の鋭さを測定します。
出題形式は、四肢択一の選択問題が100問。合否ではなく1,000点満点で評価され、500~600点が基準となることが多いようです。 日経経済知力テストでビジネスパーソンとしての自分の強みを客観視し、就職活動に生かしましょう。
理系の大学生におすすめの資格4選
1. ITパスポート試験
- IT系資格の入門資格としておすすめの国家資格
- 多くの有名企業で取得が奨励されている
- テクノロジ系の出題に関して理系大学生が有利
「ITパスポート試験」とは、ITに関する基礎的な知識を有していることを証明できる国家試験です。大学生の合格率は50%を越え、IT系資格の入門資格として適しています。ITパスポート試験は、原則としてパソコン上で実施する「CBT方式」を採用。試験結果は受験終了後、その場で確認可能です。
ITパスポート試験では、AIやビッグデータといった新しい技術や、アジャイルを始め新しい技法の概要などが問われます。数々の有名企業で資格取得奨励制度の対象となっており、新卒採用でもアピール材料になる資格です。
出題分野はストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野。このうち最も問題数が多いのがテクノロジ系の問題です。学部にもよりますが理系大学生にとっては取り組みやすいでしょう。
2. 基本情報技術者試験(FE)
- ITエンジニアの登竜門となる国家資格
- 範囲が広く、時間を確保できる大学生におすすめ
- 応用情報技術者試験など、さらに上へも道が開ける
「基本情報技術者試験(FE)」は、ITエンジニアの登竜門である国家試験です。ITパスポート試験から一歩踏み込んだ資格ともいえ、高度IT人材の基礎となる資格です。
合格率は20~30%とやや低め。合格すれば、IT系企業のエントリーシートに書けるため武器になりやすいです。IT業界の人からすれば、それほど難しい内容ではありません。しかし範囲が広く、未経験者にはそれなりの勉強時間が必要なので、大学生のうちに取得するのがおすすめです。
また、基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験という体系の中の一つ。応用情報技術者試験という明確な上位資格が存在するのもポイントです。SEやWEBデザイナー、プログラマーを目指す大学生は、まず基本情報技術者試験をチェックしてみてください。
3. ジェネラリスト検定(G検定)
- 学生は受験料が一般の半額以下
- ディープラーニングに関する知識を証明できる
- 公式テキストがあり対策しやすい
「ジェネラリスト検定(G検定)」とは、2017年より始まった新しい資格試験です。
ディープラーニングに関する基礎知識や、事業活用する能力が問われる試験が実施され、既に多くの有名企業が取り組んでいます。人工知能の研究で著名な「松尾豊」氏が理事長を務める日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催している本試験。
JDLAからは試験の公式テキストも販売されており、対策しやすい環境が整っています。また、学生は受験料が一般の半額以下なのも嬉しいポイントです。
新しい分野は、社会人・学生ともに知識が浅い人が多い傾向にあります。近年の企業はAIに詳しい人材を求めているため、少しの学習で平均との差を付けつけやすい分野です。就職活動を有利に進めたい理系大学生に適しているでしょう。
4. 知的財産管理技能検定
- 研究職を目指す理系大学生におすすめ
- 長期休みを利用して挑める難易度
- 無形資産の価値が高まりつつある現代に合った資格
「知的財産管理技能検定」は、知的財産を管理するスキルを測定・評価する国家試験です。
知的財産とは、アイデアやブランドなど、形はないが価値のあるものを指します。研究成果や発明なども知的財産に含まれることもあるため、専攻を問わず研究開発者や技術者を目指す大学生におすすめの資格です。
3~1級まであり、研究職の就職活動でアピールするのであれば2級を目指すとよいでしょう。実務経験がない場合、3級の合格が2級の受験資格になります。
ちなみに知的財産管理技能検定は、学科試験と実技試験があります。合格率は年によって異なりますが、およそ30~50%ほどなので程よい難易度です。3・7・11月に実施されているため、長期休みに取得するのもおすすめです。
まとめ
今回は、大学生のうちに取っておくべき資格についてご紹介しました。
勉強時間を確保しやすく、勉強の習慣が残っており、就職活動を控えている大学時代は、資格取得のまたとないチャンスです。
本記事の内容を参考に、じっくり自分の将来と向き合って資格の勉強に励んでみてください。