【2024年最新】保育士試験の難易度は?合格率から難しさを分析してみた

保育士は子どもの援護および保護者への指導を行う非常に専門性の高い職業です。保育士を目指すには保育士試験を受ける必要がありますが、この試験の難易度は合格率20%前後ととても高いことが分かりました。

そこで、今回は以下のような内容について調査を実施しました。

【当ページの内容をざっくりまとめると…】
・保育士試験は毎月5万人程度が受験する志望者が多い試験で、合格率は20%前後と難易度が高い
・筆記試験9科目の目安勉強時間は100時間程度で、3ヵ月程度は要すると推察
・一発合格をした人よりも、2~3回保育士試験に受験した経験のある保育士が多い
・約半数の人が4年制大学を卒業していて、子どもと関わりのない専攻出身の人が多い
・同じ福祉関係の社会福祉試験や、難易度が高いとされる日商簿記検定2級などに比べて合格ハードルは更に厳しい

今回は、上記の内容をそれぞれ詳しく解説していきます。(5分ほどでサックリ理解できるようまとめました。)

目次

保育士の合格率から見る難易度

年度受験者数合格者数合格率
平成30年度68,388人13,500人19.7%
令和元年度77,076人18,330人23.8%
令和2年度44,914人10,890人24.3%
令和3年度83,175人16,600人20.0%
令和4年度79,378人23,758人29.9%
出典:保育士試験の実施状況|厚生労働省

保育士試験はここ5年間で20%前後の合格率を推移しており、決して易しくはない難易度と言えます。

受験者数も毎年5万人前後が受験していますが、その門戸はかなり狭いので、保育士という職業がいかに専門性の高い仕事内容であるかが分かるデータです。

保育士の勉強時間から見る難易度

科目名種類勉強時間(目安)
保育原理必須16時間
教育原理及び社会的養護必須10時間
子ども家庭福祉必須8時間
社会福祉必須4時間
保育の心理学必須10時間
子どもの保健必須6時間
子どもの食と栄養必須4時間
保育実習理論必須44時間
出典:全国保育士養成協議会

保育士試験の筆記試験は全部で9科目あります。明確な勉強時間は公式に発表されていませんが、厚生労働省が通知する短大での講義における各科目の必要単位数から大体の目安時間を算定してみました。100時間程度は筆記試験の勉強に取り組まなければいけません。

たとえば社会人の方が1週間に10時間程度勉強するとしても、最低でも3ヵ月程度は勉強時間が必要です。とくに保育実習理論は44時間と他科目に比べハードルが高いですが、保育科であれば実習を通して学ぶ内容でもあるので、実践的場面がないと理解が難しいかもしれません。

保育士の受験回数から見る難易度

出典:平成30年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業|厚生労働省

保育士試験の受験回数を見てみると、一発で合格する方よりも2回受験して合格する方の方が32.9%と割合が最も高いです。筆記試験は科目数も多く、合格後に実技試験にも臨まなければいけません。こういった試験体系の複雑さから、1回で合格することを難しくさせているでしょう。

筆記試験で一度合格した科目は3年間合格期間とされ、3年以内の再受験時にはその科目のみ免除されます。こういった救済措置もあるため、一発で合格しないといけない!という心構えよりも、2~3回受験して合格までの余裕を持たせるという考えの人も多いでしょう。

保育士の学歴から見る難易度

最終卒業学校割合
中学校0.1%
高等学校14.5%
短期大学15.6%
4年制大学54.1%
大学院4.7%
専修学校7.9%
その他2.2%
無回答0.8%
出典:平成30年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業|厚生労働省

保育士試験に合格し保育士となった人の最終学歴をチェックしてみると、半数以上の人が4年制大学を卒業した人であることが分かりました。福祉大学や福祉科など、保育と関わりのある大学を卒業した人がそのまま保育士試験を受けるというケースが多いのでしょう。

受験資格では、短期大学や4年制大学を卒業した方は学科や学部に関係なく受験することができるので、保育関係以外の学部を卒業した人でも独学などで勉強して保育士試験に臨むというケースもあるかもしれません。

下図のグラフは最終卒業学校で専攻していた科目が子どもと関係あるものかを確認した調査結果です。

出典:平成30年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業|厚生労働省

このように確認してみると、74.9%の人が子どもと関係ない専攻から保育士試験に合格していることが分かります。独学や通信講座などから保育士に関する知識を習得して試験を受ける人も少なくないでしょう。

ほかの資格と比較した場合の難易度はどれくらい?

資格名合格率
保育士試験29.9%
社会福祉士試験44.2%
日商簿記検定2級26.9%(2022年6月実施回)
秘書検定1級25.4%
出典:社会福祉士試験の合格率|ユーキャン

例年合格率が近いほかの試験と令和4年度の合格率を比較してみました。仕事にも役立つ代表的な試験ばかりですが、日商簿記検定や秘書検定は上位の2級~1級レベルの合格率よりも保育士試験の方が低く、かなり難易度は高めと推察できます。

同じ社会福祉の資格である社会福祉士の試験も44.2%と、保育士試験よりも合格率が高いです。保育士試験はハードルが高い試験ということが分かります。

社会人と大学生では合格の難易度が異なる?

出典:平成30年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業|厚生労働省

上記データを分析してみると、保育士においては、社会人の方が有利である可能性も高いと言えるでしょう。

理由としては、以下の3つだと分析できます。

  • 卒業見込み(大学生)4.7%よりも、卒業後経過年数が経っている方が割合が高い
  • とくに多いのは卒業から11~15年経過した年代で15.0%
  • 社会人でも保育士になれるチャンスはある

卒業見込みで既に保育士試験を取得している人もいますが、保育科などの卒業要件に受験が含まれている学生が合格しているというケースが多いでしょう。もちろん大学を卒業した人でも保育士試験は受験できるので、卒業して社会人になってから保育士を目指すというチャンスは十分にあります。また、合格科目の免除制度もあるので、大学生のうちに一度受けてみてから社会人になって再受験を申し込むという方法も検討できます。

【分析結果】保育士のまとめ

当ページでは、保育士の合格難易度について、調査した結果をまとめました。

冒頭でもまとめた内容ですが、復習としてもう一度ざっくり記載しておきました。

【当ページをざっくりまとめると…】
・保育士試験は毎月5万人程度が受験する志望者が多い試験で、合格率は20%前後と難易度が高い
・筆記試験9科目の目安勉強時間は100時間程度で、3ヵ月程度は要すると推察
・一発合格をした人よりも、2~3回保育士試験に受験した経験のある保育士が多い
・約半数の人が4年制大学を卒業していて、子どもと関わりのない専攻出身の人が多い
・同じ福祉関係の社会福祉試験や、難易度が高いとされる日商簿記検定2級などに比べて合格ハードルは更に厳しい

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