新しいキャリアへの一歩を踏み出したい、でも漠然とした不安や自信のなさに足がすくむことはありませんか?
多くのビジネスパーソンが抱えるこうした悩みの根源には、「心の状態」が大きく関わっています。
今回お話を伺ったのは、日本メンタルトレーナー協会 理事 浮世 満理子さん。かつて自らも心身を壊した経験を持ち、現在はメンタルトレーナーとして活躍されています。
本記事では、日本メンタルトレーナー協会公認の「メンタルトレーニング検定」を通じて、自己理解を深め、キャリアを切り拓く具体的な方法について詳しくお答えいただきました。この機会に、あなたの心のポテンシャルを最大限に引き出す扉を開いてみませんか。
現代社会で高まる「心の力」の必要性とは?メンタルトレーニングの基本

「メンタルが強い」と聞くと、生まれつきの才能や精神論と捉えがちです。しかし、浮世さんが語るのは「心の使い方」を学ぶ、実践的なアプローチ。現代社会でなぜ「心の力」がこれほどまでに求められているのでしょうか。
「気合い」や「根性」ではない、科学的アプローチの全貌
──メンタルトレーニングとはどのようなものか、教えていただけますか。
浮世 満理子さんメンタルトレーニングとは、カウンセリングやコーチングのように、人を支援し、良い結果を出すための心理状態を作り上げていくものです。心理学や大脳生理学を応用し、思考パターンや感情のコントロール、そして行動心理学的なアプローチを活用しながら、目標を達成したい方々の心をサポートします。
──「メンタルが強い」と聞くと、気合いや根性、あるいは持って生まれた素質だと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えば私自身、本番にとても弱いタイプなのですが、トレーニングによって後天的にメンタルの強さを身につけることは可能なのでしょうか。
浮世 満理子さんはい、可能です。メンタルが強い人というのは、気合いや根性といったものではなく「自分を最もよく理解している人」であると考えています。
例えば「緊張」一つとっても、その原因は人それぞれです。人から見られ、評価されることに緊張する人もいれば、自分がやってきたことが無駄になるのではないかと、自分自身に意識が向くことで緊張する人もいます。このように、ご自身の緊張の要因を深く自己理解し、それを良い状態へ導いていくことが重要です。
──体と同じようにメンタルも鍛えることができるということですね。
浮世 満理子さんその通りです。ただ、筋肉を強化するようなイメージとは少し異なります。様々な緊張状態にうまく対応していく、いわば「心の使い方」を学ぶという感覚に近いですね。
「心の使い方」を学ぶことで得られる3つの効果
──「心の使い方」を学ぶとのことですが、実際にそれを学ぶことで、どのような場面で力を発揮できるのでしょうか。
浮世 満理子さんはい。目的によって様々ですが、主に3つの点で力が発揮されます。
第一に、本番に強くなるという点です。アスリートや受験生が、緊張やプレッシャーに押しつぶされることなく実力を発揮できるようになります。
第二に、モチベーションを維持し続けられることです。意欲が低下してしまうような状況でも、やる気を保つことができます。
そして第三に、セルフケアやストレスマネジメントが上手になるという点です。これにより、燃え尽き症候群を防ぐことにも繋がります。
自己変革とキャリアアップを叶える「メンタルトレーニング検定」の魅力

日本メンタルトレーナー協会公認の「メンタルトレーニング検定」は、単なる知識の習得にとどまらず、実践的なスキルを身につけ、自己変革を促すことができると言います。この検定は、どのようにあなたのキャリアアップを後押しするのでしょうか。
1日で取得可能!?検定取得への具体的なステップアップ
──日本メンタルトレーナー協会が認定する「メンタルトレーニング検定」は、どのような力が身につく検定なのでしょうか。
浮世 満理子さんはい。この検定は、まずメンタルトレーニングを正しく理解していただくことを目的としています。例えばスポーツの指導者の方でも、メンタルトレーニングが具体的にどのようなものかをご存じない場合も多いため、その基本を知っていただくためのもの、とお考えいただければと思います。
──「メンタルトレーニング検定」では、知識だけでなく、実践的なスキルも身につけられるのでしょうか。
浮世 満理子さんはい、もちろんです。先ほどカウンセリングとコーチングの両方が重要だとお伝えしました。共感し「辛かったですね」と寄り添うカウンセリング的なアプローチは、相手に安心感を与え、その方の特性をケアする上で非常に有効です。
その反面、ただ話を聞くだけでは、その方に変化を起こすのが難しいという側面もあります。相手への理解が不十分だと、指導する際に「ただ聞くだけ」に終始してしまったり、逆に「なぜできないんだ」と叱りつけるだけの精神論に陥ることもあり、結果を出せないケースが多く見られます。
「スポ根」型指導から「個を活かす」支援へ、指導観点の変化
浮世 満理子さんあるオリンピック選手のコーチの話ですが、彼は非常に優秀で熱心な指導者でした。しかし、その熱心さゆえに、選手ができないと「なぜできないんだ」「やる気がないんだ」といった、いわゆる“スポ根“的な指導に陥りがちでした。選手が好調な時は良いのですが、スランプに陥り伸び悩むと、このやり方では指導者も選手も心が疲弊してしまいました。
そこで彼は、選手に自信がない時こそ、叱るのではなく相手の良いところを見つけて伝える「プラスのストローク」という手法を取り入れました。これまでは「調子が悪い時に褒めても意味がない」という思い込みがありましたが、むしろ不調な時こそ肯定的な言葉で自信を取り戻させると、人は自然とやるべきことに向かうのです。
従来の叱りつけるだけの指導から、「相手の良いところを引き出す」「相手を“できる人として扱い、どうすればできるかを一緒に考える」というメンタルトレーニングの視点に切り替えたのです。今までのやり方を否定するのではなく、新たな観点を加えることで選手と深い信頼関係を築き、選手も伸び伸びと結果を出せるようになりました。
このように、ただ共感するだけではなく、「何のためにこれを行うのか」そして、「支援者としてどう関わるべきか」を本人としっかり話し合っていくことが、メンタルトレーニングにおいて非常に重要だと考えています。
共感と実践スキルを兼ね備える唯一無二の検定
──カウンセリングとコーチングの両方のスキルを持ったメンタルトレーナーになりたいと思った場合、まずは「メンタルトレーニング検定を受ける」という流れになるのでしょうか。具体的なステップアップの方法を教えていただけますか。
浮世 満理子さんはい。まずは「メンタルトレーニング検定」を受けていただくのが良いでしょう。特に初級にあたる3級は、1日の講座や動画視聴で取得できますので、そこで「メンタルトレーニングとはこういうものか」という全体像を理解していただくのが第一歩です。
その上で、本格的に活用したいとお考えであれば、少しずつステップを踏んで学んでいくのが良いかと思います。
検定がもたらす「人生の再構築」:キャリアと自己成長への波及効果

「メンタルトレーニング検定」の真価は、資格取得に留まりません。浮世さんは、この学びが個人の内面に深く作用し、自己成長を促すことで「人生の再構築」に繋がると語ります。具体的に、どのようにしてこの検定があなたのキャリアと自己成長に波及効果をもたらすのでしょうか。
ネガティブ思考を克服し、前向きな「自己肯定感」を育む
──「メンタルトレーニング検定」を取得することは、個人の成長やキャリア形成にどのように活かせるのでしょうか。
浮世 満理子さんメンタルトレーニングの知識を活かして、誰かの目標達成を支援するサポーターになることはもちろん可能です。しかし、それ以上に大きなメリットは、自分自身の成長に繋がる点です。
この検定は自己理解を非常に重視しているため、ネガティブな思考やマイナス思考に陥りがちな自分を、無理なく自然な形で変えていくことができます。自分自身のことを深く理解した上で他者を支援できるようになるのです。
具体的には、自分の目標を明確にしたり、感情をコントロールしたり、行動力を高めたりといったスキルを自然と自分に使えるようになります。
その結果、気づけば以前とは全く違う前向きな思考や積極性が身につき、ひいては周囲からの信頼も得られるようになるのではないでしょうか。
まずは「自分を理解する」ことから始まる心の変革
──トレーナーというと、まず人に教えるスキルを学ぶものだと想像しますが、「メンタルトレーニング検定」の場合は、まず自分自身を理解することから始まる、というイメージでしょうか。
浮世 満理子さん自分自身にその知識やスキルを応用できなければ、他者に使おうとしても説得力がありません。心理学をベースにした検定の素晴らしい点は、自分自身に活用できることです。学びが自分自身をより豊かに育てることにつながり、その延長線上に誰かの支援がある、という点が非常に有効だと考えています。
働きながら夢を掴む!社会人のための効果的な学習法と感動の事例

「働きながら新しいスキルを身につけたいけれど、時間がない」
そう考えていませんか? メンタルトレーニング検定は、忙しい社会人でも無理なく学習できるよう工夫されており、実際に多くの受講生がキャリアや人生観を大きく変えています。仕事と学びを両立させ、夢を掴む秘訣とは何なのでしょうか。
仕事のストレスを癒す「ご褒美」に?無理なく学ぶ秘訣
──「メンタルトレーニング検定」は、特に資格をお持ちでない方から、看護師、保健士、心理士といった専門職の方まで、幅広い方々に役立ちそうですね。
浮世 満理子さんおっしゃる通りです。私は特に、社会経験のある方にこそ学んでいただきたいと考えています。対人支援の仕事は、ご自身の社会経験が非常に役立ちます。学生時代に知識を詰め込むだけでなく、社会に出て、例えば看護師として様々な方と出会う中で感じたこと、時にはご自身が悩んだ経験すらも、深く人と関わるための貴重な財産になります。私たちはそうした経験を非常に大切にしており、ぜひ社会経験の豊かな方に学んでいただきたい検定の一つです。
──社会人の方にもお勧めとのことでしたが、働きながら検定取得を目指す上で、効果的に学習を進めるためのコツや工夫があれば教えていただけますでしょうか。
浮世 満理子さんこの検定は、平日夜間や土日に開催される講座が多いため、社会人の方でもご自身の都合に合わせて計画を立てやすいのが特徴です。「いつまでに取得する」という目標を設定し、一つひとつ着実に受講・クリアしていけば、無理なく検定取得までたどり着けると思います。
しかも、この学びは毎回のリフレッシュや仕事のストレス解消にも繋がり、ご自身のメンタルヘルスにも役立ちます。仕事で疲れて帰宅した後、ただ何となく動画を見て過ごすよりも、学びを通じてご自身が元気になり、その延長線上で資格も取得できていた、というような一石二鳥の効果が期待できるのではないでしょうか。
──検定取得そのものが目的になるのではなく、学習の過程で自己理解を深めていく、という点が大切なのですね。
企業研修から地域支援まで広がる活躍のフィールド
──スキルを身につけた方が、実際に企業や学校へ出向いて講座を開くこともあるのでしょうか。
浮世 満理子さんはい、もちろんです。企業での管理職研修は引く手あまたです。メンタルトレーニングはチームにアプローチすることも多く、仕事におけるチームワークや人間関係の構築、個々のセルフケアに活用されています。
スポーツの分野では、プロのJリーグチームからオファーをいただくなど、様々なチームを強化するお手伝いをしています。それ以外にも、PTAや教育委員会、自治体のスポーツ振興担当部署からのご依頼も多く、学校の部活動の先生方に指導することもあります。実際に、多くの自治体からオファーをいただいております。
「検定取得」が人生を変えたリアルエピソード
──受講された方の中で、働き方や人生観が大きく変わったような、印象的な受講生のエピソードがあれば教えていただけますでしょうか。
浮世 満理子さん本当に様々なケースがありますが、読者の方に身近な社会人の例をいくつかご紹介します。例えば、スランプの選手を支えられるようになったスポーツ指導者の方がいます。また、学んだことを活かして週末に少年野球のコーチとなり、「叱らない指導」でやりがいを見出した社会人の方もその一例です。
──活動の幅が広く、本当に素敵な検定だと感じます。
浮世 満理子さん特に印象深いのは、メンタルトレーニングを熱心に取り入れ、オリンピック出場を目指して前向きに頑張っていた教え子です。彼は怪我に悩まされ、引退を余儀なくされました。そんな彼が引退後、私の元へ来て「小学校の体育の先生になります」と言ったのです。
理由を尋ねると、「自分が教わったこのメンタルトレーニングを、小学生の頃から教えることができたら、すごいと思いませんか。だから、子どもたちにメンタルトレーニングを教えるために、小学校の先生になろうと思います」と教えてくれました。
──それは素晴らしいエピソードですね。
浮世 満理子さんまた、もう一人の教え子は、特殊救助隊の資格を持つ消防士になりました。大変難しく過酷な仕事ですが、彼は次のように語ってくれました。
「選手を支えるという先生の仕事(メンタルトレーナー)に非常に感銘を受け、自分も誰かの役に立ちたいと思いました。アスリートとして鍛えた体もありますし、自分にできることがあるのではないかと考え、人を助ける仕事に就きたいと思い、消防士になることを決意しました」と。
彼らは結果としてオリンピックに出場することはできませんでしたが、私にとっては心から誇りに思う大切な教え子です。世間的には無名かもしれませんが、彼らは日本の子供たちを支え、多くの命を日々救ってくれています。そのきっかけがメンタルトレーニングや私との出会いであったのなら、メンタルトレーナーとして、これほど幸せなことはないと心から思います。
「挫折」を「可能性」に変える:浮世さんが語るメンタルの真髄

人生の95%はメンタルで決まる——そう語る浮世さん自身も、かつて体調を崩し、人生の再構築を経験しています。浮世さんはどのようにしてその困難を乗り越え、メンタルの力でキャリアを切り拓いたのでしょうか。その経験から得られた「メンタルの真髄」に迫ります。
体調不良を乗り越え、人生を再構築した自身の経験
──浮世さんご自身が会社員時代に自律神経失調症を経験されたことが、心理学に興味を持つきっかけになったと伺いました。そのご経験が、現在のキャリアにどのようにつながっているのかお聞かせいただけますでしょうか。
浮世 満理子さんはい。体を壊した頃の私は、本当にマイナス思考で、体も心も決して強い方ではありませんでした。
心理学を学び、自分自身を深く理解したことで、自分のことをありのままに受け入れられるようになったのです。そこから、私の人生は大きく変わりました。
何よりも、「チャレンジすること」や「自己成長すること」自体に価値と喜びを感じられるようになりました。それによって、失敗を恐れてプライドばかり高かった自分から、等身大の自分を受け入れて日々成長を繰り返せる自分へと変わることができました。
不思議なことに、自分自身が変化したことによって、トップアスリートのサポートや大企業での研修といった、自分から売り込んでも得られないようなお仕事が舞い込んでくるようになったのです。まさに、人生が再構築されたと言っても過言ではありません。
この経験を通じて、「人の人生はメンタルで決まる」と改めて確信しました。持って生まれた才能や環境が占める割合はほんの5%程度で、残りの95%はメンタルだと考えています。「メンタルが変われば、人生は丸ごと変わる」ということを、私自身の体験をもって、より多くの人に知っていただきたいと強く願っています。
迷った時に「ワクワク」を選べ!キャリアに悩むあなたへのメッセージ
──今の仕事にやりがいを見いだせなかったり、キャリアに悩んでいたりする方もいらっしゃると思います。最後に、そのような方々へ浮世さんからメッセージをいただけますでしょうか。
浮世 満理子さん心理学やメンタルについて学ぶことは、自分自身をより深く知ることだと私は思います。最近は、自分と深く向き合うことが苦手で、チャレンジや自己理解から逃げてしまう方も少なくありません。しかし、本当の深い喜びや、人としての価値を実感できるのは、自分の心を深く理解し、「人間とは素晴らしいものだ」と心から思える瞬間ではないでしょうか。AIやSNSも便利ですが、やはり人間そのものに目を向けることこそが、大きな喜びの一つになるはずです。
──浮世さんがX(旧Twitter)で書かれていた「もし選択に迷ったらワクワクする方を選びなさい」という言葉と、今のお話が繋がった気がします。
浮世 満理子さんはい。今はコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを重視しがちですが、それだけでは本当にワクワクする道にはたどり着けません。ご自身の心が「ワクワクする」方向へ、ぜひキャリアを築いていってほしいと願っています。
メンタルトレーニングが拓く、自己成長とキャリアの未来

今回のインタビューで特に印象に残ったのは、「人生の95%はメンタルで決まる」という浮世さんの言葉でした。
気合いや根性論ではなく、科学に基づいた「心の使い方」を学ぶメンタルトレーニングは、自己理解を深め、さらには他者支援へ繋がるキャリア形成の強力な一歩となるでしょう。
もし今、キャリアに悩み、選択を迷っているなら、自分自身が感じる「心のワクワク」を基準にしてチャレンジしてみませんか。あなたが真の喜びを見つけ、自分らしいキャリアを切り拓くためのきっかけになるはずです。
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