エンジニアとして働きながら、「自分にエンジニアは向いていない」と感じている人は少なくありません。
パーソル総合研究所の「ITエンジニアの就業意識に関する調査結果」によると、エンジニアとして働く人の中で、キャリアに不安を感じている人の割合が高いという結果があります。
IT業界は常に進化を続けており、新しい技術や働き方に適応できるか不安を感じるエンジニアは少なくありません。
また、キャリアへの迷いや理想と現実のギャップから、「自分はエンジニアに向いていないのでは」と悩む人も多いでしょう。しかし、具体的な解決策が見つからず、モヤモヤしたまま働き続けているケースも少なくないはずです。
そこで本記事では、「エンジニアに向いていない」と感じる人の特徴や、その理由を詳しく解説します。自分の働き方やキャリアの方向性を見直したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
エンジニアに向いていない人の特徴
エンジニアに向いていないと感じるときに、本当に向いていないのかチェックすることが大切です。ここでは、エンジニアに向いていない人の特徴を紹介します。
地味な作業が嫌いな人
地味な作業が嫌いな人は、エンジニアに向いていない可能性が高いため注意が必要です。
エンジニアの仕事は、パソコンに向き合う作業がメイン。とくに、エラーが発生した場合は、コードを見直して動作確認を繰り返すなど、細かい作業が必要です。原因をひとつずつ確認しながら問題解決をしていくため、コツコツ業務を進めていくのが苦手な人にはエンジニアは向いていません。
さらに、デスクワークが中心になるため体の不調を感じることもあります。腰痛や肩こりなどもあいまって、地味な作業を苦痛に感じる人もいるでしょう。
IT技術に興味がない人
IT技術に興味がない人は、エンジニアに向いていません。
IT業界の技術は日々進化しており、情報を入手したり技術を習得することが必要です。そのため、IT技術に興味がないと、学ぶ意欲が低くなりエンジニアとして活躍し続けるのが難しくなるでしょう。
また、IT技術に興味がない人は、仕事に楽しさを感じられないためモチベーションが下がってしまいます。業務自体はこなせていても、働く目的が見つからずにキャリアに迷う可能性があるところも懸念点のひとつです。
仕事に対して受け身な人
仕事に対して受け身なところが、エンジニアに向いていない人の特徴のひとつです。
エンジニアの仕事では、問題を解決する力が求められます。そのため、言われたことをこなすだけではなく、自分で考えて積極的に提案したり課題を解決したりする姿勢が大切です。
研修などの機会がなければ新しい技術を学ぼうとしない受け身の人は、エンジニアに向いていないといえるでしょう。自ら情報を入手していく姿勢がないと、スキルアップが難しいのがエンジニアの特徴です。
コミュニケーションが苦手な人
コミュニケーションが苦手な場合、エンジニアに向いていない可能性があります。
エンジニアはチームで仕事を進めることが一般的。意見や報連相を伝えるなど、プロジェクトを進めるためのコミュニケーションが必要です。雑談の技術は必須ではありませんが、スムーズにプロジェクトを進めるためのコミュニケーション能力が求められます。
自分の意見を伝えたり、ほかの人の話を正しく理解するスキルがないと、チーム内でトラブルが起きてしまうこともあるでしょう。そのため、業務のためのコミュニケーションが苦手な人はエンジニアに向いていないといえます。
エンジニアに向いていないと感じる理由
エンジニアに向いていないと感じるときによくある理由を紹介します。
不向きに感じたときにはなにか理由があるはずです。まずは、自分がなぜエンジニアに向いていないと感じるのか、考えてみましょう。
仕事がうまくいかない
仕事がうまくいかずに、エンジニアに向いていないと感じることがあります。
エンジニアの仕事には正解はなく、最適な対応をしていくことが必要です。知識や経験が不足している場合、うまく仕事を進められずに理想と現実のギャップに悩むことがあります。
また、忙しい職場では経験が浅いエンジニアへ指示がないケースも少なくありません。そのため、仕事の問題を解決できない状況が続き、仕事がうまくいかずに苦しむこともあるでしょう。
ほかにもあるのが、同僚やチーム内のエンジニアと比べて劣等感に悩むケース。エンジニアはスキルや技術が求められる職種のため、ほかの人と比べてできる仕事が少ないと感じると自信を失い、向いていないと感じることもあります。
仕事内容がハードでついていけない
エンジニアとして働くなかで、仕事内容のハードさから向いていないと感じることもあります。
エンジニアの役割は納期を守って開発を進めることです。トラブルがあれば都度対応する必要があるため、長時間労働が発生することもあります。
とくに激務といわれているのが、システムエンジニアやインフラエンジニア。仕様変更や運用・保守のバグなどで、残業や休日出勤が必要なケースも少なくありません。
このように、エンジニアの働き方がハードな環境もあるのが実情です。体力的・精神的についていけないと感じて、自分には向いていないと感じることもあるでしょう。
勉強を続けることがつらい
勉強を続けることが苦手な人にとって、エンジニアは不向きに感じることもあります。
IT業界では、常に新しい技術やサービスが生まれているため、エンジニアは常に最新の情報を入手してスキルアップしていかなければなりません。そのため、勉強が苦手で技術を磨くことを怠ってしまうと、最適な提案ができずに仕事に支障が出る可能性もあります。
ただ、通常の業務に加えて、勉強をする時間を確保するのが難しい人がいるのも実情です。エンジニアは残業や休日出勤が必要な場合も多く、仕事と勉強を両立できない人も多いでしょう。仕事で精一杯のなか勉強しなければならないことを負担に感じて、エンジニアとして働くことをつらく感じることも想定されます。
チームでの仕事が合わない
エンジニアに向いていないと感じる理由に、チームでの仕事が合わないことも含まれます。
エンジニアはチームでプロジェクトを遂行することが一般的です。そのため、チームで仕事を進めていくことが苦手な場合、エンジニアに向いていないと感じることも少なくありません。
パソコンに向き合うイメージがあるエンジニアですが、人と関わる機会が多いのが現実。就職前に思っていた働き方とのギャップを感じて、向いていないと感じる人もいるでしょう。
業務内容がつまらない
エンジニアの業務内容がつまらないと感じて、自分には向いていないと感じることもあります。
新しい技術やサービスを活用して仕事をするイメージが強いエンジニア。一方、資料作成やルーティンワークなど地味な業務が多いことも事実です。
エンジニアとしての経験が浅い人は、単純作業を任されるケースが多い傾向があります。そのため、仕事内容にギャップを感じ仕事に魅力を見いだせずに、向いていないと感じる人もいるでしょう。
エンジニアに向いているのはどんな人?
次はエンジニアに向いている人の特徴を紹介します。エンジニアの向き・不向きを両面から理解して、自分に向いているか総合的に判断しましょう。
好奇心が強い人
好奇心が強い人はとくにエンジニアに向いているといえます。
IT業界は、知識や技術の発展スピードが早いのが特徴です。エンジニアは新しい技術やサービスを活用するため、好奇心が強い人にとって魅力を感じられる職種といえます。
好奇心が強い人は、新しい技術に興味を持ち積極的に実践することを苦痛に感じません。自然と技術を取得できるため、エンジニアとして活躍もできるでしょう。
論理的思考力がある人
エンジニアに向いている人の特徴に、論理的思考力があることが挙げられます。
エンジニアの仕事では、システムの設計やエラーの解析などで論理的思考力が必要です。たとえばシステム設計では、最適な提案をするために、クライアントの要求を正しく理解して必要な機能や仕様を提案します。また、エラーが起きた際には原因を突き止めるために現状から原因を特定することが必要です。
このように、それぞれの工程で状況を把握するために論理的に考えていく力が求められます。論理的思考力を活かして仕事を進められる人は、エンジニアに向いているといえるでしょう。
根気がある人
根気がある人も、エンジニアに向いているといえます。
エンジニアの仕事にはトラブルがつきものです。クライアントからの仕様変更依頼やサーバーの障害など、予期しない事態が発生することも少なくありません。これらのトラブルに対応しつつ納期に間に合わせるためには、根気強く取り組む姿勢が求められます。
そのため、トラブルに対してあきらめず、コツコツと作業を進めて業務を遂行できる人は、エンジニアとしても活躍できるはずです。根気がある人はエンジニアに向いているといえるでしょう。
エンジニアに向いていないと感じたときに考えるポイント
エンジニアに向いていないと感じたときに、理由や自分の性格をもとに原因を考えておくことが大切です。ここでは、エンジニアに向いていないと感じたときに考えるべきことを紹介します。
エンジニア自体が向いていないのか
エンジニアに向いていないと感じたときには、まずエンジニア自体が向いていないのかを考えることが大切です。
エンジニアの仕事は、ITスキルを活用してシステムやサービスを開発すること。IT技術に興味や関心があり、論理的思考力や問題解決力が求められる職種です。性格や特徴からエンジニアに向いていないとわかった場合、ほかの働き方を検討してみると良いでしょう。
エンジニア以外の仕事をする場合、20代であれば異業種を目指すことも可能です。ただ、異業種への転職は基本的には大変なこと。そのため、まずはエンジニアのスキルを活かせる仕事を探してみるのがおすすめです。
エンジニアのスキルが活かせる職種として有名なのは、マーケターやITコンサルです。また、IT業界といっても通信サービスやインターネットなどさまざまな分野があり、働き方が異なります。そのため、自分の興味や関心に合った働き方を見つけることが大切です。
- 仕事がうまくいかない
- 勉強を続けることがつらい
- チームでの仕事が合わない
今のエンジニアの職種が向いていないのか
エンジニアに向いていないと感じた際、今のエンジニアの職種が向いていない可能性があります。
エンジニアが関わる業務は多種多様。職種によって働き方も大きく異なり、ほかのエンジニア職種が向いていることもあります。主なエンジニアの職種は以下の通りです。
システムエンジニア | システムの設計・開発・テストを手掛ける技術職。クライアントに直接ヒアリングを行うこともあります。 |
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サーバーエンジニア | サーバーの設計、構築、運用、保守を担う技術職。サーバーを動かすアプリケーションを担当します。 |
ネットワークエンジニア | ネットワークの設計、構築、運用、保守を担う技術職。サーバー同士をつなぐネットワークを担当します。 |
データベースエンジニア | 膨大な量のデータをうまく活用するためのデータベースの設計とその運用、管理を担うスペシャリストです。 |
セキュリティエンジニア | 情報セキュリティに配慮したシステム構築、運用、サイバー攻撃への対策などを担当する専門技術職です。 |
運用保守システムエンジニア・障害対応 | サーバーやネットワークでの障害発生を防ぐために運用管理を行い、障害発生時には迅速な復旧を行います。 |
インフラエンジニア | システムの基盤となるITインフラの設計・構築・整備・保守に従事します。 |
Webエンジニア | Webサイト・モバイルサイト・ECサイト、ITシステム・アプリケーションなどの設計・開発、運用・保守を行います。 |
社内システム(社内SE) | 社内の情報システムの開発、運用、管理が主な仕事です。企業によってはIT関連すべてが守備範囲になります。 |
参照:マイナビIT AGENT
エンジニアは職種によって求められることが違い、働き方も変動します。そのため、別のエンジニア職種にキャリアチェンジしてみるのもおすすめです。
仕事のハードさや業務内容など、自分に合う働き方を見つけて転職することで納得できる仕事ができるでしょう。
- 仕事がうまくいかない
- 仕事内容がハードでついていけない
- 業務内容がつまらない
働いている職場の環境が合っていないのか
エンジニアに向いていないと感じるときには、自分の働いている職場の環境が合っていない可能性もあります。悩みを解決する方法は以下の2つです。
- 同業他社に転職
- フリーランスに転向
同業他社に転職すると、職場の環境を大きく変えられます。知識や経験が浅くうまく仕事ができていない場合や仕事がハードでついていけない場合など、環境が整っている転職先を選ぶことが大切です。
また、フリーランスとして働くことで、自分の好きな時間や場所で働くことができます。自分のスキルや経験を活かして、より高いレベルの開発に関われるため、やりたい仕事や興味がある仕事に集中できるでしょう。
ただし、フリーランスとして働く場合、営業スキルや納期・品質の管理技術が必要です。また、収入が不安定になる可能性があることも理解しておきましょう。
- 仕事がうまくいかない
- 仕事内容がハードでついていけない
- 業務内容がつまらない
悩んだらIT転職エージェントに相談してみるのもおすすめ
もしエンジニアに向いていないと感じて悩んでいる場合、IT転職エージェントに相談するのもおすすめといえます。多くのエンジニアを支援してきたプロの目線から、アドバイスをもらえるところが魅力です。
また、キャリアアドバイザーが企業の採用担当者と交渉してくれるため、職場を変える・キャリアチェンジをする場合にも役立ちます。料金は無料なので、悩んだときは一度相談してみると良いでしょう。
ここでは、エンジニアに向いていないと感じている人におすすめのIT転職エージェントを紹介します。IT業界に詳しいキャリアアドバイザーが在籍しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ギークリーは専門のアドバイザーがキャリアプランを提案してくれる
ギークリーは、株式会社ギークリーが運営する転職エージェントです。web系エンジニアや組み込み、制御エンジニア、社内SEの求人が多いのが特徴です。
ギークリーには、IT職種専門のアドバイザーが在籍しているので、求職者に合ったキャリアプランを提案。親身に話しを聞いてくれるため、悩みや転職に関する不安なども相談できます。
キャリアプランが明確になるので、迷わず自分の能力を活かせる仕事ができるでしょう。
※出典:ギークリー
マイナビIT AGENTは価値観に合った求人を紹介してくれる
「マイナビIT AGENT」は、就活・転職支援に強いマイナビが運営するIT業界向けの転職エージェントです。希望の条件や価値観に合う求人を紹介してくれるため、エンジニアの経験を活かせる働き方を知りたい人におすすめといえます。
また、面談でキャリアの相談ができるところもポイント。現状をヒアリングして、今の会社に残るべきか転職すべきか客観的な意見をくれます。転職のプロのアドバイスを活かすことで、納得感のある選択ができるでしょう。
※出典:公式サイト
※マイナビのプロモーションを含む
レバテックキャリアはIT業界の求人に詳しい
「レバテックキャリア」は、IT業界特化型の転職エージェントです。さまざまなエンジニア職種に対応しており、マーケターやITコンサルタントなどのIT業界の求人も取り扱っています。エンジニアのスキルを活かせる転職を検討している人にも役立つでしょう。
IT業界の転職を専門にしているからこそのサポートにも魅力があります。業界に詳しいキャリアアドバイザーが担当するため、エンジニアならではの悩みや希望が伝わりやすいところもポイントです。
※出典:公式サイト
リクルートエージェントITは豊富な求人から自分に合う働き方を選べる
「リクルートエージェントIT」は、転職業界大手の株式会社インディードリクルートパートナーズが運営するIT転職エージェントです。IT業界の求人が豊富で、多くの候補から自分に合う働き方を見つけたい人におすすめです。
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※出典:公式サイト
エンジニアに向いていないと感じたときの対応策まとめ
エンジニアに向いていないと感じたときは、まず理由を見極めましょう。そのうえで、自分の性格や特徴をもとに本当にエンジニアに向いていないのかを理解して、今後の方針を考えることが大切です。
エンジニアに向いていないと感じたときに考えるべきポイントには、以下のようなものがあります。
- エンジニア自体が向いていないのか
- 今のエンジニアの職種が向いていないのか
- 働いている職場の環境が合っていないのか
なぜエンジニアに向いていないと感じるのか、原因を明確にしましょう。ひとりではうまく考えられないと不安な人は、転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。転職のプロの目線からアドバイスをくれるため、取るべき行動が見えてくるでしょう。
自分が納得できる選択をするためにも、まずは現状を把握して方向性を見極めてください。