.Proにインタビュー!株式会社D-ing取締役 三田村 信太朗氏に聞いてみた!

■三田村 信太朗氏プロフィール

株式会社D-ing取締役
三田村 信太朗

プロフィール
2017年、大学卒業と同時に現代表・大金と共に株式会社D-ingを設立。以降、プログラミングスクール「.Pro」の運営に携わりながら、受講希望者とのキャリア面談も自ら行うなど、現場に深く関わる。
また、D-ingのWeb事業部の責任者として、Webディレクター・デザイナーの役割も兼任。開発案件のディレクションにも従事し、実務の最前線でプロジェクトを推進している。
近年は生成AIを活用した開発業務の効率化にも注力しており、.Proにおけるカリキュラムの方向性についても、講師と共に検討・改善を重ねながら日々アップデートを続けている。

目次

.Proの特徴や強み

ミツカル学び編集部(以下、編集部)まず、プログラミングスクール「.Pro」はどのような目的で設立され、どんな特徴を持ったスクールなのでしょうか?

.Pro 株式会社D-ing取締役 三田村 信太朗氏(以下、三田村 信太朗氏):プログラミングスクール「.Pro」は、自社の開発事業において優秀なエンジニアを確保するために設立されました。当時、Pythonエンジニアの数が少なく、採用コストも高かったことから、「それならば、自社で優秀な人材を育成しよう」と考えたのが始まりです。

その結果、実務で活躍できるスキルを重視した教育を提供するスクールとして発展しました。卒業生の中には、弊社の開発事業部に入社しエンジニアとして活躍している方や、.Proの講師として次世代の育成に携わっている方もいます。現在、当校の講師陣の約3割が卒業生であり、実務経験を積んだ彼らが、より実践的な指導を行えることも「.Pro」ならではの特徴の一つです。

編集部:.Proならではの強みや、他のプログラミングスクールとは「ここが違う」というポイントがあれば教えてください。

三田村 信太朗氏:当校では、講師主導でカリキュラムの作成・運用を行っていることが大きな特徴です。

実際にさまざまな現場で活躍する講師陣が、実務で求められる技術をベースにカリキュラムを開発し、生徒に直接指導しています。

さらに、当校のカリキュラムは常に進化する仕組みになっています。講師が生徒に指導する中で、学習の進捗や理解度に応じて内容を調整し、より効果的な学習体験となるようブラッシュアップしていきます。この柔軟なカリキュラム運用が、他のプログラミングスクールとの大きな違いです。

また、対面での講義を採用しているため、生徒の表情や反応を見ながら理解度を把握し、適切なサポートを提供できます。疑問点の解決に時間を取られすぎることなく、スムーズに学習を進められるのも少数精鋭のスクールならではの強み です。

カリキュラムや学習環境

編集部:御校では目的に合わせたセミオーダー型のカリキュラムを提供しているとうかがいました。具体的にはどのようなコースや学習プランがあり、初心者から応用までどのようにステップアップできるのか教えてください。

三田村 信太朗氏):Pythonは、Web開発とAI(機械学習)の大きく2つの分野に活用できる、非常に汎用性の高い言語です。当校では、この特性を活かし、学習後半に生徒一人ひとりの希望に応じて学ぶ分野を選択できるセミオーダー型のカリキュラム を提供しています。

特徴的なのは、超実践的な学習スタイルです。単に講義を受けるだけでなく、生徒自身が作りたい成果物のアイデアを出し、要件定義から実装までを主体的に進めます。その過程で、講師が個別にサポートしながら、実務レベルのスキルを習得できるよう指導します。

また、当校の講師陣は多種多様なプロジェクトに対応してきた経験を持ち、Web開発・AIどちらの分野でも実践的なアドバイスが可能です。生徒の目的に応じて学習内容を柔軟に調整しながら、確実にスキルアップできる環境を整えています。

編集部:学習環境について伺います。対面講義にこだわっているとのことですが、その理由やメリットは何でしょうか?また、プログラミング未経験の初心者でも安心して学べるよう、どのようなサポート体制を整えていますか?

三田村 信太朗氏:当校では 「講師との雑談」 を大切にしています。その理由は、プログラミングの世界はトレンドの移り変わりが非常に速く、特に生成AIの分野では毎週のように新しい技術やトピックが生まれているからです。こうした最新情報を常にキャッチアップしている講師とリアルタイムで会話できる環境を整えることで、単なる知識のインプットだけでなく、より実践的で役立つ学びを提供できると考えています。

また、対面講義の大きなメリットの一つが 個別のアドバイスを柔軟に受けられる点です。生徒一人ひとりの目標に合わせて学習の方向性を調整し、今後必要となるスキルや知識についても適切にアドバイスを行います。特に、当校では成果物の開発を重視 しており、受講生自身が作りたいシステムやプロジェクトに取り組める環境を用意しています。そのため、将来的に社内で導入を検討しているシステムの開発や、業務での活用を想定したプロジェクトに取り組む生徒も多くいます。

オンライン学習は一定の利便性がありますが、どうしてもコミュニケーションが限定的になりがちです。特にプログラミングの学習では、疑問点の即時解決や、細かいニュアンスの伝達が重要になります。そのため、当校では 対面での学習を採用し、講師との密なやり取りを通じて、より効率的かつ実践的に学べる環境 を提供しています。

AIプログラミングの学習方法

編集部:AI、とりわけ生成AIのプログラミング教育に力を入れていると伺いましたが、具体的にはどのような内容やスキルを身につけられるのでしょうか?Pythonを通じてAIを学ぶうえでの特徴的な学習方法があれば教えてください。

三田村 信太朗氏:生成AIの多くはPythonで構築されており、本格的に活用するためには Pythonの理解が非常に重要です。単なる「AIの使い方」を学ぶだけではなく、プログラミングの根本的な仕組みを理解することが、効果的な活用の鍵となります。例えば、AIにコードを生成させる際にプログラムの構造を理解していなければ、適切な指示が出せず、実用的な成果物を作ることが難しくなります。

当校では、こうした 「AIを使いこなすためのプログラミング思考」 を養うことも重視しています。また、近年では少人数、あるいは一人で複数人分の業務をこなすことが可能とされるほど、生成AIの活用が業務効率化や人件費削減の面で注目されています。そのため、プログラミング知識を持ち、生成AIを適切に活用できる人材の需要が高まっています。

当校では、Pythonの基礎から学びつつ、AIを活用した効率的な開発手法も実践的に学べるカリキュラムを提供し、講師が直接指導することで、より実務に直結したスキルの習得をサポートしています。

編集部:AI分野は初心者にはハードルが高い印象もありますが、.Proではどのように初心者にAIプログラミングを指導しているのでしょうか?AIに特化した教材や学習方法など、工夫している点があれば教えてください。

三田村 信太朗氏:AI分野は一見ハードルが高いと感じるかもしれませんが、Pythonはシンプルな文法と分かりやすい構造を持つため、初心者にも学びやすい言語です。.Proでは、このPythonを基礎から丁寧に学べるカリキュラムを用意し、初心者でも無理なく学習に取り組める環境を整えています。

当校の学習スタイルの特徴は、制作物の開発をベースに学ぶことです。単なる座学ではなく、受講生自身が作りたいAIシステムや業務で活用できるツールを実際に開発しながら学習を進めます。このプロセスを通じて、AIの概念だけでなく実践的なスキルも身につけられるため、学んだ知識をすぐに活用できるのが特徴です。

また、対面での指導を重視しているため、学習中に疑問が生じた際はすぐに質問でき、講師がその場で適切なフィードバックを提供します。初心者がつまずきやすいポイントを講師が細かくフォローすることで、AIプログラミングの理解を深めながら、効率的に学習を進められる仕組みを整えています。

受講生の成長や成功事例

編集部:これまでの受講生で、特に印象に残っている成長や成功のエピソードはありますか?たとえば未経験から短期間で大きく成長された方がいれば、その事例を教えてください。

三田村 信太朗氏:生徒の個人情報も含むため詳細な回答はできませんが、以前貿易関係に勤めていた方が自社で活用できる「業務効率化システム」を学習中に開発し、社内へ提案。実際にシステムが評価され導入が確定し、卒業後にご連絡をいただいたことがございます。その方は社内評価もあがり昇格となったそうです。

 編集部:受講前と受講後で、受講生のスキルや意識にどのような変化が見られますか?.Proで学ぶことで受講生はどのような成長を遂げていると実感されていますか?

三田村 信太朗氏: .Proでの学びを通じて、受講生はスキル面と意識面の双方で大きな変化を遂げています。​例えば、未経験から入校したAさんは、基礎学習でITリテラシーやPythonの基本を習得し、応用学習ではデータ分析に必要なライブラリの活用法を学びました。​これにより、ソースコードへの抵抗感がなくなり、実践的なスキルを身につけることができたと語っています。 ​

さらに、対面式の授業により、その場で疑問を解消できる環境が、学習のモチベーション維持に大きく寄与しています。​教室に通うことで「逃げられない環境」に身を置けたことが、学習の継続につながったと述べています。 ​

これらの経験から、受講生は「自分にもできる」という自信を獲得し、学ぶ楽しさを実感しています。​.Proでの学びは、スキル習得だけでなく、自己成長やキャリアの可能性を広げる大きな一歩となっていると考えております。

卒業生の進路・就職実績

編集部:卒業生の方々は具体的にどのような進路に進まれているのでしょうか?エンジニアへの転職はもちろん、現職でのスキル活用など、就職先や活躍分野の傾向があれば教えてください。

三田村 信太朗氏:当校で学んだ後にエンジニアへ転職される方も多くいらっしゃいますが、近年では「非エンジニアとしてプログラミングを活用したい」という受講生が増えているのも大きな傾向です。特に、生成AIの進展により、プログラミングスキルの活用場面がエンジニア職に限らず、マーケティングや業務効率化などの領域にも広がっています

従来の「プログラミングスクール=エンジニア転職」というイメージに対し、.Proでは 「プログラミングを一つのビジネススキルとして使いこなす」ことを目的に指導を行っています。受講生一人ひとりの現在の仕事内容や業種も考慮しながら、非エンジニアであってもエンジニアと同等の技術を実務に活かせるようサポートしています。

そのため、卒業後はIT企業への就職だけでなく、現職での業務改善やAIツールの導入、自動化の実践など、幅広い分野でスキルを活かしている方が多く、柔軟な進路選択が可能です。

 編集部:キャリア支援について伺います。受講生が学習を終えた後、転職サポートや企業との連携など、どのような就職・キャリア支援の体制を提供していますか?

三田村 信太朗氏:当校では、提携しているキャリア支援会社の協力のもと、受講生の転職活動をサポートする体制 を整えています。ただし、正直なところ、これらのサポートを積極的に活用する受講生はそれほど多くありません。

というのも、当校の学習スタイルは対面での指導を重視しており、現役エンジニアである講師と日常的に深いコミュニケーションを取る中で、自然とキャリアに関する話題も交わされる ことが多くあります。講師自身のキャリア経験を聞く中で、受講生は「まずは自分で動いてみる」というマインドが育まれ、主体的に行動できるようになるのです。

その結果として、卒業生の転職成功率は高く、当校のサポートを利用せずとも自ら道を切り拓いていく方が多い のが特徴です。

業界トレンドとスクールの関わり

編集部: IT業界、とりわけAIの分野は日々進化していますが、.Proでは最新の業界トレンドをどのようにカリキュラムや指導に取り入れていますか?たとえば最近話題の技術やツールへの対応など、意識している点があれば教えてください。

三田村 信太朗氏:生成AIをはじめとしたテクノロジーは日々進化しており、.Proではその変化に柔軟に対応できるよう、運営はもちろん、現役エンジニア講師が実務で得た最新の知見をベースにカリキュラムを随時調整しています。実際に、基礎カリキュラムの中にも「生成AIにヒントを求めよう」といった、AIと協働しながら学ぶアプローチ を取り入れています。

ただし、現時点での生成AIは進化のスピードが非常に早く、完成された教材に落とし込むこと自体が難しいフェーズでもあります。.Proでは「正解のある学び」ではなく、受講生とともに“どう活用するか”を考える姿勢を大切にしています。講師との日常的な対話の中で、現場で起きているリアルな課題に触れ、それを学びに転換する。この柔軟さと実践性こそが、常にトレンドに寄り添う.Proの学びのスタイルです。

編集部:生成AIなどの技術が普及する中で、プログラミングスクールの役割も変化していると思います。業界全体の流れの中で、.Proはどのような役割を果たしたいと考えていますか?

三田村 信太朗氏:生成AIが普及する中で、「AIを使えること」自体が特別なスキルではなくなりつつあります。むしろこれからの時代に求められるのは、“何のために使うのか”を考えられる人材です。.Proでは、まさにこの“目的思考”を育てることこそ、これからのスクールに求められる本質的な役割だと捉えています。

当校では、生徒一人ひとりが「何を作りたいか」から学びを始め、**自ら課題を設定し、実装まで取り組む過程を通じて、思考力と実践力の両方を鍛えていきます。**知識や技術を一方的に教えるのではなく、自分の意思でAIやプログラミングを使いこなす力を身につけることが当校の教育スタンスです。

今後の展望

編集部:今後の展望についてお聞かせください。.Proとして今後新たに計画しているコースやサービス、校舎の拡大や企業との提携など、具体的な計画があれば教えてください。

三田村 信太朗氏:現時点で具体的なリリース予定はありませんが、.Proとしては今後、「非エンジニアでもAIやプログラミングを使いこなせる人材を全国に増やす」というビジョンをもとに、学びの場をさらに広げていきたいと考えています。

特に、現在は東京を拠点にしていますが、対面指導の強みを活かせるよう、地方での展開や短期集中型のオフライン研修なども構想しています。また、企業からの研修依頼も受注しており、今後は法人向けサービスの拡充や、企業との教育連携も積極的に進めていく予定です。

AI時代に必要とされる“考えて動ける人材”を育てるために、.Proは教育の形そのものを進化させ続けていきます。

編集部: 5年後、10年後といった将来を見据えて、.Proはどのような存在になっていたいと考えていますか?プログラミング教育全体の将来像も含めて、お聞かせください。

三田村 信太朗氏:5年後、10年後の社会では、生成AIをはじめとしたテクノロジーがさらに身近なものとなり、プログラミングは一部の専門家だけのものではなく、“誰もが活用する素養”になると私たちは考えています

.Proは、そんな時代において、単に技術を教えるだけでなく、「テクノロジーを通して自分の可能性を広げられる場所」として成長していたいと考えています。

現在は社会人向けの実践的なスクールに加え、小学生向けの「.Pro Jr.」も展開しており、今後はより一層、年代や職種を問わず“自分のためにプログラミングを学ぶ”ことを支える教育機関を目指していきます。

幼少期から「考えて動く力」を育て、大人になってもそれを磨き続けられる──.Proは、人生に寄り添い続ける学びの場として進化していきたいと考えています。

 編集部:最後に、これからプログラミングやAIを学びたいと考えている読者に向けて、メッセージをお願いいたします。

三田村 信太朗氏:生成AIの発展により、「プログラミングを学ばなくてもAIを活用できるのでは?」と感じる方も増えています。しかし、仕組みを理解せずにAIを使うだけでは、その力を最大限に引き出すことはできません。

私たちは、AIが人の仕事を完全に奪う時代はまだ先であり、これからは**「AIと共に生き、共に働く時代」**だと考えています。その時に必要なのは、AIを“ただ使う”力ではなく、“どう使うか”を自ら考え、実行できる力です

.Proでは、目的から逆算してAIやプログラミングを活用する実践力を育てる学びを提供しています。これからの時代を主体的に生き抜きたいと考えている方にこそ、ぜひ一歩を踏み出していただきたいと思います。

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