エンジニアを辞めたい理由は?向いていないと思った時の対処法・転職先も

エンジニアを辞めたい理由や向いていないと思ったときの対処法・転職先を解説

エンジニアは憧れの職業のひとつとして認識されている一方で、進化する技術への対応力や将来性など、キャリアに不安を感じるエンジニアが多いとのデータがあります。

パーソル総合研究所の「ITエンジニアの就業意識に関する調査結果」によると、スキル・給与・業務量に関する悩みや不安が、ランキング上位を占めていました。

またエンジニアとして働いているものの、働き方に不満が募り、辞めたいと感じている人は少なくありません。

ITエンジニアのキャリア不安ランキング
ITエンジニアの就業意識に関する調査結果」をもとに当サイトが作成

しかし、エンジニアを辞めたいと考えていても、「忙しくて転職活動の時間が取れない」「今のキャリアを手放すのはもったいないのでは?」と迷い、なかなか行動に踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、エンジニアが辞めたいと感じる主な理由と、それに対する具体的な対処法を詳しくまとめました。エンジニアとしての働き方を見直したい方にとって、役立つ情報を提供しています。ぜひ参考にしてみてください。

目次

エンジニアを辞めたいと思う理由

エンジニアを辞めたいと思う理由

厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、エンジニアを含む情報通信業の離職率は11.9%。全職種の平均離職率15.0%と比べてエンジニアの離職率は低い水準ではありますが、辞めていく人がいるのは事実です。

ここではリクナビNEXTの調査内容をもとに、エンジニアを辞めたいと思ったときの理由を紹介します。エンジニアとしての働き方に不満がある人は、よくある辞めたい理由を参考にして自分の悩みを明確にしましょう。

給与が低くて辛い・職種や企業によって差が大きい

エンジニアを辞めたい大きな理由として、給与が低いことが挙げられます。

dodaの調査によるとITエンジニアの平均年収は452万円で、全職種の平均年収の403万円と比較すると高い傾向です。しかしエンジニアの種類によって給与水準が大きく異なり、給与が低くて生活がきついと感じる人もいます。

また同じ業務内容にも関わらず、会社によって給与に差が出ることもあります。他社のエンジニアと話をするなかで、働いている会社の給与が低いことを知り、やめたいと思うエンジニアもいるようです。

エンジニアとしての技術やスキルを伸ばせない

勤務先ではエンジニアとしての技術やスキルを伸ばせないと感じて、辞めることを視野に入れる人もいます。

たとえば業務が限られている・研修制度が整っていないなどで、技術やスキルを磨く環境がない場合、エンジニアとしてのキャリアに不安を感じることもあるでしょう。

もちろん自主的な学習も必要ですが、周りの人の「仕事に対する意欲」が低いと、働くモチベーションも下がってしまうかもしれません。

パーソル総合研究所の意識調査でも、そのほかの職種と比較してエンジニアがとくに不安を感じているものに「技術・スキルがいつまで通用するか」「技術・スキルをいつまで習得できるか」があります。

日々進化するIT業界でエンジニアが活躍するためには、技術・スキルのアップデートが必要です。それができない場合、エンジニアを辞めたいと思う人もいます。

仕事がきつい・業務が大変で帰れないことも

エンジニアとして働いていて、ワークライフバランスに満足できずに辞めたいと感じる人もいます。

仕事が多く帰れない、休日出勤が必要など長時間労働が慢性化している環境だと、働くのがつらいと感じる人もいるでしょう。

正常にシステムが作動せず、直すのに長時間労働が必須となると、心や体に影響が出ても無理はありません。

近年働き方改革が行われており、エンジニアの労働環境も整いつつあります。ただ会社によっては対応が遅れており、ワークライフバランスを重視する人にとって、働きづらい職場もあるのも事実です。

人間関係に疲れる・メンバーやクライアントとの相性が悪い

人間関係のトラブルも、エンジニアが辞めたいと感じる理由のひとつです。

相性が悪くてやり取りが大変な場合や、業務に追われてコミュニケーションを取る時間がない場合など、苦痛を感じるポイントは多々あります。

クライアントへのヒアリングやチームメンバーへの共有など、コミュニケーションをとることがエンジニアの大切な業務のひとつです。

人とのやりとりが多いため、人間関係が悪いと仕事がスムーズにいかず、もどかしさやストレスを感じる人もいるでしょう。

仕事内容に不満があるので辞めたい

エンジニアを辞めたい理由として、会社の仕事内容への不満も挙げられます。たとえば会社の評価・昇給制度によって、仕事に不満を抱えることもあります。

多くの業務をこなしているにも関わらず年功序列で給料の大幅アップが見込めないような環境では、実力を評価してもらえないないと感じてモチベーションが下がってしまうでしょう。

またゲームやアプリなどの開発に憧れて入社したものの、希望していない業務がメインで、やりたい仕事ができていないと感じる人もいるようです。

エンジニアを辞めたい理由ごとに対処法を解説

エンジニアを辞めたい理由ごとに対処法を解説

エンジニアを辞めたい理由が明確になると、対処法も考えられるようになります。

次は、エンジニアを辞めたい理由ごとに対処法を紹介します。どのような方法があるか、一度チェックしてみてください。

今の職場で改善できないか検討する

まずは、今の職場で状況を改善できないか検討することが大切です。

会社の規模にもよりますが、部署やプロジェクトの異動で悩みが解決する可能性があります。とくに人間関係や残業の多さなどは、配属先の環境によるケースが多いため、エンジニアを辞める前に一度検討してみるのがおすすめです。

また客観的な視点から状況を整理して、悩んでいることを上司に相談してみるのも良いでしょう。前向きに受け取ってもらえれば、配置換えなどで状況を改善してくれる可能性があります。

こんな理由で悩んでいるエンジニア向け
  • 人間関係で悩んでいる
  • ワークライフバランスが悪い
  • 仕事内容に不満がある

自分の働き方に合った転職先を探す

エンジニアの仕事は苦痛でないと感じている場合、同業他社にエンジニアとして転職することで環境改善ができる可能性があります。

とくに給与やスキルに関する考え方・人間関係・労働条件は会社に依存しているため、転職することで環境改善が期待できます。

関わりたい仕事が決まっている場合は、求人を探す段階で詳しく業務内容を調べて、希望にマッチしているか確認してみてください。

会社によって、エンジニアとしての働き方が違います。転職活動ではほかの会社の働き方をチェックできるため、今の環境を客観的に理解するときにも役立つでしょう。

こんな理由で悩んでいるエンジニア向け
  • 給与が低くて辛い
  • 技術やスキルを伸ばせない
  • 人間関係で悩んでいる
  • ワークライフバランスが悪い
  • 仕事内容に不満がある

フリーランスのエンジニアとして働く

実績のあるエンジニアや、スキルに自信を持っているエンジニアは、フリーランスで働くという方法もあります。

フリーランスの最大の特徴は、働きやすさを重視できることです。時間や場所を自由にできるので、自分のペースで仕事を進められます。

実際に「フリーランス実態調査結果」によると、フリーランスという働き方を選択した理由について、自分の仕事のスタイルで働きたいと回答した人が約6割もいるそうです。

ただしフリーランスの場合、収入が安定しないなどのデメリットもあります。そのため企業で働くのを辞める前に、しっかりと準備することが大切です。

こんな理由で悩んでいるエンジニア向け
  • 給与が低くて辛い
  • 人間関係で悩んでいる
  • ワークライフバランスが悪い
  • 仕事内容に不満がある

エンジニアの経験を活かせる仕事に挑戦する

新卒や未経験でエンジニアに就職したものの、向いていないと感じている人もいるでしょう。ストレスの少ない働き方を探すために、業界を変えてみる方法もあります。

エンジニアの経験を活かせそうなIT業界の具体例は、通信サービス分野・Sler分野などです。またECサイトやアプリなどを開発するインターネット分野(Web分野)なども考えられます。

  • ソフトウェア分野
  • ハードウェア分野
  • 通信サービス分野
  • SIer/SES分野
  • インターネット分野(Web分野)

参照:厚生労働省「ITの仕事

同じエンジニアでも、違う業界に挑戦することで、仕事内容や働き方を変えられます。エンジニアを辞めたいと思ったときには、ぜひ参考にしてみてください。

こんな理由で悩んでいるエンジニア向け
  • 技術やスキルを伸ばせない
  • 人間関係で悩んでいる
  • ワークライフバランスが悪い
  • 仕事内容に不満がある

エンジニアの別職種にキャリアチェンジをする

エンジニアの業務内容そのものに不満がある場合は、別の職種にキャリアチェンジする方法もあります。

たとえば高収入を目指すなら、上流工程のプロジェクトマネージャーや、経営に携わるITコンサルタントなどがおすすめです。スキルは必要ですが、年収アップを期待できます。

ITコンサルタントITを活用して企業の課題を解決する専門家。問題を明らかにし、解決のための助言や提案を行います。
プロジェクトマネージャーシステム開発などのプロジェクトの総責任者。進行管理を担い、予算、品質、納期に対して全責任を負います。
プロジェクトリーダーシステム開発などのプロジェクトの現場リーダー。メンバーのまとめからトラブルのフォローまでをこなします。
システムエンジニアシステムの設計・開発・テストを手掛ける技術職。クライアントに直接ヒアリングを行うこともあります。
プログラマーSEなどが作った設計に基づき、プログラミング言語を用いてシステムやソフトウェアを作ります。
サーバーエンジニアサーバーの設計、構築、運用、保守を担う技術職。サーバーを動かすアプリケーションを担当します。
ネットワークエンジニアネットワークの設計、構築、運用、保守を担う技術職。サーバー同士をつなぐネットワークを担当します。
データベースエンジニア膨大な量のデータをうまく活用するためのデータベースの設計とその運用、管理を担うスペシャリストです。
セキュリティエンジニア情報セキュリティに配慮したシステム構築、運用、サイバー攻撃への対策などを担当する専門技術職です。
運用保守システムエンジニア・障害対応サーバーやネットワークでの障害発生を防ぐために運用管理を行い、障害発生時には迅速な復旧を行います。
テクニカルサポート企業が提供する製品・サービスへの消費者からの問い合わせに対し、電話やメールで対応します。
社内システム(社内SE)社内の情報システムの開発、運用、管理が主な仕事です。企業によってはIT関連すべてが守備範囲になります。
製品開発/研究開発新しい技術およびIT製品の開発を担当するポジション。ハードウェア・ソフトウェア双方の開発に関わります
品質管理(QC)/品質保証(QA)企業が提供する製品・サービスへの消費者からの問い合わせに対し、電話やメールで対応します。
システム運用システム運用とは、サーバーやネットワークが停止しないように、システムの管理・運用をする仕事です。
インフラエンジニアシステムの基盤となるITインフラの設計・構築・整備・保守に従事します。
WebエンジニアWebサイト・モバイルサイト・ECサイト、ITシステム・アプリケーションなどの設計・開発、運用・保守を行います。

参照:マイナビIT AGENT

また将来性を考える場合、AIエンジニアやデータサイエンティストなども選択肢のひとつです。転職市場でも需要があり、好条件で働ける可能性もあるので検討してみてください。

こんな理由で悩んでいるエンジニア向け
  • 給与が低くて辛い
  • 技術やスキルを伸ばせない
  • 人間関係で悩んでいる
  • ワークライフバランスが悪い
  • 仕事内容に不満がある

エンジニアを辞めたいときに考えるポイント

エンジニアを辞めたいときに考えるポイント

今の職場を続けるのか、働きやすい企業に転職するのかを、すぐに決断するのは難しいでしょう。

ここでは、エンジニアを辞めたいときに考えるポイントを解説します。後悔しない選択をするためにも、ぜひ一度チェックしてみてください。

転職するなら辞める前に理想の働き方をはっきりさせる

もし転職するなら、エンジニアを辞める前に、理想の働き方を明確にしておきましょう。何となくで辞めてしまうと、転職後も同じ気持ちになってしまうかもしれません。

たとえば、ワークライフバランスを重視したい場合、残業が少ない・土日祝休みなどの条件で絞り込むことで、理想に近い企業を見つけやすくなります。

このとき、今の職場では本当に実現できないのか、再度確認してみてください。上司に相談することで、理想の働き方ができるなら、転職を焦る必要はないでしょう。

キャリア・スキルの棚卸しする

今までのキャリアやスキルを棚卸しすることも大切なポイントです。エンジニアとしてのスキルやこれまでの経験、学生時代に学んだことなど、今につながる情報を整理しましょう。

自分のキャリアを確認すれば、将来どうなりたいのかを考えられます。本当にエンジニアを辞めたいのか、見直すきっかけにもなるでしょう。

またスキルを整理しておくと、転職する場合にも役立ちます。転職先を探すのがスムーズになりますし、面接でもしっかり自分をアピールできるはずです。

ほかの企業の求人情報を見てみる

どうしてもエンジニアを辞めることに踏み切れない場合は、他の企業の求人情報を見てみるのも良いでしょう。想定年収や仕事内容など、ある程度の条件を確認することができます。

また、転職口コミサイトの情報もチェックしてみることをおすすめします。社内の雰囲気や残業時間、辞めたい理由など、リアルな評判を知ることができるので参考になるはずです。

事前に情報を集めておけば、転職後のミスマッチを防ぐことができます。その結果、入社後に再度「エンジニアを辞めたい」と思うことも少なくなるでしょう。

IT転職エージェントに相談してみる

IT業界に特化した転職エージェントでは、転職市場の動向・自分の市場価値などを確認できます。そのため、エンジニアを辞めたいと思っている人の情報収集にはぴったりです。

転職すると決めた場合は、専任のキャリアアドバイザーが条件に合う求人を紹介してくれます。また書類添削や面接対策、企業とのやりとりも代わりに行ってくれるため、働きながらでもスムーズに転職活動を進められるでしょう。

もちろん相談だけでも問題ありません。エンジニアを辞めたいと思っている理由や、転職の悩みも聞いてくれるので、一度話してみることをおすすめします。

エンジニアを辞めたいときに役立つIT転職エージェント

エンジニアを辞めたいときに役立つIT転職エージェント

たとえば以下のIT転職エージェントは、エンジニアの利用者が多く、転職の悩みや不安を丁寧にヒアリングをしてくれます。またスキルを活かせる求人も、多く取り扱っています。

どれも無料で利用できるので、気になるところがあれば一度相談してみてください。

リクルートエージェントITなら自分に合いそうな企業を探しやすい

リクルートエージェントIT
出典:リクルートエージェントIT

「リクルートエージェントIT」は転職業界大手のリクルートが運営しているIT転職エージェントです。

エンジニアをはじめとしたIT業界の求人を豊富に取り扱っており、職種や言語などの条件で絞り込みができます。働く環境に関するこだわり条件も選べるので、自分に合う企業を見つけやすいでしょう。

とくにこだわりたい条件がある人や、やりたい仕事がある人にはおすすめです。条件交渉や日程調整なども代行してもらえるので、エンジニアを辞める際にはぜひ利用してみてください。

※出典:公式サイト

マイナビIT AGENTは悩みや不安も気軽に相談できる

マイナビIT AGENT
出典:マイナビIT AGENT

「マイナビIT AGENT」は、マイナビが運営するIT業界の求人に特化した転職エージェントです。

さまざまな職種の転職支援経験で培ったノウハウを活かしたサポートが特徴で、年収アップ率は7割を超えています。書類添削や面接対策も充実していました。

また在宅勤務や年収アップを目指せるエンジニア求人が特集されているところも特徴のひとつです。丁寧にヒアリングしてくれるので、エンジニアを辞めたいときは一度相談してみると良いでしょう。

※出典:公式サイト
※マイナビのプロモーションを含む

レバテックキャリアは職場の雰囲気を事前にチェックできる

出典:レバテックキャリア

「レバテックキャリア」は、リアルな求人情報を確認できるIT転職エージェントです。

現場で働くエンジニアへのヒアリングを通して、詳しい求人情報を教えてくれます。利用した人の約9割が情報の詳しさに満足しているので、納得感のある選択ができるでしょう。

研修制度が充実した企業も探せるため、スキルアップを目指すエンジニアにもおすすめです。自分の経験やスキルをもとに、求人を紹介してもらえますよ。

※出典:公式サイト

エンジニアを辞めたい理由と対処法まとめ

エンジニアを辞めたいときには、以下のような対処法があります。

  • 今の職場で改善できないか検討する
  • 自分の働き方に合った転職先を探す
  • フリーランスのエンジニアとして働く
  • エンジニアの経験を活かせる仕事に挑戦する
  • エンジニアの別職種にキャリアチェンジをする

現在IT人材は不足していると言われているので、エンジニアは非常に貴重な存在です。そのため辞めたいときには、今の職場で改善できないか、転職して環境を変えられないかを検討してみてください。

ちなみに転職エージェントを利用すれば、無料でサポートを受けられるため、負担が少なく転職活動を行えます。転職活動をするか悩んでいる人も、キャリア相談ができ、より納得できる選択ができるでしょう。

働き方を改善して、自分にとってベストな環境を見つけてください。

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