司法書士は弁護士や社労士と同じぐらい合格するのが難しく、国内でも屈指の難関資格です。
しかし実際はどれほど難しいのかわからない人も多いと思います。
そこで、今回は以下のような内容について調査を実施しました。
【当ページをざっくりまとめると…】
・合格率から見る司法書士の難易度
・試験勉強時間から見る司法書士の難しさ
・年齢や学歴から見る司法書士に受かりやすい人
・司法書士をほかの資格と比較
・そもそも司法書士が難しいといわれている理由
今回は、上記の内容をそれぞれ詳しく解説していきます。(5分ほどでサックリ理解できるようまとめました。)
司法書士の合格率から見る難易度
過去5年間の司法書士試験の合格率は以下の通りです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2023年度 | 13,372人 | 695人 | 5.19% |
2022年度 | 12,727人 | 660人 | 5.18% |
2021年度 | 11925人 | 613人 | 5.14% |
2020年度 | 11494人 | 593人 | 5.16% |
2019年度 | 13683人 | 601人 | 4.39% |
過去5年間で平均合格率は4〜5%のため、合格するのは非常に難しいといえます。
口述試験と筆記試験があり、口述試験で不合格になる人はほとんどいません。そのため上記の合格率は筆記試験の合格率ともいえます。
司法書士の勉強時間から見る難易度
司法書士に合格するために必要な勉強時間は以下の通りです。
科目 | 必要勉強時間 |
---|---|
民法 | 720時間 |
不動産登記法 | 513時間 |
不動産登記法(記述) | 375時間 |
商法(会社法) | 288時間 |
商業登記法 | 258時間 |
商業登記法(記述) | 375時間 |
民事訴訟法 | 162時間 |
民事執行法 | 33時間 |
民事保全法 | 33時間 |
司法書士法 | 33時間 |
憲法 | 96時間 |
刑法 | 96時間 |
供託法 | 96時間 |
とくに「民法」や「不動産登記法」、「不動産登記法(記述)」の3つに勉強時間を多く割かなければなりません。
司法書士試験の配点は以下の通りです。
試験科目(午前の部) | 出題数 | 割合 |
---|---|---|
憲法 | 3問 | 8.60% |
民法 | 20問 | 57.10% |
刑法 | 3問 | 8.60% |
商法 | 9問 | 25.70% |
試験科目(午後の部) | 出題数 | 割合 |
---|---|---|
民事訴訟法 | 5問 | 14.30% |
民事執行法 | 1問 | 2.90% |
民事保全法 | 1問 | 2.90% |
司法書士法 | 1問 | 2.90% |
供託法 | 3問 | 9% |
不動産登記法 | 16問 | 45.70% |
商業登記法 | 8問 | 22.80% |
勉強必要時間がとくに長い科目は配点が高く、高得点を取るために勉強が必須です。
またすべての試験科目を対策するためには3,000時間の勉強が必要。
ほかの資格に比べても長時間必要なため、長い試験勉強に耐えなければなりません。
司法書士の年齢別合格率から見る難易度
司法試験の難易度を年齢別に分類した表は以下の通りです。
年齢 | 割合 |
---|---|
20代 | 12.30% |
30代 | 34.80% |
40代 | 32.80% |
50代 | 14.90% |
60代 | 4.20% |
表から30から40代が最も割合が多いといえます。学生や若い人が有利ではなく、社会人でも合格が可能。
社会人と学生で試験勉強に有利不利はなく、どの年代でも使える資格といえるでしょう。
ほかの資格と比較した場合の難易度はどれくらい?
司法書士とほかの資格を比べたときの比較は以下の通りです。
資格名 | 平均合格率(直近10年分) |
---|---|
司法書士 | 5% |
公認会計士 | 10% |
税理士 | 18% |
弁理士 | 7% |
司法書士試験はほかの難関資格と比較しても難しいといえます。
受験資格がない公認会計士でも10%の合格率があるため、司法書士はさらに難しいです。
受験回数も多く大手予備校のLECの調査では以下のデータがあります。
受験回数 | 割合 |
---|---|
1回 | 9.7% |
2回 | 12.6% |
3回 | 15.5% |
4回 | 11.7% |
5回以上 | 50.5% |
受験者の半分以上が5回以上受験しています。
1度で合格する人は10%のため、毎年1度の受験で合格する人は受験者全体の0.5%のみになります。(合格率を一律5%とする。)
司法書士の偏差値考えた場合難易度はどれくらい?
司法書士と国内でも屈指の難関資格を偏差値で比較したときの値は以下の通りです。
資格名 | 偏差値 |
---|---|
司法書士 | 76 |
公認会計士 | 77 |
税理士 | 76 |
弁理士 | 75 |
司法書士は国内でも最も難しい資格の一つと言えます。
ほかには国家公務員(総合職試験)しか司法書士以上に難しい資格はないです。