平均合格率4%の司法書士は、国内最難関資格の一つです。国内で最も難しい国家公務員採用総合職試験に匹敵します。
“4%”という数値は独学に限らず、通信講座で学んだ受験者も含まれているため、独学のみで考えると合格率は”1%”以下になることが想定できます。
司法書士試験に合格するためには、最低でも3,000時間の学習が必要だと言われています。12月から始めたとして、1年から2年はかかると想定しておくのが良いでしょう。
そこで、そんな司法書士の独学での合格を目指すにあたって、必要な情報を調査してまとめました。
【当ページの内容をざっくりまとめると…】
・独学で司法書士合格は可能なのか
・過去の試験での合格率からわかる難易度の平均
・独学のメリット・デメリット
・司法書士に合格するために必要なものやコツ
・独学で勉強するときのコツや注意点
今回は、上記の内容をそれぞれ詳しく解説していきます。(5分ほどでサックリ理解できるようまとめました。)
この記事の監修者

プロフィール
2003年 行政書士試験合格
2004年 社会保険労務士試験合格
2017年 司法書士試験合格
2019年 株式会社アガルート入社
社会保険労務士事務所,司法書士法人勤務後,大手資格予備校にて受講相談,教材制作,講師を担当。
短期合格のノウハウをより多くの受講生に提供するため,株式会社アガルートへ入社。
これまで,ほぼ独学で行政書士試験,司法書士試験に合格し,社会保険労務士試験には一発で合格。
自らの受験経験で培った短期合格のノウハウを余すところなく提供する。
【結論】司法書士に独学で合格することは可能か?
“独学”で司法書士の合格を目指すうえで「勉強はどのくらい必要なのか?難しいのか?」など、多くの方が不安に感じる要素はいくつか存在します。
しかし、まずは勉強量を度外視して「そもそも司法書士は、大学や講座に通わなくても合格する可能性は1%でもあるのか…?」について、調査結果をまとめました。
いくら独学で勉強しても「受験資格」などが必要だった場合は、学校や講座に通う必要が出てくるものです。
ここでは大きく以下2つの観点から、調査結果をまとめています。
- 「合格率から分析する試験の難易度」の観点
- 「受験資格」の観点
①合格率から導く!司法書士の一般的な難易度レベル
司法書士の合格率は以下の通りです。
| 年度 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
|---|---|---|---|
| 令和6年(2024) | 16,837人 | 13,960人 | 737人 |
| 令和5年(2023) | 16,133人 | 13,372人 | 695人 |
| 令和4年(2022) | 15,693人 | 12,727人 | 660人 |
| 令和3年(2021) | 14,988人 | 11,925人 | 613人 |
| 令和2年(2020) | 14,431人 | 11,494人 | 595人 |
| 平成31年(2019) | 16,811人 | 13,683人 | 601人 |
| 平成30年(2018) | 17,668人 | 14,387人 | 621人 |
| 平成29年(2018) | 18,831人 | 15,440人 | 629人 |
| 平成28年(2017) | 20,360人 | 16,725人 | 660人 |
| 平成27年(2016) | 21,754人 | 17,920人 | 707人 |
司法書士試験は例年7月の初旬に開催されます。一般的に弁護士や弁理士など文系の国家資格の中でも最難関資格の扱いです。
合格ラインは毎年変化しており、受験者の平均点と採点者による補正によって決まります。過去の合格ラインは以下の通りです。
| 年度 | 基準点(択一午前) | 基準点(択一午後) | 基準点(記述) | 筆記合格点 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年度(2024) | 78点 | 72点 | 140点中83点 | 267点 |
| 令和5年度(2023) | 78点 | 75点 | 35.0点 | 211.0点 |
| 令和4年度(2022) | 81点 | 75点 | 35.0点 | 216.5点 |
| 令和3年度(2021) | 81点 | 66点 | 34.0点 | 208.5点 |
| 令和2年度(2020) | 75点 | 72点 | 32.0点 | 205.5点 |
| 平成31年度(2019) | 75点 | 66点 | 32.5点 | 197.0点 |
| 平成30年度(2018) | 78点 | 72点 | 37.0点 | 212.5点 |
| 平成29年度(2017) | 75点 | 72点 | 34.0点 | 207.0点 |
| 平成28年度(2016) | 75点 | 72点 | 30.5点 | 200.5点 |
| 平成27年度(2015) | 90点 | 72点 | 36.5点 | 218.0点 |
過去の試験から最低でも総合で220点取れば合格します。注意点はそれぞれ基準点を超えなければ不合格になります。
基準点は年によって大きく変わるので、手を抜かないようにしましょう。
令和6年から筆記試験が、2問で70点満点から2問で140点満点に変更されました。
変更されたため、基準点も例年とは異なり高くなっています。
試験傾向の変化や法改正などがあるので、予備校や通信講座を受講している方でも合格は難しいため、独学での合格は非常に難しいです。
②クリアすべき受験資格は無いのか?
司法書士試験には受験資格はありません。
誰でも受験は可能ですが、法知識がない方は複雑な法律を理解しなければいけないため、長期間の学習時間が必要でしょう。
【押さえるべき】合格の可能性を左右する3つの要素
独学で司法書士の合格を目指すうえでは、一人で勉強するとなると、それなりの苦労も。
さっそくですが、一番気になるであろう「独学で司法書士試験の勉強をする上で、重要になるであろう要素」について答えをまとめておきました。
【No.1】基礎知識を身につける
司法書士試験の試験範囲は広く、11科目を学習しなければなりません。
学習する11科目は以下の通りです。
| 主要4科目 | マイナー科目 |
|---|---|
| 民法 不動産登記法 商法、会社法 商業登記法 | 民事訴訟法 民事保全法 民事執行法 司法書士法 供託法 憲法 刑法 |
基礎だけでなく応用の学習が必要のため、あれもこれもとさまざまなものに手をつけるケースが多くなります。
しかし試験の合格の一点については非効率です。最初は基礎基本を徹底的に学び、試験の問題が解ける土台を作るのが先決です。
応用問題が試験では問われるため、応用問題を早く始める人は多いですが、基礎基本がなければ応用問題は解けません。
しっかりと基礎知識を身につけた上で応用問題に取り組んだ方が、より理解度を深められることが期待できます。
【No.2】六法全書を引く癖をつける
司法書士試験に合格するために、六法全書をよく使う癖をつけましょう。理由は司法書士試験を勉強するためには六法全書が必要不可欠だからです。
条文の意味や論理構成までをきちんと理解することがポイントであり、条文の丸暗記はむしろ不必要です。
問題を解くためには条文の成り立ちはもちろん、用語の意味や理由を深く理解しなければなりません。
【No.3】過去問を繰り返し解く
司法書士試験において過去問は非常に重要です。過去問を繰り返し解き、出題年度や意図まで深く勉強する人が多いです。
選択問題では、過去問と同じような問題が出題されるため試験のスタイルに慣れやすく、対策をすれば得点源になります。
論述問題は、誰かに添削を任せるなどの対策が必要です。自分の採点ではわからない部分や正解と思っていても実際は違うこともあるからです。
注意点は、最初から過去問に手を付けることです。問題や解答が理解できなければ、必要以上に時間がかかる上に、勉強時間のムダになるので注意してください。
司法書士の勉強を独学で進めるメリット・デメリット
独学で司法書士に挑むことは、かなり苦労することはわかりますが、もちろん良いこともあります…!
もちろん「苦労する」などのデメリットがあることも事実ですので、その両面から司法書士の独学について分析しました。
【分析】独学がメリットの理由
独学の最大のメリットは、学習費用の安さです。司法書士試験を独学で合格を目指す場合、2~3万円で済みます。
しかし通信講座や予備校だと、20万円や40万円かかります。
以下の表を参考にしてください。
質問を無制限に受け付ける講座には高額な料金が発生するため、自分で理解できると思う方は独学がおすすめです。
法学部出身でない方や理解するのが難しいと思う方は、質問を受け付けるサービスを利用すると良いです。
人それぞれ得意科目や苦手な科目があるため、予備校や通信講座だと無駄ができてしまいます。
理由は他人のペースに合わせなければならないため、自分の得意な部分を勉強するときがあるからです。
試験に合格するためには自分の苦手な部分やできない部分を重点的に勉強するのが一番よいです。独学では自分の好きな科目から勉強できるため、苦手な教科から始められます。
自分で勉強をする人は独学のほうが効率よく勉強できます。
独学の場合、自宅だけではなく図書館やカフェなど好きな場所で勉強できます。
また、予備校や塾に通う手間がなく、時間に縛られることもありません。
いつでもどこでも勉強ができるのが独学の強みです。電車内やスキマ時間に気軽に勉強できるのも独学の強みです。
【分析】独学のデメリットと対策法
独学はモチベーションの維持が難しいです。支えてくれる人や叱咤激励してくれる人、一緒に勉強する人がいないため、孤独感が強くなります。
予備校や塾に通うと否応なく勉強することになりますし、時には講師の叱咤激励を受けることもあります。
一緒に勉強する仲間もいるため、サボることもできません。独学では強制力がないため勉強に対する意識を保たなければなりません。
※対策法※
オンラインで仲間を探すか司法書士に合格すると公言するのが有効です。
Twitterで探せば司法書士受験者を見つけられます。メッセージを送ったり、ツイートすれば仲間になってくれるかもしれません。
Instagramでも同様に検索欄からハッシュタグで司法書士と調べれば受験者を探せます。
独学では司法試験向けのテクニックが身につきません。予備校や通信講座では、試験に出やすい箇所を効率よく授業に取り込んでいます。
独学の場合、膨大な試験範囲の中からどれが出るのかすべて確認しなければなりません。試験勉強する範囲が広がってしまい、無駄な時間が発生します。
また予備校や通信講座では極力簡単な方法で解答できるように解説するため、受験生は苦手な問題でも対応ができます。
独学で身に付けるのは、非常に難しく対策方法が適応するかどうかもわからないでしょう。
※対策法※
対策法は2つあります。
- TwitterやYouTubeなどのSNSで質問する
- メルカリやオークションサイトで予備校のテキストを入手する
TwitterやYouTubeには、元大手予備校の講師がチャンネルを開設していたりします。
投稿主にコメントを残せば解説してくれたり、新しく動画で解説してくれたりします。
ほかにもメルカリやオークションサイトで探せば最新のテキストや問題集を入手可能です。
通信講座や予備校のようにテキストを読んだり問題集を解いたりしながらわからない部分を質問できます。
直接講師やメールで問い合わせてすぐに内容を理解できます。しかし独学の場合は、問題集の解答や説明を自分で理解しなければなりません。
テキストでもわからない部分は自分で調べて理解するか、YouTubeで似た内容を講義している動画を見なければなりません。
そもそも一人で正しい解答を探すのも難しいため、調べるのに時間がかかります。
※対策法※
自分が見てわかりやすい動画をYouTubeで探して理解するのがおすすめです。
YouTubeの場合、各動画にコメントを残せます。(チャンネルの投稿主が許可した場合。)
コメントにわからない部分を残しておけば解説の返信をいただけるかもしれません。ほかにもTwitterの活用がおすすめです。
Twitterで司法書士の問題を解説しているアカウントに問い合わせれば、似たような問題を解説したツイートが見つかるでしょう。
独学で効率良く勉強する方法とは?
最後に、独学で効率良く合格を目指すために!押さえておくべき、3つのポイントをまとめておきました。
ポイント① 教材の選び方
- 基礎基本の内容が充実している
- イラストや図解が充実している
- 読んですぐに理解できる
司法書士を独学で合格を目指す方は参考書選びに時間をかけましょう。
理解しにくい参考書を使っても時間の無駄になります。
イラストや図解が多めな参考書は視覚的に理解しやすく、文章で理解するのが苦手な人におすすめです。
また参考書を購入するときは必ず一度参考書に目を通しましょう。インターネットや書店で有名な参考書が自分に合うかどうかはわかりません。
法学部を出ていたり、法学を学んだ方には不要ですが、基礎基本の内容から解説する参考書を選びましょう。法学関連の学習が初めての方には理解するのは難しいからです。
ポイント② 体調管理をしっかりとする
勉強の効率を下げないためには体調管理が重要です。
体調を崩せばしばらく勉強ができなかったり、勉強効率が大幅に下がるからです。司法書士試験は合格率が低いため、毎日効率よく勉強しなければなりません。
風邪を引いたり、インフルエンザや病気にかかればしばらくの間勉強はできません。
ポイント③ 勉強のスケジュールを綿密に計画する
勉強計画は必ず綿密に作りましょう。
計画を立てるには、受験日を決め逆算してスケジュールを作成します。
| 受験申請受付期間 | 令和7年5月2日(金)から5月16日(金) |
| 筆記試験日 | 令和7年7月6日(日) |
| 筆記試験合格発表 | 令和7年10月2日(木) |
| 口述試験日 | 令和7年10月14日(火) |
| 口述試験合格発表 | 令和7年11月4日(火) |
予定を把握しておくことで、スケジュールが立てやすく学習を効率よく進められます。
司法書士の試験は、合格に最低でも1年の学習期間が必要ともいわれています。
1年間の勉強を計画無しでやると試験に勉強が間に合わなかったり、試験日ギリギリまで過去問を理解しきれていないことも。
確実に合格するためには毎日のタスクや毎月の行動計画を立てて、試験に余裕をもったスケジュールが必要です。
おすすめの方法は試験までに必要な時間から、毎日必要な勉強時間をあらかじめ計算して、日々のタスクに反映させることです。
アガルート竹田講師にインタビュー!司法書士試験の勉強法について聞いてみた!
勉強の全体戦略についての質問
合格者に共通して見られる勉強習慣や学習スタイルには、どんな傾向がありますか?
竹田講師司法書士試験の合格者には、1年以内の短期合格者もいれば、10年以上の年月を費やし合格された方もいらっしゃいます。
まず共通するのは、並々ならぬ熱意を持って試験に挑んだということです。
司法書士試験は合格率約5%の試験です。
全11科目もあり、合格までに要する時間は3000時間以上と言われています。
この試験にあえて挑戦し、合格するまでやり遂げるわけですから、その思いは生半可なものではありません。
合格者の勉強習慣には、もちろん個人差がありますが、寝食以外のほとんどの時間を学習に充てているといっても過言ではありません。
学習スタイルについては、ほとんどの合格者が予備校を利用しています。
最初から最後まで独学で合格された方は極めて稀です。
指導される中で「この学習法は伸びない」と感じる非効率な勉強法はありますか?
竹田講師ノート作りはお勧めしていません。
毎年講義やテキストの内容をご自身のノートにきれいにまとめる方がいらっしゃいます。
中には、ノート作りに凝ってしまい、試験に合格するという当初の目標がずれてしまう方が見受けられます。
テキストにはおさえるべき知識が集約されているわけですから、別途ご自身でノートをつくる必要はありません。
その時間を過去問演習に充てた方がよほど効率が良いかと思います。
司法書士試験の勉強を始めるにあたり、多くの受験生がつまずくポイントはどこだと感じますか?
竹田講師司法書士が難関資格試験に挙げられる理由は、その情報量にあります。
全11科目あり、各科目かなりのボリュームがあります。
最初のうちはどの論点も新鮮で面白く学習できるのですが、進むにつれて、一向に終わりが見えないてこない状態に焦りを感じるようになります。
例えるなら、出口の見えないトンネルの中を進み続ける状態です。
多くの方がこの状態にストレスを感じ、途中で学習を止めてしまいます。
膨大な情報量をいかに効率よく落とし込むかが、司法書士試験攻略の鍵といえます。
学習初期にやるべきこと・避けるべきことについてアドバイスをお願いします。
竹田講師もし予備校の講座を受講しているのであれば、講義をどんどん進めていきましょう。独学であればテキストを読み進めるということになります。
そして、なるべく早い段階で過去問に取り組みましょう。
避けるべきは、講義の視聴だけをして過去問に手を付けないという状態です。
講義を視聴している時間は、いわば受け身の時間、楽な時間です。
講義を視聴しているだけでは司法書士試験には合格できません。
できるだけ講義又はテキスト読みと並行して過去問を進めていきましょう。
インプットとアウトプットのバランスはどのように取るのが理想的でしょうか?
竹田講師インプットとアウトプットはセットと考えてください。
個人差もあるため、何対何が理想ということはできませんが、両者が必要であることは間違いありません。
講義の視聴又はテキストの読み込みと並行して過去問を進めることをお勧めしています。
講義の視聴の都度、その範囲の過去問を解く、週に1日は過去問を解く日を設けるなど、進め方には個人差がありますが、いずれにせよ、インプットをしたら、間を置かずにアウトプットをするのが良いでしょう。
勉強時間が限られている社会人受験生に向けた時間管理や優先順位の工夫は?
竹田講師一般的に司法書士試験に合格するためには3000時間以上の学習時間が必要といわれています。
これは、1日3時間を学習に充てたとしても、3年程度の期間が必要になる計算です。
働きながら受験をする方にとって、仕事以外の時間を3時間確保するのは容易ではありません。
やはり、この時間帯は必ず学習にあてるという計画と強い意志が必要になります。
また、社会人はスキマ時間をうまく使う必要があるかと思います。
電車やバスの乗車時間や休み時間など、15分でもまとまった時間が取れるのであれば、過去問を解くことに充てましょう。
社会人の方は、学習に充てられる時間にどうしても限りがありますから、極力無駄を省き、合格に必要なことだけに集中して取り組む必要があります。
科目別・内容別の勉強法についての質問
主要4科目(民法・不動産登記法・会社法・商業登記法)それぞれの効果的な学習アプローチはありますか?
竹田講師民法と不動産登記、会社法と商業登記はそれぞれ密接な関りがあります。
特に実体法の民法、会社法の理解があいまいですと、不動産、商業の両登記法をマスターするのは困難です。
そのため、土台となる民法、会社法をまずはしっかりと学習しましょう。
登記法は非常に細かく、量も膨大なのですが、登記のルールですから、覚えてしまえば恐くはありません、
民法、会社法を得意科目にすることが、登記法の理解につながると考えてください。
記述式対策については、どのような順序や方法で進めるのが効果的だと考えますか?
竹田講師司法書士試験の記述式問題を攻略するには、まず択一式問題の学習を徹底する必要があります。なぜなら、記述式問題は、択一式で培った知識を応用して解くからです。記述式に特有の知識はそれほど多くありません。そのため、択一式の盤石な基礎知識がなければ、記述式問題を解きこなすのは難しいでしょう。
択一式の学習がある程度進んだ段階で、徐々に記述式対策へと移行しましょう。いきなり本試験レベルの問題に取り組むのではなく、まずは簡単な小問題から解き始めることをお勧めします。
予備校の講座を受講されている方は、該当する記述対策講座を積極的に活用しましょう。独学で学習される場合は、ご自身に合った参考書を選んで学習を進めてください。
最初は小問題を繰り返し解き、記述式の形式に慣れてきたら、徐々にボリュームのある問題を使って練習していくのが効果的です。
過去問の使い方や取り組むタイミングについて、指導の中で気をつけていることはありますか?
竹田講師毎年、過去問に取り組むのが遅い方がいらっしゃいます。
理由をお聞きすると、「まだ過去問を解くレベルではないから」という答えが返ってきます。
これはよくある間違いの一つです。
過去問は解けないからこそ取り組むべきなのです。過去問に取り組まないかぎり、過去問が解けるようにはなりません。
具体的には、講義視聴またはテキスト読みと同時に過去問を進めていくのが良いです。
よく1つの科目の講義視聴がすべて終わってから過去問を解く方がいらっしゃいますが、その科目の講義視聴が終わる頃には、最初の方で扱った知識はすっかり抜け落ちています。
できるだけまだ脳内に知識が残っているうちに、その範囲の過去問を解いた方が効率的に知識を記憶することができます。
模試や答練をどう活用すれば効果が最大化されるとお考えですか?
竹田講師模試や答練は、本番さながらの環境で問題を解く絶好の機会です。
特に司法書士試験は長丁場なので、集中力を維持する練習になります。
択一式と記述式の時間配分を意識しながら解くことで、より大きな効果を得ることができます。
また、模試や答練は、受けっぱなしにせず、その後の復習と分析が何よりも重要です。
模試や答練で間違えた問題、時間がかかった問題は、自分の弱点を示す貴重な情報源です。間違えた問題は、なぜ間違えたのか、知識不足なのか、解釈を誤ったのかを徹底的に分析し、該当範囲の基本知識を再確認しましょう。
知識はあるのに解答スピードが遅い場合は、問題演習量を増やしたり、解法テクニックを見直したりする必要があります。
これらの弱点を明確にし、優先的に学習計画に組み込むことで、効率的に実力アップを図ることができます。
使用教材・ツール活用についての質問
受験生によく勧める教材や学習リソースはありますか?(市販・予備校問わず)
竹田講師記述用教材の書式ベーシック(LEC)です。
「記述式対策は何からはじめれば良いですか?」というご質問をよくいただきます。
この書籍は、短時間で解くことができる小問題が複数収められているため、ドリルの様に毎日数問ずつ解くことで、自然に解答力を養うことができます。
ひな形を覚えるためのツールとしても秀逸な教材だと思います。
私も受験生の時に使っていました。
メンタル・モチベーション管理と直前対策についての質問
学習が長期化したり、モチベーションが下がったときの対処法にはどんな方法が効果的ですか?
竹田講師はじめに司法書士を目指したときの動機を思い出すことが一番のモチベーションかと思います。
司法書士試験の学習を始めたということは、はじめに抱いた動機やきっかけがあったはずです。
その思いに導かれて受験を決意されたのではないでしょうか?
よく受講生さんからも同様のご質問をいただくのですが、私はモチベーションというのは他者が動機付けるものではなく、その人自身の中にあるものだと思っています。
初心を忘れるな、とよく言われますが、資格試験の受験においても同じことが言えます。
本試験直前期のアドバイスとして、心構えややるべきことを教えてください。
竹田講師司法書士試験も直前期(試験前3か月)の過ごし方は、合否に直結する重要な問題です。
どう過ごすかは、持てる時間と労力の全てを投入する期間の一択です。
具体的には、暗記、過去問の正答率が低い問題を徹底的につぶす、模試の復習等が中心になります。
可能な限り、どの分野も穴のない状態にして本試験を迎えたいところです。
例えるなら本試験はボクシングのタイトルマッチです。
心身ともに最高のコンディションに仕上げて臨む必要があります。
これから司法書士試験に挑む方へ、専門家として伝えたいメッセージをお願いします。
竹田講師司法書士試験は難関資格試験ではありますが、目指すに値する試験です。
合格者は700名程度と狭き門ですが、それだけ希少価値が高い資格と言えます。
独立に、就職に有利な資格であることはもちろんですが、この資格を手にした後に得られるものはそれだけではありません。
この試験を乗り越えた自分に対する自信と誇りを手に入れることができます。
私は、これこそが司法書士試験に合格することで得られる最上の見返りだと考えています。
合格して特別な人間になるわけではありませんが、どんな物事に直面したとしても、あの試験をクリアした自分ならば乗り越えられる!そう思うことができるはずです。
今その一歩を踏み出そうとしている皆さんを心から応援しています!
アガルート司法書士講座の紹介

アガルートの司法書士講座は、難関試験合格の鍵である「学習継続」を徹底支援します。出題科目が膨大で挫折しやすい司法書士試験に対し、講師陣が試験を徹底分析し、合格に必要なエッセンスを凝縮した「合格率が高い完成されたカリキュラム」で、初めて学習する方でも最短ルートで合格を目指せます。
特に、全体像を把握し効率的な学習を可能にする「全体構造編」から始まり、択一対策は網羅性の高い講義で基礎を固めます。記述対策は書き方から実践までを習得できるよう5段階の講座で丁寧に解説。フルカラーで見やすく、図表を多用した質の高いテキストや肢別過去問集といった教材も充実しています。さらに、「オンライン質問サービスKIKERUKUN」や毎月のホームルームなど、講師陣が直接学習をサポートする「伴走型フォロー制度」も万全です。法律学習の面白さを感じながら、効率よく、合格まで一直線に走り抜けられるようサポート。合格時には「全額返金+お祝い金3万円」の特典も用意されています。
