税理士試験はどれくらい難しい?公認会計士と難易度を比較

税理士には選択科目があり、科目によって必要な勉強時間や対策方法が違います。対策をするためには勉強量だけでなく、勉強の質も問われる難しい国家資格です。

そこで、今回は以下のような内容について調査を実施しました。

【当ページをざっくりまとめると…】
・過去5年間の合格者からみる税理士の難易度
・税理士に合格するために必要な勉強時間を科目別に紹介
・税理士とほかの資格と比較して難易度を客観的に調査
・社会人になってから税理士になるのと学生から税理士になるのではどっちが簡単なのか
・年齢別から見る税理士に合格しやすいタイミング

今回は、上記の内容をそれぞれ詳しく解説していきます。(5分ほどでサックリ理解できるようまとめました。)

目次

税理士の合格率から見る難易度

過去5年間の税理士の試験結果は以下の通りです。

年度受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)
2022年28,8535,62619.5
2021年27,2995,13918.8
2020年26,6735,40220.3
2019年29,7795,38818.1
2018年30,8504,71615.3
引用:国税庁

5年間で受験者数や合格率に大きな差はありません。コロナがまん延した2020年でも、堅調な受験者数を維持しています。

合格率は約18%周辺で受験者数に少しの違いはありますが、5,000人もしくは以上が合格しています。そのため毎年の試験難易度は変化していないと言えるでしょう。

科目種別勉強時間(目安)
簿記論必修450~500時間
財務諸表論必修450~500時間
所得税法選択必修600~700時間
法人税法選択必修600~700時間
相続税法選択450~500時間
消費税法選択450~500時間
酒税法選択150~200時間
国税徴収法選択150~200時間
住民税選択150~200時間
事業税選択150~200時間
固定資産税選択150~200時間

選択科目によって勉強時間が大きく違います。税理士の試験は、5科目で構成されており、最低でも2,000〜2,500時間は勉強しなければなりません。

所得税法と法人税法の両科目の学習をしながら、相続税法や消費税法を試験科目に入れると最低でも3,000時間の学習時間が必要です。

ただし過去の経験や予備知識、実務経験の有無によっても異なるため、一概にどのくらいの勉強時間が必要かは断言できません。

税理士の年齢別合格率から見る難易度

税理士を年齢別にわけたときの合格率は以下の通りです。

年齢2019年2020年2021年2022年2023年
41歳以上11.5%13.2%11.8%11.5%13.1%
36~40歳16.2%19.2%18.3%19.4%20.8%
31~35歳19.7%21.7%21.3%22.2%23.5%
26~30歳23%25.1%23.0%24.0%27.1%
25歳以下32.7%33.8%29.7%30.9%33.0%
引用:国税庁

また税理士を年齢別にわけたときの合格者数は以下の通りです。

年度2019年2020年2021年2022年2023年
41歳以上1,300人1,334人1,218人1,239人1,488人
36〜40歳809人832人795人855人962人
31〜35歳1,057人1,002人959人1,015人1,168人
26〜30歳1,010人977人895人993人1,332人
25歳以下1,212人1,257人1,272人1,524人2,175人
引用:国税庁

税理士の合格率は、若い人ほど合格率が高いです。

5年間の平均で比較したとき、「25歳以下」と「41歳以上」で3倍ほどの合格率に違いがあります。

若い人のほうが合格率が高い理由は、

  • 学生の間に独学できる
  • 大学で同じような内容を学べる
  • 年齢が高い人ほど仕事に忙しい

が挙げられます。

学生の間に独学や授業で税金関連を学べば、短く最短で税理士の資格に合格できるでしょう。
ほかにも年齢が高いと、仕事の合間を見つけて学習しなければならないため、合格が難しくなります。

税理士の学歴から見る難易度

税理士資格合格者の学歴は以下の通りです。

年度2019年2020年2021年2022年2023年
大学卒17.3%19.3%17.7%18.6%21.1%
大学在学中32.9%32.6%31.1%29.8%30.5%
短大・旧専卒11.9%17.3%14.3%13.8%13.6%
専門学校卒15.9%16.8%16.1%17.9%16.4%
高校・旧中卒21.0%23.8%22.5%22.1%23.8%
その他38.1%42.2%43.5%42.0%32.7%
引用:国税庁

上記データを分析してみると、税理士においては、大学生の方が有利である可能性も高いと言えるでしょう。

大学在学中に税理士に合格する人が多く、次に大学卒が続きます。大学在学や大卒に合格者が多い理由は、時間に余裕があり、資格勉強をしやすいからです。専門学校卒業よりも高卒の方が合格者が多い理由は、卒業後に独学もしくは実務経験をしたからだと推測されます。

しかし大学在学中に資格に合格する人は3割ほどのため、税理士の試験はどの世代でも難しいといえます。

科目ごとの合格率から見る難易度

科目ごとの合格率は以下の通りです。

年度2019年2020年2021年2022年2023年
簿記論17.4%22.6%16.5%23.0%17.4%
財務諸表論18.9%19.0%23.9%14.8%28.1%
所得税法12.8%12.0%12.6%14.1%13.8%
法人税法14.7%16.1%12.8%12.3%14.0%
相続税法11.7%10.6%12.8%14.2%11.6%
消費税法11.9%12.5%11.9%11.4%11.9%
酒税法12.4%14.0%12.6%13.2%12.7%
国税徴収法12.7%12.2%13.7%13.8%13.9%
住民税19.0%18.1%12.7%17.2%14.7%
事業税14.8%13.1%12.6%14.1%16.4%
固定資産税13.7%14.0%13.8%18.4%17.3%
合計15.5%17.3%16.5%16.7%18.8%
引用:国税庁

合格率が比較的高いのは、「財務諸表論」と「簿記論」です。簿記論は平均18%のため、平均よりも高いです。

また財務諸表論は合格率が最も高く、合格率は20%を超えています。反対に一番合格率が低い科目は、「消費税法」です。合格までに500時間の勉強が必要で、合格率も低いため、税理士資格の中でも難しい試験科目です。

ほかにも「相続税法」も同じぐらい合格率は低いので、試験科目として考えている方は注意しましょう。

ほかの資格と比較した場合の難易度はどれくらい?

税理士以外の資格の合格率は以下の通りです。(難しいと言われる資格のみ選んでいます。)

資格名平均合格率(直近10年分)
弁護士27%
公認会計士10%
司法書士4%(過去6年)
弁理士7%
引用:日弁連公認会計士・監査審査会法務省特許庁

税理士の合格率と比較して、司法書士や弁理士のほうが試験の難易度は高いです。司法書士と弁理士は合格率が一桁台で、税理士の約半分もしくはそれ以下の合格率です。

弁護士は法科大学院で資格のために勉強するため、合格率が高くなります。公認会計士になるためには、簿記1級など取得が難しい資格を事前に取得しなければならないため、難しい資格といえます。

これらの理由から税理士は国内でも屈指の難関資格と考えられるでしょう。

【分析結果】税理士のまとめ

当ページでは、税理士の合格難易度について、調査した結果をまとめました。

冒頭でもまとめた内容ですが、復習としてもう一度ざっくり記載しておきました。

【当ページをざっくりまとめると…】
・過去5年間の合格者からみる税理士の難易度
・税理士に合格するために必要な勉強時間を科目別に紹介
・税理士とほかの資格と比較して難易度を客観的に調査
・社会人になってから税理士になるのと学生から税理士になるのではどっちが簡単なのか
・年齢別から見る税理士に合格しやすいタイミング

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