「行かないこと自体が問題なのではなく、その子と環境との間にある問題なんです」。今回の取材で最も印象に残ったのは、のびーくフリースクール代表・東さんのこの言葉でした。
のびーくフリースクールは、2014年に発達障害や学習の困難を抱える子どもへの学習支援としてスタートし、2017年からフリースクールを開いてきました。東さんが一貫して大切にしてきたのは、「学校に戻すこと」を目標に置くのではなく、子どもが安心して自分らしさを取り戻し、本来持っている力を発揮できること。今回は、安心できる人間関係づくり、一人ひとりに合わせた個別サポートプラン、「やらせない」学習、そして不登校支援のこれからの課題まで、のびーくの実践を伺いました。
印象的だったのは、「不登校になってよかった、という子が多いんです」という言葉。立ち止まって見える時間にも、大きな価値がある。子どもが本来持つ「伸びる力」を信じて寄り添う、その姿勢が伝わる取材でした。
「学校に合わせる」のではなく、「その子らしさ」を。のびーくが始まった原点
本日はよろしくお願いします。まずは、東さんがのびーくフリースクールを設立された背景や、これまでの歩みについてお聞かせいただけますでしょうか。
のびーくは元々、発達障害や学習障害など、学習に困難さを抱えるお子さんを対象とした学習支援からスタートしています。2014年の開業でした。
学校という環境の中で「できない自分」「周りに合わせられない自分」を意識せざるを得ず、自己否定感を抱えている子どもたちに、本当にたくさん出会ってきたんですね。私たちは、学校に合わせられるようにするのではなく、その子自身の得意なことや興味・関心を大切にしながら、その子らしく力を発揮できることを重視して支援をしてきました。
そうすると、学習面だけでなく不登校についての相談も必然的に増えていって。「ここなら分かってくれるんじゃないか」と来てくださる方が増えてきて、2017年からフリースクールを始めました。
学習支援の現場で、自己否定感を抱えたお子さんたちと出会われたことが原点なのですね。学校に行けない、という状態を、東さんご自身はどのように受け止めていらっしゃいますか。
不登校というと、学校に行けないこと自体を問題と捉えられることも多いんですけれど、「何とか行けるように克服しよう」というだけでは、やっぱり大事なことが見えなくなってしまうと思っていて。
もちろん学校に行けないしんどさや困りごとはあるんですけれど、そこには大きな気づきが隠れているんです。学校という環境では自分が無理をしていた、周囲に合わせ続けていた、本当の自分を抑え込んでいた。そういうサインが、「行けない」という形に隠れていることが本当に少なくないんですね。
だから、どうしたら学校に戻れるかということだけでなく、その子が何に苦しさを感じていたのか、どんな環境だったら安心して学んでいけるのか、本当はどんなことに興味や力を持っているのか。そこを見つめて、自分らしさに出会い直す時間にしていきたいと思っています。
学校に戻すことを第一にするのではなく、その子が安心できる環境や本来の興味を見つめ直すことを大切にされているのですね。お子さん一人ひとりに合わせた対応をされている印象を受けます。
そうですね。行かないこと自体や、発達障害自体が問題ということではなくて、やっぱりその子と環境との間にある問題なんです。だから、その子が悪いということでもない。
それなのに「自分がダメなんだ」と思わされている子が大半なので、まずは「そうじゃないよ、あなたはあなたでいいんだよ」と。学校に合わないだけで、力はあるし、できることもたくさんある。自分の力を出す方法を見つければいいんだよ、ということを伝えたいと思っています。
「のびーく」という名前に込めた、のびのび育つ願い
「のびーく」という名前も、とても温かい響きですね。この名前には、どのような願いを込められたのでしょうか。
名前の通りで、子どもが自分らしく、のびのびと成長していってほしいという願いを込めています。
学校や周囲に無理に合わせるのではなく、自分のペースで、自分の興味や安心できる人間関係の中から、少しずつ世界を広げていってほしい。できないことではなく、その子が持っている力に目を向けられる場所でありたいと考えています。

「やらせる」のではなく、「やってみたくなる」。安心できる人間関係から始める
子どもたちの学習意欲や社会性を育むために、のびーくさんが独自の環境づくりやコミュニケーションにおいて大切にされていることを教えていただけますでしょうか。
子どもたちの力を引き出すためには、上手く管理してやらせるのではなく、自分から「やってみたくなる」環境をつくることが一番大事だと考えています。
不登校を経験した子どもたちは、失敗体験や否定的な経験を重ねてきているので、ほとんどの子が「どうせ自分はできない」という感覚を持っているんですね。
「どうせできない」という気持ちを抱えたお子さんに、いきなり何かをやらせようとしても、難しいということですね。その状態から、どのように関わっていかれるのでしょうか。
「どうせできない」と思っているところで無理に勉強をさせたり、集団での活動を促しても、また上手くいかなくて、さらに自信を失ってしまうことが多いんです。
なので、まずは「このままでいいよ」という安心感が一番大事だと思っていて。安心できる人間関係をつくることを、何よりも最優先にしています。
まずは安心できる関係づくりが土台になるのですね。具体的には、どのような関わり方で、その安心感を育んでいかれるのでしょうか。
一方的に「こうしなさい」と言うのではなくて、一緒にゲームをしたり、楽しい活動や好きなことを共有したり、会話や対話を楽しんだりしながら関わっていきます。
そうやって、「ここでは否定されないんだな」「何を言っても大丈夫なんだな」「自分を認めてもらえるんだな」という感覚を積み重ねていく。それを、環境づくりでまず大切にしていますね。
ぶつかり合いも大切にする、のびーく流の「社会性」
社会性についても伺いたいです。不登校になると社会性が身につくのか心配される親御さんも多いと思いますが、のびーくさんではどのように考えていらっしゃいますか。
社会性といっても、みんなが仲良くできることを目指しているわけではないんです。子ども同士がぶつかり合って、自分を出す。その中で葛藤することも含めて、人との距離感を、無理なく自分らしく付き合っていくプロセスが大事だと考えています。
だから、トラブルが起こらないように、傷つかないように管理するのではなくて、しっかり見守る中で、いつでも手を差し伸べられる、孤立はさせないという環境を大切にしています。ぶつかり合うことも大事にしながら、そこで潰れてしまわないように支えていく、という感じですね。
あえて衝突を避けるのではなく、その経験ごと見守っていかれるのですね。そうした関わりの中で、お子さんたちにはどのような変化が現れるのでしょうか。
最初はみんな不安で一杯で、自信がないので、ちょっとしたことで強い言葉で反発してきたり、自分を守るために暴言で固めたりしている子もいるんです。
でも、そういう子がスタッフに認められて、受け止められたことで安心して、その鎧が剥がれていく。素直な気持ちで周りと関われるようになったり、相手の気持ちも受け止められるようになっていく。そういう姿を、本当にたくさん見てきました。安心して「やってみたら、できた」という成功体験も、一緒に積み重ねていきたいと思っています。

一人ひとりに合わせる「個別サポートプラン」と、子ども発信の活動
自分たちでプログラムを作る、個別サポートプランを作成するなど、独自の取り組みをされていると伺いました。具体的には、どのような活動をされているのでしょうか。
私たちは、不登校から回復して、また広い世界に出ていく、その過程を段階的なステップとして捉えているんですね。
一人ひとりの背景や困り感、その時の心理状況を見取るのはもちろん、不登校からの回復のステップのどの段階にいるのかも合わせて見ていきます。この子には安心を中心に関わろう、この子はちょっと背中を押していこう、というように、その段階に応じて一人ひとり違うアプローチで関わっていくことを基本にしています。
回復の段階を見極めながら、お子さんごとに関わり方を変えていらっしゃるのですね。それを支えるのが「個別サポートプラン」ということでしょうか。
そうなんです。個別のサポートプランは、その子が今どのステップにいて、次に何を目指すのか、背景も踏まえてどう関わっていくのかを個別に設定するものです。
プランをつくることで、スタッフ間でも非常に共有しやすくなります。集団での活動ではあるんですけれど、アプローチは個別指導と同じように、一人ひとりに合わせて行っているんですね。
集団の場でありながら、関わり方は一人ひとり個別なのですね。日々の活動プログラムは、どのように決めていらっしゃるのでしょうか。
毎日、活動プログラムがあるんですけれど、私たちが「今この子たちにはこれを伝えたい」と感じたことをプログラムにすることもあれば、子どもたち自身の「やりたい」「興味がある」というところから組み立てることも多いんです。
料理や工作、フィールドワーク、ゲーム大会のような楽しいイベント、地域活動への参加、プランターで野菜を育てたり。子どもからもいろんなアイデアが出てきますし、スタッフもそれぞれ伝えたいことを持っているので、活動がどんどん広がっているなという感じですね。
「やらせない」勉強。意欲を育ててから、学びへ
学習面についても伺います。勉強に対して意欲を失っているお子さんも多いと思いますが、のびーくさんでは、どのように学びを進めていかれるのでしょうか。
学校に行けず自信のない状況だと、「もう自分なんてできない、勉強なんて嫌だ」と、勉強への意欲が低下していることが多いんですね。それは当然のことだと思います。
本人が嫌だと言っているのに勉強の時間を設けてやらせると、身につかないですし、納得感のない時間を過ごすことで、前に進むためのエネルギーがなかなか育たない。なので、やらせることはまず避けて、意欲を育てることを優先しています。意欲が育ってくると、「そろそろ学校に行きたいな」という前向きな気持ちにつながってきて、本人も勉強のことが気になり始めるんです。
本人の意欲が育つのを待って、そこから学習につなげていかれるのですね。いざ学びに向かうとき、のびーくさんならではの強みはどんなところにあるのでしょうか。
うちは学習指導の教室から始まっているので、小学校の学習を一通り見られるベースがあります。同時に、発達障害やLDのお子さんを見てきているので、読み書きに困難があるとか、その子が何に躓いているのかを丁寧に見取って、少しずつできていく学習計画を立てられるんです。
そこに、気持ちや意欲も大事なので、「今、何を頑張りたいか」「どんな自分になりたいか」を会話で確認しながら進めます。本当に小さな成長を見逃さず、「できたね」と承認して、自己肯定感を育てながら勉強を継続していく。そこを一緒に見ていますね。

心を閉じた状態から、自分の居場所を見つけるまで
のびーくに来校するお子さんは、最初どのような状態にあることが多いのでしょうか。また、印象的なエピソードがあれば、ぜひお聞かせください。
やっぱり最初は、人が怖い、外と関わることが怖い、コミュニケーションに自信がない、という子が多いですね。「どうせまた上手くできない」「どうせまた嫌われる」という気持ちで、本当にこわごわ入ってくるんです。
心を閉じている状態で、何を問いかけても「分からない」で済ませてしまったり、嫌なことがあっても表に出さずに我慢したり。何でもないふうにニコニコして、自分の気持ちを押し殺している子も、すごく多いです。
それだけ深く傷ついた経験を抱えて来られるのですね。心を閉ざしているお子さんに対して、東さんたちはどのように向き合っていかれるのでしょうか。
学校で傷ついて、周りと上手くいかなかった経験を持つ子も多いので、こちらがちょっと声をかけただけでも、不必要に強く反発してくることがあります。「物を乱雑に扱うのは止めてほしいな」と柔らかく伝えても、「なんで」とぐっと目が変わって、強く返してくる子もいる。それくらい、大人への不信感が強いんですね。
でも、それはこちらを困らせたいわけでも期待しているわけでもなくて、これまで傷ついてきた分、「自分を守りたいんだな」と感じることが多いんです。だから、その気持ちを分かりたいなと思っています。
反発も、自分を守るためのサインとして受け止めていらっしゃるのですね。そこから、お子さんはどのように変わっていかれるのでしょうか。
その子の気持ちを聞きながら、「何が嫌だった?」「どうしたらできそう?」と、常に気持ちを確認して関係を重ねていくんです。すると途中で、「ここは大丈夫なんだな」「むやみに怒られることはないな」「自分の言い分を聞いてくれるな」と分かってくる。
そうすると表情も変わって、「分かった」と言えるようになったり、自分から周りに声をかけられるようになったり、ぶつかった時に「ごめんね」と謝れるようになったりする。安心できる場所で、「自分はここにいていいんだ」と思えることが、次の一歩につながる、すごく大事な最初の一歩だと感じています。
一人ひとり違う、回復のペース
のびーくに来られるお子さんは、長い間ご本人も親御さんも悩まれた末に、来校されるケースが多いのでしょうか。
そうですね。子どもたちの傷つきが深くて、注意されることにすごく敏感だったり、同世代と関わることに強い緊張感のある子が多いんです。
そういう場合は、年齢がひとつのクッションになることもあって。同級生と関わるのが難しい子は、下の学年の子と関わるところから始めると、少し安心できる。そこで自信をつけて、「じゃあ同級生のところにも入ってみようか」となっていくこともあります。それくらい、不安の強いお子さんが多いですね。
その子のペースに合わせて、少しずつ関わりを広げていかれるのですね。成長の見え方も、お子さんによって違うのでしょうか。
本当に一人ひとりペースが違います。最初は強い言葉で反発していた子が、「こっちは敵じゃないんだ」とすぐに分かってくれて、表情が柔らかくなって、すっと話せるようになる子もいます。
一方で、なかなか警戒心が解けない子もいる。「どうせダメなんだ」と、こちらが「一緒に考えるよ、絶対なんとかするから」と言葉をかけても、なかなか安心できない。それでも私たちは絶対に諦めないので、ゆっくりゆっくり、ちょっとした成功体験を重ねて、これまでの不信感を拭っていく。時間のかかる子もいますね。
異年齢の関わりと、先輩たちの背中
進学のことは、親御さんにとっても気になるところだと思います。学習や進路について、お子さんたちはどのように向き合っていくのでしょうか。
私たちは効率よくパッと教えることもできるんですけれど、どのお子さんも、しばらく勉強しない期間はあるんですね。私たちはそれが大事だと思っていて。また「やろう」と思ったら、本当に集中してできるんです。だから、焦らず大丈夫だと伝えています。
それに、先輩たちが進学していく姿を見ているのも大きいです。来た時は「高校も行けないし、ニートになるんだ」と言っていた中学生が、異年齢で過ごす中で、中3生がみんな高校に行く姿を見て、「あ、なんとかなるんだな」と安心していく。そういう子も多いですね。
小学生から中学生まで、異年齢で関わるからこそ育まれるものも大きいのですね。年齢の違う関わりには、どのような意味があるのでしょうか。
同級生との関わりは、子どもたちにとって一番プレッシャーがあるんです。「間違えちゃだめだ」とか、マウントの取り合いとか。一番楽なのは大人との関係なので、まずスタッフと信頼関係をつくる。
その上で、小さい子なら年上のお兄さん・お姉さんが優しく受け止めてくれる中で安心を蓄えていったり、同級生と散々揉めてきた子は、まず小さい子たちと楽しく過ごす中でほぐれていったりする。異年齢だと同調圧力も薄れますし、学年が違うと比較もしなくて済むことが多い。それが安心に大きくつながっている気がします。

不登校支援の「これから」。現場から見える課題と願い
日々の活動の中で、東さんが感じていらっしゃる、現代の不登校や発達支援における課題は、どのようなものだとお考えでしょうか。
今、不登校支援はとても増えてきていますが、課題と感じるのは、やっぱり「学校に戻れるかどうか」が中心になりやすいことです。もちろん学校復帰が悪いわけではないですし、戻りたいと思っている子もすごく多い。
でも、そこに戻れないからしんどいわけで。それをまっすぐ目標にしてしまうと、回復の途中なのに無理をさせてしまう、という懸念もすごくあると思っています。
回復の途中であることを見落として、復帰を急ぎすぎてしまう危うさがあるのですね。発達特性のあるお子さんについては、どのような点を意識されていますか。
発達特性についても、困った行動を減らすことばかりを見てしまうと、その子の自信の苦しさや、環境とのミスマッチが見落とされてしまうことがあるんです。そこにこそ目を向けて、その子が自分自身を理解して、自分の取り扱いを覚えていく。私たちは「自己理解」と言いますけれど、そこが大事だと思っています。
もう一方で、「学校に行かなくてもいいよ」ということが、少し安易に言われすぎているんじゃないか、とも感じていて。安心できる居場所はまず大事なんですけれど、その次のステップ、関係性のつくり方やチャレンジする意欲の成長を、どう支えていくか。そこまで見えていないところも結構あるんじゃないかと思うんです。
学校復帰を強く促すことと、「ここでいい」と留まってしまうこと。その両方に課題を感じていらっしゃるのですね。不登校という現象を、東さんはどう捉えていらっしゃいますか。
不登校って、本人の弱さや家庭の問題ではなくて、制度や社会の価値観、家庭の孤立など、いろんな要因が重なっているんですね。だから、本人の弱さや家庭の問題として抱え込まない視線が、すごく必要だと思っています。
子ども一人だけ、家庭だけで抱えるものではなくて、社会全体で支えていくテーマなんだと思います。
公教育の中で、一人ひとりが「その子らしく」いられる社会へ
そうした課題を踏まえて、東さんが思い描いていらっしゃる今後のビジョンについても、お聞かせいただけますでしょうか。
願いとしては、公教育の中で、一人ひとりの子どもがその子らしくあることを支えていけるようになること。公共の場から外れてしまう子が出なくて済むような、そんな公教育になることが一番の願いです。
そのために、私たちのようなフリースクールの実践が一つの教育モデルとして、「そこに合わなかった子は、こうすれば学べるんだよ」という実践例として存在感を示していけたらいいなと。だから子ども支援だけでなく、保護者支援や地域との連携、社会とのつながりも深めていきたいと思っています。
学校の中にも、別室など個別に支援する場が設けられるようになってきました。そうした取り組みについては、どのように受け止めていらっしゃいますか。
各学校に不登校の子の別室が設けられているのは、すごく前進だと思います。手軽に行ける場所ができたのは良いことです。
ただ、そこにいる人がどういう支援をするのか、というところはまだ課題じゃないかなと。期待して別室に行ってみたものの、行かなくなったという子も多いんです。学校に合わせるという視点ではなく、その子に合ったという視点をどこまで持てるか。そして、安心だけでなく、学校に行かない場合の「学びの保障」をきちんと設計していく必要があると思っています。

不安を抱える子どもと保護者へ。「ちゃんと、道はある」
最後に、我が子の将来やこれからの学びに不安を感じているお子さんや保護者の方々へ、東さんからメッセージをお願いできますでしょうか。
不登校になると、どうしても不安を抱えてしまいますよね。この先どうなるんだろうと、周囲と比べて焦ったり、早く学校に戻らなければと感じたり。学校に行っている子のほうがまだ大多数なので、「そうじゃない自分」は、すごく不安になると思うんです。悩んだり焦ったりするのは、自然なことだと思います。
不安に思うこと自体は、決して悪いことではないのですね。そうした不安を抱えるお子さんに、東さんが伝えたいことは、どのようなことでしょうか。
それでも、学校に行かなくても、安心できる場所と、自分を受け止めてくれる人に出会えさえすれば、その中で少しずつ力を取り戻していけるんです。立ち止まっているように見えても、その時間にすごく悩んで、いろんなことを考えること自体に、とても価値があると思っていて。
うちに来ている子たちも、中学3年生にもなると、だいぶ自分と向き合っていて、最後は「不登校になってよかった」という子が多いんですよ。その分いろんなことを考えて、自分についての気づきも深いし、見方が広がったという子も多いんです。
立ち止まる時間も、その子にとって意味のある時間なのですね。お子さん自身や、周りの大人が大切にすべきことは、どんなところにあるのでしょうか。
学校に行けるかどうかで、自分の価値を決めないでほしいんです。周りの大人も、学校に行けるかどうかで、その子の価値を決めないでほしい。
子どもたちはみんな一人ひとり違うので、「特別だから特別な支援」ではなくて、本当に一人ひとりみんな特別なんです。それぞれのタイミングや育ち方があって、それは失敗でも間違いでもない。ちゃんと道はあるし、不登校になったからこそ見える、より自分らしい道がたくさんあるよ、ということを伝えたいですね。
子どもが本来持つ「伸びる力」を信じて

お子さんを支える保護者の方へも、メッセージをいただけますでしょうか。一人で抱え込んでしまう親御さんも、少なくないように思います。
保護者の方自身も、本当に一人で抱え込まないでほしいと思います。親子だけで解決しなければならない問題ではないですし、子育てが間違っていた、ということでもないんです。
頼れる場所や人とつながって、一歩ずつ一緒に進んでいければいいなと思っています。
親子だけで背負い込まなくていいのだ、という言葉に、救われる方も多いと思います。東さんが、子どもたちと向き合う中で信じていらっしゃることは、何でしょうか。
子どもって、やっぱり伸びるんですよね。伸びようとするし、自分で育つ力を持っている。だから学校がなくても、ちゃんと自分で育っていくんです。いろんな思い込みが重なって立ち止まってしまうこともありますけれど、それがなくて安心できれば、本来持っている力が勝手に伸びていくところもあると思っていて。
見守るって、本当に一番難しいことだと私も思うんですけれど、その子の力を信じて、変に先回りせず、必要なところは支えて。引っ張るのでも押すのでもなく、その子が伸びることを信じて、寄り添っていきたいと思っています。
のびーくフリースクールの詳細情報
のびーくフリースクールの基本情報をまとめました。コース内容や料金の詳細、見学・説明会の最新情報は、公式サイトをご確認ください。
| 施設名 | のびーくフリースクール |
| コンセプト | 学校に「行かない」を選んだ子の学びを応援する |
| 対象 | 小・中学生(中高生クラスは高校生も参加可能) |
| 所在地 | 〒178-0063 東京都練馬区東大泉4丁目13-3 シャインハイツ大泉学園 |
| アクセス | 西武池袋線「大泉学園駅」より徒歩10分 |
| 開校日 | 月〜金(コアタイム10:00〜14:00ほか、クラスにより時間が異なります) |
| コース | グループコース/個別コース/中高生クラス |
| 料金 | 入会金110,000円。ベーシック月額77,000円(週5)、週3回55,000円、週2回44,000円、中高生クラス55,000円、個別コース30,800円(1時間/月額)など |
| 電話 | 03-5935-8020 |
| 公式サイト | https://fs.nobiiku.com/ |
特長として「関わり合い」「主体性」「個別サポートプラン」を掲げ、「安心」「尊重」「主体性」の3つを大切にしています。
体験(2回)+入会面談は11,000円、不登校相談は初回50分6,600円など。休会中(最大3か月)は月会費が半額になります。
東京都フリースクール等利用者助成金(最大2万円/月)の活用が可能です。
掲載内容は取材時点(2026年6月)の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
