塾選びの際、どうしても指導実績やカリキュラム内容に目が行きがちですが、本当に大切なのは、お子様が自ら考え、意欲的に学べる環境ではないでしょうか。
我が子が授業についていけるか、集中力が続くか、あるいは疑問を素直に先生に伝えられるか―。
これらの不安の多くは、授業中に繰り広げられる「コミュニケーションの質 」が大きく影響します。
今回は、SAPIX中学部 教務部長/数学科教科長 青木 茂樹先生にインタビューしました。
成績向上だけでなく、社会で生き抜く力を育む「コミュニケーション」にフォーカスした独自の指導哲学と、保護者との連携体制について、詳しくお話を伺います。
集中力が途切れない!「双方向授業」がコミュニケーションの土台
塾選びの際、指導実績だけでなく、お子様が本当に意欲的に学べる環境であるかどうかが重要です。
部活動で疲れていても生徒を自然と授業に「巻き込む」独自の双方向授業の秘密と、その土台となるコミュニケーションの哲学を探ります。
部活後でも集中できる「巻き込み型」授業の仕組み
——部活動を終えてから塾に来る生徒さんの中には、疲れていて集中力が低下しているお子様も多いかと思います。そういった、集中力ややる気を維持するのが難しい生徒さんたちを惹きつけるために、何か工夫されていることはありますか?
青木 茂樹先生それは私たちの授業スタイルに秘訣があります。
私たちの授業は、講師が一方的に黒板に向かって解説を進めていくような形式ではありません。
常に生徒と対話をしながら授業を組み立てていきます。
そのため、たとえ集中力が切れそうになったとしても、自然と授業に「巻き込まれる」ような仕組みになっています。

——双方向のやり取りを重視されているのですね。
青木 茂樹先生その通りです。
講師から積極的に話しかけ、生徒を授業に巻き込んでいきますので、自然と集中せざるを得ない環境が生まれます。
ですから、部活動で疲れて来る生徒さんであっても、むしろその対話を楽しみに通ってくれていると感じることが多いです。
「思考力」と「表現力」を自然と鍛える対話の力
——貴塾の教育理念として掲げられている「深い思考力と豊かな表現力を育む」という点についてお伺いします。「思考力」や「表現力」は、授業内でのコミュニケーションや意見交換を通じて育まれていく、というイメージでしょうか?
青木 茂樹先生その通りです。
授業では常に生徒との双方向のやり取りがあります。
他の生徒の意見を聞くだけでなく、学んだ知識を「どう使って問題を解くか」を考える過程で、自分の考えを言葉にしながら取り組む生徒もいます。
時には、正答から外れた発言をしてしまう生徒もいますが、実はその発言が学びを深める上で非常に重要になることがあります。
「そう考えがちだけれど、実は違うんだよ」というように、間違いを丁寧に説明することで、クラス全体の理解につながります。
こうしたやり取りを直接見聞きできるのが、対面授業ならではの面白さだと考えています。
——なるほど。間違いも学びの機会になるのですね。
青木 茂樹先生はい。
そのため、例えば自分から発言するのが少し苦手な生徒でも、他の生徒たちの意見を聞いて「次は自分もこうしてみよう」と考えたり、「そういう意味だったのか」と新たな気づきを得たりすることができます。
また、興味深いことに、講師が説明する言葉よりも、他の生徒が発した言葉の方がすんなりと理解につながる瞬間もあります。
ある生徒が「それって、要はこういうことですよね?」と子どもならではの砕けた表現で本質を突いたとき、その言葉が他の生徒たちに強く響くことがあるのです。
——生徒さん同士で学びが深まっていくのですね。
青木 茂樹先生ええ。
このように、生徒たち自身は特に意識していないかもしれませんが、日々の授業に参加する中で、思考力や表現力が自然と鍛えられていくのだと考えています。
クラスは「チーム」:学びを深める、生徒同士の主体的な意見交換
——お話を伺っていると、先生が黒板の前に立って一方的に授業を進めるというよりは、まるで個別授業のように密なコミュニケーションを取りながら進めていくスタイルが想像できます。
青木 茂樹先生そうですね。
個別授業に近いイメージを持たれるかもしれませんが、私たちはあくまで集団授業という形式は保ちながら、一人ひとりにしっかりと目を配るというスタイルです。
そして、講師と生徒の対話ももちろん重要ですが、私たちがそれ以上に大切にしているのは、生徒同士が互いの意見を聞き合うことです。

——生徒さん同士で学びが深まっていくのですね。
青木 茂樹先生実際に、学年が上がるにつれて生徒同士で活発な意見交換が見られるようになります。
それこそが、私たちの目指す授業の理想的な姿です。
——なるほど。ひとつのチームとなって、コミュニケーションを取りながら授業を進めていくような雰囲気なのですね。
青木 茂樹先生そのイメージが非常に近いと思います。
クラスがひとつのチームのようになっている、と言えるかもしれません。
個性を引き出す「声かけ」の技術:生徒の自信を育む個別アプローチ
集団授業でありながら、生徒一人ひとりの個性を最大限に引き出すためには、どのような「声かけ」が必要なのでしょうか。
ここでは、苦手意識を持つ生徒にこそ成功体験を与え、授業外の時間も活用して安心感を育む、青木先生の緻密なサポート体制を深掘りします。
生徒一人ひとりの習熟度と状況に合わせた「質問の仕方」を変える工夫
青木 茂樹先生例えば、私が担当している数学の授業での話をしますと、生徒への「声かけ」の仕方を常に工夫しています。
補助平行線を引くことで解決できる問題があったとして、生徒の習熟度によって問いかけ方を変えるのです。
——具体的にはどのように変えるのでしょうか?
青木 茂樹先生数学が得意な生徒に対しては、「どうしたら解ける?」といった、漠然とした問いかけをします。
そうすると、生徒自身から「ここに線を引けばいい」といった発想を引き出すことができます。
一方で、少し苦手意識のある生徒は、自信がなくてなかなか発言できないことがあります。
そういった場合には、「補助平行線を引きたいんだけど、どこに引くのが良いと思う?」というように、少しヒントを含ませた聞き方をするだけでも、反応は大きく変わってきます。
——なるほど。そうした質問の仕方に、先生の指導力が表れるわけですね。
青木 茂樹先生まさにおっしゃる通りです。そして、その部分がこの仕事の一番面白いところでもありますね。
苦手な子こそ「輝く瞬間」を作る、講師の細やかな配慮
青木 茂樹先生それから、自信をつける工夫もします。
例えば、生徒の手元を見て正解していることを確認した上で、あえて指名して「答えはどうなった?」と尋ね、「すごい!」と、今気づいたかのように褒めてあげることもあります。
——なるほど、成功体験を積ませてあげるのですね。
青木 茂樹先生このような細かい工夫を挙げればきりがありませんが、講師は常にそうした配慮をしながら授業を進めています。
その結果、苦手意識のある生徒でも授業の中で輝ける瞬間が生まれます。
何も発言せずに授業を終えて帰る、ということはほとんどないように感じています。

つまずいた時に頼れる、授業外の個別フォロー体制と安心感
——勉強につまずいてしまったり、苦手な単元で先に進めなくなってしまったりする生徒さんもいらっしゃると思います。そういったお子様に対して、具体的にどのようなフォローをされているのでしょうか?
青木 茂樹先生生徒の苦手な度合いや状況は様々ですが、私たちは必要に応じて授業前後の時間を使って個別に対応しています。
例えば、気になる生徒にこちらから声をかけたり、宿題のチェックはもちろん、苦手な箇所を個別に教えたりといったケアは日常的に行っています。
——授業のない日でも対応していただけるのでしょうか?
青木 茂樹先生対応しています。
私たちの塾では欠席した時のフォローとして「授業動画」を用意しています。
実は、つまずくきっかけになりやすいのは、授業をお休みしてしまった時なんです。
お休みしてしまうと、当然ですが授業は普通にあるため、その分カリキュラムが進んでしまいます。
そのため、休んでしまった場合は、その動画を見て自分で学習を進めてもらいます。
それでも分からない点があったら、空いている教室を自習室として解放していますので、そこに生徒を呼んで指導することもあります。
——生徒さん自身が「分からない」と先生に質問しに行くのは、最初はハードルが高いかもしれません。そうした部分も、普段からのコミュニケーションで築かれた信頼関係があるからこそ、質問しやすくなっているのでしょうか?
青木 茂樹先生それに加えて、「声のかけ方」を工夫するだけでも、生徒の反応は大きく変わってきます。
——具体的には、どのような声かけをされるのですか?
青木 茂樹先生例えば、「このページまで頑張って。できていなくてもいいから、そこまでやったノートを持っておいで」というように声をかけます。
生徒の中には「何が分からないのかさえ分からない」という子もいますから、具体的な指示を出すだけでも、全く違ってくるのです。
学力だけじゃない!対話が育む将来の「社会性」と自己管理能力
塾に通うことで得られるのは、成績や知識だけではありません。
SAPIX中学部の活発な対話は、将来社会で求められる「伝える力」や「聞く力」といった人間的な成長を促します。
そして、その成果は卒業生の能動的な主体性や自己管理能力として明確に表れています。
人として成長する鍵:「伝える力」と「聞く力」を養う対話の技術
——学力以外の面についてお伺いします。塾に通うことを通して、子どもたちが人として成長していると感じられるのは、どのような部分でしょうか?
青木 茂樹先生これもやはり、先ほどお話しした双方向の授業を通じてということになりますが、相手の意見を聞き、自分の考えを伝える経験が大きく影響します。
例えば、言葉の選び方もそうですし、自分の意見を言っても、周りがすぐに理解してくれるとは限りません。
——自分の考えを、相手に分かりやすく伝える力が養われるのですね。
青木 茂樹先生ええ。学年が上がるにつれて、一度の説明で相手に理解してもらうための工夫をするようになります。
「こういう理由で、このようにすればどうですか?」といった形で論理的に話せるようになると、周りも「なるほど」と納得し、話がスムーズに通じるようになっていきます。
そうした経験を積み重ねることで、本人が「こうすれば伝わりやすいんだ」「こう話せば聞いてもらいやすいんだ」ということを学んでいくのだと思います。
日々の授業を通じて、コミュニケーション能力が向上していくのを強く感じますね。
卒業生が証明する、塾で育まれた能動的な主体性
——卒業生の皆さんは、どのような活動をされているのですか?
青木 茂樹先生例えば、高校で、学級委員長を務めたり、生徒会活動に積極的に参加したりといった話をよく耳にします。
中には、海外留学に挑戦する生徒もいます。
このように、塾での経験を通して、能動的で主体性のある人間に育っていく生徒が多いという印象がありますね。

——なるほど。先生との双方向のコミュニケーションや、生徒さん同士で対話する経験を通して、コミュニケーション能力だけでなく、主体性も向上していくのですね。
青木 茂樹先生もう一つ、目に見えにくいかもしれませんが、「スケジュール管理能力」も向上していくと感じます。
塾の勉強だけでなく、学校生活や部活動、ご家庭の予定など、様々なことを両立させなければなりません。
生徒たちは、その中で自然と自分で折り合いをつけ、計画を立てるようになります。
これは、将来社会に出てからも必要とされる重要なスキルですので、そうした点でも成長を感じます。
青木先生が心からやりがいを感じる瞬間:生徒の成長を分かち合う喜びと授業の楽しさ
——先生ご自身が、このお仕事を続けていて良かったと感じられるのは、どのような瞬間でしょうか?
青木 茂樹先生そのご質問は一番難しいですね。
嬉しいと感じる瞬間がたくさんありすぎて、一つに絞るのが大変です。
まず何よりも、授業そのものが一番楽しい時間です。
そして、本当にシンプルですが、今まで解けなかった問題が生徒の力で解けるようになった瞬間や、私自身が思いつかなかったような独創的な発想を生徒が示してくれた時は、大きな喜びを感じます。
——なるほど。やはり生徒さんの成長を感じられる時に、一番やりがいを感じられるのですね。
青木 茂樹先生それから、塾講師として当然かもしれませんが、生徒から志望校の合格報告を受けた時は、本当に嬉しいですね。
——貴塾ならではのやりがいを感じる点はありますか?
青木 茂樹先生やはり、私たちが塾として掲げている「双方向の授業」を実践できること、これ自体が大きなやりがいです。
この対話の時間は本当に楽しいですね。
単に知識を一方的に教えるのではなく、「この問題に直面したら、次にどうアプローチする?」と問いかけたり、生徒から「先生、こうしてみたらどうですか?」と思いがけない提案が出てきたりします。
一つとして同じ展開にならない、毎回が新しい授業であることに、大きな魅力を感じています。
家庭学習の悩みを解消!保護者と塾が担う「第三者」の役割
お子様の成績向上を目指す上で、家庭学習や生活習慣は切り離せない問題です。
特にスマートフォン管理や進路選択といったデリケートな問題で、親子が衝突することは少なくありません。
塾が保護者と生徒の「ハブ」となり、冷静な視点を持つ第三者としてどのように問題を解決に導くのかについて、伺いました。
スマホ管理や生活面など、学習以外でも踏み込んで相談される内容
——保護者の方からよく寄せられるご相談についてお聞かせください。
青木 茂樹先生本当にたくさんのご相談をいただきます。
一番多いのは、やはり学習塾ですので、お子様の学習状況についてです。その次に多いのが生活面に関するご相談ですね。
「スマートフォンばかり見ている」「夜遅くまでSNSをしている」といった、現代のお子様ならではの内容も多いと感じます。
——なるほど。では、今までに受けた中で、特に返答に悩まれたご質問というのはどのようなものでしたか?
青木 茂樹先生例えば、お父様の海外赴任が決まった際に、「一緒について行くべきか、日本に残って高校受験をすべきか、どちらが良いでしょうか」といったご相談です。
このように、ご家庭の将来に深く関わるようなご相談には、非常に慎重にお答えする必要があります。
親子間の問題を解決する「ハブ(中継地点)」としての機能
——スマートフォンとの付き合い方は、お子様やご家庭の環境によって様々だと思います。ルールを決めて自主的に管理できるお子様もいれば、そうでない場合もあるでしょう。そのあたりは、お子様の様子を見ながら、ご家庭の方針とすり合わせていくような形になるのでしょうか?
青木 茂樹先生そうですね。
ご家庭によっては、親子間で直接話し合うと感情的になってしまうこともありますので、私たちが「中継地点」のような形で間に入ることが多いです。

——中継地点、ですか。
青木 茂樹先生例えば、保護者の方からご要望をお伺いし、それを角が立たないように私たちから生徒本人に伝えます。
そして、本人が言っていたことを、今度は私たちが保護者の方へお伝えするといったように、両者の「ハブ」のような役割を担っています。
——なるほど。
青木 茂樹先生ご家庭で直接やり取りをすると、「さっきも言ったでしょう」「うるさいな」といった言い合いになりがちです。
そして、そうした対立が、本人が勉強から気持ちが離れてしまう原因の一つになってしまうこともあります。
そのような場合に、私たちのような第三者が間に入ることで、話がスムーズに進むことが多いかな、と感じます。
——第三者だからこそ、冷静に話ができるのですね。
青木 茂樹先生同じ「スマートフォンの利用を制限してはどうか」という提案であっても、保護者の方が言うのと、私たちが客観的な立場から伝えるのとでは、生徒の受け止め方が全く違ってくるのです。
お家での様子を把握し、相互理解を深めるための面談活用法
——保護者の方が見ているお子様の姿と、先生方が塾で見ている姿が違うこともあるかと思います。そういった場合、保護者の方とはどのようにコミュニケーションを取られていますか?
青木 茂樹先生ご家庭での姿と塾での姿が違うのは、むしろ当然のことだと考えています。
私たち講師にとっても、ご家庭での様子を伺うことは非常に勉強になります。
例えば、家では活発に発言する生徒が、塾だと口数が少なくなるといった話も聞きますし、逆に保護者の方から「塾での様子を教えてください」と尋ねられることもあります。
——お互いに知らない一面があるのですね。
青木 茂樹先生その通りです。
年に1、2回、定期的に保護者面談を実施しており、塾での様子をお伝えすると同時に、ご家庭での様子もしっかりとお伺いします。
その情報を共有し合うことをきっかけに、私たちは生徒への学習指導に活かし、ご家庭では「そんな一面があったのか。では、もう少しこう接してみよう」といった、新たな関わり方のヒントにしていただけるのではないかと思います。
——なるほど、面談は情報交換の貴重な機会なのですね。
青木 茂樹先生はい。ですから、保護者面談は、私たちが一方的に「こうしてください」とお願いする場ではありません。
基本的にはお子様のご様子を伺い、「どうすれば、より良い関わり方ができるか」を一緒に考えるための、大切な情報をいただく場だと捉えています。
塾選びで失敗しないために:保護者が注目すべき「対話」のポイント
多くの塾がある中で、お子様にとって最適な環境を見極めるにはどこに注目すべきでしょうか。
高校受験に向けた準備を始める最適な時期と、その後の学習効果を最大化するために不可欠な、SAPIX中学部独自の教材と「生徒同士が刺激し合う環境」の重要性についてお伝えします。
小5から始めるメリット:英語と算数の土台作りと学習習慣の早期確立
——高校受験コースを指導されているかと思いますが、小学5年生から入塾できると伺いました。小学生のうちから準備を進めることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
青木 茂樹先生最大のメリットは、何と言っても英語です。
——特にリスニングは早くから始める方が良いのでしょうか?
青木 茂樹先生そうですね。
もちろん、早い段階からリスニングだけを練習するわけではありませんが、早期から英語に触れることは非常に重要です。
次に算数ですね。
算数と数学は名前こそ変わりますが、強く関連しているテーマがいくつもあります。
——算数と数学はつながっているのですね。
青木 茂樹先生ええ。その中でも特に重要な単元があり、中学受験の有無にかかわらず、小学生のうちにその土台をきちんと作っておくことが大切です。
そうすることで、中学校で本格的に数学の勉強を始める際に、理解が深まったり、学習のペースが速まったりといった効果が期待できます。
——やはり、先生としては小学5年生から通うのが理想的だと思われますか?
青木 茂樹先生そう思います。小学生のうちは、まだ通塾の負担もそれほど大きくありません。
その間に学習習慣を身につけ、何よりも私たちの双方向の授業スタイルに慣れてもらうことができます。
早くから通うことで、学年が上がるにつれて私たちの授業に非常にマッチした形で成長してくれるため、結果として学習の理解度がより深まっていくのです。
予習不要・復習重視の学習サイクルを支えるオリジナルテキスト
——貴塾は、予習はせず復習を中心とした「復習主義」の授業だとホームページで拝見しました。私が一般的にイメージする塾は、先に問題を解いてきて、それを解説してもらうという形式でしたので、大きく違うのだなと感じました。
青木 茂樹先生おっしゃる通り、一般的には「何ページまで予習してきて、その解説を授業で行います」という形式の塾が多いと思います。
しかし、私たちはその「予習」というスタイルに少し疑問を持っています。
まだ習っていない内容を生徒が一人で進めるのは、果たして効果的なのだろうかと考えてしまうのです。
——確かに、分からないまま進めるのは難しいかもしれません。
青木 茂樹先生私たちの授業で「習う」というのは、一方的に教え込むことではありません。
生徒との対話を通して、「なるほど、こういうことだったのか」と生徒自身がテーマの本質を掴むこと生を大切にしています。
その上で、テキストを使って家庭学習として取り組む。それが、私たちがこだわる「復習」のスタイルです。
最重要ポイント!ぜひ見学してほしい、「生徒同士が刺激し合う環境」
——最後の質問です。これから塾を探されている保護者の方に向けて、貴塾の「ここを見てほしい」というポイントがあれば教えてください。
青木 茂樹先生繰り返しになりますが、何よりもまず「授業」に注目していただきたいです。
授業見学は随時受け付けておりますので、ぜひ一度、校舎で実際の授業をご覧いただければと思います。
——授業では、どのような点を見ればよろしいでしょうか?
青木 茂樹先生どの授業も、決して講師が一方的に解説する形式ではないことがお分かりいただけるはずです。
生徒同士が互いに刺激し合える環境こそが、私たちの最大の強みです。
また、「うちの子はおとなしいので、そういう授業は苦手かもしれない」とご心配されるかもしれませんが、ご安心ください。
発言を強制するのではなく、一人ひとりの生徒に合わせ、誰もが輝ける場面を作れるように授業を進めています。

——もう一つのポイントは何でしょうか?
青木 茂樹先生もう一つのポイントは「テキスト」です。
私たちの使用するテキストは、自前で作成した完全オリジナル教材です。
市販の教材を組み合わせたものではありません。
——オリジナル教材には、どのような特徴があるのですか?
青木 茂樹先生私を含め、実際に授業を担当している講師たちが、毎年内容をメンテナンスしている点です。
例えば、私が責任者を務める数学では、その年の入試傾向を踏まえ、問題の入れ替えや配列の変更といった改訂を毎年行っています。
現場の講師が作成したテキストで授業を行うからこそ、授業内容との噛み合わせが最適化され、生徒の理解が深まるのです。
また、テキストは毎回の授業で1冊ずつ配布します。
数ヶ月分をまとめてお渡しする形式ではないため、生徒たちは「今日は何を学ぶんだろう」と、毎回新鮮な気持ちで授業に臨むことができます。
SAPIX中学部の真価:生徒の成長を最大化する「活発な対話環境」と「第三者サポート」の見極め方
今回のインタビューを通じて、成績向上に直結するだけでなく、お子様の人間的な成長を促す上で、「コミュニケーション」が極めて重要な要素であることが明らかになりました。
SAPIX中学部では、集団授業でありながら、授業中の質問の仕方から、個別フォローのための声かけ、さらには家庭での生活指導に関わる保護者との面談に至るまで、全てが緻密な対話に基づいています。
この「生徒一人ひとりに寄り添う全方位的なコミュニケーション」こそが、この塾の最大の特長であり、子どもたちが「やる気」を持ち、社会性を高めながら自立した学習者へと成長していくための鍵です。
もし現在、お子様の学習意欲や塾選びに悩んでいらっしゃるなら、ぜひ一度、その「対話が活発な授業風景」を見学し、お子様がそこで生き生きとコミュニケーションを取り、成長していくイメージを掴んでください。
SAPIX中学部の詳細
教室情報
| 提供しているコース | 高校受験コース |
|---|---|
| 対応している学年 | 小学5年生~中学3年生 |
| 受講形式 | ・対面 ・オンライン(生徒はオンライン受講生のみ/対面同様、双方向のライブ授業) |
| 入塾金 | 33,000円(税込) |
| 授業料(月謝) | 小学5年生:1教科4,950円~6,600円 小学6年生:1教科4,950円~6,600円 中学1年生:3教科25,630円/5教科32,450円 中学2年生:3教科39,930円/5教科46,750円 中学3年生:3教科(前期)40,700円(後期)56,650円/ 5教科(前期)52,800円(後期)67,980円 ※すべて税込 ※別途土曜のみのコースもあり |
| その他に必要な費用 | 無し (授業料にテキスト費・受験必須のテストなどが含まれる) |
| 割引キャンペーンの有無 | 無し |
| 自習室の有無・利用可能時間 | 空き教室での自習可能/14:00~22:00 |
| 教室の雰囲気 | 少人数制 集団授業(1クラス10~15名程度) |
| 主な合格実績 | 2025年度合格実績 開成高18名 筑駒高9名 慶應女子高26名 都立日比谷高19名 早慶高(首都圏) 合計248名 MARCH高 合計195名 他 |
入塾案内
無料体験受講の有無・実施内容
授業見学を随時実施(季節講習・特訓のぞく)
入塾説明会の有無・実施頻度
有・月1~2回程度
個別相談の可否
可(随時受付中)
入塾テストの有無・クラス分けの基準等
入室テスト有
他の塾と比較した強み
定理や公式の丸暗記や過剰な反復練習を強いる詰め込み型の学習は行いません。入試では、深い知識とそれを活用する柔軟な思考力が求められますが、SAPIX中学部ではその過程を「困難」ではなく「試行錯誤を通じて思考力を育む機会」と捉え、粘り強く論理的に考える力の育成を目指しています。日々の授業への取り組みと家庭学習による理解の積み重ねを大切にし、短期的な得点にとらわれず、生徒一人ひとりに寄り添いながら先を見据えて計画的に学ぶ習慣づくりを丁寧にサポートしています。
教育方針・カリキュラム作成の方針
一般的に進学塾ではほぼ教科書の掲載順に学習を進めていきますが、SAPIX中学部では最適な順番とタイミングで必要なだけそれぞれの単元を学習できるよう、工夫を重ねたオリジナルカリキュラムに沿って学習を進めています。大切な単元や理解に時間がかかる単元は小5から中2までの間に角度を変えながら何度も繰り返し学ぶしくみになっているため、より深い理解が得られ、思考力や表現力も強化することができます。また中2までの間に中学校の教科書内容をいったん学び終えるので、中3の1年間は知識を活用し、応用力を高める実践的な演習にじっくりと取り組むことができます。
こうした独特なカリキュラムを可能にしているのがオリジナルのテキストです。SAPIXのオリジナルテキストは、授業を担当する講師が継続的な入試問題研究をもとに自ら作成しています。授業内でのやりとりや、演習の中で起こりやすいミスまで想定して緻密に練り上げられているため、取り組むだけで難関校合格のための骨格を固めることができるようになっています。
最も伝えたい貴塾の魅力
【双方向 対話型授業】
本質を問う対話や議論を通じて、生徒が主体的に考えることを促し、論理的思考力と応用力を養うことを目的としています。知識や最善の解法を既にあるものとして講師から一方的に紹介するのではなく、自ら発見し理解する学びを重視しています。生徒たちは仲間と共に学び合う中で成長し、学ぶ喜びや自信を得ることができます。
入塾を検討している人へのメッセージ
小・中学校の数年間の学びは、高校以降でより高度な学習を積み重ねていくための土台を築くためだけでなく、これから生涯にわたって続く「学びの旅」のはじまりでもあります。
SAPIX中学部は、高校受験という体験を通じて物事の本質を知り、論理的に考え、試行錯誤しながら問題を解決する知的行動そのものを楽しむことができる力を養う「本質的な学習体験」を提供します。
高校受験を「最高の通過点」にしてみませんか。
その他特記事項
首都圏・関西圏の受験をお考えの海外生・帰国生・国内遠方生へのサポート有
保護者対応
| 保護者との面談頻度 | 小5生~中2生:年1回 中3生:年2回 |
|---|---|
| 保護者とのコミュニケーション手段 | 電話・メール |
| 保護者用駐車場の有無 | 無し |
基本情報
| 電話番号 | 0120-3759-86 (日・祝をのぞく11:00~18:00) |
|---|---|
| 公式WebサイトURL | https://www.sapix.co.jp/ |
| 公式SNSアカウント | LINE https://lin.ee/u8o9PXH X https://x.com/sapix_j YouTube youtube.com/@SAPIX Instagram(数学厳選問題100) https://www.instagram.com/sugaku_sapix/ |
| 塾の所在地・最寄り駅 | 全23校舎 東京・神奈川・埼玉・千葉22校舎 オンライン専用1校舎 https://www.sapix.co.jp/school/ |
| 設立年 | 1989年 |
