「中小企業診断士は将来性が低い」
「会計士や弁護士のような高収入は期待できない」
中小企業診断士は、上記のような事が言われることも多く、ネットの意見など耳にする方も多いでしょう。
そんな中小企業診断士の現状を、まずは下記のような結論を出しました。
中小企業診断士における現在の需要は…
・資格自体は価値があるが、別の能力がなければ需要はない
・起業する人や中小企業の破綻が増えているため、需要が減っている
・資格だけ保有している人は信用できない
このように「中小企業診断士に全く需要が無い」「絶対にやめとけ!」と言い切る事はできません。
将来性のある仕事ともいえるので、資格を取得しておいて損はないでしょう。
中小企業診断士の試験は、毎年8月に実施されます。
| 試験区分 | 日程 |
|---|---|
| 第1次試験 | 【試験案内配布/申込受付期間】 令和7年4月24日(木)~5月28日(水) 【試験実施】 令和7年8月2日(土)・3日(日) 【合格発表】 令和7年9月2日(火) |
| 第2次試験 | 【試験案内配布/申込受付期間】 令和7年9月2日(火)~9月22日(月) 【筆記試験実施】 令和7年10月26日(日) 【筆記試験結果発表】 令和8年1月14日(水) 【口述試験実施】 令和8年1月25日(日) 【合格発表】 令和8年2月4日(水) |
勉強時間は700から1,000時間は必要といわれています。12月から始めたとして、受験を検討している方は早めの対策がおすすめ。
中小企業診断士が本当に需要があるのかを確認したうえで、スキマ時間で合格を目指せる「スタディング」を活用するなど、自分に合ったやり方で試験勉強を始めてみてください。
「中小企業診断士はやめとけ」と言われる3つの理由が判明!本当なのか?
あくまで「絶対やめとけ!」と理由を断言する事はできないため、可能性の話として目を通していただければと思います。
「中小企業診断士」のみでは市場価値が薄くなる可能性
中小企業診断士のみを持っていれば安泰の時代は終わりました。
理由は、中小企業診断士を利用する企業が減り、中小企業診断士を保有する人や経営コンサルタントのような人が多いからです。
資格を持たなくても経営のアドバイスができるため、経営で実績を出した人が評価をされます。
そのため資格を持っていても、経営実績や経営診断実績がなければお仕事をもらうことが難しいです。
【打開策】
打開策としては、以下の方法が挙げられます。
- 資格を取得する前に経営者になる
- 経営者と先に仲良くなっておく
- 中小企業診断士を強みに出してビジネスをする
中小企業診断士の資格を取得する前に経営経験を持てば、ほかの経営者からの理解が得やすく、仕事の依頼がしやすくなります。
ほかにも経営者との関係作りや経営者の名簿を取得すれば、中小企業診断士の業務を始めたときに助けてくれます。
期待しているよりも年収があまり上がらない可能性
2つ目の理由は、中小企業診断士の資格を取得しても年収が上がる可能性が高くないからです。
資格を取得しても、仕事が舞い込んでくることはなく、資格取得後も営業や他社との差別化が必要です。
多くの方が「中小企業診断士はやめた方がいい」という理由は、他人との差別化が難しいことが挙げられます。
そのため資格取得をしても、収入を期待してはいけません。
【打開策】
解決策として、専門性を高める方法があります。
自分の得意な分野や好きな分野に特化して、実績を積めば資金が潤沢な企業から依頼が来るかもしれません。
ほかにもSNSで発信やオンライン診断などほかの診断士と違ったアプローチで、顧客の獲得や業務を遂行すれば、差別化が可能です。
必要な勉強時間に対して、メリットが少ない可能性
中小企業診断士は、試験合格に必要な時間に比べてメリットが少ないです。
中小企業診断士に合格するには、最低でも1,000時間が必要といわれています。
しかし、資格を取得しても直接年収アップにつながらない可能性もあるので、メリットがないともいわれているのが現状。

日本中小企業診断士協会連合会の「中小企業診断士活動状況アンケート調査 結果について」では、勤務先や関係先の処遇に変化がなかったと答え方が24.4%と半分ほどでした。
資格手当がない会社もあるので、資格を取得する方は必ず手当があるか確認しましょう。
【打開策】
中小企業診断士のメリットを十分に活かすためには、資格取得後に経営者になることです。
中小企業診断士は経営のプロのため、専門的な内容をアドバイスできます。そのため先に中小企業診断士の方と連絡を取り、自分がやりたいことを見つけましょう。
お金で判断せず、ほかの判断基準で考えればメリットは大きいです。
またスキマ時間を使って効率的に学べる通信講座「スタディング(無料教材からスタート)」であれば、独学や予備校での勉強に比べてお金と時間の負担が軽いのがメリット。
うまく活用して、必要な勉強に対する労力を軽減させるのも、後悔を防ぐ有効な手段です。
中小企業診断士をおすすめできる人の特徴
「中小企業診断士はやめとけ」「ほかの資格にしときなさい」と言われる理由も、ここまでの内容でだいたいはわかりました。
とは言え、一定の条件を満たしている人には自信を持っておすすめできる資格だと考えます。
特徴① 就職や転職で付加価値を作りたい人
先ほど述べた通り、中小企業診断士としての力だけでは、自分自身の市場価値が思ったよりも高まらず、「年収が上がらない…。」といった可能性もあります。
しかし、”中小企業診断士”の資格所持=一定レベル以上の能力を持っている証にはなります。具体的には、どういう事かと言うと…
武器に例えると、メイン武器としては力不足だが、サブ武器として何かしらの武器と組み合わせることで、非常に強力になるといったイメージです。
“中小企業診断士”の資格を取得しながら、中小企業診断士が少ない業界へ参入することで、市場価値が高い人材となれるでしょう。
特徴② 経営に関する話が好きな人
経営に関する話が好きな人におすすめです。中小企業診断士は、経営に関することを学ばなければならないからです。
企業を訪れて、商品の営業をするのではなく経営や財務状況の確認が主な会話となるでしょう。
ひと月あたりの利益や売上はもちろん、コストや倒産する危険性を議論するため、経営者との会話が多いです。
特徴③ 経営者と仲良くなりたい人
3つ目は経営者と仲良くなりたい人です。
中小企業診断士は、大企業を相手に経営診断をしないため経営者とやり取りが多くなります。
中小企業では、経営部門はなく社長や役員のみで会社の経営を考えます。そのため経営者に認識されやすく、仲良くなる機会が多いです。
中小企業診断士をしながらビジネスを経営者から学ぶこともできるため、経営者と関係を作り、起業する方は絶対に資格を取得しましょう。
【やっぱり】中小企業診断士をおすすめできない人の特徴
経営者と仲良く慣れることや自分のキャリアアップを検討している方には、中小企業診断士がおすすめできます。
しかしおすすめできない人も中には存在し、下記の方が該当します。
- 独占業務をしたい人
- 資格だけで生きていこうとする人
- 勉強が苦手な人
特徴①独占業務をしたい人
1つ目の特徴は中小企業診断士で独占業務をやりたいと考えている人です。
独占業務とはある資格でしかできない業務のことで、たとえば医療行為は医師しかできません。
中小企業診断士は、医師や司法書士のような難関資格と違い、独占業務はありません。独占業務があれば、ほかの資格から業務を取られることなく、安定してお金を稼げます。
しかし経営コンサルタントや戦略コンサルなど、資格なくても大企業の経営にかかわることが可能です。つまり中小企業診断士を取得しても、安定して業務を得られません。
特徴② 資格だけで生きていこうとする人
次の特徴は、資格だけで生きていこうと考えている人です。
中小企業診断士の業務は、資格がなくても担当できるからです。経営に関する知識を身につけられますが、経営者からの信頼を得ることには繋がりません。
経験が無い中小企業診断士に業務を任せる会社は少なく、経験があったり、現在経営者の人に任せます。つまり経営に関する知識と経験やコンサル実績があれば、資格がなくても仕事の獲得はできます。
特徴③ 勉強が苦手な人
3つ目は、勉強が苦手な人です。
勉強が苦手な人には中小企業診断士は向いていません。
理由は、中小企業診断士の合格に必要な勉強時間が最低でも1,000時間を超えるからです。勉強が苦手な人が、1,000時間も一つの資格に集中するのは難しいです。
教科書の読み込みや問題集の解答はもちろん、過去問対策や試験情報を日々入手しなければなりません。また試験に1年で合格できる人はほとんどいないため、複数年勉強する必要があります。
中小企業診断士に将来性はあるのか?ないのか?
中小企業診断士に将来性があるのか無いのか以下の観点から検討しましょう。
- 経営に関する知識を身につけられる
- 多数の業種の企業とつながりを持てる
- 仕事がなくならない
観点① 経営に関する知識を身につけられる
中小企業診断士の資格を勉強すれば、経営に関する知識が身につきます。つまり自分が起業したいときや友人の起業を手伝うことができます。
ほかにも自分の起業の問題点を確認したり、利益を向上するためのポートフォリオ作成も自分で行えます。客観的な視点で、自分の会社を診断できるため、主観的な判断を除いて経営が可能です。
起業や診断だけでなく、経営のアドバイスや起業するための手続きの代行も担当できます。
観点② 多数の業種の企業とつながりを持てる
2つ目に多数の業種の企業と関係を作れます。
中小企業診断士は、様々な企業の経営診断やアドバイスを担当するため、多くの業種と関わりができます。また大企業とは違い、中小企業は経営部門を持たないため、社長や経営者と直接やり取りが可能です。
つまり今後も経営に関して業務を担当することがあるため、ほかの企業にも紹介されることがあります。紹介されればほかの業種を担当できるかもしれません。
観点③ 仕事がなくならない
中小企業診断士の仕事は、なくなりません。
理由は以下の通りです。
- 企業の数は増えている
- 起業する人が多く診断をして欲しいと考えている経営者が多い
- 経営自体がなくならない
- 経営者が高齢化しているため、任せる企業が増えている
中小企業診断士を求めている企業は年々増えています。
年々企業の数は減っていますが、合併や吸収による影響も大きいため、実際は中小企業診断士の需要は高いままです。
ほかにも経営者の高齢化が進み、経営ができる人材を外部から入手する必要があります。そういうときに中小企業診断士が経営を担当し、経営者は会社の維持だけに専念できます。
中小企業診断士の働き方とは?
最後に、中小企業診断士の働き方を3つ紹介します。
資格を取得しキャリアに活かしたいと考えている方は、参考にどのようなキャリアを積むか検討してください。
コンサルティングをする
中小企業診断士は経営の知識があるため、経営者などのコンサルティングが可能です。
コンサルティング会社に転職することも可能なので、人の役に立ちたい方や相談を受けるのが好きな方に向いている働き方でしょう。
厚生労働省のデータを見ると、経営コンサルタントの平均年収は947.6万円とありました。
1,000万円近くなので、年収アップにつながります。
年齢別では、45歳から49歳が一番高く1,580万円という数字もあります。
経営が好きでやりがいのある仕事を探している方は、コンサルティングをして中小企業診断士の知識を活かしましょう。
企業内診断士として働く
中小企業診断士は、企業内診断士としても活躍できます。
経営企画部門などに移動し、経営に関する戦略や企画を練ります。
企業の経営に関わることができるので、収入が安定する可能性もあるでしょう。
企業によっては、昇給や昇格も目指せるためキャリアアップしたい方におすすめです。
独立開業する
中小企業診断士は経営の知識が付くので、独立開業も可能です。
コンサルティングなどをしながら、研修やセミナーなどで活動できるため、活動の幅を広げながら経営の知識を役立てられます。
さらに、ライフワークバランスを考えて働けるのも魅力。
プライベートを大切にしながら働きたい方は、独立開業をして中小企業診断士の資格を活用してみてください。
【おまけに解説】独学での資格取得はやめておくべき…?
ここまで中小企業診断士のメリット・デメリットやおすすめできる人などを紹介しました。
また中小企業診断士の将来性を見越して、資格取得を考えている人もいるでしょう。通信講座や予備校に通う余裕はないため、独学で合格を考えている人もいると思います。
しかし独学で中小企業診断士の合格率は毎年5%前後です。その数値には、予備校や通信講座の受験生も含まれているため、独学者の合格率は1%台と考えられます。
また合格するための最新の試験情報も予備校が一番早く入手し、公開しているため独学者は不利な状況で試験に挑まなければなりません。
以上から独学での受験はおすすめできません。
中小企業診断士の試験合格を目指すなら、予備校や通信講座を利用し、効率よく学習を進めましょう。
「スタディング(無料教材からスタート)」ならスマホで必要な内容に絞って、合格に直結した学習ができ、短期間で中小企業診断士を目指せる点がおすすめです。
当サイトでは、中小企業診断士の通信講座などを比較した記事もあります。
資格取得を検討している方は、そちらの記事も参考に学習を始めてみてください。
