アガルート司法書士試験講座にインタビュー!浅野講師に勉強法などを聞いてみた!

アガルートは2015年に開校した資格予備校で、法律資格をはじめ、約80種類もの各種難関資格試験の対策講座を展開しています。会員登録者数は13万人を突破しており、2年間で合格者数は271%に急増中です。

株式会社イードが運営するミツカル学びの調査記事では、おすすめの司法書士通信講座としてもアガルートが紹介されています。

司法書士試験講座は初学者から学習経験者まで学びやすいカリキュラムや、記述・答練パック、苦手克服にぴったりな単科講座を展開。わかりやすい講座・教材と充実のフォロー制度で、令和5年度の受講者の合格率は全国平均の2.96倍にあたる15.4%を誇ります。

本記事では、アガルートの司法書士試験講座講師である浅野勇貴氏にアガルートの司法書士講座の魅力や成り立ち、合格を目指す秘訣などについて伺いました。

浅野勇貴氏プロフィール

1982年、群馬県桐生市出身。

大阪芸術大学短期大学部、三重大学人文学部を経て、東京理科大学大学院総合科学技術経営研究科専門職学位課程修了。

ライフワークである実験映画制作や舞台スタッフの活動を人生後半戦でも続けられるよう、フリーランスになりやすい司法書士の資格を取得(2015年合格)。

日本司法書士会連合会市民の権利擁護推進室委員、関東ブロック司法書士会協議会ADR委員会委員などを経て、群馬司法書士会常任理事を務める。

目次

「知識の整理」と「実演」で合格できるハードディスクを作る

ミツカル学び編集部(以下、編集部):アガルート司法書士試験講座は令和5年司法書士試験で全国平均の2.96倍もの合格率を誇りますが、このような高い合格実績を実現できた要因は何だと考えますか?

アガルート司法書士試験講座 講師 浅野勇貴氏(以下、浅野勇貴氏):「最短ルート アガルート」のテレビCMに端的に現れています。CMではうさぎ先輩が、他のパワーのあるキャラクター(篇によって異なります)に導かれ、瞬時にゴールに到達します。

到達すべきなのはゴールなんですよね。「憲法に詳しい人になること」でもなく、「民法に詳しい人になること」でもないんです。ゴールに着くことを非常に意識しています

私は司法書士試験の合格者ですが、そんな私にも当然、試験本番の日がありました。その本番の日の私の頭の中のハードディスクは、結果的には合格できる状態だったわけです。

その合格できるハードディスクを、受講生の皆さんにも作ってほしい。出来れば回り道せず作ってほしいと思っています。そのために、私は、択一式対策でも記述式対策でも、講義で工夫していることがあります。

編集部:多くの受験生が合格までにたくさんの回り道をしてしまいがちですが、アガルートなら最短ルートでの合格を目指せるのですね。

具体的にはどのような工夫がなされているのか、ぜひ聞かせていただきたいです!

浅野勇貴氏:択一式対策では知識の整理です。不動産登記法という科目でお話しします。

登記手続で権利書(正式名称「登記識別情報」)というものが必要ですが、万一失くしてしまったとしても救済措置が3つ用意されています。1つでも2つでもなく、3つなんですね。

整理されていない知識は、誤答の大きな原因です。「2つだったかな?」という状態だと、1つ目と2つ目の救済措置のみ検討して答えてしまうことになります。

知識というのは、ズームアウトした全体像と、ズームインした詳細の両方が見えるようになって、はじめて会得したことになります。この構造を身に付けられるよう、知識整理にはこだわっています。

記述式対策ではとにかく実演です。

司法書士試験の記述式問題がどのようなものかは、これから勉強を始める方にとってはピンと来ないかもしれません。が、想像以上に実技試験であることは知っていただきたいところです。小中学校でやった「逆上がりを出来るようになること」や「背泳ぎを出来るようになること」に近い勉強になります。

そのため、私の講義では、私が素の試験問題の状態から合格答案を作成し終わるまで、どのような手技を用いたのか、失敗しないためのコツはなんなのかなど、すべてお見せしています。

よくあるクッキング番組では、煮ている時間や焼いている時間を省くために、横から完成品が出てきてしまいます。しかし、それでは煮たり焼いたりしている間に行う、食材を裏返すなどの「些細だけど知っておきたいTIPs」を隠してしまうことになります。私の講義ではそのようなことは一切行わないことにしています。

地方在住の方や家事負担のある方、複数の成功体験から学びたい方におすすめしたい

編集部:アガルート司法書士試験講座を開発するにあたって特にこだわった点やおすすめできる点はどのようなところでしょうか?

また、そうした点からどのような受講者が多いですか?アガルート司法試験講座が向いている人も合わせて教えていただきたいです。

浅野勇貴氏:ホームルームでコミュニケーションをとる中で感じるのは、地方在住の方、家事負担のある方が多いですね。

私は群馬県桐生市在住という環境で司法書士になる決断をしました。受験生時代に通学タイプの予備校に通う選択をし、通学タイプの予備校がある地域に引っ越しました。

通学タイプの予備校にした選択自体に後悔はありませんが、これとトレードオフで支払った引っ越しのコストはかなり大きいものでした。実家に居候していればゼロでしたからね。

ただ、私が勉強した当時と異なるのは、オンライン予備校の隆盛です。当然ですが、オンライン予備校の受講生は、東京都在住者も群馬県在住者も全く同じ講義を受講できます。地理的な不利益がないのはアガルートを選択する理由になります。

また、家事負担のある方もおすすめです。これは講師である私も、アガルートのありがたさを実感しています。昨年、複数の近しい親族が同時期に障がい者となり、私の生活ルーティーンが変わってしまいました。

しかし、アガルートでの講義の進行には一切影響がありませんでした。オンラインでの映像授業ですから、例えば水曜に撮影できなければ日曜に撮影すればいいんです。

受講生にとってもそうです。アガルートは決まった時間に決まった校舎で受講する必要がありません。サボり癖を防ぐために「必ずスケジュール変更は週内で辻褄を合わせる」などのルールを定めさえすれば、受講タイミングは自由自在です。「群馬県桐生市在住のビジネスケアラーが、東京・飯田橋の予備校講師を支障なくやれている」というのが、そのままアガルートの凄さですよ。

編集部:スキマ時間を活用して自宅にいながら高品質の講義を受けることができるアガルートは、さまざまな理由から司法書士試験合格を諦めていた人からも選ばれているのですね。

浅野勇貴氏:といっても、上記2つはオンライン予備校の特徴でしかなく、アガルートのおすすめ理由としては足りませんね。

実は、もう一つおすすめしたいタイプがあって、複数の成功体験から学びたい方です。

司法書士試験は実技の要素もあることから、合格方法も人によって取り入れやすい・取り入れにくいがあり、合格者Aさんの方法論が受験生Bさんにとって最短ルートであるとは限りません。

アガルートの司法書士試験講座は、初学者向けも中上級者向けも複数講師体制を取っており、各講師が考える最短ルートを知ることができます。そして、受講生は自分が真似できそうなものをその都度選んでいただくことができるのです。

そもそも予備校では何を学ぶのでしょうか。勉強? それでは半マルですね。権利書を無くした方への救済措置が3つあると前の質問で答えましたが、3つなんですよ。アガルートの受講生にとっても、他校の受講生にとっても、独学の方にとっても、救済措置は3つなんです。

そういった純然たる勉強の知識では、予備校利用でも独学でも差が付きません。予備校で学ぶべき真の対象は、合格方法です。アガルートでは、その合格方法を講師の数だけ示せます。アガルートのあまり知られていない強みって、ココだと思います。

合格の秘訣は予備校を利用すること。まずは騙されたと思って、講師に従ってほしい

編集部:実際に司法書士試験に合格し、今も司法書士界を牽引している講師陣のノウハウを教授してもらえるのは、アガルートの大きな魅力ですよね。

さて、アガルート司法書士試験講座は3年間で受講者数が8.99倍も増加していますが、どのような要因で受講者が急増したのでしょうか?

浅野勇貴氏:博報堂が仕切ったインパクトの強いCMと、海老澤・三枝両講師の加入の影響が大きいでしょう。

「最短ルート」というコンセプトが明確化され、複数講師体制の中でそれぞれの最短ルートが示されるようになり、アガルートの講座はパワーアップしました。

編集部:流れているとつい見てしまう印象的なCMですよね。

では、初学者が限られた時間で司法書士試験合格を目指すための秘訣はありますか?また、対策学習でつまづきやすい点はどのような点でしょうか?

浅野勇貴氏:「合格の秘訣は予備校を利用することです」と予備校講師が言うのは説得力がないでしょうか。

ただ、私が関与している関東ブロック司法書士会協議会(関東地区の司法書士会の集まり)が開催している公式の資格説明会でも、合格者のスピーチで予備校を使うべきだと語られています。

繰り返しになりますが、予備校で学ぶべきものは合格方法です。そして、方法を知ったのであれば、講師が示すゴールに一直線で立ち向かっていくべきです。

残念ながら、一直線で立ち向かわない方がいます。実は、法学部卒業の方がその傾向にあります。学問としての法律学習にはある程度許された自由度があり、条文解釈が一義的に定まらない場合は、Aと答えてもBと答えても、理由がきちんとしていれば大学のテストではマルになります。

しかし、司法書士試験には自由度がありません。条文解釈が一義的に定まらない場合は、法務省民事局の見解が基本的には正解になります。司法書士試験はクリエイティブなテストではなく、きちんと正誤があるテストなのです

そのため、自由に考えるアカデミックなスタンスではなく、司法書士試験に自分をチューニングするというスタンスが求められます。そこを割り切ってもらうというか、腹をくくっていただく必要があります。まずは騙されたと思って、講師に従ってください。

「あなたのかゆいところに届く講座ですよ」と寄り添える講座を目指したい

編集部:なるほど。講師陣の指導を信じて進むことこそが最短コースなのですね。

では、司法書士試験において特に重要な科目、逆に得点に繋がりにくい科目はありますか?

浅野勇貴氏:重要な科目は民法と会社法です。民法と会社法の問題を解くために必要なだけではなく、民法は不動産登記法の、会社法は商業登記法の前提にもなっており、躓くわけにはいかない大切な2科目です

得点に繋がりにくいのは、憲法と刑法です。憲法と刑法は、他の科目との関連性が低いため、他の科目の理解向上に釣られて憲法や刑法の理解が進むことは起きにくいと思われます。

また、憲法や刑法は、一般的な大学法学部の勉強では民法や会社法と同じくらいの重みのある科目ですが、司法書士試験では出題数の少ないマイナー科目の位置づけです。そのため、深みにはまらず割り切った姿勢が求められます。

編集部:最後に、今後のアガルート司法書士試験講座はどのように進化していきますか?未来の展望や目指す姿などがあれば教えていただきたいです。

浅野勇貴氏:書店チェーンで例えれば、Village Vanguardさんのポジションを目指すことになりましょうか。

アガルートは司法書士試験界ではかなりの後発組です。紀伊国屋書店さんやジュンク堂書店さんのような、標準であるが故の高品質を目指すというのは無理がありますし、望まれてもいないでしょう。

Village Vanguardさんのような、フィットする人にはぴったりフィットするポジションになりたいですね。「あなたのかゆいところに届く講座ですよ」と寄り添える講座を目指したいですね

編集部:アガルート司法書士試験講座のますますの繁栄をお祈りしております。ありがとうございました。

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