当ページではよくSNS上でも言及される「プログラミングスクールやめとけ」という意見について、原因を調査しました。
結論から言うと、その人の環境や状況によって「プログラミングスクールをやめておくべき人」と「プログラミングスクールを使うべき人」に分かれます。
どうしても自己判断の部分にはなってきますが、特徴や原因をよく理解して、自分に最適な選択をすることが重要と言えそうです。
「プログラミングスクールはやめとけ」と言われる理由とは?
さっそく一番気になる「やめとけ」と言われやすい理由を解説していきます。
理由①「受講料が高いからやめとけ」と言われる
プログラミングスクールの受講料は10~100万円の範囲が多く、複数の講座を受けたら総額100万円を超えてしまうケースも珍しくありません。受講料が高いため24回や36回などの分割払いで毎月支払う人もいますが、分割回数によっては卒業後も支払いが続く場合も。
初期投資として受講料が高い分、プログラミングスキルを習得してエンジニアとして活躍ができれば支払う価値は十分あります。しかしプログラミングスクールを卒業しても必ずエンジニアとして就職できるとは限りません。仕事がうまくいかない状態だと、受講料が高いだけで結局無駄となってしまうリスクがあります。
理由②「独学でも学べるからやめとけ」と言われる
今やネットで調べればいろんな情報がすぐに分かる時代。学習サイトを調べてみたりテキストを購入すれば、独学でもプログラミングの知識を理解することは十分可能です。絶対にプログラミングスクールに通わないと学べない、という訳ではありません。
独学で学ぶとエンジニア経験のある講師やスタッフのサポートがないため、途中で挫折してしまう場面は多いでしょう。また知識が一切ない状態で学習をスタートさせても、どんなものをどの順番で学習するべきか分からないまま進んでしまい、時間だけ浪費してしまうことも考えられます。
とは言えプログラミングスクールに通わずとも独学で習得した人もいるため、スクールが必要ないと言われるようになりました。
理由③「すぐには稼げず受講料回収に時間がかかるからやめとけ」と言われる
プログラミングスクールを卒業しても、いきなり30代前半エンジニアの平均年収とされる525万円程度を稼げる人はまずいないでしょう。エンジニアの労務費単価は人それぞれで、これを決めるにはエンジニアとしての実務経験が判断材料のひとつとなります。
卒業したばかりの人はエンジニアになったとしても、低単価からのスタートとなるためすぐに稼げるとは言えません。
プログラミングスクールに払った受講料を回収しきるには時間が必要なので、今すぐにプラス収支にしたいという人にとってはプログラミングスクールが無駄な存在と感じてしまうでしょう。
理由④「無料スクールは就職・転職が大変だからやめとけ」と言われる
無料で学べるプログラミングスクールを選べばノーリスクだろう、と考える人もいるかもしれませんが、無料スクールには就職や転職先の企業を限定されるといった受講時に結ばれる規約があります。
地方就職を希望していたのに首都圏の企業を紹介されたり、紹介先の企業がブラックな職場で常に人手が足りない実態があった…という話も。
プログラミングスクールの中で無料受講を提供できるのは、スクールが卒業生を企業に紹介することで企業から協力金をもらえるから。もちろんこれ以外の活動で無料を実現するスクールもありますが、このタイプのスクールでは満足のいく就職や転職ができるケースが少ないと考えておきましょう。
そもそも「プログラミングスクールはやめとけ」と言っているのは誰?
「プログラミングスクールをやめとけ」と言われる理由をいくつか紹介しましたが、そもそもこれらの事情を発信しているのはポジショントークをする人ばかりです。
「ポジショントーク」とは、いわゆる自分の立場を有利に見せるために発言していることになります。ここまでプログラミングスクールに反対する意見を解説していきましたが、実際にスクールを活用するべき人はたくさんいます。
ポジショントークをする人の特徴は、自分の立場や影響力で多くの人を動かす力のある人。
近年はTwitterやInstagramなどのSNSでフォロワー数の多いインフルエンサーやYoutuberが数多く存在していますが、彼らがおすすめする商品やサービスは信頼度が高い!と感じたフォロワーが、実際に紹介したものを購入したり契約するというケースがあります。彼らは宣伝効果のある人たちなので、案件として広告収入をもらうこともあるでしょう。
このような人たちは自分が紹介した案件が成功するようなポジショントークを広げていきます。なぜならフォロワーが感化されて購入してくれるからです。
ポジショントークをする人は、「大手A社やB社のプログラミングスクールは費用が高すぎるし就職できない!私がおすすめするCスクールでは卒業生が全員月100万円稼いでいる!今ならキャンペーンで…」といった言い回しで言葉巧みにセールストークへとつなげていくのです。
確かに「やめとけ」と言われる理由が当てはまるプログラミングスクールもありますが、全てのスクールが同じ特徴を持つ訳ではありません。スクールの内容によって活用できる人もいれば、合わない人もいる。
偏ったポジショントークばかりに耳を傾けず、自分に合ったスクールがないかチェックしてみましょう。
【これだけはダメ!】就職先がSES企業ばかりなプログラミングスクールは絶対にやめとけ!
ぶっちゃけた話、受講料を支払って通う大手人気スクールの就職先にもSES企業は含まれています。
ただし、中には就職先がSES企業ばかりという…闇のようなプログラミングスクールが一定数存在するのです…。
当サイトで紹介しているような人気スクールは、あくまでSES企業以外が多い中で、一部SES企業が含まれるだけなので、上手く選べば問題無しです。
なぜSES企業は就職先としてダメなのか?
SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略。
クライアントから受けた依頼を所属するエンジニアに振り分け、依頼を遂行して報酬を受け取るシステムです。主に依頼された内容を遂行するだけなので、自身の成長に繋がりにくいことが主なデメリットと言えるでしょう。
スクールを卒業したばかりの未経験でSES企業に就職すると、顧客対応やテスト案件ばかりを取り扱うことになり、開発に携わるチャンスがなかなか掴めません。
また、SESはクライアント先の会社に常駐するケースがほとんどです。常駐先で仕事をするため人間関係をうまく作れなかったり、自社の上司とコミュニケーションを取れる機会が少なく、仕事内容や役職をステップアップするための評価もあやふやになってしまいがちです。
大手人気プログラミングスクールの就職先は本当にSES企業が少ない?
以下3つの大手人気スクールを調査してみました。
DMM WEB CAMPの実態
DMM WEB CAMPでは、これまでにHISやDMM.com、エイチームからGMO MEDIAなど、多様な事業会社に就職しています。公式サイトにて掲載されている採用企業は全部で34社ありましたが、このうちSES企業は10社前後でした。
HISやDMM.comはグループ会社として、メインとなる旅行・ホテルやエンターテインメント事業の他にも、多角的なソリューション事業やロボット事業も手がけています。また、エイチームは自社のゲームサービスやECストアなどネット事業に強く、GMO MEDIAは自社のポイントサイト運営のノウハウを活かしたクライアントのポイントサイト導入をバックアップしています。
侍エンジニアの実態
侍エンジニアを卒業したエンジニアは、ヤフージャパンやteam Laboといった大手企業にも転職実績があり、掲載されているだけでも15社以上の企業からの採用実績があることが分かりました。SES企業は5社前後でした。SES企業の採用は約3分の1なので、進路先のほとんどがSES企業ということはないですね。
ヤフージャパンはインターネット事業の中でも大手企業で、EC事業や会員サービス事業などを手がけています。team Laboは空間演出を活用したブランディングや映像制作などアート作品を中心としたデジタルクリエーションやデザイン事業を手がけています。
テックキャンプの実態
テックキャンプではこれまでマネーフォワードやU-NEXTなどの有名企業や急成長ベンチャーまで、幅広い企業への転職実績を持ちます。公表されている転職先内訳によると、自社開発は20%、受託開発は46.2%で、気になるSES企業は33.8%でした。
マネーフォワードはクラウドを活用した経理・確定申告サービスや法人向けバックオフィスSaaSを広く手掛けています。U-NEXTはご存じのとおり動画配信サービスを運営しており、利用している人も多くいる人気サービスです。
プログラミングスクールの闇と指摘されている部分は?
「プログラミングスクールは闇だ…」という方のほとんどは、プログラミングスクールを運営する企業の収益構造に注目して発言している方が多いように感じます。
プログラミングスクールを運営する企業も、営業利益を出すために運営しているので当然、何かしらの方法でお金を得る必要があるのです。
その利益の出し方でよく言われるのが「プログラミングスクールは労働力を糧とした、搾取ビジネスだ」という事です。
上記のように言われる理由としては、プログラミングスクールは受講生からもお金をもらっていますが、就職先の企業からもお金をもらっているためです。
しかし結論を申し上げますと、受講生にとっては”プログラミングを学んで安定して就職”できれば良いだけなので、気にする必要がありません。
ただ、プログラミングスクールに通う上で、ビジネス学習も含めてプログラミングスクールの収益構造を学んでおいた方が良いと思うので、ご紹介しておきます。
プログラミングスクールの収益構造の闇について
プログラミングスクールを運営する上で必要な経費は主に家賃と人件費の2つです。家賃は教室やスタッフの事務所などが当てはまります。これら費用は毎月発生するものです。また、不定期な開発費として、スクールが提供する教材サービスに費用が必要です。
これらの費用を抑えながらスクールが収益を増やしていくためには、受講生の人数が関係していきます。つまり多くの受講生が集まるほど、受講生からの受講料を貰う形で収益が増えていきます。
また、卒業した受講生に就職先企業を紹介すると、「エンジニア人材紹介料」のような形で企業からお金をもらうこともあります。これらの収入を頼りにしているため、とにかく受講生に多く集まってほしいのです。
受講生が多く集まるために魅力あるフレーズ(転職保証や充実したサポートなど)で生徒を募集していきますが、スクールによっては受講生に知識がないことをいいことに、費用を抑えた結果として教材の質が悪い場合も。
そして人件費も抑えてしまうと、質のいい講師が捕まらず、せっかくのサポート体制でも受講生が活用できないというケースも起こってしまいます。
プログラミングスクールをやめておくべき人の特徴とは?
当ページ全体を通して言えることは、そもそも「プログラミングスクールをやめておくべき人」と「プログラミングスクールを使うべき人」どちらも存在するということです。
なので、総括としてプログラミングスクールをやめておくべき人の特徴を3つまとめておきます。
やめておくべき人の特徴①スクールに入れば知識がつくと思っている人
プログラミングスクールは受講料が高額な分、決心をして入学したのだからスキルが身につく!と思い込んでいる人は向いていません。お金を払っただけで知識がつくのではなく、自主的に学習や課題に取り組む姿勢が大切です。
スクールを卒業するまでに期限がある場合、積極的に学んでいかないと無駄な時間が経ってしまうだけです。入ったからには毎日コンテンツをフル活用して取り組む意欲と実行力が必要でしょう。
やめておくべき人の特徴②分からない時は誰かに頼りたい人
プログラミングスキルを身に着ける段階では、まだまだ分からないことだらけ。コードの意味が理解できなかったり課題でエラーが発生した時にどうすれば良いか迷ってしまいますよね。
スクールによっては万全のサポート体制でいつでも講師やメンターに聞ける制度もありますが、活用しすぎるのも良くありません。
すぐに答えをもらえる環境に甘えてしまうと、思うようにスキルや自走力が身につかず、卒業しても就職先がなかなか決まらないというリスクに陥りやすいです。プログラミングは常にエラーや分からないことが起きる世界。他力本願に逃げてしまう人には向いていません。
やめておくべき人の特徴③プログラミングを全く触ったことがない人
未経験や初学者でも歓迎してくれるプログラミングスクールはたくさんありますが、入学前に無料体験などで少しだけでもプログラミングを学んでみてください。
何も知らない状態で入学してしまうと、いざ始めた時に想定していた難易度のギャップが生まれ、学習意欲が低下してしまいます。
せっかく払った費用が無駄にならないよう、受講料を支払う前にテキストを図書館で借りてみたり体験セミナーに参加するなどして、無料でプログラミングの世界を知ってみましょう。
【最後に】プログラミングスクールをおすすめできる人の特徴は?
散々「プログラミングスクールはやめとけ」と言われる理由や特徴について言及してきましたが、最後におまけとして”プログラミングスクールをおすすめできる人の特徴”をしておきたいと思います。
この特徴に当てはまる人は、他人やインフルエンサーが何と言っても「プログラミングスクールはおすすめできる」ので、ぜひチェックしてみましょう。
おすすめできる人の特徴①学ぶ意欲が高く自力で解決する力がある人
新しいプログラミング言語が生まれたり新たなスキルが求められたり、プログラミングの世界は学習することが多くあります。働いた後もまだまだスキルアップに向けて学習する機会があるでしょう。
もともと学習意欲が高く、いろんな新しいことに触れていきたいという人はプログラミングスクールに通っても、カリキュラムをフルに活用できる素質があります。
スクールで通っている時も分からないことがあれば、自分でいろいろ調べて問題解決できる力があると、スキルもしっかり身につけることができ、就職後も開発現場などで重宝される人材となるでしょう。
おすすめできる人の特徴②パソコンにかじりつきで取り組める人
プログラミングは学習中も卒業後の就職時も、1日中座ってパソコンを見続ける職業です。じっと座ってパソコンに向かい続けるのが苦でなければ、エンジニアにも向いているでしょう。
プログラミングスクールは教室通学タイプもありますが、ほとんどの場合オンラインで映像講義を視聴したり、ビデオ通話やチャットで講師とやり取りをする受講形式です。
パソコン疲れを懸念に感じる人は、リフレッシュタイムで散歩や運動を取り入れるなどしてみましょう。
おすすめできる人の特徴③具体的な卒業後の進路をイメージできている人
スクールに通えば卒業後の進路が決まるわけではありません。卒業後にどんな仕事をしたいか、職種やその業務内容を理解できていなければ具体的なイメージが湧きません。
具体的なイメージを持たずに就職サポートを受けてIT業界に足を踏み入れても、SES企業やブラック企業で満足のいく仕事ができず辞めてしまうことも。
イメージがないままスクールに通っていても、スキルが身につかないまま卒業となってしまうリスクもあります。