社労士の平均年収は一般的に、500万円から700万円とされており、勤続年数や仕事内容によってバラツキがあります。
そこで、今回は以下のような内容について調査を実施しました。
【当ページの内容をざっくりまとめると…】
・みんなが知りたい社労士の平均年収は
・社労士が年収を上げるためにやっていることは
・社労士もほかの士業と同様に独立すると本当に収入は増えるのか
・データから見る社労士のリアルな年収と実態
・男女や年齢、企業によって年収は変化するかどうかの調査
今回は、上記の内容をそれぞれ詳しく解説していきます。(5分ほどでサックリ理解できるようまとめました。)
社労士の平均年収はおよそ600万円
社労士の平均年収は600万円ほどです。
以下の表は社労士の平均年収の推移です。
合計 | 年収 | 月収 | ボーナス |
---|---|---|---|
2019年 | 486万200円 | 33万4900円 | 84万1400円 |
2018年 | 499万7400円 | 35万9500円 | 68万3400円 |
2017年 | 526万2100円 | 35万2400円 | 103万3300円 |
2016年 | 526万5400円 | 35万9000円 | 95万7400円 |
2015年 | 670万6300円 | 42万3400円 | 162万5500円 |
2014年 | 508万5000円 | 38万100円 | 52万3800円 |
2013年 | 529万9900円 | 39万5500円 | 55万3900円 |
2012年 | 452万2900円 | 32万円 | 68万2900円 |
2011年 | 465万7400円 | 34万5700円 | 50万9000円 |
2010年 | 759万6800円 | 40万100円 | 279万5600円 |
上記の表の平均年収は企業で正社員として働いている人のみの数値です。そのため役職者や開業した社労士を含んでいません。
2021年の最新の厚生労働省が発表した統計では、年収が680万円で推移しているといわれています。
年収が大きく変化する理由は、景気が大きく変化したときに労働者の保護や社会保険に関する業務が増えたり、減ったりするからです。
【年齢別】社労士の年収データまとめ
年齢別の社労士の年収は以下の通りです。
年齢 | 月収 | 年収(賞与等含む) |
---|---|---|
35歳未満 | 41万円 | 670万円 |
40歳未満 | 30万円 | 940万円 |
45歳未満 | 35万円 | 700万円 |
50歳未満 | 39万円 | 760万円 |
65歳未満 | 58万円 | 1,380万円 |
70歳以上 | 25万円 | 450万円 |
社労士の年収は年齢が上がれば上がるほど収入が増えていきますが、年齢だけでなく、経験年数も必要です。
以下の表をご参照ください。
経験年数 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1年~4年 | 398万円 | 295万円 |
5年~9年 | 455万円 | 435万円 |
10年~14年 | 617万円 | 483万円 |
15年以上 | 564万円 | 334万円 |
経験年数が短いと年収は男女ともに低くなります。10年以上経てば年収が下がる理由は、経験年数が15年ほど経てば、資格取得者の多くは50代になるからです。
過去10年の合格者の年齢層は以下の通りです。
年齢 | 構成比 |
---|---|
20代以下 | 11.8% |
30代 | 32.6% |
40代 | 29.2% |
50代 | 18.9% |
60代以上 | 7.5% |
企業で働いている方の年収は50代から下がる傾向にあるため、社労士の経験年数が15年ほど経てば年収が下がります。
【男女別】社労士の年収データまとめ
男女別の平均年収は以下の通りです。
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
年収 | 約840万円 | 約570万円 |
男女で年収が300万円ほど違いますが、実際に経験年数で比較すると、以下の通りです。
経験年数 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1年~4年 | 約398万円 | 約295万円 |
5年~9年 | 約455万円 | 約435万円 |
10年~14年 | 約617万円 | 約483万円 |
15年以上 | 約564万円 | 約334万円 |
男女で200万円ほどになっています。
年収が大きく違う理由は、経験年数が高い社労士は男性に多いからです。
下の表は2009年から2019年の合格者の男女比です。
年度 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
2019年 | 68.7% | 31.3% |
2018年 | 69.3% | 30.7% |
2017年 | 69.9% | 30.1% |
2016年 | 70.5% | 29.5% |
2015年 | 70.6% | 29.4% |
2014年 | 71.3% | 28.7% |
2013年 | 71.9% | 28.1% |
2012年 | 72.5% | 27.5% |
2011年 | 72.9% | 27.1% |
2010年 | 73.5% | 26.5% |
2009年 | 73.9% | 26.1% |
また2012年から2021年の10年間で、合格者の男女比は以下の通りに変化しました。
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
構成比 | 61.7% | 38.3% |
2つのデータから、女性の合格者の比率が最近急上昇しています。
経験年数が低い女性社労士が増えてしまったため、年収が低く見えています。
【まとめ】社労士は年齢や性別によって優位性はあるのか?
社労士は性別や年齢から見ても優位性はありません。経験年数が多ければ多いほど年収が高くなるため、最初の期間は低いです。
また男女での合格率が大きく変化し、男性と女性で有利や不利はありません。企業でも正社員よりも役員の方が収入が高いのと同様、社労士でも役員や高い地位に就けば、年収は大きく上がります。
【企業によって違う?】求人から分析する年収データ
社労士に関する求人は以下の通りです。
平均年収 | 職種 |
---|---|
コンサルティング | 6,830,700円 |
コンサルティング営業 | 5,214,608円 |
コンサルタント | 6,350,703円 |
人事・労務 | 4,740,097円 |
採用コンサルタント | 4,678,186円 |
年収が低く設定されていますが、理由は年収が高い企業は募集をしなくても集まるからです。社労士で高い給与を得るには大企業の労務や人事に就職するのが一番です。
東証プライム市場の役員にもなれば、年収が1,000万円を超えます。ほかにも大手コンサルティング企業や、利益率の高い企業(BtoBやインターネットなど)がおすすめです。
社労士は独立によって年収が増えるのか?
社労士が企業で働いているときの年収は以下の通りですが、社労士全体の平均年収は表の数値よりも大きいです。
年齢 | 平均年収 | 給与 |
---|---|---|
20~24歳 | 234万円 | 15万円 |
25~29歳 | 291万円 | 18万円 |
30~34歳 | 320万円 | 20万円 |
35~39歳 | 365万円 | 23万円 |
40~44歳 | 410万円 | 26万円 |
45~49歳 | 459万円 | 29万円 |
50~54歳 | 492万円 | 31万円 |
55~59歳 | 488万円 | 30万円 |
60~65歳 | 332万円 | 21万円 |
独立して開業した社労士は、企業よりも多く給与がもらえます。人によって大きく異なりますが、最低でも800万円は計算上超えます。
また独立する社労士は、実力をつけてから開業するため、全体的に経験や能力が高いのも原因の一つです。
社労士が年収を上げるためのポイントとは?
最後に、社労士を仕事とするうえで、年収を上げるためには「どのような行動を起こせばいいのか?」について考察したいと思います。
ポイント① 大手企業に転職する
大手企業の人事や労務は給与が高いです。
同じ企業内で給与に大きな差ができてしまうと、優秀な人材が抜けてしまうからです。中小企業と大企業の平均年収では、大きく違います。中小企業の人事や労務は大企業よりも低く、年収は上がりにくいです。
また大企業の人事や労務で活躍すれば、役員に昇格も可能です。役員に就けば年収は1,000万円や2,000万円にもなります。大企業に転職して年収を大きく上げていきましょう。
ポイント② 独立して開業する
2つ目の方法は、実力をつけて独立をすることです。独立すれば、案件に対しての報酬がすべて自分の収入になります。企業だと案件一つごとに一定の報酬もしくは一定の割合の報酬しかもらえません。報酬の多くは、企業が持っていくので収入が増えないでしょう。
また独立をすれば、自分が取り扱いたい案件のみに集中できます。自分の得意分野で案件をこなせば確実に収入が上がります。
ポイント③ 他者と差別化して自己をブランディングする
社労士の資格だけでなく、何かをかけ合わせてほかの人と差別化をするのも収入を増やす方法の一つです。SNSでフォロワーを増やせば、案件の獲得が簡単にできます。
またSNSを通じて社労士以外の業務に関われたり、企業の外部役員として活躍も可能です。自分をブランディングすれば、経験年数が短くても、高い収入や地位の獲得もできます。
そのため自分の持っている能力やスキルと社労士をかけ合わせて他者と差別化を図りましょう。