英語を習得するなら、まずは日常会話レベルから……と思っている人は多いのではないでしょうか。また、日常会話レベルを最終目標にする人もいるでしょう。
ですが、英語の日常会話レベルというのは、いったいどの程度のレベルなのかハッキリしませんよね。そして、どうすれば日常会話レベルの英語力が身につくのかと悩んでいる人もいるでしょう。
そこでこの記事では、一体どのくらい話せれば日常会話レベルの英語なのかを解説しつつ、日常会話レベルの英語力を身につけるための方法をご紹介します。
英語で日常会話がしたいと思っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
日常会話レベルの英語とは？
まずは日常会話レベルとはどのくらいのレベルなのかを考えてみましょう。
日常会話レベルと言われて多くの人が思い浮かべるのは、日常的な会話をスラスラとこなしている姿ではないでしょうか。ビジネス英語や大学の講義などは、それよりも難しいイメージがあるでしょう。
ですが、一般的に日常会話レベルの英語と言われるレベルが身についたとしても、本当に日常の会話が全てこなせるかと言うと、それは違います。なぜなら、日常的な会話には、スラングやイディオムがバンバン使われているからです。
実は、そういった特殊な表現があまり使われない分、ある意味ビジネス英語の方が簡単な面もあります。
一般的に言われる「日常会話レベル」とは、ネイティブと日常的な会話が自由にこなせるレベルのことではなく、日常的な範囲のことなら、しっかり表現できるレベルのことを言います。
衣食住の話や自分の趣味の話、ちょっとした愚痴などを言えるようになれば、日常会話レベルと言ってしまっていいでしょう。
ではその日常会話レベルが、数値的にはどのくらいになるのかを詳しくご紹介します。
日常会話レベルに必要な語彙数は3,000語
一般的に日常会話レベルと言われる英語力で必要なのは、少なくとも3,000語以上の語彙です。
3,000というと結構多く感じるかもしれませんが、この中には超頻出単語も含まれているため、3,000以上の語彙力を身につけるのは、そこまで難しいことではありません。
単語や熟語（イディオム）を含め3,000語以上の語彙を操れるようになれば、日常的なことは表現できるようになりますが、話題や興味の幅が広い人だと、4,000語くらいは覚えた方が良いでしょう。
英検やTOEICで言うと？
英検やTOEICなどの検定だとどうでしょうか。
英検で言えば、英検準2級の知識が操れるようになれば、日常会話レベルとみなしても良いかもしれません。できれば2級レベルになっていると、より日常的なことを表現できるようになります。
ちなみに中学英語が英検3級レベルと言われているので、日常会話レベルは中学英語よりはレベルが高いのです。英検2級は高校英語レベルですから、そこまで網羅できれば、日常会話はこなせるでしょう。
TOEICなら500〜600点くらいが目安。700点くらいあれば、苦手分野がある人でも日常会話はこなせるはずです。
かなり幅が広いように感じるかもしれませんが、これはTOEICで600点を取る人でも、コミュニケーションが苦手な場合は、会話能力は知識よりもレベルが低いことがあるからです。
さらに、CEFR（ヨーロッパ言語共通参照枠）でもどの程度のレベルなのかをご紹介しておきましょう。
CEFRは、A1からC2まで6段階にレベル分けされており、外国語の能力を示すために広く使われています。
このCEFRだと、B1レベルなら日常会話レベルと言えるかもしれません。ちなみにB1レベルは、身近な話題を標準的な話し方で理解し、表現できるくらいのレベルです。できればその上のB2レベルになっておくと、日常会話が流暢にこなせるでしょう。
日常会話レベルにはどのくらいで到達できる？
では、ここまでご紹介した日常会話レベルまでには、どのくらい勉強すれば到達できるのでしょうか。
もしもコーチング英会話のように毎日しっかり学習すれば、数ヶ月で日常会話レベルの英語を身につけるのも夢ではありません。しかし、多くの人にとってそれは現実的ではないでしょう。
たとえばほぼ毎日勉強を続けたとしたら、1年後には日常会話レベルに手が届く人もいるかもしれません。
言語の習得能力は、元々の言語能力や習得スピードによって変わってくるため一概には言えませんが、毎日1〜2時間勉強する人なら、1年もしくは2年後には日常会話レベルの英語力が身についているでしょう。
ですが逆に週に1〜2回しか英語に触れない場合は、もっと時間がかかります。記憶を定着させることも難しく、効率もよくないため、人によっては何年かけてもなかなか日常会話レベルの英語力が身につかない可能性もあります。
ですから、いち早く日常会話レベルの英語力を身につけるためには、学習を習慣化させることが非常に重要なのです。
日常会話レベルの英語を習得するポイント
日常会話レベルの英語力を確実に身につけたい人は、ここからご紹介するポイントを意識して、英語の学習をスタートしてみましょう。
英語の学習方法がどんなものであれ、このポイントを意識していれば、必ず日常会話レベルの英語を習得することができます。学習計画を立てる際には、こちらを参考に計画してみてくださいね。
まずは中学英語レベルの教材がおすすめ！
中学英語レベルでは、まだ本格的な日常会話レベルの英語は身につきません。
しかし、英語の知識がほとんどなく、これから英語を学ぶという人にとって、中学英語は入門としてとてもおすすめです。
中学英語を習得することで、英語の基礎が身につくため、その後の学習がとても楽になるでしょう。
ですので、中学英語だけでは日常会話レベルにはならないと言いつつも、これから英語の学習を始める人は、まずは中学英語レベルの教材からはじめていきましょう。
入門から段階式で学べる教材・アプリを使おう
中学英語レベルからスタートすることも大切ですが、日常会話レベルの英語力は、中学英語を習得したその先にあります。
ですから、教材やアプリを英語学習に取り入れる際には、入門レベルから段階式で学べるものを選ぶのもおすすめです。
教材なら、レベル別にシリーズものになっていると、入門レベルをクリアしたあとも学習を継続しやすいです。
スマホアプリだと、入門から上級まで段階的に使えるものがたくさんありますから、自分にとって使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
海外ドラマや洋画は学習に使わない
海外ドラマや洋画を学習に取り入れたい人もいるかもしれません。しかし、ほとんどの海外ドラマ・洋画では日常会話レベル以上の言葉が使われています。
また、もし日常会話レベルでも理解できるものだったとしても、これから日常会話レベルを目指す人にとっては難易度が高すぎます。
海外ドラマや洋画を学習に取り入れて効果が出やすいのは、上級レベル以上の人です。
たとえばTOEIC900点を超えるような人だと、海外ドラマや洋画を見ることで、レベルアップをすることができるでしょう。
しかし日常会話レベルを目指す人にとっては、意味がわからなかったり、ただ聞き流すだけになってしまったりするので、これはおすすめできない学習方法なのです。
聞き流しはNG
日常会話レベルを身につけたいなら聞き流しをするのはやめておきましょう。単にBGMとして英語を流しておきたいと思うなら、それはもちろん構いませんが、学習効果はあまり高くありません。
これはなぜかと言うと、日常会話レベルを目指す人だと、英語を聞き流しているだけではなかなか知識が増えないからです。聞いている英語もほとんど理解できず、ただ音を聞いているだけになってしまうでしょう。
それはそれで、たとえば英語のリズムに慣れるだとか、イントネーションを覚えるための学習には効果を発揮するかもしれません。
しかし、語彙力が増えたり、英語を理解しやすくなったりはあまりしないので、聞き流しを学習の中心にするのはやめておきましょう。
学習を習慣化すること
日常会話レベルを目指す人にとって、学習を習慣化することは非常に重要です。ほとんど英語の知識が確立していない人の場合、ときどき英語に触れるだけでは、なかなかレベルアップは望めません。
そのため、ときどきしか英語の学習をしないなら、日常会話レベルに到達することもできなくなる可能性もあります。
ですから、学習は必ず習慣化させましょう。ほぼ毎日英語に触れるのが望ましいですが、難しい場合は1日おきや週3回など、なるべく高い頻度で英語に触れるようにしてください。
忙しい社会人でも、お昼休みや移動時間、何かの待ち時間などちょっとした隙間時間を活用すれば、学習を習慣化させることは難しくないはずです。
2時間の学習を週2回行うよりも、毎日15分〜30分でも英語学習に取り組んだ方が、英語は覚えやすくなるので、短時間でも良いので時間を作ってみましょう。
日常会話レベルの英語を習得する勉強方法
上記のポイントをおさえていれば、自己流の学習方法でも、きっと日常会話レベルの英語を身につけることができるはずです。
ですが、具体的にどんな学習をすれば良いのかわからない人もいるでしょう。そこでここからは、日常会話レベルの英語を習得するための勉強方法もいくつかご紹介します。
もちろんこのすべてを学習に取り入れる必要があるわけではありません。取り入れやすいものや、習慣化しやすいものを複数組み合わせてみてくださいね。
スマホアプリを使う
特に時間の捻出に困っている人にとって、スマホアプリを使った英語学習は非常におすすめです。スマホアプリの中には、語彙力強化ができるものや、文法やリスニングなど広範囲にカバーするものなど、さまざまなものがあります。
ゲーム感覚で遊びながら英語を学べるものもありますし、1回のセクションが5分程度で終わるものも多いです。
スマホアプリを学習に取り入れるメリットは、1回につき5〜10分程度でも学習ができることです。
つまり、ちょっとした隙間時間や起床後・就寝前のベッドの中の時間を使って、英語に触れることができるのです。
なかなか習慣化が難しい人も、スマホアプリを使えば、日常会話レベルを目指した学習ができるでしょう。
ただしスマホアプリを選ぶ際には、日常会話向けだったり、入門からしっかり学べるものを選んでみてください。反復学習ができるようなものだと、もっと効果的です。
解説付きの教材を繰り返し解いてみる
英語学習のための教材は解説付きのものを選びましょう。そして、同じ教材を2~３周繰り返して使ってみてください。繰り返すことで反復練習ができるたけ、効果的に記憶に定着することができます。
教材も1つのセクションはそれほど長くありませんから、1日1セクションなど少なめの量を決めれば、学習を継続しやすいでしょう。
英語学習者向けの多読に挑戦！
本を読むのが苦ではない人なら、多読に挑戦するのもおすすめです。
ただし、日常会話レベルの人が多読に挑戦するなら、英語学習者向けの洋書を選びましょう。英語学習者向けの洋書は、レベル別になっているため、自分のレベルに適した本を読むことができます。
入門レベルの英語だと、話がつまらないのでは？と思う人もいるかもしれませんが、入門レベルの洋書であっても、大人向けのストーリーが平易な英語で表現されていたりするので、なかなか読み応えがありますよ。
レベルに合ったリスニング音源を毎日聞く
リスニングは特に毎日取り組みたい分野の1つです。これはなぜかと言うと、英語の音は日本語の音とはかけ離れているため、英語の音に慣れるには時間がかかるからなのです。
たとえば語彙を増やすことは、反復学習を少しすれば、誰でも可能でしょう。
ですが、リスニングについては、英語の音をしっかり聞き取れる耳と脳を作る必要があるため、最初はどれだけ聞いていても、聞き取れない音がある状態が続きやすいです。
しかし、リスニングに毎日取り組んでいれば、いずれは英語の音に慣れることができます。音が聞き取れれば、意味もわかることが増えるでしょう。
英語を聞き取る能力は、上級レベルの人でも非常に役立つスキル。日常会話レベルを目指す段階から、自分のレベルに合ったリスニング音源を毎日聞いていれば、その後の学習にも役立つはずですよ。
オンライン英会話で毎日レッスン
習慣化するという意味では、オンライン英会話もおすすめです。現在、多くのオンライン英会話が毎日レッスンが受けられるというプランをリーズナブルな価格で展開しています。
これを利用して、毎日英会話の練習をしていれば、1年後にはそれなりの会話をこなせるようになっているかもしれません。
ただしオンライン英会話は学習した知識をアウトプットする練習の場ということも忘れないようにしましょう。細かい文法ルールや語彙力増強には、やはりある程度は自習の時間も必要です。
そうした自習と毎日のオンライン英会話を組み合わせることで、インプットもアウトプットも網羅し、本格的な英語力を身につけることができるのです。
少し慣れたらファミリー向け海外ドラマを見てみる
日常会話レベルを目指す人には、海外ドラマや洋画を学習に取り入れるのはあまりおすすめできません。
しかしたとえば中学英語レベル（英検3級程度）が簡単だと感じるくらいのレベルに到達したら、ファミリー向けの海外ドラマを見るのは、学習効果があるかもしれません。
特別なスラングやあまり見かけることのないイディオムはスルーしつつ、日常の会話が交わされている部分に注目していれば、使えそうな表現に出会えるかもしれません。また、実際の会話のテンポなどを学べるでしょう。
ただしファミリー向け、つまり子供も一緒に見られるような海外ドラマであっても、本格的に学習に取り入れるのは、日常会話レベルの英語が身につきつつあると感じたくらいのレベルがベストです。
まだ道のりが遠いように感じる際には、海外ドラマは娯楽と捉えて楽しんでくださいね。
日常会話レベルの英語力があればコミュニケーションが楽しくなる！
ネイティブレベルの日常会話力を身につけるのは、簡単なことではありません。日常会話とはスラングやイディオムをバンバン使う、幅の広いものだからです。
しかし、身の回りのことや日常の会話を標準的な英語で表現できるレベルに達することはそれほど難しくはないでしょう。
また、そのくらいのレベルが身につけば、英語を話す人たちとスムーズなコミュニケーションが可能になります。
日常会話レベルの英語力があれば、英語でのコミュニケーションがもっと楽しくなるはず。毎日勉強をするのは大変かもしれませんが、楽しいと思えることから取り入れて、ぜひ学習を継続してくださいね。