英語を習得したいと思っている人の中には、仕事で英語が必要な人や、英語を使った仕事がしたい人、そして海外で仕事がしたい人など、ビジネスに英語を生かしたいと思っている人も多いはず。国際社会で活躍するためには、高い英語力は欠かせません。
ですが、英語を習得するだけでも苦労をしているのに、ビジネス英語なんて習得できない……なんて諦めている人もいるかもしれませんね。
しかし、ビジネス英語はどういう勉強をすれば良いのかさえわかっていれば、それほど難しいものではありません。この記事では、ビジネス英語が日常英会話とどう違うのかを解説しつつ、ビジネス英語の勉強方法をご紹介します。
ビジネス英語を習得し、仕事に役立てたいと考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
ビジネス英語の勉強は難しい?
ビジネス英語は難しいという先入観がある人に朗報ですが、ビジネス英語は普通の英語よりも難しいわけではありません。むしろ言い回しなどが決まっていることを考えると、表現の幅が広い日常英会話よりも、ビジネス英語の方が簡単だと言える部分もあります。
そのため、すでに中級レベルの英語力を身につけている人なら、すんなりとビジネス英語を身につけることができるでしょう。
とは言え、ビジネス英語は基礎英語力があるからこそ理解できるものです。最初からビジネス英語を学習すると、やはり難しいと感じてしまうはず。
ですから、ビジネス英語の勉強をはじめるなら、最低でも基礎英語を習得してからにしましょう。可能なら中級レベル、英検で言うなら英検2級くらいの実力をつけておけると、ビジネス英語の習得が楽になります。
ビジネス英語は日常英会話と何が違う?
ビジネス英語の勉強をする際には、ビジネス英語が日常英会話とどう違うのかを理解しておくと効率の良い学習ができるかもしれません。
そこでここからは、ビジネス英語が日常英会話とどう違うのかを解説していきます。
基本は日常英会話と変わらない
日本語だと、日常会話とビジネスで使う敬語にはかなり違いがありますよね。日本人でもその点に苦しむ人がいるかもしれませんが、英語の場合は、それほどの違いはありません。
日本語で例を挙げると、日常的な日本語だと「言った」「言いました」というところが、ビジネスやフォーマルシーンでは「仰いました」と、まったく別の言葉になっています。
ですがビジネス英語では、日常英会話で使われる単語や表現も普通に使われます。スラングは使われませんが、ビジネスでスラングを使わないというのは、わかりやすい違いですよね。
カジュアルシーンよりも、ビジネス・フォーマルシーンでの方がよく使われる単語というものはありますが、文法が変わるわけではありません。
そういうわけで、日本語での違いに比べれば、ビジネス英語と日常英会話はそれほど変わりはないのです。
丁寧な表現やフォーマルな表現が必要
ビジネス英語と日常英会話の大きな違いは、ビジネス英語では丁寧でフォーマルな表現が必要ということでしょう。
たとえば、カジュアルシーンだと、「Do you want to do it?(それをしたい?)」と訊いても失礼にあたりませんが、ビジネスシーンだとこれは直接的すぎてNGです。「Would you like to do it?」という言い方や、もっと遠回しな言い方をします。
ですから、ビジネス英語の勉強をするときには、そうした丁寧かつフォーマルな言い回しを学習することになるのです。
ビジネスメールにはテンプレ表現がある
カジュアルなテキストメッセージでは、自由に文章を作っても問題ありません。しかし、ビジネスメールにはテンプレ表現があります。
日本語で言うと、文頭に「お世話になっております」、文末に「よろしくお願いいたします」をつけるのと同じように、英語にもメールに記載すべき文章があるのです。
ですがこちらも、日本語に比べるとシンプルですし、ちょっとしたルールを覚えておけば良いだけのこと。また、実際のビジネスシーンでは、カジュアル寄りのメッセージが交わされていたりもします。
国際的なビジネスにおける知識が必要
日常英会話では、何か特別な分野の知識はほとんど必要ありません。しかし、ビジネス英語を習得するには、英語そのものだけではなく、国際的なビジネスにおける知識も必要になります。
たとえばビジネスマナーはもちろんのこと、ビジネスがどう行われているのか、そして経済のことまである程度は知識がなければ、海外とビジネスをするのが難しくなってしまいます。
英語を使って接客をしたり、アシスタント的な立場で英語が必要になる場合は、そこまでの知識は必要ないかもしれません。しかし、国際的なビジネスの場で戦力になりたい場合は、ビジネス英語のみの知識では、不足していると感じるでしょう。
プレゼンやミーティングは最難関
日常英会話だと、会話自体にルールはなく、割と自由に話せます。
ですがビジネスにおけるプレゼンテーションやミーティングを英語でこなすのは、難易度が高いと言えます。
そもそも、日本語でもプレゼンをしたり、会議で発言をしたりするのが得意ではないという人は多いはず。また、プレゼンや会議では、いつもの会話とは違う独特な進め方や話しの構成の仕方が求められることもありますよね。
これについては英語も同じことで、ただ英語が話せるだけではなく、複数の人に対して表現をしたり、適切な話し方をするスキル・テクニックが必要なのです。
ビジネス英語を習得したい人全員が、プレゼンやミーティングまでをこなすわけではないでしょう。しかし、そういった高度なことも英語でこなす力をつけたいなら、高度なビジネス英語力が必要になります。
初心者向け!ビジネス英語の勉強の始め方
仕事で英語を使いたいと思っても、まず何から勉強をすればいいのか、どうやって勉強をはじめればいいのか悩んでしまう人もいるかもしれませんね。
そこでここからは、まずビジネス英語の初心者が何から始めるべきなのかをご紹介します。
基本的な英語力を身につける
まだ英語力自体に自信がないという人は、ビジネス英語の勉強の前に、まずは基本的な英語力を身につけるところからはじめましょう。
最低でも基礎英語力はつけておくべきです。入門・初級向けの教材や、オンライン英会話、英会話習得アプリなどを使って、総合的な英語力を伸ばしましょう。
全体的な英語力が中級レベルになれば、ビジネス英語の勉強を始めるベストタイミング。ビジネス独特の言い回しなども、多くの語彙を覚えることなく、習得が可能です。
ビジネス英語の教材に取り組む
基本的な英語力を身につけたら、ビジネス英語の教材に取り組むのがおすすめ。この時選ぶ教材は、レベル別になっているものが良いでしょう。自分のレベルに合った教材を使うことで、大きなストレスを感じることなく、効率よくビジネス英語を身につけていくことができます。
基本的な英語力が身についていれば、教材だけで基本的なビジネス英語をしっかりマスターできる人もいるはずですよ。
スマホアプリでビジネス英語の勉強をする
スマホアプリで英語の学習ができることは、多くの人がご存知でしょう。そんな英語学習アプリの中には、ビジネス英語に特化したものや、アプリの中でビジネス英語コースがあるものもあります。
アプリは体系的に学べるようにプログラムされているものが多いですから、アプリを使えば効率よくビジネス英語を習得していけるでしょう。
またスマホアプリなら、机に向かって学習をする時間や体力のない人でも、隙間時間を使ったり、ベッドでごろごろしながら学習したりできますから、取り入れやすいのではないでしょうか。
ビジネス英語のコースを取る
ビジネス英語のコースを受講するのも、おすすめの勉強方法です。コースを取れば、それなりのお金を払い、決められた日時にクラスを受けることになるため、学習を継続しやすいでしょう。
また、自分で勉強方法を考えるのではなく、誰かに勉強方法を教えてもらえるのも、誰かに教わる利点です。
自己流ではなく、カリキュラムに沿った学習ができるため、無駄なく効率的な学習ができるでしょう。
ただし、ビジネス英語のコースと言っても、種類はさまざまです。オンライン英会話にビジネス英語コースがある場合もあれば、ビジネス英語特化のスクールやコーチング英会話があったりし、内容や密度も異なります。
自分の予算やビジネス英語を極めたい期間、目的などに合わせて、コースを選べると良いですね。
実践に向けたビジネス英語の勉強方法
上記の「初心者向け!ビジネス英語の勉強の始め方」でご紹介した勉強方法は、これまでにビジネス英語を学習したことがない人向けの内容です。
しかし、中には、ある程度ビジネス英語を理解していて、もっと実践的かつ高度なスキルを身につけたいと思っている人もいるでしょう。
そこでここからは、ビジネス英語の基本を押さえた人向けに、実践に向けたビジネス英語の勉強方法もご紹介していきます。さらなるレベルアップを目指す人は、こちらを参考にしてくださいね。
ビジネス関連書籍や記事、ニュースを読む
ビジネス英語の表現はひととおり理解できているのに、実際のビジネスシーンではまだまだスキルが不足していると感じている人は、ビジネス界における語彙や知識が足りていないのかもしれません。
そうした知識面をカバーするために、英語のビジネス関連書籍や記事、そしてビジネスに関係しそうなニュースを読むようにしてみましょう。
実践的なビジネス英語力習得は、そもそもの英語力が上級レベルに達していることが必須条件です。そのため、ビジネス関連書籍やニュースを読むのが難しいと感じる人は、もう少し総合的な英語力をレベルアップして、実践的なビジネス英語力の習得をスタートすることをおすすめします。
ビジネス関連のセミナーや動画を英語で視聴する
英語でビジネス関連のセミナーを受講したり、動画を視聴したりするのもおすすめです。セミナーや動画では、ビジネスで出てくる表現や、ビジネスをする時の考え方などが学べるため、より実践的に英語をビジネスに生かす力が身についていくでしょう。
また、実際に国際的にビジネスをしている人からの話は、日本の国外でのビジネスマナーや考え方などが学べるため、そういった知識もカバーできます。英語を習得しながら、プラスアルファの知識を習得できるため、一石二鳥の勉強方法です。
英語を日常的に使う職業に就く
実践的なビジネス英語力を鍛えるためには、実際に日常的に英語を使う職業に就くのも一つの手です。「まだ自分の英語力は十分ではない」と尻込みせずに、ぜひ挑戦してみましょう。
これはなぜかと言うと、実際のところ、どれだけビジネス英語の知識を身につけても、使ってみなければ確かな力にはならないからです。また、実践して失敗を繰り返すことで、どんどん身に付くこともあるでしょう。
もちろん、英語を仕事にするからには、上級レベルの英語力は身につけておくべきでしょう。しかし、日常的な会話を流暢にこなせる人なら、実践練習をした方が、スムーズにビジネス英語を身につけることができます。
複雑なプレゼンや会議も、参加者としてそこにいれば、プレゼンなどで発言をしている人がどんな風に話しているかを確認できるため、非常に勉強になるはずです。
ハイレベルなビジネス英語コースを受講する
しっかり準備をしてから、本当の実践をしたいという人は、ハイレベルなビジネス英語コースの受講をおすすめします。
実践的なビジネス英語コースでは、プレゼンや会議での発言の仕方なども学べます。そのため、そうした難易度の高いスキルも身につけてから、実践に臨めるのです。
実践の場で失敗したくない人は、ハイレベルなビジネス英語コースの受講も検討しましょう。ただし、ハイレベルなだけあって、時間や費用がかかることは覚えておきましょう。
実際の国際的なビジネスシーンで使われる英語
英語学習の現場では「ビジネス英語」というジャンルがあり、「ビジネスで使う」とされる英語を学ぶことができます。
しかし、それが本当に実際のビジネスシーンで使われているのかというと、実はそうでもありません。
ビジネス英語の学習では、丁寧でフォーマルな英語が使えるように勉強を進めていきますが、実際のビジネスシーンでは、割とカジュアルな英語が飛び交っています。
それは会話でもそうですし、メールやメッセージでもそうです。普通に絵文字が使われていたりなど、「ビジネス英語」というジャンルをしっかり勉強している人にとっては、意外なことも起こるかもしれません。
つまり、日本人が思っているよりも、実際のビジネスシーンはずっとカジュアルだということです。それなりに会話を交わしたことがある相手とは、スラングなどは用いないとしても、近所に住んでいるよく見る顔見知りくらいの距離感で会話が行われています。
メールも、ビジネスメールの法則に則ったメールが交わされるのは、最初の挨拶くらいかもしれません。
それでもビジネス英語を習得する必要があるかどうかというと、答えはYES。なぜなら、私たち日本人は、その絶妙な距離感をはかるのが難しいため、下手に周囲に合わせようとすると、カジュアルすぎてしまうおそれもあるからです。
つまり、本当に大丈夫だと安心できるまでは、ビジネス英語の勉強で培ったフォーマルな英語を使った方が無難です。
また、よく知る取引先や、同僚、上司に対してはカジュアルな英語で話していたとしても、複数の人にビジネスメールを一斉送信する場合や、会社が多数の消費者に向けてメールを送る際、または問い合わせメールに回答する際には、やはりビジネスメールのルールに則った形でメールを作成します。
もしもビジネスメールのルールを知らなければ、そのメール作成を担当できないでしょう。
実際のビジネスシーンでは思ったよりもカジュアルな会話が交わされているものの、ビジネス英語はやはり必要不可欠。しっかり覚えて、実践に活かしてくださいね。
ビジネス英語は難しくない!早速勉強をはじめてみよう!
ビジネス英語と言われると、英語が上級レベル以上の人でないと挑戦できないジャンルのように思っている人もいるかもしれませんが、文中のとおり、ビジネス英語は決して難しいものではありません。
ビジネス英語には決まったルールや表現があり、その数はそう多くはないため、覚えるのが難しくないからです。さらに、基本的な英語力があれば、新しく覚えなければならない語彙もかなり少なくなるでしょう。
つまり、今の英語知識を使って、言い回しを覚えるのがビジネス英語の基礎なのです。
中級レベルの英語力さえあれば、ビジネス英語の基本的な部分は習得できますから、将来仕事で英語を使いたい人は、さっそくビジネス英語の勉強を始めてみましょう。
もっと上を目指す人は、基本的な英語力を底上げしつつ、英語で交渉やプレゼンができるようにスキルを磨いてくださいね。