英語ができなくても、海外赴任は可能です。
赴任先で実際に求められるのは、ネイティブのような流暢な英語ではなく、仕事を進めるために「必要な英語」と、信頼関係を築くための「伝えようとする姿勢」、そして「文化の違いを理解しようとする心構え」です。
むしろ、海外赴任でつまずく原因は「英語が話せないこと」よりも「文化や働き方の違いに戸惑うこと」のほうが多いのが現実です。
だからこそ大切なのは、 英語力を完璧にすることではなく、どのレベルまで準備すればいいのかを知っておくこと、赴任前にやっておくべき対策を具体的に押さえることで、現地でのコミュニケーションを円滑にしてくれます。


この記事では「英語が不安」という状態からでも安心して海外赴任できるように、必要な英語レベルの目安と、出発前にできる具体的な準備対策をわかりやすくまとめました。
不安を抱えたままではなく「これだけやれば大丈夫」と言える状態をつくって出発しましょう。
英語ができない人が海外赴任するのに必要なのは「仕事と生活に支障がない」英語レベル

「海外に赴任するのにはどれくらい英語ができれば良いのか」英語ができない基準は人それぞれです。
日常会話が苦手なのか、会議での発言に自信がないのか、あるいはTOEICのスコアがあれば良いのか、まずはあなたの英語のレベルがどのくらいなのかを知っておきましょう。
海外赴任で 重要なのは、これから海外で仕事をするための最低限の英語のレベルに達しているかどうかです。
漠然とした不安を、具体的な基準に置き換えていきましょう。
海外赴任でまず必要になるのは基本的なコミュニケーション
仕事の場面で中心になる、進捗報告、依頼と確認、メールの読み書きといった基本的なやり取りは出発前に押さえておきたいポイントです。
会議で一言も聞き漏らさず理解できることよりも、その場で聞き取れなかったときに「もう一度お願いします」「今の理解はこうで合っていますか」と短く確認できることのほうが重要です。
現地スタッフへの指示も、長い文章で完璧に伝えようとするより、短い文で区切り、最後に要点を復唱して認識をそろえるほうが実務では効果的です。
特に数字や期限は必ず言い直して確認し、その内容を簡潔なメモとして共有するだけで、誤解は大きく減らせます。
わからない言葉はすぐに調べて理解できるように翻訳ツールも事前に使いこなせるようにしておきましょう。
生活面でも同様です。
住居の契約、学校や病院の手続き、買い物などは、現地で必須になってくる場面を想定して、使うべき最低限の英語は抑えておきましょう。
複雑な議論というより「短いやり取り」の積み重ねが中心になります。
目安としては「日常生活の多くの場面で、自分の意思を伝え、相手の説明を大まかに理解できるレベル」が一つの基準です。
TOEICのスコアは海外赴任でどれくらいあれば役に立つの?
結論から言うと、TOEICの点数は600点前後あれば安心材料になります。
ただ、TOEICの点数=話せる力ではありません。
多くの人が受けているのはTOEIC L&R(Listening & Reading)で、これは「読む力・聞く力」を測るテストです。
つまり、「英語を理解するための土台」を確認するものです。
海外赴任で必要な英語力は、仕事の内容によって変わってきますが、L&Rの点数はあくまで目安として次のように考えるとわかりやすいでしょう。
英語理解レベルの目安
単語・短文レベルの理解が中心。短い会話や簡単な説明の一部がわかる。
海外赴任との関係
日常会話・業務理解ともに負荷が大きい。基礎固めが必要。
「海外赴任するには何点必要?」と聞かれれば、TOEIC L&Rで600点前後あれば「理解の土台」としては安心材料になるでしょう。
ただし、会議で発言したり、電話で交渉したり、メールを書いたりする力は、これから身につける必要があります。
なお、TOEICには「話す・書く」を測るTOEIC S&W(Speaking & Writing)テストもあります。
こちらは実際のアウトプット力により近い試験です。
海外赴任で本当に問われるのは現場での実践力です。
- 聞き返せるか
- 要点を短く伝えられるか
- 誤解を防ぐ確認ができるか
点数そのものよりも、自分自身の現状の英語力とこれから使うべき英語を理解して、何をこれから身につけたら良いのかを整理してから、準備に入りましょう。
海外赴任前に身につけておきたい必要最低限の英語スキル
海外赴任で求められるのは、完璧な英語力ではなく「すぐに使える実務英語」です。
出発前にすべてを身につける必要はありませんが、最低限押さえておくべきポイントがあります。
まず優先したいのは、「仕事で頻繁に使う英語」です。
進捗報告、依頼、確認、期限の共有といった基本のやり取りは、あらかじめフレーズを準備しておくことで現地でも慌てずに対応できます。
次に必要なのは、「英語が聞き取れなかったときの対処表現」です。
会議で全てを理解しようとするよりも、「もう一度お願いします」「今の理解はこうで合っていますか」と確認できる力のほうが実務では評価されます。
わからないまま進めないことが、信頼につながります。
さらに、短く簡潔に伝える力も重要です。
長い文章で説明しようとするよりも、一文ずつ区切りながら要点を伝えるほうが誤解を防げます。
完璧な文法よりも「伝わる構造」を意識することが実践的です。
生活面では、住居契約、病院受診、学校対応など、赴任直後に発生しやすい場面の基本フレーズを確認しておくと安心です。
あらかじめ必要になる手続きを想定して準備しておきましょう。
海外赴任前の英語は「流暢さ」を目指すよりもこの3点に集中するほうが効果的です。
- よく使う場面を想定する
- 確認する習慣を身につける
- 繰り返し使う表現を定型化する
英語ができないこと自体が問題なのではありません。
「何ができれば仕事と生活が回るのか」を明確にして、事前に準備しておくことが大切です。
英語ができない人が海外赴任するための事前対策3ステップ

英語ができない不安を少しでも解消するために、赴任先で出来るだけ困らないように事前の対策ステップを順序立てて進めていきましょう。
ステップ1:海外赴任で必要な英語を具体化して書き出す
まず、海外赴任に向けて最初にやるべきことは、現地で自分が使う可能性が高い英語を具体的に書き出すことです。
「英語を勉強しなければ」と漠然と考えても、範囲が広すぎて手が止まってしまいます。
大切なのは、単語帳を開くことではなく、「どの場面で使うのか」から逆算することです。
具体的な書き出しリスト例
仕事
| 用途 | 具体的なシーン |
|---|---|
| 自己紹介 | 自分の経歴、担当業務を簡潔に説明 |
| メールの基本 | 定型的な挨拶、依頼、報告、アポイント調整 |
| 電話対応 | 電話の出方、別の担当者への取り次ぎ、不在時の伝言メモ作成、折り返しの依頼 |
| 会議 | 議題の把握、賛成・反対の意思表示 「分かりません/もう一度言ってください」の伝え方 |
生活
| 用途 | 具体的なシーン |
|---|---|
| 住居 | 住居の契約、入居時の確認 大家さんや管理会社とのやり取り |
| 銀行 | 口座の開設(窓口での手続き、必須書類の確認) |
| ライフライン | 電気・ガス・水道の契約・開通手続き |
| 通信 | 携帯電話・Wi-Fi環境の契約 |
| 病院 | 体調不良時の病院受診 (症状の伝え方、薬の飲み方の質問例) |
これらを書き出したら、それぞれのシーンで使える「自分専用のフレーズ集」を作り始めましょう。
特に仕事では職場特有の専門用語や業界用語もあれば事前に調べておくと安心です。
「もう一度お願いします」「要点だけで大丈夫ですか?」「私の理解はこうです」 聞き取れない瞬間は必ず訪れるので、咄嗟に言えるようにしておきましょう。
ステップ2:海外赴任前に「自分の苦手ポイント」を把握する
次にやるべきことは、自分には何が足りないのかを客観的に分析して、苦手なポイントを把握することです。
そうすることで海外赴任に向けて、学習するポイントが明確になってきます。
現状
知っている単語でも、ネイティブのスピードや発音の変化についていけない
課題
リスニング
対策例
字幕付きの動画などを使い、「自分が聞き取れない音の変化」を知る。いきなりニュースは聞かず、自分の業務に関連するYouTube動画などを教材にする。
苦手なことは恥ずかしいことではありません。
「ここが弱い」と分かれば、そこを重点的に補強すれば良いだけです。
ステップ3:海外赴任前に「英語を使う習慣」を作る
日本にいるあいだに「英語モード」のスイッチを入れる練習をしておきましょう。
現地に到着してから聞こえてくるのは英語だけです。
慣れない海外で聞き取れない英語が飛び交う生活を急に始めるとメンタルが崩壊してしまいます。
それを防ぐためにも今できることは勉強だけではなく「生活の一部」に英語を取り入れておくことです。
無理なく英語を習慣化できるアイデアをいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- スマホの音声アシスタント(Siri/Google)に1日1回英語で話しかける
- To-Doリストや買い物メモを英語で書く
- 分からないことはまず英語で検索してみる
- 家の中に英単語の付箋を貼る
- スマホやPCの表示言語を英語に変更する
- 通勤時間のニュースを「やさしい英語ニュース(例:NHK WORLD)」に変える
- 通勤中に英語ラジオやポッドキャストを聞く
ここでの目的は英語に触れることに脳を慣らすことです。
「毎日1時間机に向かって勉強する」のはハードルが高いですが、「スマホを見たら英語」「電車に乗ったら英語を聞く」というように、既存の習慣に紐付けると継続しやすくなります。
英語ができないまま海外赴任することへの不安は当然のことです。
しかし、上記3ステップのように「漠然とした不安を具体的なタスクに変える」ことで、不安は「やるべきことリスト」に変わります。
大切なのは「頑張る」ではなく「紐づける」こと。
既存の生活習慣に英語を差し込むだけで十分です。
海外赴任で困るのは英語力ではない?本当の壁は「文化と価値観の違い」

海外赴任が決まると、どうしても「英語ができないこと」ばかりに意識が向きがちですが、実際に途中帰任した人の理由を見ると、必ずしも語学力だけが原因ではありません。
海外赴任者の早期帰任の理由は英語力ではなく上位は「文化や価値観の違い」
ビジネス特化型オンライン英会話サービス「ビズメイツ」を提供するビズメイツ株式会社の調査によると、海外赴任からの早期帰任理由として上位に挙がったのは次の通りです。

最も多かったのは「現地の文化や価値観になじめない」という理由でした。
語学不足よりも、文化適応のほうが割合として高いことがわかります。
海外では、仕事の進め方、報告の仕方、責任の範囲、時間感覚、上下関係の距離感など、「日本の当たり前が通用しない場面」が数多くあります。
英語がある程度話せても、価値観の違いに対応できなければストレスは積み重なります。
また、「意思疎通がうまくいかない」という回答も上位にありますが、これは単純な英語力不足だけを意味するわけではありません。
伝え方のスタイルや、意見の言い方、合意形成のプロセスの違いが影響しているケースも多いのです。
つまり、海外赴任で本当に求められるのは、
- 文化の違いを前提に受け止める柔軟性
- 相手の立場や背景を理解しようとする姿勢
- 誤解を防ぐために確認を重ねるコミュニケーション力
これらの総合力です。
英語力は確かに重要ですが、海外赴任が順調に進むかどうかを左右するのは、「文化の違い」を理解し、適応する力なのです。
海外赴任前に把握しておくべきビジネスマナーと「文化の違い」
文化の違いは、現地に入る前にリサーチしておきましょう。
そうすることである程度の心構えができます。
海外赴任経験者の話を聞いたり、企業の海外研修を活用することで、ある程度は予測して、対応できます。
たとえば、次のような点は赴任前に確認しておきたいポイントです。
- 物事は「上が決める」か、それともみんなで話し合って決めるか
- 会議では、黙って聞くのが普通か、それとも積極的に意見を言うのが当たり前か
- 上司や取引先とは、フランクに話せる関係か、礼儀や上下関係を強く意識するべきか
- 約束ごとは口頭で済ませることが多いか、それとも必ず書面やメールで残すべきか
- 納期や集合時間は1分単位で厳しいか、それとも多少の遅れは許容されるのか
これらを知らないまま赴任すると、「なぜ通じないのか」「なぜ動いてくれないのか」という戸惑いが積み重なります。
あらかじめ違いを想定していれば、感情的にならず冷静に対応できます。
重要なのは、「違いがあることを前提に動けるかどうか」です。
その姿勢が、現地でのストレスの大きさや周囲からの評価を左右します。
英語を磨くことと同時に、赴任先のビジネス文化や価値観を理解する準備を進めること。
それが、海外赴任を成功に近づける現実的で効果的な対策です。
社内に海外赴任経験者がいる場合は、できるだけ具体的な事例を聞いておきましょう。
現場で起きた「小さなズレ」の話こそ、最も実践的な事前情報になります。
海外赴任先では「日本の当たり前」は通じない
海外赴任で多くの人が戸惑うのは、「日本では当たり前」だったことが通じない場面です。
- 言わなくても察してくれる。
- 上司の意図は空気で読む
- 締切は必ず守るもの
- 会議では強く反対しない
日本には「相手の気持ちや意図を空気から読み取る文化」がありますが、海外では、目的や期待は、言葉にして明確に示さなければなりません。
そうでなければ、「そこまで求められているとは思わなかった」と受け取られてしまう可能性があります。
また、遠回しな言い方や柔らかい否定も注意が必要です。
こちらは配慮のつもりでも、相手には十分に伝わらず、問題点が曖昧なまま進んでしまうことがあります。
その結果、小さなズレが後になって大きなトラブルへ発展することもあります。
では実際に、日本から海外赴任の多い3カ国と比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。
日本
配慮していると受け取られることも
アメリカ
「意見がない」と見られる
中国
消極的と判断されやすい
ドイツ
準備不足と見なされる
海外赴任で大切なのは、「なぜ分かってくれないのか」と考えることではなく、「これは日本特有の前提かもしれない」と立ち止まることです。
英語力以上に求められるのは、違いがあることを前提に説明する姿勢です。
海外では、「察してもらう」よりも「言葉にする」ことのほうが、信頼につながります。
海外赴任で配偶者が孤立しやすい理由と出発前にできる対策

海外赴任で孤立しやすいのは、会社に通わない配偶者です。
新しい土地で子どもを連れて、住まいの手配や買い物、病院対応、学校連絡などを一人で担う場面が増えます。
英語に自信がないと、電話一本でも気力を消耗し、外出が減り、会話の機会も細くなりがちです。
さらに時差がある国では、日本の友人と気軽に連絡が取れず、昼間に誰とも話さない日が続くこともあります。
共働きから帯同で退職した場合は、仕事を通じた社会的接点がなくなり、「今日あったこと」を共有する相手が減ることで、気持ちの置き場を失いやすくなります。
配偶者や家族のメンタルを守るためにも出発前にできる対策をしておきましょう。
海外赴任前に日本で準備できる配偶者の孤立防止対策
海外生活での不安を少しでも取り除くために、問題が起きてから現地で慌てて探すのではなく、日本にいる間に頼れる場所や連絡先を洗い出し、準備を整えておきましょう。
具体的には、以下の情報をリストアップしておきます。
- 現地の日本人会/日本人コミュニティの連絡先
- 在外公館(大使館・総領事館)の所在地と相談窓口
- 日本語対応可能な病院やカウンセラーの情報
- 勤務先の家族向け相談窓口やEAP(従業員支援プログラム)の利用条件
- 緊急時の連絡手順(加入している保険会社や現地の医療機関など)
これらの情報は、単に名称を控えるだけでなく、具体的な相談先・電話番号などの連絡先・利用や予約の方法まで含めて整理します。
作成したリストは、いつでも確認できるようにスマートフォンに保存するだけでなく、紛失やバッテリー切れに備えて紙にも控えて携行しておきましょう。
「困ったときはここに連絡すれば大丈夫」という明確な道筋が見えているだけで、渡航前の漠然とした不安は大きく軽減されます。
海外赴任で子どもが感じやすいストレスと準備しておくこと
子どもにとって「言葉が通じない、分からないと言えない」状況は想像以上のストレスです。
出発前の準備では、英語の勉強だけでなく、子どもが現地で「SOSを出せるようにする」ための心の準備が何より重要になります。
以下に、出発前に日本でできる具体的な対策をまとめました。
今から家庭でも出来ることを実践してみましょう。
1. 「SOS」を出せるようにする練習しておく
英語がペラペラになることよりも、「困ったときに助けを求められること」が先決です。
以下のフレーズは、親子でロールプレイングをして、反射的に口から出るように練習しておきましょう。
<フレーズ例>
「分かりません」「もう一度言ってください」「ゆっくり話してもらえますか?」
「トイレに行ってもいいですか?」「お腹が痛いです」
まずは英語に触れさせてあげることから始めましょう。
親がオンライン英会話などで、楽しそうに話している姿を見せるのが一番効果的です。
「パパやママも間違えてるけど、通じてるね!」とポジティブに捉えさせましょう。
2. 学校生活に特化した準備
現地の学校生活を具体的にイメージできる準備をします。
自己紹介の準備や学校で使用する文房具や設備などの名前も実際に通う学校の写真などでイメージをつけながら覚えると良いでしょう。
3.外国人と接する機会を作っておく
いきなり現地に行くよりも、日本にいる間に外国人と接する機会を意識的に作っておくのは有効です。
目的は「英語力を完璧にすること」ではなく、外国人と話すことへの心理的ハードルを下げることです。
子ども向けのオンライン英会話や英会話教室を利用して、英語に触れながら経験を重ねておきましょう。
- 英語で話しかけられる状況に慣れる
- 聞き取れなくても焦らず聞き返す練習をする
- 表情やジェスチャーを交えて伝える感覚を身につける
- 「通じなくても大丈夫」という経験を積む
可能であれば、こういった場所に出向いてみるのも良い練習になります。
- 地域の国際交流イベント
- 英語カフェ
- 外国人観光客向けのボランティア活動
- インターナショナルスクールの体験イベント
重要なのは、正しく話すことよりも、英語環境で緊張しないことです。
出発前の準備で大切なのは、英語力を詰め込むことではありません。
「言葉が通じなくても、自分は受け入れられる」「困ったら助けてと言えばいい」という安心感を子どもに持たせてあげることです。
その土台さえあれば、子どもは現地の環境に驚くほどのスピードで適応していくはずです。
海外赴任前に確認すべき企業の家族サポート制度
海外赴任は本人だけでなく、帯同する家族の生活設計にも大きな影響を与えます。
言葉も文化も異なる環境での生活は、家族にとっても大きなストレスとなり得ます。
だからこそ重要なのが、会社の支援制度を正しく把握し、出発前に活用方法まで理解しておくことです。
「知らなかった」「後から補助対象だと分かった」という事態は避けましょう。
ここでは、出発前に確認しておきたい主な支援制度を整理します。
- 赴任者本人の語学研修補助(上限額・回数・対象講座)
- 配偶者・子ども向け語学研修補助の有無
- 異文化研修や治安・医療に関する事前説明会
語学力は本人だけの問題ではありません。
家族が現地生活で最低限困らない準備ができるかは大きなポイントです。
- 家族向けオリエンテーションの有無
- 学校情報や医療情報の提供
- 過去赴任者家族との情報交換機会
現地生活を具体的にイメージできるだけで、心理的負担は大きく軽減します。
- 家族も利用できるEAP(従業員支援プログラム)の有無
- 日本語対応可能か
- 無料相談回数や利用方法
異文化適応ストレスや子育て不安は、早期に相談できる環境があるかどうかで大きく差が出ます。
- 通訳・翻訳サービス
- 日本語対応医療機関の紹介
- 24時間緊急連絡センター
- 住居契約時のサポート
- 引越し・生活立ち上げ支援
「困ったときの連絡先」を出発前に整理しておくだけで、不安は大幅に減ります。
- 現地校・インターナショナルスクール入学支援
- 補習校情報
- 授業料補助制度
子どもの環境が安定することは、家族全体の安心につながります。
- 医療費補償の範囲
- キャッシュレス診療の可否
- 緊急移送サービス
- 家族の補償対象範囲
制度内容だけでなく、利用手順まで確認しておくことが重要です。
まとめ|英語ができなくても海外赴任を乗り越える【今日からできる3つの行動】
ここまでお伝えしてきた通り、「英語ができない」という不安を抱えたままでも、海外赴任は十分に可能です。
重要なのは、ネイティブのように流暢に話すことを目指すのではなく、「現地での仕事と生活を止めないための最低限の準備」を事前にしておくことです。
完璧な英語力よりも、以下の3つのポイントを押さえることが、成功への近道となります。
1. 「使う英語」だけを絞って書き出す
漠然と英語の勉強を始めるのではなく、あなたが現地に着いたその日から直面する具体的なシーンを想像し、必要なタスクをリストアップしましょう。
「銀行口座を開設する」「自己紹介をする」「自分の業務の専門用語を覚える」など、やるべきことを具体化し、そのためのフレーズだけを重点的に準備します。
範囲を絞ることで、短期間でも効率的に「使える英語」を身につけることができます。
2. 困った時に必要になってくる英語を口に出せるようにしておく
最も大切なのは、トラブルが起きた時や分からない時に、SOSを出せることです。
「聞き取れませんでした」「もう一度お願いします」「気分が悪いです」といった、自分を守るためのフレーズは、考えなくても口から出るようになるまで徹底的に練習しておきましょう。
この「困ったときに何とかする力」こそが、現地での最大の武器になります。
3. サポート制度を大いに活用する
海外生活の立ち上げは、想像以上にエネルギーを使います。
すべてを自分ひとりで、しかも英語で解決しようとする必要はありません。
会社が提供する語学研修、現地の生活オリエンテーションなどの利用できる制度は遠慮なく活用しましょう。
頼れる場所や相談先を日本にいるうちに確保しておくことは、精神的な安定につながり、結果として仕事のパフォーマンス向上にも寄与します。
「英語ができない」という漠然とした不安を、「今日はこのフレーズを覚えよう」「会社のこの制度を確認しよう」という具体的な行動に変えていくことで、道は必ず開けます。
完璧を目指さず、まずは一歩を踏み出してみてください。
応援しています。
