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被災地の高校、進路指導で憂慮されるのは「高卒就職の求人数」73.2%

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進路指導を行う上で憂慮される点
  • 進路指導を行う上で憂慮される点
  • 進路指導を行う上で今後必要な情報
  • 生徒の様子
  • 授業時間への影響
 さんぽうは5月30日、「東日本大震災の影響による進路や生活に関するアンケート調査」の結果を発表した。

 同調査は、東日本大震災が高校生に対して進路指導・生活に及ぼす影響について、高等学校に状況を聴取し把握するために実施。東北6県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)および茨城県の高等学校を対象に平成23年5月2日〜5月9日に質問紙によるFAX送付で調査した。有効回答数は127校(有効回答率19.5%)。

 進路指導を行ううえで憂慮される点についての回答項目として、全体で73.2%が「高卒就職の求人数」と答えており、特に宮城以北において高くなっている。また、「進学において資金面で苦しくなる家庭の増加」をあげた高校は全体では59.1%で、宮城では75.0%と特に高くなっている。自由回答項目においては、「被災者優先になると思うので心配」と、被災者以外の生徒の就職について憂慮している高校が複数あった。このほか、「将来に対する不安感が増加したと思う」「未決定で卒業する生徒の増加」などがあったという。

 進路指導を行ううえで今後必要な情報として、「進学資金に関する緊急措置」とする高校は岩手64.3%、宮城65.0%、福島70.0%となっている。「進学情報」については、岩手、秋田、山形、福島で県外より県内が上回っている。一方、「就職情報」は茨城は県外と県内が同率だったが、それ以外のべての県で県外が県内より高くなっている。自由記入項目では、「6月20日以降、どの企業が求人を出せるのか」「東日本震災を受け、就職求人動向が気がかり」など就職状況についてのほか、具体的に「仙台」エリアの進学、就職状況について危惧する意見が複数あった。また、被災地からの転入生の進学資金について危惧する意見もみられたという。

 生徒の様子について聞いた項目では、宮城では「通学が困難になり休みをとった生徒がいた」が35.0%、「転校した生徒がいた」が55.0%となっている。「ボランティアを行う生徒が増えた」と「義援金を自ら行う生徒がいた」とする比率が10ポイント以上差がついている県のうち、ボランティアのほうが高かったのは宮城、福島で、義援金のほうが高かったのは青森、茨城だった。自由記入項目では、「被災地の生徒は首都圏(他県)では採用されないのではないかと心配する生徒がいる」「被災した生徒は不安を抱えたまま」など、被災地の困難な状況がうかがえる内容のものが複数あった。一方では、「被災地を思いやる生徒がいる。自分たちに被害がなく転入してくる生徒を温かく迎え入れようとしている。」「これまでの生活が恵まれていたと実感し、社会のために何かしたい、自分の進路をみつめたい、としっかりした生徒が増えた。」という意見もあったという。

 授業時間の影響についての質問項目では、「削られなかった」とする高校が宮城では5%、茨城では18.2%に留まり、多くの高校で授業時間に影響が出たことが窺える。その対応としては、「夏休み期間を変更した」が最多で、次いで土曜日に授業を入れるとなっている。自由記入項目では、「学校行事の日程を集中させたり精選して授業日数を確保する」「震災の影響で春休みを長くとったため、生徒が落ち着いている」という回答も複数あったという。また、「授業が削られたものの、振替日の設定ができないでいる」という回答も寄せられているという。
《前田 有香》

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