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受験のエキスパート西村則康氏に聞く(2)家庭学習のポイント

教育・受験 受験

西村則康氏
  • 西村則康氏
 「塾ソムリエ」として活躍する西村則康氏は、中学受験の塾選びから、塾の先生とのコミュニケーションなど、塾に関する様々な悩みに応えるサイト「中学受験情報局~かしこい塾の使い方」を運営。また、難関校限定の家庭教師集団「名門指導会」の代表を務め、自身も家庭教師として現場に赴いている。

 30年の長きにわたって、中学・高校受験一筋に、生徒の指導や教師の指導を行ってきた受験のエキスパートである西村氏に、中学受験の進学塾選び、家庭学習法、志望校選び、夏休みの過ごし方について聞いた。ここでは、家庭学習法について紹介する。

--家庭学習ではどんなことに気をつけたらよいでしょうか?

 小学校4年の段階で塾から出される宿題は、どこの塾でもそれほど難しくなく、量も多くありませんから軽々とこなせるようでなければいけません。ここで余裕をもってこなせないようだと、5年、6年でついていけなくなります。

 もし、4年生で宿題に苦戦しているようなら、原因をつきとめなければなりません。計算が遅いのか、読む力が育っていないのか、学習に対する意欲がないのか。4年生の1年間でお子さんの弱点を解消することが必要になってきます。

 もし計算が遅いということであれば、これは訓練によって鍛えることができます。それを、そのうち自然と身につくだろうとのんびり構えていると、中学受験には間に合いません。

 5年生になると、学力差が大きくなってきます。また、過剰な宿題が出されるようになります。

 この大量の宿題を、4年生のときのように全部こなそうと思うと必ずつぶれます。基本的に子どもはまじめなので、先生にやれと言われたら全部やらなければならないと思ってしまいます。しかし全部をやっていたら時間が足りなくなって、本当にしなければならない大切な復習もできなくなります。

 宿題の取捨選択が大事なのです。

--どのように宿題の取捨選択をすればよいのでしょうか?

 まず、お子さんに、問題を3段階に分ける習慣をつけさせましょう。授業で取り組んだ演習問題で、簡単にできたというものに○、なんとなくわかった気がするけど自信がないものに△、まったくわからなかったものに×をつけます。

 そして、宿題をするときには△だけをやるようにするのです。もし余裕があれば○の問題も、まだ余裕があれば×の問題もすればよいのです。

 ×のものを放っておいてよいのかと心配されるかもしれませんが、どこの塾でもカリキュラムはらせん状になっています。必ず次にも同じ内容を学習するときがきますから、前はわからなくても、次でわかるようになればよいのです。

--夏休み前の過ごし方についてアドバイスをお願いします。

 御三家など上位校を狙っている人は、今が一番大事な時期です。なぜなら7月に、2学期の志望校別日曜特訓のランク分けの資格試験があるからです。この志望校別日曜特訓は必ず参加してほしい。しかも、なるべく上位校クラスに入ってほしい。それによってその後が大きく変わってくるからです。

 御三家以外を狙っているお子さんについて言えば、偏差値で分けて十把一絡げでやっているようなコースには出ないほうがよいでしょう。そんな時間があったら、自分で過去問をやっているほうがずっと効果的です。同じ偏差値だからといって問題の傾向が同じわけではないのですから。
 
--夏休み以降の過ごし方はいかがでしょうか?
 
 後半戦で大事なのは、弱点補強をいつまでに終わらせるかです。

 11月までには一段落させましょう。入試直前まで弱点対策をやっていた子は残念な結果になる場合が多いのです。

 12月、1月には、得意なところで点数を稼げる勉強に切り替えます。子どもは得意なことをやっていると嬉しいものです。気持ちがノッてきますから、入試直前には一番よい状態になっているわけです。

 そうはいっても、親としては弱点をつぶしたほうがよいのではと不安になるでしょう。しかし、ここで大人にやって欲しいことは、苦手な分をほかのどこで上乗せさせるかと作戦を立てることです。たとえば、この子は算数では55点しか取れないから、社会で5点上乗せが必要だ、その5点はどこで取らせればよいかといった、細かな点数の積み上げなのです。
 
--弱点克服法についてアドバイスをお願いします。

 よく塾で、たとえば「お子さんは比が苦手なので比を勉強させてください」といったアドバイスをされることがあります。しかし、“比”というのは大項目であって、その中に、連比、逆比など、小項目がたくさんあります。

 保護者の方には、小項目まで見て、弱点を見つけてあげてほしいと思います。そうでないと、無駄な勉強が増えてしまい、お子さんの負担が増えるだけです。
《石井栄子》

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