国際学力調査で理科4位、算数5位…小学生は過去最高

 文部科学省は12月11日、国際教育到達度評価学会(IEA)がすすめている、算数・数学および理科の到達度に関する国際的な調査(TIMSS)の結果を公表した。日本は、算数・数学が5位、理科が4位であった。

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平均得点の推移
  • 平均得点の推移
  • 算数得点の分布(小学4年生)
  • 数学得点の分布(中学2年生)
  • 理科得点の分布(小学4年生)
  • 理科得点の分布(中学2年生)
  • 教科に対する意識
  • 親は学校で習っていることについて子どもにたずねるかどうか(小学4年生)
  • 親は学校で習っていることについて子どもにたずねるかどうか(中学2年生)
 文部科学省は12月11日、国際教育到達度評価学会(IEA)がすすめている、算数・数学および理科の到達度に関する国際的な調査(TIMSS)の結果を公表した。日本は、算数・数学が5位、理科が4位であった。

 同調査は、IEAが児童生徒の算数・数学、理科の到達度を国際的な尺度によって測定し、児童生徒の学習環境等との関係を明らかにするために1964年から継続的に実施している。2011年調査(TIMSS2011)は、50か国・地域の小学生26万1,339人と42か国・地域の中学生23万9,960人が参加。日本は2011年3月に実施し、149校の小学4年生4,411人と138校の中学2年生4,414人が参加した。

 算数・数学の順位と平均得点について、小学4年生は、1位「シンガポール」606点、2位「韓国」605点、3位「香港」602点、4位「台湾」591点、5位「日本」585点。中学2年生は、1位「韓国」613点、2位「シンガポール」611点、3位「台湾」609点、4位「香港」586点、5位「日本」570点であった。

 日本の小学4年生の算数の平均点は585点であり、2007年よりも17点、2003年よりも21点、1995年よりも18点高くなっており、過去の結果と比較して算数の学力は向上している。 一方、中学2年生の数学の平均得点は570点であり、2003年や2007年と同じであるが、1999年よりも9点、1995年よりも11点低くなっている。

 理科の得点の順位と平均得点について、小学4年生は、1位「韓国」587点、2位「シンガポール」583点、3位「フィンランド」570点、4位「日本」559点、5位「ロシア」552点。中学2年生は、1位「シンガポール」590点、2位「台湾」564点、3位「韓国」560点、4位「日本」558点、5位「フィンランド」552点であった。

 小学校4年生の理科の平均得点は559点であり、2007年よりも11点、2003年よりも15点、1995年よりも5点高くなっており、過去の結果と比較して理科の学力も向上している。一方、中学2年生の理科の平均得点は558点であり、2007年よりも4点、2003年よりも6点、1995年よりも3点高くなっているが、統計上の誤差を考慮すると有意差はない。しかし、1999と比較すると8点有意に高くなっている。

 教科に対する意識について、「勉強は楽しい」「勉強が好きだ」「将来、自分が望む仕事につくために、数学、理科で良い成績をとる必要がある」「数学、理科を使うことが含まれる職業につきたい」「私の先生の授業はわかりやすい」を尋ねたところ、小中学生ともにいずれの項目も国際平均より低かった。

 親は学校で習っていることについて子どもに尋ねるかどうかについて、4つの選択肢(「毎日あるいはほとんど毎日」「週に1回か2回」「月に1回か2回」「1回もない、あるいはほとんどない」)で質問したところ、「毎日あるいはほとんど毎日」と回答した小学4年生は21%であり、国際平均値の65%よりも44ポイント下回った。また、「1回もない、あるいはほとんどない」と回答した児童の平均得点がその他の選択肢を回答した児童よりも低い傾向が見られた。

 一方、中学2年生は、「毎日あるいはほとんど毎日」と回答した生徒が12%であり、国際平均値の50%よりも38ポイント下回った。また、「毎日あるいはほとんど毎日」と回答した生徒の平均得点がその他の選択肢を回答した生徒よりも10点以上高かった。
《工藤めぐみ》

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