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学生への奨学金、給付型充実や無利子への転換を提言…文科省検討会の中間まとめ

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奨学金の制度設計に係る概念図
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  • 学生への経済的支援の在り方について(中間まとめ)
 文部科学省が設置する検討会は9月4日、学生への経済的支援の在り方について中間まとめを公表した。給付型奨学金の充実とともに、現在の貸与型奨学金については有利子から無利子への転換、返還者に対する救済措置の拡充などを提言している。

 中間まとめでは、近年の経済状況を背景に家庭の収入が減少する中、大学の授業料や進学率は上昇し、高等教育の費用が家計にとって重い負担となっていると指摘。意欲と能力のある学生が、高等教育進学を断念したり、学資捻出のため長時間のアルバイトを強いられることなく学業に専念できるよう、社会全体で支えることが極めて重要とした上で、高等教育の無償化に向けたステップとして、授業料減免など給付的支援の充実による負担軽減を方向付けている。

 給付型奨学金については、国際的にほとんどの先進諸国で導入しているとし、保護者の経済的格差が子どもの教育格差として引き継がれないための重要な課題と説明。制度設計上の検討事項として、「事後給付(卒業時の返還免除)か事前給付(入学時や進学時に受給の可否が判断できる給付型奨学金や授業料免除)か」「家庭の経済状況を重視した基準とするか、学業成績をどの程度重視した要件とするのか」「全額給付か、一部を貸与奨学金でまかなうか」などを挙げている。

 現行の日本学生支援機構の貸与奨学金については、「奨学金の本旨に立ち返れば、貸与奨学金は無利子が本来の形で、有利子奨学金は補完的な役割を果たすべきものである」と明言。近年の奨学金需要に対応するため、事業規模の拡大を有利子奨学金に頼ってきた実態を見直し、無利子奨学金を基本とする姿を目指すべきとしている。

 奨学金の返還では、将来の不安を払拭するため、従来の定額返還ではなく、卒業後の所得に応じて返還額が変動する所得連動返還型奨学金制度の導入など、柔軟な制度改革が望まれると指摘。新しい返還方式が導入されるまでの間、困窮している返還者に対する救済措置を講ずるべきとし、具体的な取組みとして「滞納金の賦課率の見直し」「減額返還制度や返還期限猶予制度の柔軟な運用」などを示した。

 「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」は2013年4月、文科省高等教育局長の下に設置。学生の経済的状況や諸外国の施策動向などを踏まえ、学生に対する経済的支援の在り方について総合的な検討を重ねている。
《奥山直美》

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