【全国学力テスト】大阪市、結果分析で課題・指導まとめ…保護者用資料も作成

 大阪市は10月27日、平成27年度全国学力・学習状況調査の結果から詳細な分析を行い、公表した。学習成果や今後の課題、指導ポイントなどをまとめている。また、家庭も連携して取り組むことが必要なことから、保護者用リーフレットを作成し、併せて公表した。

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全国学力テストの結果
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 大阪市は10月27日、平成27年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果から詳細な分析を行い、公表した。学習成果や今後の課題、指導ポイントなどをまとめている。また、家庭も連携して取り組むことが必要なことから、保護者用リーフレットを作成し、併せて公表した。

 同市は9月に全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果概要を公表しているが、今回は調査分析した結果を平成20年度以降の調査結果と併せ、指導改善のポイントなどを公開している。また、平成25年からは、市教育委員会の責任において、市内全小中学校の各校長が自校の平均正答率を含む調査結果の現状や取組みの成果、課題等を公表している。

 9月に公表した結果概要では、小中学校ともに全教科で全国平均を下回る結果になった。一方で中学校ではすべての教科で全国との差が縮まり、改善も見られた。

 全国との差が大きかったのは、小学校国語A(知識)。全国の平均正答率より4.3ポイント低い65.7%だった。正答率が特に低かったのは、「聞き方の説明として適切なものを選択する」問題。課題として、話の内容に対する聞き方を工夫することが必要とし、各学年で目的や意図に応じて聞き方を工夫できるように、聞き方や自分の聞き方をふり返るような意識づけの指導ポイントをあげている。

 全国平均を3.7ポイント下回った中学の理科では、「他者の考察を改善し正しく説明する」問題の正答率が低かった。調査では、観察・実験結果を分析し解釈する指導を行ったと回答をした学校は全国平均を7.7ポイント下回っていた。基礎的・基本的な知識を身に付けるために、理科室などで生徒が観察・実験する時間を充実させ、結果を分析して解釈できる力を育むことが必要としている。

 そのほか、各教科、質問紙調査の結果、学力向上に向けた大阪市の代表的な取組みについても公表。「習熟度別少人数授業」「学習教材データ配信」「ICTを活用した教育の推進」「学校図書館活性化事業」など、学力向上に向けての取組みが紹介されている。

 また、家庭や学校、地域が連携して学力向上に取組みことができるよう、保護者用リーフレット「一緒に伸ばそう!子どもの学力」を作成。小学校用では、全国学力テストの結果から、朝食を毎日食べている、同じくらいの時間に起床しているなどの生活習慣がある児童の平均正答率が高い傾向があることから、「朝食をとり、一日の元気なスタートをきりましょう」などのチェック項目を作っている。

 中学校用では、家庭学習のチェック項目に、計算や漢字練習など、基礎的・基本的な学習を繰り返し行うと効果的とし、「学習したことを復習しましょう」「文章を書く機会を増やしましょう」「宿題以外の予習や復習にも計画的に取り組みましょう」と記している。
《田中志実》

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