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学習時間長く、大学進学希望率が高い…被災地・子ども教育白書2015

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平日の学習時間
  • 平日の学習時間
  • 理想・現実の進路を「大学以上」と回答した子どもの割合
  • チャンス・フォー・チルドレン
 震災後に貧困に陥った子どもは、震災前から貧困であった世帯の子どもよりも学習時間が長く、大学進学を希望する割合が高かったことが、チャンス・フォー・チルドレンが11月30日に発刊した「東日本大震災被災地・子ども教育白書2015」より明らかになった。

 同白書は、政府や民間機関が実施した統計調査のほか、2014年5月~9月にチャンス・フォー・チルドレンが実施した「東日本大震災被災地・子ども教育調査」のデータを使用している。この調査は、東日本大震災被災児童・生徒対象の「学校外教育バウチャー事業」の申込者およびバウチャー利用者、東日本大震災被災生徒(高校生)対象の「まなべる基金」奨学金受給者を対象に実施し、子ども1,987件、保護者2,338件の回答を得た。

 「震災前から貧困であった世帯の子ども」「震災後に貧困に陥った世帯の子ども」「貧困世帯ではない子ども」の3つに分けて、子どもの学習時間や進路の傾向を比較した。

 学習時間について、学習時間が1時間未満の子どもの割合は「震災後に貧困に陥った世帯の子ども」が40.5%、「貧困世帯ではない子ども」が39.0%で、大きな違いはみられなかった。一方、「震災前から貧困であった世帯の子ども」は47.5%と、ほかの2グループと比較して、学習時間が1時間未満の子どもの割合が高かった。このことから、震災後に貧困に陥った世帯の子どもは学習習慣が身についており、震災前に身についた学習習慣や意欲は震災後も維持されていることが示された。

 進路の傾向について、理想・現実の進路を「大学以上」と回答した子どもの割合は「震災後に貧困に陥った世帯の子ども」が60.2%、「貧困世帯ではない子ども」が60.6%とほぼ同水準。一方、「震災前から貧困であった世帯の子ども」は49.1%であった。

 これらの調査結果から、東北大学大学院教育学研究科の秋永雄一教授は「震災後に貧困に陥った子どもの学習意欲を低下させないための緊急かつ持続的な教育支援が必要である」と指摘している。
《工藤めぐみ》

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