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文科省「幼児教育研究センター(仮称)」設置、保護者や地域との連携も見込む

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国の調査研究機関を核とした研究ネットワークの構築イメージ
  • 国の調査研究機関を核とした研究ネットワークの構築イメージ
  • 国内における幼児教育に関する調査研究機関の例
  • OECDにおける幼児教育分野の取組み
  • 諸外国における幼児教育に関する調査研究機関の例
  • 幼稚園教育要領
  • 中央教育審議会教育課程企画特別部会・論点整理(平成27年8月26日)抜粋
 文部科学省は、平成27年7月より開催してきた「幼児教育に関する調査研究拠点の整備に向けた検討会議」で取りまとめた報告書を公表し、国として幼児教育に関する調査研究拠点を整備して必要な体制を早急に構築する姿勢を明らかにした。

 質の高い幼児教育が、その後の学力向上や進学率の上昇、所得の増大、犯罪率の減少をもたらすという研究成果が示されたことを契機に、諸外国でも幼児教育の重要性への認識が高まり、OECDは平成19年に各国の幼児教育政策に関する情報交換の場として、ECECネットワークを設置。現在は、幼児教育に関する国際調査も検討されている。

 日本では平成27年4月に「子ども・子育て支援新制度」が始まり、すべての子どもに質の高い幼児教育を提供することがより一層求められているが、行政施策が講じられるうえで求められるエビデンスやデータの提供、政策形成に資する調査研究といった観点からは、必ずしも十分な状況にあるとは言えない状況にある。

 そこで、文科省は国の幼児教育に関する調査研究拠点として、地方公共団体などとの独自ネットワークを持ち幼児期から高等教育までを対象に基礎研究から実践研究までを行ってきた実績がある国立教育政策研究所に、平成28年度に幼児教育研究に特化した「幼児教育研究センター(仮称)」を設置する予定であることを明らかにした。センターの設置案はすでに第3回検討会議で公開されており、2月16日には研究拠点を設置予定である旨が文科省Webサイト内で公表されていた。

 研究課題は「幼児教育の質を評価する指標に関する研究」「政策形成や幼児教育の実践の参考となるような研究成果の集約」「幼児期に育成すべき資質・能力(特に非認知的能力)がどのように培われるのかといった研究」「OECDなどの国際機関と連携した調査研究」など。そのほか、幼児の発達においては、施設における幼児教育だけでなく幼稚園、保育所、認定こども園などにおける幼児教育に関する研究を中核としながら、家庭や地域社会における幼児教育も研究の対象とされることが期待される。より長期的には、関係省庁との連携・協力のもと、乳児期や妊娠期なども視野に入れた研究を行うことも考えられている。

 今後は、国の調査研究機関が核となり、すでに幼児教育について研究を行っている大学や地方公共団体、幼児教育・保育関係団体、民間シンクタンクなどの機関との研究ネットワークを構築していくほか、地方公共団体の取組みと国の調査研究拠点の調査が相まって、我が国全体の幼児教育の振興へとつながるような連携となることが望まれている。

 また、調査研究の成果を保育者や保護者、地域住民が自身の幼児教育の実践に活用できるようなわかりやすい形で情報提供されることや、国際機関や諸外国の研究機関とも連携し、国際的な協働を生かした調査研究を行うとともに、日本の幼児教育研究について国際的に発信していくことが期待される。
《外岡紘代》

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