「主権者教育」とは?学習内容や教材は…8割超の高校が実施

 文部科学省は6月13日、主権者教育の推進に関する検討チーム最終まとめを公表。昨年度の卒業生に対する主権者教育は、9割以上の学校で特別活動や公民科を中心に行われていた。また、副教材も積極的に活用している状況がわかった。

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主権者教育の実施状況(平成27年度第3学年以上の生徒)
  • 主権者教育の実施状況(平成27年度第3学年以上の生徒)
  • 主権者教育の実施状況(平成28年度在学生の計画について)
  • 主権者教育の推進プロジェクト
 文部科学省は6月13日、主権者教育の推進に関する検討チーム最終まとめを公表。昨年度の国公私立高校卒業生に対する主権者教育は、9割以上の学校で特別活動や公民科を中心に行われていた。また、副教材も積極的に活用している状況がわかった。

 平成27年11月に設置された「主権者教育の推進に関する検討チーム」は、主権者に求められる力の養成「主権者教育」に係る方策について検討し、平成28年3月には中間まとめを公表。推進方策の1つに副教材「私たちが拓(ひら)く日本の未来」の活用状況などを含めた主権者教育の実施状況調査を掲げ、平成28年4月から5月にかけて全国の国公私立高校(全日制・定時制・通信制)6,407校を対象とした調査を実施した。

 平成27年度に第3学年以上であった生徒に対する主権者教育は、国公立の97.9%、私立の81.8%が実施しており、特別活動や公民科の授業で行われることが多かった。具体的な指導内容では「公職選挙法や選挙の具体的な仕組みについて指導」89.4%、「模擬選挙などの実践的な学習活動」29.0%、「現実的な政治的事象についての話し合い活動」20.9%で、8割以上が副教材を活用。選挙管理委員会と連携して指導にあたっていた学校が30.7%あったものの、連携していない学校は66.7%にのぼった。

 平成28年度在学生の計画(4月時点)では、第1学年から第3学年まで9割以上が実施を計画しており、第3学年では96.4%が実施予定。指導の時間数は「2~4時間」がもっとも多く、ついで「1時間」、「5時間以上」を予定している学校も1割程度あった。具体的な指導内容については昨年度と同様、「公職選挙法や選挙の具体的な仕組みについて指導」が最多で、「現実的な政治的事象についての話し合い活動」より「模擬選挙などの実践的な学習活動」が多い傾向にあった。

 平成27年度の教育委員会による支援では、すべての教育委員会が学校に支援する取組みを行っていた。各都道府県の特徴ある取組例も最終まとめの中で紹介されている。大学と連携し行政学を専攻する大学教授による講演やパネルディスカッションを実施した自治体や、被選挙権年齢の引き下げ是非について討論型の授業を行った自治体もあった。

 文部科学省は今後、調査の結果等も踏まえ、平成28年3月公表の中間まとめで示した学校、家庭、地域における推進方策を着実に実行し、主権者教育を推進していくにあたって、引き続き総務省や関係団体などと連携した取組みを進めるとした。
《黄金崎綾乃》

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