理系女子40年間で27ポイント増、工学部入学者数は約17倍

 旺文社教育情報センターは12月21日、「理系女子入学者数調査2016」を発表した。大学入学者に占める理系女子の割合は40年間で27ポイント増。工学部では女子の入学者数が40年間で808人から1万3,556人に増加した。

教育・受験 大学生
女子の大学・短大進学者数および進学率
  • 女子の大学・短大進学者数および進学率
  • 文理別 大学入学者に占める女子の割合
  • 理系各分野 女子入学者数
  • 各分野の入学者に占める女子の割合
  • 首都圏主要大学 分野別の女子の割合
 旺文社教育情報センターは12月21日、「理系女子入学者数調査2016」を発表した。大学入学者に占める理系女子の割合は40年間で27ポイント増。工学部では女子の入学者数が40年間で808人から1万3,556人に増加した。

 理系女子を意味する「リケジョ」という単語が定着し、「ドボジョ(土木系女子)」や「ノケジョ(農学系女子)」など、理系の中のさまざまな分野の女性が注目されている。旺文社教育情報センターでは、文部科学省の「学校基本調査」をもとに、過去40年間の理系女子の動向を分析した。

 女子の大学進学率は、昭和50年で12%だったが平成27年時点で47%まで上昇、40年間で35ポイント増加した。また、高卒時点で就職した女子の割合は40年間で41%から14%へと、27ポイント減少している。

 大学入学者に占める女子の割合は、理系(理工学系、医歯薬学系など)で昭和50年の9%から平成27年には36%まで上昇、40年間で27ポイント増となった。40年間で文系(人文科学系、社会科学系など)は23ポイント増、その他(家政系、教員系、芸術系など)は1ポイント減と、文系・理系女子の割合が大幅に増加。その中でも、理系女子の割合の増加がもっとも大きかった。

 理系5分野(理学系、工学系、農学系、薬学系、医歯学系)それぞれの女子入学者数を見ると、工学系の増加が著しく、40年間で808人から約16.8倍増となる1万3,556人に増加した。工学部全体の入学者数は40年間で1.1倍程度の増加であることから、大学が女子向けのセミナーを開催するなど、工学系に対する比較的地味なイメージを軽減させる努力を進めた結果だと考えられるという。

 工学系は女子の入学者数が大幅に増加しているが、定員規模が大きいため、女子の割合は全分野の中では最低となる15%だった。また、工学系の7分野(機械工学、電気・電子工学、情報工学、土木工学、応用化学、建築学、生物工学)別に見ると、機械工学や電気・電子工学では女子の割合が低く、応用化学や建築学、生物工学では女子の割合が高かった。

 また、薬学系は昭和50年時点で女子の割合が64%と非常に高く、平成27年までの40年間も常に60%前後の高い女子の割合を維持している。ほかの分野は、昭和50年時点での女子の割合はいずれも20%未満だが、40年間で女子の割合が10%以上増加。特に、農学系は40年間で36ポイント増加した。化学・バイオ系分野を扱う学部が増えていることや、女子が苦手科目としがちな物理を利用しないで受験できる入試が多いこと、薬学系との併願・流入などの要因が考えられるという。
《外岡紘代》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top