中学の理数授業減少で研究開発力低下…神戸大・同志社大が明らかに

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  • 学習指導要領の変遷と学習指導要領別の中学理数系授業時間と特許指標(年齢別)
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 神戸大学と同志社大学の研究グループは2月24日、中学校時代の理数系科目の授業時間の減少が、近年指摘されている日本の研究開発力低下の一因であることを初めて実証的に明らかにしたことを公表した。研究によって理数教育の見直しに役立つ知見が得られたことになる。

 近年の日本では、文部科学省の科学技術白書で指摘されているように特許出願件数の減少や国民所得、工学系論文発表数の減少など、研究開発力が低下。原因は、少子化以外にも学生の理系離れによって国内の研究開発者の供給が減少傾向にあるため。学生の理系離れは、学習指導要領の変更で、理数系科目の教科軽減による学力や学習意欲が低下していることを一因とする指摘もあるという。

 そのため、神戸大学の西村和雄特命教授、同志社大学の宮本大教授と八木匡教授の研究グループは、優秀な研究開発者の育成を検討するために学習指導要領の影響を検証。学習指導要領が変更された年で年代をわけ、高校時代の理数系科目の学習状況と技術者になってからの特許出願数と特許更新数の関係を年代ごとに分析した。

 中学時代の3年間にゆとり教育を受けた47歳以下の世代と、それより上の世代では特許出願数と特許更新数に大きな違いがあることが判明。48歳~57歳の中学の理数系授業時間数が840時間ともっとも多かった世代は、特許出願数と特許更新数がもっとも多い結果になった。中学時代の数学と理科の時間数が、高校時代における数学や物理を得意とする度合いと相関し、数学や物理が得意である人は相対的に研究成果が高い結果になった。新しい世代ほど中学時代の理数系科目の授業時間数が少なく、理数系科目を不得意として技術者になってからの研究成果が少ないことがわかった。

 これらの結果から、学習指導要領の変更で、理数系科目の授業時間減少が、研究開発者として必要な人的資本の蓄積を停滞させてきたと考えられる。そのため、初等・中等教育における理数教育のあり方や人材育成、教育投資、研究開発の効率化と経済成長の実現に役立つ知見が得られたとしている。
《田中志実》

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