「STEM/STEAM」でわが子の学びをアップデート…15歳の科学者ギタンジャリ・ラオ氏自著『STEMで未来は変えられる』をきっかけに

 ジャズピアニストで数学研究者でもある中島さち子氏とリセマム編集長・野口が対談。15歳の科学者ギタンジャリ・ラオさんの自伝『ギタンジャリ・ラオ STEMで未来は変えられる』をきっかけに、科目にこだわらない横断的な学び「STEM/STEAM」の魅力について聞いた。

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「STEM/STEAM」でわが子の学びをアップデート…15歳の科学者ギタンジャリ・ラオ氏自著『STEMで未来は変えられる』をきっかけに
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 時は今から13年前の2009年、当時就任間もなかったオバマ元大統領の、米国科学アカデミーでの演説から世界的に注目され始めた「STEM/STEAM」教育をご存知だろうか。

 「STEM/STEAM」とは、科学:Science、技術:Technology、工学・ものづくり:Engineering、(アート・リベラルアーツ:Art・Arts)、数学:Mathematicsの英単語の頭文字を組み合わせた、横断的・実践的・創造的な学びを表す造語。日本の学校現場でも言葉の一端が見え隠れするものの、具体的な学びの実感としてはまだ芽を出していない印象がある。

 そこで今一度「STEM/STEAM」の魅力について、ある書籍をきっかけに考え直してみたい。その書籍は、2020年に米TIME誌初の「Kid of the Year」を受賞した15歳の科学者、ギタンジャリ・ラオさんの自著『ギタンジャリ・ラオ STEMで未来は変えられる』(くもん出版)。11歳で水道水から鉛を検出する装置「テティス」を発明したことを皮切りに、分野に捉われず次々とアイデアを生み出すラオさんの社会問題への意識や課題解決力、誰でもイノベーションを実践することができる彼女なりの「STEM/STEAM」の考え方についてを解説した1冊だ。

 同著刊行時、書籍の帯にもコメントを寄せたジャズピアニストで数学研究者でもある中島さち子氏に、リセマム編集長・野口がインタビュー。同著をきっかけに、科目にこだわらない新しい学びのあり方や「STEM/STEAM」の魅力について聞いた。

ギタンジャリ・ラオ STEMで未来は変えられる

発行:くもん出版
2020年、米TIME誌初の「Kid of the Year」を受賞した15歳の科学者、ギタンジャリ・ラオ初の本格的自著。STEMの知識技術を活用し、自らのアイデアを具現化して実社会の問題解決に挑む“イノベーション"を誰もが実現できる5ステップのプロセスとして伝授。誰かの役に立つこと、自分らしさや生きがいについて考えはじめた10代のあなたへ、未来を創りだそうとする子供たちを応援したい教育者、親世代へ。

「STEM/STEAM」≠理系教育…日本でSTEAM導入が遅れた理由

野口:中島さんは「steAm」という会社を設立され、「Playfulな世界を拡張し、ひとりひとりの創造性をひらく」ことをスローガンに活動されていますね。中島さんの活動やご経歴と、ラオさんのご経歴にリンクするところがあり、ぜひお話を伺いたいと思いました。

中島(敬称略):「STEM/STEAM」について前向きに語るラオさんの姿に共鳴し、書籍刊行時の帯にも「これぞSTEM/STEAM教育の魂!」とコメントさせていただきました。

野口:「steAm」設立の2017年当時と比べて、「STEM/STEAM」が社会に浸透している実感はありますか。

中島:世界では2009年ごろから、早い段階で盛り上がっていたので、世界的には浸透してきていると思います。諸外国ではK-12、つまり幼稚園(Kindergarten)から高校3年生(12学年目)まで、さらには高等教育でもSTEM/STEAMの流れがあるものの、日本はまだ思想的には浸透しきれていない気がします。日本は理数教育に関して強みをもっているので「STEM/STEAM」という言葉を輸入した際に「理系教育」と理解したのかなと。それゆえ、結果として「STEM/STEAM」本来の自由でプレイフルな思想や、「科学者・数学者みたいに考える/芸術家・エンジニアみたいに創る」といった学び方・生き方の変革へのエネルギーなどは余り理解されず当初強くは推進されなかったのかもしれません。

幅広い教科をつなげる探究的な学びこそ「STEAM」

野口:ラオさんの書籍の中には「ただの科学のプロジェクトではなくて、科学や技術のいくつもの分野を横断したSTEAMプロジェクトとなったことに、私はワクワクしていました」という表現があります。こういった異分野のものを横断するとらえ方こそが「STEM/STEAM」なのではと考えていますが、中島さんの認識はいかがでしょうか。

中島:STEAMの面白いところは、創造性や実践性を重んじるため、自然と幅広い教科を巻き込んでつながるという点です。科学も数学もそれだけでも創造的な学問ですが、さらにTechnologyやEngineeringの要素を加えて物事を捉えることで、さらに創造的な世界が広がります。Technologyは、コンピュータとどう向き合うか、現実の世界とコンピュータをつなげてどう交流していくかを考えるきっかけになるものです。Engineeringは、五感を使ったハンズオン(体験学習)がよく取り上げられますが、試行錯誤しながら進めるものづくりのやり方は他の教科であっても応用できるものです。そして、さらにArt(s) には、絵を描いたり粘土をこねたりするだけでなく、「世界を見る新しい視点(コンセプト・思想)を生み出す」という重要な点があります。そういった各教科や学問の中に含まれる大事なもの同士をつなげているのが、面白いところです。

「STEM/STEAM=理系教育と認識されていることが非常に残念」と語る中島さち子氏

 2018年に経済産業省「未来の教室」の委員として着任した際に「STEAM」教育について提案したところ、経産省や企業の方が関心をもってくださいました。並行して文科省でも2018年から徐々に取り上げ始められています。学習指導要領の改訂内容はその前に決まっていたので現状「STEAM」という言葉は入っていませんが、新学習指導要領の「総合的な探究の時間」や「社会に開かれた教育課程」「主体的・対話的で深い学び」などはSTEAMと非常によく似た思想です。STEAMの考え方は、今教育現場で話題のPBL(Project Based Learning)や探究学習と相性が良いのです。

 日本は今でも各教科が分離していて知識型・暗記型の学びが根強いですが、世界的にはそうした知識型から創造的・探究型の学びへ変化にともなって「STEMSTEAM」の概念が使われるようになっていきました。広い視点で世界をとらえて、課題を見つけ、解決することで新たな世界を創り出すというワクワクする学びに変わってきているのです。

野口:STEAMは、「S」と「T」と「E」という「必要な個別のスキルの頭文字を羅列しただけの都合の良い造語」ではなく、あくまでも「STEAM」全体として、科目同士の繋がりを表現しているのですね。

中島:「STEM/STEAM」には「掛け算的に融合していくことで新しい未来の価値を作っていく」というメッセージがあると思います。そういった「学び方・生き方」としての観点や思想を伝えていかないと「理系教育推奨」とのみ捉えられてしまいます。

 STEAMでの学びでは、Yes・Noでは分けられない、答えのないオープンエンドな問いというのも重要な要素です。実際に研究や芸術にはそうした側面がありますよね。正解があるわけではなく、答えがあるかどうかもわからないことを考え続けて終わりがない。学ぶ喜び、ワクワクする好奇心を感じながら、そういった試行錯誤の学び方を楽しむのがSTEAMなのです。

既存技術を掛け合わせて改善する「イノベーション」

野口:最近は教育現場でも「イノベーション」という言葉をよく聞きますが、突然「イノベーションを起こそう」「創造性を発揮しよう」と言われても、身構えてしまいます。その点ラオさんは、イノベーションを「もっと多くの問題を解決できるように、既存の技術をベースとして、その上に組み立てていくこと」とやさしく定義してくれていますし、「自分と同じことをする人がいても構わない。私はそれをもっと改良していこう」と同著で話しています。ゼロから新規のアイデアを考えるだけでなく、問題を察知するアンテナや既存の技術(分野)と技術(分野)の掛け合わせにこそ面白みがあると伝えてくれています。

「私自身もイノベーションと言われると身構えてしまいます」と話す野口

中島:ラオさんは言葉の使い方やモデル化が非常に上手で、新たな学びに対する心理的ハードルが下がるように書いていますね。0→1の創造も、1→2の創造も両方とも大事で面白いのです。誰もが皆創造性をもっているにもかかわらず、今の世界、特に日本はまだそれを十分に発揮しづらい文化や社会構造になっているように思います。20世紀は特定の才能がある人たちが注目される文化でしたが、これからは技術革新のおかげもあり、誰もがアイデアを形にしたり、プロトタイピングなどが楽にできる時代になってきます。

 社会課題についても、少し前までは効率性や新規性を求めて「どうしたら早くできるか」「多く作れるか」など、発展のためのわかりやすい問いが与えられて、それを解決すれば良い社会でした。一方、今の成熟した社会ではもっと俯瞰して、もしくは今一度原点に立ち戻って、あらためて本質的な問いをつくることが大事になっています。

 それにかつて課題とされていたことが今は価値になっていることもあります。たとえば「弱さの価値」。かつては弱いことはデメリットとされていましたが、多様性が重視される今は、弱い立場だからこそ見えるものに価値があります。自分らしさがアイデアにつながり、多様な見方ができるからからこそ面白い。特段、際立った能力などなくても、自分なりの視点で世の中を見つめることが社会を良くするヒントになります。イノベーションや創造性が身近に感じられると良いと思います。

好きなことをとことん追求する創造的な面白さ

野口:中島さんはおもに数学と音楽の狭間で活躍されていますね。国際数学オリンピックの優勝で一躍有名になられた中島さんですが、STEAM的な思考を身につけられたきっかけを教えてください。

中島:音楽は幼少時から、数学は中学・高校・大学でハマりました。中学・高校のころは音楽をやめていたのですが、大学で音楽を再開してからのめりこんでいきました。私は考えるのが好きで数学の奥深さに取り憑かれたものの、当時は数学オリンピックなど限られた場を除くと、現代数学などの面白さを語り合える開かれた場はあまりありませんでした。そこで、大学の時に現代数学の楽しさを伝え合う場がほしいと思い、高校の先輩や有志仲間と、ある現代数学の学び場を作りました。

 そこは中学生・高校生を対象にした現代数学の学び場で、学年や単元といった既成の枠をとっぱらって、学びを本質的に考える機会を提供しています。どうすれば子供たちが本当にわかるのか、学びを楽しめるのかということを模索してカリキュラムも全部自分たちで作りました。

 研究者を目指す学生がそうした活動を通して伝えるというのは、学生にとっても大きな学びになります。受講する子供たちにとっても、いわゆる塾の先生ではなくて、研究者になろうとしているスキルをもつ大人が楽しそうに伝えてくれるというのは出会いとしても意味があることだと思います。自分の関心のある「数学」というものをきっかけに大人と出会い、大人も子供もフラットに学びを楽しむ体験です。そうした学び場づくりの魅力にとりつかれ、STEAMという思想に出会い、「今」があるという感じですね。

自らも国際数学オリンピックで多くの研究者や大人と交流したことが刺激になったと話す中島氏

子供は、大人と対等に関わることで学ぶ

野口:今のお話は、自分の興味関心のあることやアイデアを専門家に聞いてみたり、学校外の学びの機会に参加したりすることで、多くの大人と関わっているラオさんにも通じるところがありますね。

中島:ラオさんはたくさんのコンテストに参加したり、学びのコミュニティに参加したりと、学校以外の学びの場を活用していますね。たとえばアメリカだとミュージアムや図書館に「メイカースペース」という場所があって、誰でもその場に行けばマイコンを使ってロボットを動かしたり、音楽を演奏したり、本を読んだりできるのです。格差是正施策の一環で、貧富の差関係なく、どのような子供でも利用できる場所です。わざわざ親が子供を参加させなくても、たまたま遊びに行ったら自然とそういうものに出会えて、最新の技術や概念などを知ることができるのは理想的ですね。

野口:ラオさんの著書の最後には「日本の10代が参加できる主な科学コンテスト」「STEM系プログラム」や、無料で学べる学習サイトがまとめられていて、参考になります。中島さんも数学オリンピックを通して、当時多くの数学者の先生や大人たちに出会われたと思います。ラオさんは、学びの過程で出会う親や先生とは違う大人たち、すなわち「メンター」の大切さについても触れていますね。

中島:私も「メンター」の存在は非常に重要だと思っています。メンターとは、探究や研究の活動を進める際にともに悩んだり、アドバイスしたりしてくれる「学びの伴走者」のことですが、日本の教育現場ではまだ一般的ではありません。

 日本のもったいないと思うところは大人と子供が分けられていて、子供が守られすぎているということです。諸外国では、未就学児にさえ「あなたはどう思う?」と考えを聞く場面が多いですし、子供も意見するのが当たり前。「あなたがどう考えるか」「立場が違うからこそ見える角度」を大事にしています。子供たちも自分の言葉で考えて対話をすることに慣れているのですが、日本人はその部分が圧倒的に弱いと感じます。日本では、学校でも正解のある状態に慣れていて、先生や年長者の顔色をうかがいながら何が正解かを探るような場面が多いように思います。

野口:そうですね。日本ではまだ「白紙の存在」としての子供に、大人が教えてあげなければいけないという一方向性の教育が根強いと感じます。一方、世界では子供を「小さな大人」と位置付けている国が多いですね。子供も社会を形づくる多様な人間の1人として、尊重されている気がします。

中島:同著には、ラオさんが自らの意見や考え、質問を研究者に対してメールするエピソードが出てきますね。見ず知らずの有識者の方にメールを送るのは、最初は非常に勇気が要ると思いますし、失敗はつきものです。現に、ラオさんも、最初は稚拙な内容から、回を重ねるごとにパッションを伝えたり、返信期限を設けたり、文章を短くしたりと、メール相手の気持ちを汲みながら工夫をします。メール相手の研究者も、その思いに動かされて質問に答えたり、ラオさんの熱意に感銘を受けて発明の手助けをしてくれたりする。「子供だから」という甘やかし抜きで、お互いを尊重し合いながら、学びをきっかけとしたコミュニケーションが生まれています

 これはとても大事なことだと思います。コミュニケーションや議論の機会が多ければ多いほど、それを繰り返しているうちに、対話や議論がうまくなっていって、自分の思いの伝え方や人を傷つけない表現の仕方を学んでいきます。諸外国は、多民族国家も多く、多様な人たちとのコミュニケーションをする土壌があるともいえますが、日本は機会の少なさから、対話のスキルが比較的弱く、いざ議論しようとするとハラスメントのようになってしまったり、インターネット上のコミュニケーションでも悪気なくお互いが傷つけあうようなことが往々にして起こりがちです。もちろん、こうしたことは諸外国でも起こるのですが、日本で小さいころからもっと自分の意見や感じ方を問われたり、異なる価値観同士で対話する機会が増えてくれば、ひとりひとりがより生きやすい社会・文化になっていくと感じています。

他者を尊重し、自分が主語の意見を話す

野口:ラオさんもSNSの活用法に触れていて、「『いいね!』の数に自分の価値を見出すのではなく、新しいことを学んだり、自分のメッセージを広めたりするために使いなさい」というラオさんのお母さんの言葉も印象的です。ラオさん自身もSNSをはじめとするインターネット上でのコミュニケーションでは「C(clean:汚い言葉を使っていないか)」「L(lucid:わかりやすいか)」「E(edited:推敲したか)」「A(agreed:同意が得られるものか)」「R(respectful:他者を尊重する態度か)」という「CLEAR」を大切にしているそうですね。

ラオさんの提示するコミュニケーションの指標「CLEAR」は大人である私たちも十分に活用できるもの

中島:特に「Respectful」はとても大事なことですし、ラオさんならではですね。

 自分の意見を言うのは日本人が苦手とするところです。芸術作品などを見ながら何を感じたのかを対話する「対話型鑑賞」というものがありますが、そういうときも正しいことを言わなければいけないと思うと発言が難しくなってしまいます。国語や道徳でも、想像させることでのオープンエンドな問いよりも、決まった答えが用意されている場面が多いので、先生や作者が言わんとしていることや、何を求めているのかを考えてしまうのです。答えがないことに対して話す時間が極めて少ないのが、日本における課題だと思います。

表現するための「絵筆」の選択肢を増やす

野口:STEM/STEAMの学びを実践するにあたり、大人が子供にすべきことはなんでしょうか。

中島:私はプログラミングなどのスキルや、センサーなどの技術を「絵筆」と呼んでいます。プログラミングもセンサーも、絵を描く際の筆のようなもので、いざ自分が何かを表現しようというときに使うものです。そういった表現のための「絵筆」を選び取れる状況を整えてあげる、また、さまざまな「絵筆」に触れさせてあげる環境があると、自分なりの絵筆が見えてきて、自分らしい創造性が発揮しやすくなるのかなと思います。「絵筆」をいろいろ知っていれば、ニュースを見て感じた課題に対して「あれを使えば自分にもできるのではないか」と考えられるし、「自分にもできるかもしれない」というイメージにつながりやすいと思うのです。

 日本の学校教育は世界的にみても非常に優れていますが、自分で手を動かして、実際の形にする取組みが少ないのがもったいないところです。学校教育で実現できないうちは、そういった部分を学校外の学びで補えたら良いと思いますし、いずれ学校教育でもたくさんの「絵筆」に出会えるような仕組みに変えていきたいですね。

 ラオさんの著書をきっかけに、学び=勉強というネガティブなイメージを払拭し、教科・学年の枠や答えがないからこそ楽しいSTEM/STEAMの学びを知ってもらえると良いと思います。誰もがイノベーションのアイデアや創造性を内包しています。子供だから、大人だからと決めつけるのではなく、STEM/STEAMの思想で未来をつくっていけたら良いと思います。

STEAMを楽しみ、新しい未来をつくる

 15歳にして多くの発明を手がけるラオさん、17歳で国際数学オリンピックで金メダルを獲得し、音楽界でも活躍している中島さん。2人の生き様からは、STEM/STEAMの意義や楽しさがひしひしと伝わってくる。一方で、今回の中島さんのお話から、今まではるか遠くに見えていたイノベーションや創造性が、ぐっと身近になった。皆さんもラオさんの書籍を片手に、STEM/STEAMの世界に触れ、大人も子供もともに未来をつくる一歩を踏み出してはいかがだろうか。

『ギタンジャリ・ラオ STEMで未来は変えられる』の詳細はこちら
中島さち子(なかじま さちこ)
ジャズピアニスト、数学研究者、STEAM教育者、メディアアーティスト。steAm, Inc.代表取締役社長、STEAM Sports Laboratory取締役。東京大学数学科卒、NY大学芸術学部ITP修士(メディアアート)。幼少時から音楽に親しみ、高校2年で国際数学オリンピック金メダルを獲得。音楽・数学・教育の分野で活躍し、著書も多数。経産省や文科省の教育変革に関わる委員会などで委員を歴任。2025年開催の大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーや内閣府STEM Girls Ambassadorも務める。
公式Webページ: steAm, Inc.
《羽田美里》

羽田美里

執筆歴約20年。様々な媒体で旅行や住宅、金融など幅広く執筆してきましたが、現在は農業をメインに、時々教育について書いています。農も教育も国の基であり、携わる人々に心からの敬意と感謝を抱きつつ、人々の思いが伝わる記事を届けたいと思っています。趣味は保・小・中・高と15年目のPTAと、哲学対話。

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