【とっておきの私立中学校2024】日本工業大学駒場中学校…進学型を強化しつつ、人柄を磨き育てる

 「中高6年間一貫教育を考える会」発行の中学受験情報誌『とっておきの私立中学校』と連携し、注目の私立中学校を紹介する本企画。本記事では、日本工業大学駒場中学校を紹介する。

教育・受験 小学生
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駅に向かう途中にある光風塾。受験生のやる気を引き出す校内進学塾
  • 駅に向かう途中にある光風塾。受験生のやる気を引き出す校内進学塾
  • 日本工業大学駒場中学校長 大塚勝之先生
  • アウトプット能力を自然につける「ファイトノート」は子供たちの状況を三者で共有できる
  • 【とっておきの私立中学校2024】日本工業大学駒場中学校…進学型を強化しつつ、人柄を磨き育てる
  • 「にちこま文学全集」を用いた国語のプログラムは、英語、社会、理数系などの科目にも連動していけるアクティブな読書体験
  • 生徒たちの憩いの場である屋上庭園の片隅は都心の養蜂場

 2024年度の中学受験を目指すご家庭は、そろそろ第一志望校・併願校を決定する時期だろう。

 リセマムでは昨年に引き続き「中高6年間一貫教育を考える会」と連携し、お勧めの私立中学校をピックアップ。同会が発行する『とっておきの私立中学校』の中から抜粋して、注目校の魅力をお伝えしていく。

 本記事でご紹介するのは、日本工業大学駒場中学校。東京都目黒区にある進学型中高一貫の共学校だ。学校長・大塚 勝之先生からのメッセージの他、特色のあるプログラム等を紹介する。

2024年度「日本工業大学駒場中学校」入試情報

教育姿勢と実践

優しく勁(つよ)い心を育てる

 令和5年3月をもって、創立以来115年間続けてきた工業科の運営を終えました。これで、中高一貫コースで先行した普通科専一での運営が、高校入学三年制コースにも広がり、私共が長い間、抱いてきた夢、完全普通科専一での運営が実現しました。新たな歩みのスタートです。

 中学ではファイトノート、朝テスト、放課後補習を連関させ、圧倒的な基礎学力の養成にカを入れた教育を進めています。高校では、進路指導部を中心に個別指導、進学ガイダンス、長期休暇中の講習会などの進学支援に加えて、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学など、最難関大学合格を確実にする「日駒光風塾」を大学進学支援システムとして確立しています。

 日駒らしく進学型を強化する一方で、私たちは生徒たちに大学進学の結果を求めるだけではなく、もっと大きな目標をもちたいと願っています。それは、私たち教員自身も含めてつまり、自らの人柄を磨くことではないかと思います。人柄を磨き育てていくことの中に、私たちの教育の本当の目標があるのではないかと考えているのです。人柄を育むとはどういうことか。それは本校の「優しく勁い心を育てる」という教育姿勢に繋がっています。つねに私たちは自身に問いながら、なお、私たち教員自身も、どこまでも人柄を育むことを大切にして、学び続けることを実践していきたいと考えています。

日本工業大学駒場中学校長 大塚勝之先生

日駒名物「ファイトノート」の役割

 入学してきた中1、中2生に配られるのが、日誌と学習課題を組み合わせた日駒独自の「ファイトノート」です。家に帰ったら、その日の学習の中身を記して朝のホームルームで提出。その日のうちに先生が感想などのコメントを書いて戻します。

 この小さなノートは保護者の欄もあるので、生徒、保護者、先生がいまの子供たちの状況を共有できるというメリットがあります。それに加え、子供たちのアウトプット能力を自然につけるという利点もあります。自分で書いた字で自分の考えをアウトプットする、この大切な訓練を2年間掛けてしっかり体得すること、それがファイトノートの大きな役割です。

アウトプット能力を自然につける「ファイトノート」は子供たちの状況を三者で共有できる

言語能力を高める「能動的読書体験」

 「能動的読書体験って何?」と思われるかも知れませんが、同校のそれは単に読書をしただけで終わらず、読書体験を通してさまざまな人生や未知の世界を仮想体験し、それを自分の言葉で表現するという読書プログラムです。

 使われる教材はオリジナルの「にちこま文学全集」。各学年別に国内外の小説、評論、エッセイ、詩歌、古典などのジャンルから選ばれたさまざまな文章に触れることで、読解力・思考力・表現力、そして豊富な語彙から自分なりの考え方や気持ちの出し方を学んでいきます。これは国語科のプログラムですが、英語科や社会科、さらに理数系などの科目にも連動していけるアクティブな読書体験です。

「にちこま文学全集」を用いた国語のプログラムは、英語、社会、理数系などの科目にも連動していけるアクティブな読書体験

最難関大学への進学をアシストする「日駒光風塾」

 工業大学の名前を冠していながら、現在同校は完全普通科専一校です。そうなると求められるのは、進学を踏まえた総合的な学力アップの施策です。その進学力(卒業生数に対する合格実績数でみて)はここ数年急激に上昇してきていますが、それを支えているのが同校の大学進学支援センターの活動です。生徒の個別指導の場や卒業生チューターが実践指導するチュータールームの運営や進学に向けた各種の補習・講習・講座などに加えて、最難関大学受験を支援する画期的な校内塾を7年前に開設しました。

 「日駒光風塾」という名前の学内進学塾は、進学指導歴20年のベテラン塾頭を筆頭に、現役大学生が難関大学受験プログラムを作成して、より高い目標を掲げる生徒たちを実践指導しています。しかも受講料は無料というのが、同校の本気度を表しています。さらに光風塾は、校外の駅間近の建物にあり、移動に時間がかからないのも魅力です。

 年2回の選抜試験で入塾が決まります。対象となるのは受験を志す高校生だけだったのですが、昨年の夏休みからその受入範囲を中学生まで拡げました。それが「光風塾ジュニア」です。中学2年生、3年生を対象に、その時期から難関大学受験に必要な基礎学力に加えた応用力を養成していくというプログラムです。光風塾ジュニアへの入塾は中2、中3ともに最大40名程度。「楽しく伸ばす光風塾ジュニア」という基本コンセプトのもと、週2回、本校舎内で17時30分から2時間授業が行われます。

駅に向かう途中にある光風塾。 受験生のやる気を引き出す校内 進学塾

「日本工業大学駒場中学校」部活動情報

写真を見ただけでは校舎の屋上とは思えない、日駒屋上庭園

 都心の真ん中にある同校の校舎には、空間をうまく生かすさまざまな工夫があります。その最たるものが屋上庭園です。人工芝が敷かれたその広さは、庭園というよりも屋上のグラウンドでしょう。遠くには渋谷や新宿の高層ビルが、近くにはお隣の東京大学駒場校舎の森や時計台がすばらしい眺めを作ってくれます。

 初めてこの屋上にのぼった保護者たちは、その眺めに感動してしまいますが、生徒たちにとってはお弁当を広げたり、友達とおしゃべりを楽しんだりする憩いの空間です。使い方はいろいろ。季節に合わせて多様に楽しめそうです。

 さらにこの庭園の片隅はなんと、ニホンミツバチの養蜂場となっています。現在園芸養蜂部の生徒たちが実際に蜂を飼育しており、おいしいハチミツを採取しています。そのほか、校舎西側に延びるホップも、暑い季節には窓を覆う緑のカーテンとなります。都心の学校でも自然を多く取り入れる、これも同校の自慢です。

生徒たちの憩いの場である屋上庭園の片隅は都心の養蜂場

学校概要

所在地:東京都目黒区駒場1-35-32
アクセス:京王井の頭線「駒場東大前駅」徒歩3分、東急田園都市線「池尻大橋駅」徒歩15分、「駒場バス停」徒歩3分、「大橋バス停」徒歩12分
電話番号:03-3467-2130

「日本工業大学駒場中学校」アクセス

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《編集部》

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