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子どもたちを守るために社員が出前授業…KDDIケータイ教室

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CSR・環境推進室の鳥光健太郎氏
  • CSR・環境推進室の鳥光健太郎氏
  • 左から小学生向け、中・高校生向け、保護者・教職員向けテキスト
  • ケータイ教室の様子ケータイ教室の様子
  • ケータイ教室の様子ケータイ教室の様子
  • 子どもの携帯電話等の利用に関する調査(2009年5月15日 文部科学省)
 社団法人 電気通信事業者協会の発表によると、携帯電話・PHS事業者各社のフィルタリングサービス利用数(端末機能でのフィルタリング利用者等を除く)は、2009年6月の5,930,498人から2010年6月の6,997,900人と1年で100万人以上の増加を見せている。

 しかし、2010年3月末時点での利用率は12歳以上15歳未満で68.9%、15歳以上18歳未満では42.9%と未だ低く、2009年4月の「青少年が安全に安心して利用できる環境の整備などに関する法律」施行後も、十分な利用率に達していないのが実情だ。

◆携帯の安心・安全利用を学べる無料講座

 このフィルタリング利用の重要性を含め、子どもの携帯電話の安心・安全利用のための講座を、KDDIやNTTドコモらがCSRの一環として無料で実施している。今回は、KDDIで「ケータイ教室」を担当する、CSR・環境推進室の鳥光健太郎氏に子どもの携帯利用の現状やケータイ教室の取組みについて話を聞いた。

 KDDIでは、主に全国の教育委員会を通じ、公立の小中高に「ケータイ教室」の案内を実施。ファックスにより申し込みを受け付ける。基本は学校からのお申込みであるが、たとえば地域の集会など、教育機関以外からのニーズにも応えるという。

 プログラムは、携帯のルールやマナーを学ぶ「安心・安全講座」と、学校からの要望に応え2010年度に開始した、携帯を有効に活用して安全対策について学ぶ「防犯講座」、災害時の対処方法を学ぶ「防災講座」が用意されている。このうちもっともニーズの高い「安心・安全講座」については、小学生向け、中・高校生向け、保護者・教職員向けの3コースが用意されており、子ども自身と、子どもにかかわる大人の双方から啓発する狙いだ。

◆学校ごとの要望に合わせた講座

 講座の所要時間は45分~50分程度で、学校の希望や受講者に合わせて、「コミュニケーションサイト」「プロフ」「チェーンメール」「ネット犯罪」「ネットいじめ」などのケータイトラブルのショートムービーを交え理解を深めたり、飽きない工夫をしながら講義は進んでいく。

 実施前には、「学校等の担当者と事前に打ち合わせをし、学校ごとのご要望に応じてカスタマイズした授業を行うことができることも特長です」と、鳥光氏は説明する。

 講師はというと、日常はそれぞれさまざまな業務に携わっている同社社員の有志が担当する。社内で開催される講習会に参加し、講師資格を取得する。参加者は携帯電話部門の社員に限らず全社から集まり、現在、登録講師は1,300名にのぼり、このうち約300名が実際に授業を担当した。子どもの安心・安全を守るために、通信会社の「社員自らが出前で取り組むケータイ教室」というわけだ。

◆2005年度からのべ40万人が受講

 2005年度にスタートしたこの取組みは年々回数を増やし、2009年度末には2,180回の開催を数え、受講者数はのべ40万人にのぼる。2010年度は1,300回の開催を目指し活動に取り組んでいると言う。

 塾や習いごとを始めたことをきっかけに、携帯を持つ小学生が増えており、利用者の若年化が進む。携帯キャリアでは子ども向けの端末やサービスを用意しており、KDDIでは、セコムとの連携で子どもの安全を見守るお子さま向けお守りツール「mamorino(マモリーノ)」を提供。機能を通話とメールとGPS、セコムかけつけ機能に限定し、サイト閲覧を制限するなどネットトラブルから子どもを守る仕様となっている。また、一部の大人向け携帯では、機能を制限してトラブルから子どもを守る「ティーンズモード」サービスも用意している。携帯キャリア各社では、各々子ども向け端末やサービスを提供している。

◆家庭での親子のコミュニケーションが大事

 文部科学省が全国の小学6年生、中学2年生、高校2年生を対象に2008年11月21日~12月15日に実施した調査によると、小6の24.7%、中2の45.9%、高2の95.9%が携帯電話を所有。携帯電話の利用によるトラブルについては、小6では「特にトラブルになったことはない」がもっとも多いものの、中2、高2では「チェーンメールを送られた」「迷惑メールがたびたび送られてきた」が60%前後と多数を占める。年齢が上がるにつれトラブルは増加傾向にあり、高2の14.8%が「心当たりのない利用料金の請求を受けた」と回答し、「特にトラブルにあったことはない」は、中2では28.3%、高2では27.6%に留まっている。

 こと携帯等のデジタル機器に関しては、親よりも子どものほうが機能や利用方法を熟知しているケースが多いという逆転現象が起きており、子どもにせがまれてフィルタリングをはずしてしまう保護者も少なくない。「保護者が正しい知識を持つとともに、家庭での親子のコミュニケーションとルール作りが大事」。ケータイ教室実施の目的は「子どもを守ることに尽きる」と鳥光氏は言う。「保護者や教職員、携帯電話会社も一体となり、社会全体で協力していくことが大切」としめくくった。
《田村麻里子》

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