リセマム6周年

見出しをつけよう…ヤフートピックス奈須川デスクが特別授業

教育ICT その他

Yahoo!ニュース トピックス編集部 デスク 奈須川信幸氏
  • Yahoo!ニュース トピックス編集部 デスク 奈須川信幸氏
  • 授業はLL教室のパソコンを使って行われた。ヤフーからは講師のほかに、講師用パソコンのオペレータ、生徒の入力操作を支援するアシスタントの計3人
  • 生徒が記事に付けた見出し(上3つ)と、Yahoo!ニュース編集部が作成して実際に配信された見出し(最下行)。生徒の見出しもなかなかのもの
  • 講師のパソコン画面は、各生徒のパソコン画面の横(この席では左側)に設置されたモニターから閲覧できるようになっている
 東京都立両国高等学校附属中学校では、1月13日から2月24日まで、Yahoo!ニュース編集部から講師を招いてメディアリテラシーの特別授業を行っている。「Yahoo!ニュース」の編集作業を生徒が体験することで、メディアリテラシーの向上につなげることを狙いとし、全4回(各回90分程度)は、「第1回:何がニュースなのかを考え選ぶ」「第2回:関連リンクを探そう」「第3回:トピックス(記事)に見出しをつけよう」「第4回(まとめ):トピックスを編集してみよう」で構成されている。今回は、第3回の特別授業を見学した。

 「第3回:トピックス(記事)に見出しをつけよう」は、「Yahoo! JAPAN」のトップページに掲載される「ヤフートピックス」の記事を読み、生徒たち自らが見出しを考える、というもの。ヤフートピックスの見出しには、「全角13文字以内」という制限がある。目を動かさずにパッと見てすぐ認識できる文字数が9~13文字であることに加え、余計な情報が省かれ、要点が明確になることから、この字数制限を定めている。したがって、参加した生徒たちは、政治、社会、スポーツ、芸能といった各ジャンルの記事の見出しを13文字以内でつけなければならない。

 最初の題材は、芸能ニュース。スポーツ紙から配信される記事の中には、「~爆笑させる!」など、読者の期待をあおる表現が含まれることがある。生徒たちも最初は、この記事のトーンに合わせてエクスクラメーションマーク(!)やキャッチーな表現をうまく用いて見出しを考えた。しかしYahoo!ニュース トピックス編集部 デスクの奈須川氏は「我々はニュースを配信しているのであって、宣伝しているのではありません。“何がどうしたという事実”を、奇をてらわず伝えなければいけません」と説明する。

 ほかにも、事件や事故などでは被害者の気持ちに配慮して言い回しを考えたり、キーワードを入れることで全部書かなくても内容を想起させたり、思わずクスリと笑ってしまうニュースではユーモアを出したりと、ただ事実を伝えるといっても、各ニュースに適した見出しの作り方がある。その難しさと楽しさを、生徒たちはニュースを1つひとつ丁寧に読みながら学んでいった。

 情報発信の恐ろしさについても、奈須川氏は「たとえば事故のニュースで、“バスが乗用車に衝突”と“バスに乗用車が衝突”とでは、助詞の付け方ひとつで話がまったく変わってしまい、これが裁判に影響することだってあります。ブログやツイッター(Twitter)で誰もが簡単に情報発信できる時代だからこそ、みんなも気を付けてください」と伝えた。さらに授業の最後では、「いろいろなニュースサイトを比較して“こういう見出しってどうなんだろう”と考えてみたり、また内容も鵜呑みにするのではなくて、批判的(客観的・分析的)な目で読んでください。それが考えるための素地になって、ニュースの読み方が変わってきます」とアドバイスを添えた。

 Yahoo!ニュース編集部では、修学旅行生のオフィス見学を数多く受け入れており、その中で簡単に仕事を紹介することもあるというが、今回のような授業は、若年層向けでは昨年11月に行った品川女子学院中等部に続いて今回が2例目となる。Yahoo!ニュース編集部では当初、この内容は中学生には早すぎるのではと考えたそうだが、実際にやってみると生徒たちは毎回、課題をきっちりこなしていくという。今回の授業を見ていても、生徒たちの見出しはそれぞれに記事の要点をうまくつかんでおり、また、講師の説明を受けて自分が最初に考えた見出しを考え直し、自分で解決する生徒も見られるなど、とても積極的に取り組んでいた。

 両国高等学校附属中学校では、この特別授業を全学年に告知し、自由参加としている。同校の山本崇雄教諭は、「その分野のプロから学ぶことは、生徒たちが今の勉強を将来につなぐ絶好の機会になります。部活や補習で忙しい放課後の時間を割いて参加しているので、生徒たちの意識は高く、今日のような見出しを付ける作業もすんなりできます。また、こうした授業を受けることで、国語や社会など各教科の勉強が実践でこんなに役立つんだ、自分の今の力でこういう応用ができるんだ、という自信にもなっているようです」と語ってくれた。本授業後の参加者アンケートでは「いろいろな制作者側のポイント(意図)がつかめた」「興味があるのでこういうことを日常的にも積み重ねていきたいと思った」といった感想が寄せられており、実際に生徒たちも手ごたえを感じられたようだ。
《柏木由美子》

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