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日本の高校生は人間関係が希薄で自己評価が低い…日・米・中・韓の高校生調査

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日本青少年研究所
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  • 高校生の心と体の健康に関する調査 (日本・アメリカ・中国・韓国の比較)
 日本青少年研究所は、「高校生の心と体の健康に関する調査〜日本・アメリカ・中国・韓国の比較〜」について公開している。

 同研究所は、青少年の意識や行動についての調査研究を行うとともに、青少年および青少年育成指導者に対する教育活動の実施等を行っている。同調査は、アメリカ、中国、韓国でも実施され、諸外国と比較することで、日本の子どもたちの特徴を把握することを目指し、毎年テーマを決めて実施されている。

 今回の調査は、身体の活動、食生活、喫煙や飲酒の経験、ストレスや人間関係のあり方などを通して、高校生の身体と心の健康の実態を把握し、青少年の健康づくりに有効な情報を提供することが目的。実施時期は日本・中国が2010年9〜11月、アメリカが同年9〜10月、韓国が6〜7月。調査対象の学校は日本10校(1,113人)、アメリカ13校(1,011人)、中国10校(1,176人)、韓国121校(3,933人)、調査方法は集団質問紙法。公表された資料では調査結果が要約されている。

 運動状況について「週に5日以上運動した者」では、日本が33.3%、アメリカが26.0%、中国が17.8%、韓国が10.8%となっている。

 自分の体型について、「太っている」と思うのは、日本17.6%、アメリカ4.9%、中国3.7%、韓国5.5%で、自分の体型に満足しているのは日本26.6%、アメリカ80.8%、中国58.3%、韓国27.4%となった。ダイエットの経験率は、日本男子10.1%、日本女子46.2%、アメリカ男子21.5%、アメリカ女子33.1%、中国男子32.4%、中国女子48.0%、韓国男子35.0%、韓国女子67.1%で、韓国がもっとも高く、5割を超えている。男女別では各国とも女子の経験者が多いようだ。

 朝食を「ほぼ毎日」食べているという者は日本がもっとも多く81.3%、中国が80.1%でそれに次いでいる。一方、アメリカの高校生の朝食不摂取率(「全く食べなかった」+「週に1〜2日」)は、39.5%でもっとも高かった。食べ物の中身をみると、日本の高校生は「野菜」や「新鮮な肉や魚」の摂取率が高く、「果物」の摂取量が少ない。また、ハムや冷凍食品などの加工食品は、日本の高校生がもっとも頻繁に食べている。

 睡眠時間がもっとも短いのは韓国で、2割近くが「5時間未満」となっており、「6時間未満」を合わせると、56.9%に達している。日本も46.4%で韓国に近い。

 喫煙経験者は中国30.0%、アメリカ24.2%、韓国22.2%に対し、日本は7.2%でもっとも少ない。喫煙初体験の時期では、日本と韓国は中2と中3が多く、中国は小学校段階が多い。飲酒経験者は中国で7割を超え、日本・アメリカ・韓国は5割前後となっている。飲酒の初体験の時期では、日本の4割は「小学校」の時で、他の3カ国より低年齢だった。

 生活習慣について、食事の前に「いつも」手を洗う者は、日本26.0%、米国33.6%、中国43.4%、韓国15.5%。トイレの後に「いつも」手を洗う者は日本とアメリカが8割を超え、韓国は6割となっている。帰宅後の手洗いは日本でもっとも励行され、アメリカではあまり実行されていない。

 健康に関して「親が私の健康に関心が強い」は、日本30.8%、米国55.2%、中国60.1%、韓国56.4%となり、「自分の健康に関心が強い」は日本17.7%、米国54.6%、中国35.1%、韓国42.5%。自分の健康状態への親の関心度も自分自身の健康への関心度も、日本がもっとも低いようだ。

 心の状態では日本の高校生は、気分の晴れない鬱的な傾向が他国に比べて強いようだ。「憂鬱」「むなしい感じ」「寂しい」「わけもなく不安だ」の肯定率が、アメリカ・中国・韓国に比較して高い結果になっている。特に「憂鬱」については、日本の高校生の5人に1人以上が、頻繁に「憂鬱」を感じている。また、男子よりも女子のほうが、情緒の不安定さを示す回答が多かった。

 ストレスを感じたことが「よくある」という回答は韓国が最も多く48.5%だった。次いでアメリカ43.2%、日本32.6%、中国15.6%の順となった。ストレスを感じた対象について、日本では、男子が「成績などの勉強」を、女子が「友人関係」をもっとも多く挙げている。アメリカ・中国・韓国では男女とも「成績などの勉強」が1位となっている。

 ストレスへの対処は、日本の場合「寝る」「1人で遊ぶ」「我慢する」といった他者に依らないものの比率が高かった。この傾向は他の3カ国とも共通しているが、飲食や喫煙などではなく「寝る」が最も高い比率であるところに、日本の特徴が出ているといえるようだ。

 「私は価値のある人間だと思う」は日本7.5%、アメリカ57.2%、中国42.2%、韓国20.2%。「自分を肯定的に評価するほう」は日本6.2%、アメリカ41.2%、中国38.0%、韓国18.9%。「私は自分に満足している」は日本3.9%、アメリカ41.6%、中国21.9%、韓国14.9%。「自分が優秀だと思う」は日本4.3%、米国58.3%、中国25.7%、韓国10.3%。アメリカと中国の高校生は自己肯定感(自尊感情)が強く、日本の高校生の自己評価がもっとも低い結果となった(数値は「全くそうだ」の比率)。

 親との関係において日本の高校生は、自分の優秀さを親が評価していることへの肯定率が低い。アメリカ91.3%、中国76.6%、韓国64.4%に対し、日本は32.6%に過ぎない。親が勉強へのアドバイスをすることや生き方を教えることについても相対的に肯定率が低い。

 また、日本の高校生は、教師との関係も相対的に希薄である。優秀さの評価は2割弱、相談しやすさの評価は3割弱と、いずれも4カ国中もっとも低い。友人関係においては、友人と一緒だと気が楽で楽しいと高く評価しているが、「相談できる友達がいる」の肯定率は4カ国でもっとも低い。家族や教師、友人以外の人や組織との関係について見ると、日本の高校生は、信頼できる他人や、助けてくれる団体や組織のどちらも肯定率が4カ国中で最低であったという。

 なお、調査報告書は発行されており、1冊1,100円(送料込、後払い)で購入することができる。

《前田 有香》

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