リセマム6周年

SAPIX小学部に聞く(前編)…強さの秘密と2011年躍進の理由

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サピックス小学部代表の高宮敏郎氏
  • サピックス小学部代表の高宮敏郎氏
  • 執行役員 広報企画部長の広野雅明氏
  • 代ゼミタワーにてインタビューを実施
  • サピックス小学部 永福町校
  • 授業終了後は必要に応じて職員が最寄り駅まで誘導
  • 防災訓練を定期的に実施。避難場所まで実際に歩き避難経路を確認
 有名国立・私立中学への高い合格実績で知られるサピックス小学部(以下、SAPIX)は、単に進学を目標とするだけでなく、一生の財産となる「思考力」「記述力」「表現力」を養成することに主眼を置いている。2011年2月に代表に就任した高宮敏郎氏と、執行役員 広報企画部長で教壇にも立つ広野雅明氏に、SAPIXの強さの秘密を聞いた。

--SAPIXの設立からエリア展開について教えてください。

高宮氏:日本橋の東京校、荻窪の西東京校の2校からスタートし、設立22年目を迎えました。現在は首都圏に42校舎、関西に2校舎の展開で、他の大手塾と比較すると校舎数は少ないのですが、多くの優秀なライバルが1か所に集まって切磋琢磨しながら成長していくことが大事だと考えています。

--カリキュラムにはどういった特徴がありますか?

高宮氏:一つは「復習主義」、もう一つは「スパイラル方式」です。なぜ予習ではなく復習なのかというと、予習のデメリットとして、「1.親御さんや、場合によっては家庭教師に教えてもらうなど、ご家庭の負担が大きくなること」「2.丸暗記型の学習になる可能性があること」「3.間違えて理解すると修正が大変なこと」「4.授業のときに、もう知っていると思い集中できない場合があること」などがあげられます。

広野氏:SAPIXでは、あらかじめ授業で何をやるかを知らされないため、授業に集中しないと理解できません。授業では常に未知の問題に取り組むことになりますが、これは入試も同じ。初見の問題に取り組む習慣をつけるというメリットもあります。

 勉強はやりっぱなしでは意味がないので、復習をして自分のものにしていく。復習の成果を見るものとしてテストがありますが、きちんと復習をすれば、身につき得点できます。

 スパイラル方式とは、同じ単元を何度も繰り返し学習することです。最初にはわからなくても、しつこいくらい繰り返しますので、必ず穴埋めができるようになっているのです。

--子どもたちの安全対策はどうされていますか?

高宮氏:各校舎の入り口に、専門的な研修を受けた警備員を配備し、低学年のクラスや駅から遠い校舎では、最寄り駅まで誘導します。また、防災頭巾をすべての机に配備し、非常用の食糧や救護用品、非常用ライトも十分に常備。防災訓練も実施しています。

--SAPIXの強みは何だとお考えですか?

高宮氏:一つはオリジナルの教材とテストです。今年の入試でも、難関校の入試問題を的中させましたが、学校側がどういう生徒を求めているのかを十分に研究して教材やテストを開発しています。

 もう一つは研修によって優秀な講師を育成していること。どこの校舎でも質の高い指導ができると自負しています。

 さらに特徴をあげるとすれば、SAPIXの講師は「子どもたちのことだけを考える」ことに徹底していることです。講師には、合格率や売上げ、生徒数といった数値目標はいっさいありません。生徒や親御さんの「この学校に入りたい」「入ってほしい」という願いにどう応えるかが最優先課題です。

広野氏:そしてもう一つの強みは、良い生徒に恵まれていることですね。意識が高く、中学受験に対して理解のあるご家庭のお子さんが多いこと。質の高い生徒が集まって競い合えるという環境が、良い結果に結び付いていると思います。

--2011年の合格実績は大変すばらしいものでした。

広野氏:子どもたちが頑張った成果の積み重ねです。全体としての数字も確かに嬉しいのですが、現場で教えている人間としては、自分の目の前の生徒の結果のほうが気になりますね。

--入試直前のサポート体制はいかがですか?

広野氏:入試が近づくと、保護者の精神的なサポートが大切になってきます。6年生になると、保護者会が4回、個別面談が2回あり、1~2か月に1度は講師と直接話しをする機会があります。そのほか、テストの返却時に毎回「学習相談アンケート」を付け、さまざまな疑問に答えるようにしています。電話では聞きにくい質問でも、気軽に質問できる仕組みです。これはすべての学年で行っていますが、やはり6年生の保護者からの質問は多くなります。

 また、試験の前日にはすべてのご家庭に電話をかけます。

 試験当日は、SAPIX生が受験する学校に朝早くから集合して、入り口で受験生を出迎えて応援をします。担当した生徒一人一人の顔が浮かんで、すべての学校に行きたくなりますが、そうはいかないのが辛いところです。かなり早くから並んで場所を確保する場合もありますが、受験当日に私たちにできることはこのくらいしかありませんから。

 後編につづく

《聞き手:田村 麻里子》
《石井栄子》

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