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大学の秋入学、52.1%が「注目」…263大学が回答

教育・受験 受験

東京大学の「秋入学」について
  • 東京大学の「秋入学」について
  • 入学時期について
  • 「秋入学」によるメリット・デメリット(複数回答可)
  • 高卒後、「秋入学」までの過ごし方(複数回答可)
  • 4月入学は国際化を阻害しているか
 高等学校における進学説明会などの教育情報を提供するライセンスアカデミーのシンクタンクである進路情報研究センターは、「秋入学」導入に関する大学への意識調査を実施した結果を公開している。

 同調査は、社会全体で大きな話題となった「東京大学が秋入学の導入を検討」をどう受け止めたのかを明らかにすることを目的に実施。全国の4年制大学576校(東京大学は除く)を対象に、8月3日〜9日にFAXによるアンケート用紙で実施。期間以降、月内に到着したものも集計に加え、有効回答数は263校(回答率45.7%)。

 「東京大学が『秋入学』の導入を検討している」という情報についての関心の程度を聞いたところ、「大いに注目」は7.2%、「多少注目」44.9%、「あまり注目せず」25.9%、「ほとんど気にしない」15.2%という結果だった。「大いに・多少」を合わせた「注目」は52.1%となった。一方、「あまり注目せず・ほとんど気にしない」という回答も、合わせると40%を超えている。

 次に、入学時期と自学における導入の可否について質問したところ、「4月入学と並存」26.6%、「4月入学廃止」16.4%、合わせて肯定派は43.0%となり、「秋入学不要(不要派)」は39.5%であった。

 「肯定派」「不要派」のいずれにも属さない「その他」は10.7%だった。「その他」における自由意見には、「分からない」のほか、「大学院のみ導入」「留学生のみ適用」という「限定導入」の意見も寄せられている。

 「秋入学」のメリットについて、複数回答可で尋ねてみたところ、「留学生増加」49.8%、「帰国子女が入学しやすい」44.9%、「社会人が入学しやすい」16.0%となり、「メリットなし」は10.3%だった。「不要派」であっても、「国際化」促進についてはある程度、効果・効用を認めていることがわかり、「肯定派」であっても、一定数が「メリットなし」と答えている。また、自由意見としては、「浪人生が1年待たなくても済む」「日本人の留学が促される」という内容もみられた。

 デメリットについては、肯定派・不要派で差が開かなかった。全集計で見ると、「ブランクが生じる」46.0%が圧倒的で、以下、「有力大だけ有利」11.8%、「日本の伝統が失われる」4.9%。一部の報道などでは、「桜の時期=入学式」という「伝統」が喪失することを憂える声があったようだが、大学への調査ではそれほど重視されていないことがわかった。なお、「デメリットそのものがない」という回答も8.8%あった。

 自由意見としては、「高等学校との接続の不具合」「国家試験の受験時期と卒業のタイミングの不一致」「就職活動全般への影響」「3年半の修学で卒業認定する大学の出現」など、卒業後に生ずる「ブランク」に関わる内容が多かった。さらに、「春と秋の二種類のカリキュラムを準備するため、小規模校では授業が組めない」「教員負担の増大」など切実な内容もあった。

 3月に高校を卒業し9月に大学に入学した場合、その空白期間は5カ月にも達する。そこで6つの選択肢を示し、その期間の望ましい過ごし方について尋ねたところ「入学へ向けての学習」62.7%、「社会体験」58.2%、「ボランティア」47.9%、「インターンシップ」26.2%、「アルバイト」6.5%、「部活動で後輩指導」4.9%という結果になった。推薦入試やAO入試で合格した入学予定者は、入学するまでの期間、無為に過ごさないよう課題を与える大学が少なからずある。「入学へ向けての学習」が1位だったのは、そうした背景が考えられる。

 大学に「秋入学」した場合、入学時期にもよるが、卒業時期は8月または9月になる可能性が高い。そうした卒業者が就職する場合、入社する4月まで半年近くの「ブランク」が生じる。この期間の望ましい過ごし方については自由記述で回答を得た。キーワードに基づいて集計すると、「ボランティア」15.2%、「インターンシップ」14.1%、「社会体験」12.5%など、高校卒業後の活用に準じた内容が寄せられた。中には、「資格取得」「社会人としての基礎的知識習得」など自己啓発に活用して欲しいという回答もあった。なお、設問は、「過ごし方」を問う内容だったが、企業に対して「秋入社の促進」や「通年採用」を求める要望も挙げられた。

 「4月(春)入学」が国際化阻害にどの程度影響しているかを尋ねたところ、「大いに影響がある」7.6%、「多少影響がある」53.2%、「あまり影響なし」25.9%、「ほとんど関係ない」6.1%となり、影響自体は認めるものの、その大きさは問題視していない大学が多いことが伺える。
《前田 有香》

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