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小中学校教員のデジタル教材への意欲、男女別や経験年数で違い

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校務サーバの教材保存状況
  • 校務サーバの教材保存状況
  • コンテンツサーバの教材保存状況
  • コンテンツサーバに保存している教材の種類
  • コンテンツサーバの教材管理方法
  • 教材の準備に充てる時間
  • 教材研究で利用するもの
  • 教材研究でインターネットを利用する割合
  • インターネットの利用目的
 国立教育政策研究所は3月30日、「小中学校デジタル教材の整備と利用に関する調査」の集計結果をまとめ、ホームページに公開した。

 同調査は、平成22年4月の「学校教育の情報化に関する懇談会」の設置、同8月の教育の情報化ビジョンの骨子作成を受け、小・中学校のデジタル教材の整備と利用状況を把握する目的で実施されたもの。デジタルテレビとコンテンツサーバが整備されている政令指定都市教育委員会を選定し、管轄のすべての小・中学校および教員を対象とする悉皆調査を実施。回答の期限を平成23年2月28日とし、小学校71校、中学校36校の合計107校(回答率98.1%)および、小学校教員1,391人、中学校教員852人の合計2,243人(回答率71.9%)の回答を得た。

 調査報告書は、校務サーバやコンテンツサーバの管理・運用状況、ICT活用の取組などを調べた学校調査と、デジタル機器や教材の利用状況とそれに関する意識を聞いた教員調査の結果をまとめている。

 調査対象校には、校務サーバと各教師のPCが接続された校務系ネットワークと、コンテンツサーバと各教室のデジタルテレビを接続したコンテンツ系ネットワークがそれぞれ設置されている。学校調査では、それぞれの利用方法について、代表者が回答している。

 教材などをサーバに保存する場合、校務用、コンテンツ用ともに、小学校では「学年」で格納場所を設定している例がもっとも多く、中学校では「教科」「学年」「個人」がほぼ同率だった。

 コンテンツサーバに保存している教材の内容については、小・中学校とも動画教材がもっとも多く、次いで小学校では音声、静止画、文字、中学校では静止画、音声、文字の順となった。またサーバの管理状況については、小・中学校とも「係が管理している」という回答がもっとも多かった。

 次に、デジタル教材の利用状況についてたずねた教員調査の結果を見ていく。教材の研究のために充てる時間は一日に30〜60分程度という回答がもっとも多く、デジタル教材に場合は30分程度という回答がもっとも多かった。

 教材研究に利用するものについて、「教科書」「教科書出版社が出している指導書」「市販の教材」「学習指導要領・解説」「教育関係の雑誌」「インターネット」の各項目について、それぞれの頻度を尋ねた設問では、「教科書」の利用頻度がもっとも高く、「ほぼ毎日」と「週1、2回」を合わせて90%以上となった。以下、「教科書出版社が出している指導書」「インターネット」「市販の教材」の順となった。

 またインターネットの利用目的について、その頻度とともに尋ねた設問では、「授業に使う教材をさがす」という回答がもっとも多く、「ほぼ毎日」と「週1、2回」を合わせて60%以上となった。次いで「教材を作るために必要な素材を探す」と「授業内容に関する情報をさがす」がほぼ同程度の頻度となっている。

 インターネットを利用することが多い教科については、男性教員では「社会」「理科」「国語」の順で多くなっており、女性教員では「国語」「社会」「算数」「総合的な学習の時間」の順となった。

 デジタル教材に関しての考えを聞いた設問では、用意された21項目での回答状況から多変量解析により分析している。その結果、高度な授業の要素を実現するためにデジタル教材が利用できると考える「高度な利用意識」、デジタル教材の利用により授業のどの部分が改良できるかを意識した「具体的な利用意識」、デジタル教材を積極的に利用したいという「利用意欲」、一般的なデジタル教材の利点を認識している「標準的な認識」の4つの因子を定義。それぞれについて教師の性別、経験年数別、学校種別による差異を検証している。

 その結果、「具体的な利用意識」と「利用意欲」については男性教員の方が平均値が高く、デジタル教材に対して肯定的であることがわかった。またすべての因子において、小学校教員の方が中学教員よりも平均値が高い。さらに13年以上とそれ未満の経験年数別では、経験年数の浅いグループの方が、すべての因子で平均値が高く、デジタル教材の利用に積極的であることがわかった。
《田崎 恭子》

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