小学校の外国語活動「順調に進んでいる」が9割…英検調べ

 日本英語検定協会は、「小学校の外国語活動に関する現状調査」の結果を取りまとめて公開している。同調査の対象は、公立小学校の「学校長または外国語活動担当教諭」と、教育委員会の「小学校外国語活動担当指導主事」で、昨年9月〜10月に郵送で実施。

教育・受験 その他
平成23年度の外国語活動の年間実施数
  • 平成23年度の外国語活動の年間実施数
  • 外国語活動に関する教員研修の実施状況
 日本英語検定協会は、英語教育研究センターを通じて実施した「小学校の外国語活動に関する現状調査」の結果を取りまとめて公開している。

 同調査の対象は、全国の公立小学校の「学校長または外国語活動担当教諭」と、全国の都道府県および市町村の教育委員会の「小学校外国語活動担当指導主事」で、2011年9月〜10月に郵送による調査票配布で実施。有効回答数は2,027件(公立小学校1,463件、教育委員会564件)。

 小学校の外国語活動の年間実施数を尋ねた質問では、公立小学校の高学年では両学年とも「年間23〜35時間」「36時間〜70時間」合わせて93%の学校が新学習指導要領に基づいた時間数で行っていることがわかる。

 また、「外国語活動実施に際しての環境の整備状況」の質問に対しては、教育委員会と小学校の両者ともに「ALT(アシスタント・ランゲージ・ティーチャー)の小学校訪問頻度」は75%以上が十分であると答え、「教材」「教具」「指導計画・指導案」など授業に必要となる指導材料部分においても、昨年に比べ70ポイントまで数字が上がっている。

 反対に、小学校の約74%が「全く整っていない」と答えたのが、「5・6年生と1~4年生の担当教員の情報交換体制」で、教育委員会の半数はそう感じていないとの回答結果。また、「校内研究会・研修会の実施体制」に関しても、「整っていない」と答えた小学校が昨年の51.4%から60.7%と大幅にポイント数があがっているのに対し、教育委員会では53.2%が「整っている」との結果となっており、現場と教育委員会で、「教員間の情報交換体制」「校内研修実施の実状」に関する認識の違いがある可能性があることが窺える。

 教育委員会を対象とした設問のうち、小学校の外国語活動に関する教員研修については、「実施している・実施する予定である」との回答は6割弱(前年度の66.6%)。一方、「実施していない」は、34.9%(前年度の24.8%)で、約10ポイント増となり、減少傾向が顕著に出る結果となった。

 外国語活動がこれまでの先行実施の期間を経て「高学年における必修化」となり、準備の段階から本番に入ったことを反映している一方、前年度は外国語活動の本格導入直前にあたり、研修が盛んに行われていたが、今年は研修の必要性に対する考えが昨年に比べ弱まっていることも窺える。担当教員が必ずしも昨年までの研修に参加できていないケースもあることをふまえると、今後引き続き研修を望む現場教員の声も増えることも予想されるとしている。

 小学校と教育委員会の両方に対して、「外国語活動必修化導入後、5・6年生での年間35時間の外国語活動がスムーズに進んでいるか」という記述式の設問では、「スムーズに進んでいる・課題はあるが進んでいる」と回答した合計は9割を超えた。行政も現場もおよそ9割が外国語活動導入にそれなりに自信をもっていることが窺え、順調にスタートをしたと言える結果となったとしている。
《前田 有香》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top